アジア、そして世界への扉を叩く戦いへ
2003.03.15(SAT)
2002-2003 AFC CHAMPIONS LEAGUE GROUP-B 3rd ROUND
vs OSOTSPA(THAILAND)
7-0 WIN
at DALIAN PEOPLE'S STADIUM(DALIAN/CHINA)
清水とオソツパが対戦する前に大連実徳対城南一和の試合を見た。スタジアムの観客の90%以上が当然地元大連のサポーターであった。
そしてホームでの観客の後押しもあり、見事逆転勝利で準決勝進出を決めた。やはりホーム強しといったところか。
残念ながら3日前の城南一和との試合に敗れ準決勝への道を絶たれた清水。4年間続いたアジアという舞台はこのオソツパ戦を最後に清水と
は少し遠い存在になってしまう。ただ、「またこの舞台に帰ってくるまで忘れるな」と言わんばかりのパフォーマンスを見せてくれた。
試合開始直後はオソツパの縦パスからカウンターをくらい、フリーにさせてしまう場面もあったが、DF陣の冷静な対応で少しずつペース
をつかむ。そして、ゴールラッシュの口火を切ったのは昨年出場機会に恵まれなく、久しぶりのスタメンに燃えていたであろう高木和道だっ
た。アレックスのコーナーキックを直接頭で叩き込み1―0。その5分後には、この大会サブに甘んじていた澤登が決めてくれた。前半の終わ
りごろには混戦からまたもや高木和道が決めて3−0で前半終了。
後半には決めるべき人が決めてくれた。まずはアレックス。安からのボールを豪快に蹴りこみ4−0。次に続いたのは安。北嶋が右サイド
でフリーになり落ち着いて中央に走りこんでいた安へグラウンダーのパスが通り難無くゲット。5−0。ここで今年トップ昇格を果たした杉
山浩太がピッチへ。その杉山が昨年同様期待に応えるプレーでお返しをしてくれた。攻撃の基点となって、これまた途中出場の久保山がシュ
ート。そのこぼれを再び安が決めて6−0。
そして最後に待ちに待った男のゴールを見る事となる。北嶋秀朗だ。澤登のコーナーキックをバックヘッドでゴールへ流し込み7−0。最
後のこの1点は大きな意味を持っていた。オソツパは初戦を0−6、2戦目を1−7、ともに6点差で大敗している。清水は結果、他の2チーム
より多い7点差をつけて試合を終えた。
この試合の結果だけを見るなら7−0で言う事は無いが、内容を見てみると正直まだ、チームは完成前といった感じに見受けられた。攻撃
も完成度はさほど高くなく、ポストプレーや、パス交換、展開力とまだまだ求めるものがあると思う、守備に関しては、この試合では相手の
力を考えると、参考にはならないかもしれないが、久しぶりの出場の高木和道も無難にこなし、エメルソンも冷静な対応で決定的なチャンス
を作らせなかった。サイドバックの攻撃参加はこれからの鍵を握っていくだろう。
応援に関してはこの3試合我々「超清水」が応援を仕切れらせてもらった。「アジアNo1」になれなかったのは、チームにも問題がある
が我々のサポートにも問題があったと思う。今週にはJリーグが開幕する。このAFCチャンピオンズリーグ敗退を機に「勝たせる応援」を
追求し、チームとともに戦おう。この悔しさに誓った想いを胸に秘めて・・・。「俺らはずーっと信じてる。」
その先に見えるのはアジアそして世界への扉なのだから。
Asia Champion の夢、霧と共に消滅
2003.03.12(WED)
2002-2003 AFC CHAMPIONS LEAGUE GROUP-B 2nd ROUND
vs SEONGNAM ILHWA CHUNMA(KOREA)
1-2 LOSE
at DALIAN PEOPLE'S STADIUM(DALIAN/CHINA)
何としても勝利が必要になったこの日、大連市内は朝から厚い霧に覆われ気温の方もこれまでの5日間の中でもっとも低く寒か
ったように感じた。
選手たちは城南一和の到着よりも25分程遅れた11:50にスタジアム入りした。
その際、初戦のヒーロー・敬介は非常に引き締まった表情で気合いが乗っているようだった。
地元・大連の試合ではないという事と、平日の昼間だという影響からか観客は少なく、1万人弱くらいだっただろうか。
我々エスパルスサポーターは40人くらいで、掛けつけてくれた15人くらいの日本人の留学生と共に、精一杯声を枯らした。
また、公安の人が小旗やメガホンを使って応援してくれたりする場面も見られたように、サンバのエスパルスの応援はかなり周囲
の興味を引いていたようだ。
地元の観客たちは、0−0の時はどちらも支持(応援)していないように見えたが、エスパルスが得点した後は城南のチャンスの度
に声援が出ていたことから、引き分けを望んでいるようだった。
城南一和のサポーターは黄色い服を着た2〜3人を中心として、約20人くらいいた。
試合のほうに話を移すと、スタメンは初戦と同じであった。
その大連実徳戦で足首を捻挫し状態が良くなかった昇平も、前日の練習で話していた通り、無理を押して出場した。
前半は城南のサイド攻撃に手を焼き、沢山のチャンスを作られるも相手のシュートミスに救われる。
エスパルスもサイドを起点にチャンスを作るも決められない。
後半ゲームが動く。
新・韓国代表監督が視察する中、前半から球離れが遅く城南守備陣を突破できなかった安貞桓がトゥットからのボールを受け、
左足を振り抜きゴールへ。
俺らの席からはよく見えなかったが、よく決めてくれた。
得点後は、我々サポーターの気の緩みが選手に移ってしまったのか、城南ペースで試合が進んでしまう。
時折見せる鋭いカウンターから、アレやトゥットが決定的チャンスを迎えるがここで決められなかったのが後に響くこととなった。
不可解なPKで追いつかれた後、残り10分くらいで村松を下げ北嶋を投入し3−4−3にシステムを変える。交代が遅かった
感もあるが絶対に勝ちに行くという監督の思いが表れた交代であった。
しかし、3バックの両サイドを城南に突かれ、金大儀に決められ万事休す。準々決勝リーグ敗退が決まってしまった・・・
3日後の最終戦は、1週間後に始まるJ1開幕に向け、消化試合だと思わずに内容ある試合・積極的な選手起用を期待したい。
朝から立ちこめた霧にアジアチャンピオンへの道を隠され、試合後には消えていた霧に勝利をさらわれてしまったようだ。
孤軍奮闘
2003.03.09(SUN)
2002-2003 AFC CHAMPIONS LEAGUE GROUP-B 1st ROUND
vs DALIAN SHIDE(CHINA)
0-0 DRAW
at DALIAN PEOPLE'S STADIUM(DALIAN/CHINA)
慣れない異国の地、低い気温、硬いピッチ、悪条件が重なる中で最悪の結果になることなく90分を終えることができたのは最終ラインでの
孤軍奮闘した2人の男のおかげであることは間違い無い。
なんといっても羽田抜きではこの試合はありえない。とにかく抜群の活躍であった。前半から不安定な左サイドを何度も切り崩されて次々
に訪れるピンチに勇気を持って飛び出し、相手のシュートコースを体を張って消し、掻き出し文字通りの守護神であった。彼のファインセー
ブで少なくとも4点は防ぎ、それと引き換えに地元大連のサポーターに怒りと失望を与えた功績は本当に大きかったのではないか。プレシーズ
ンマッチでは起用されず、苦しい立場であったがこの大事な舞台で自らの能力を最大限引き出してくれた。
次にエメルソン。前半に一度だけ相手の赧海東にチャンスを与えてしまったがそれ以外は90分間ほぼ完璧に彼を封じ込めることができた。
相手FWの厳しいプレスに対しても安定した足元のプレーで不安定だった最終ラインでただ一人抜群の安定感を見せていた。また動かない味方
にも必死に激を飛ばしチーム全体を盛り上げようとした姿勢にも心強いものを感じた。
もちろん、GKやDFの個人の頑張りが目立ってしまうような試合はいい試合とは言えない。実際に彼ら以外の守備陣の出来があまりにも悪す
ぎた。相手のスルーパス、ロングフィードに対して全て一歩目が遅れ判断も悪くボールウオッチャーとなってしまった村松、昇平にはこの試
合を十分に反省して欲しい。コンディションが悪くとも集中力まで無くしてしまうのは言い訳にはならない。中盤の守備もそうだ、鶴見は持
ち味を生かそうと積極的に前に絡もうとしたが中途半端なパスミスで一気にカウンターを食らう場面があるなど、判断の悪いプレーが目立っ
た。積極的にいくのとアイディアが無く無謀なプレーをするのは当然違うはず、チームのバランスを考えながらのプレーをして欲しい。
そしてこんな試合になってしまった最大の要因は間違い無く攻撃陣であろう。一人一人のプレーの判断スピードが遅く、連携が悪いという
よりは各々が勝手に相手を理解しないで出すパスばかりでお互いを理解しようとする姿勢があったのかも疑問だ。前線に張るべき選手が誰も
いない状況でやみくもにボールをキープし、相手に囲まれているシーンばかり見させられてはたまらない。しかも、アレックスのクロスボー
ルに康平がスライディングシュートで合わせたもののGKの真正面という惜しい場面こそあったがチャンスはこれ一度きり。チーム全体のシュ
ートへの意識も相変わらず低すぎる。シュートへの高い意識を皆が常に持って欲しい。最大の疑問はプレシーズンマッチで途中出場ながら結
果を出した男がついに起用されること無く終えた事だ。前線でボールが収まらない状況を打破できる唯一の男、北嶋の投入無しで試合を終え
てしまったことに非常に悔いが残る。
敬介と北嶋。控えの立場だった者2名は与えられたチャンスに結果を出したのだ、彼らを評価し、さらなるチャンスを与えて賭けてみて欲し
い!逆境をバネに這い上がるものに再び幸福の女神は訪れるもの。以前に前の監督にも述べたが、ここは育成の場では無く、日本の代表とし
てアジアの舞台でプライドを賭けて闘う場なのだ。その為に最後の最後まで最善の策を尽くすことを祈る。
さて、今回は大連に約50名程のサポーターが来たのだが、少ない上に見づらい場所、約30,000人の大連サポーターのブーイングを受ける状
況でまとまっての応援はできたのではないか。ただし、声はまだまだ出せるはず。アジアに、日本に、清水エスパルスあり!という熱い気持
ちを持ってサポーターも闘って欲しい。残り2戦にDO YOUR BEST!
ユースの星。
2002.11.27(WED)
2002-2003 AFC CHAMPIONS LEAGUE EAST-ASIA ZONE QUALIFY 3rd ROUND 2nd LEG
vs SOUTH CHINA(HONGKONG)
3-1 WIN
at NIHONDAIRA STADIUM(SHIMIZU)
内容も結果も物足りない中でユースの星たちだけがキラリと輝いた。そんな試合だった。
試合開始早々ボランチでスタメン出場の浩太から左サイドを上がる純平に絶妙のスルーパス、純平からゴール中央に走る
バロンにピンポイントのセンタリング、バロンがヘッド、これがゴールの枠を外れるが、この一連の流れにのった攻撃がい
きなり見られて期待を持たせた。ところが前半の清水は良かった攻撃はこれぐらい。第1戦の5点のビハインドにもかかわら
ずサウスチャイナに攻める意思はあまり見られず、アレックスには2人、3人がかりのマーク、ゴール前にはDFを並べて守備
ばかり。そのサウスチャイナ相手に清水はサイドで太田圭輔が絶妙なドリブルにトラップひとつで相手を置き去りにするプ
レーなどでチャンスを作るもののセンタリングが合わない。また、中央突破を図っても普段とは違うメンバーだからか連携
が悪い上にスピードもなく、決定的なチャンスに至らない。全体的に運動量も少なく、各選手が持ち場を淡々とこなしてい
る印象でこのまま前半を終了する。
寒い内容の試合だったが、後半開始早々キラリと光るプレーから試合が動く。47分、浩太が中盤で相手のボールを奪って
からのカウンター、中央やや左からアレックスとバロンがワンツーを通し、再び受けたアレックスがファアサイドに走る浩
太にクロスボール、浩太はトラップで相手DFをかわすとGKとの1対1からシュート、ゴール左隅に決まり先制。一瞬の判断で
すぐさまゴール前まで飛び出しゴールを決めるなど得点への高い意欲が伺えた。さらに、51分には左サイドCK、キッカーの
康平からゴール中央で全くのフリーの俊秀にピンポイントのセンタリング、これに俊秀はヘッドで合わせるだけで2点目。
このあたりで勝負あり。しかし、流れの中で相手を崩す工夫のある攻撃が見られず。チャンスはセットプレーばかり、78
分にはまた左からのCKに昇平がスライディングシュートで3点目をとったものの、ロスタイムには逆にセットプレーから相手
にフリーでシュートを決められてしまう始末。後味の悪さが残ったまま試合終了。
この日のMVPはやはり浩太だろう。試合最初のスルーパス、先制点に繋がるプレスからゴールへの意識、何より何試合かト
ップの試合を経験し、全く物怖じしない堂々としたプレー。実に頼もしい若武者が出てきてくれた。ユースの先輩、太田圭
輔も相手との1対1では格の違いを見せてくれた。センタリングの精度にはまだまだ課題を残しているが、相手に自ら勝負を
仕掛けていくその姿勢を買いたい。
全体的には攻撃面ではもう少し流れの中での得点があって欲しかった。力的には有利なのだからもっと前に積極的に上が
る姿勢を各選手が持って欲しいと思った。守備面では唯一の失点が悔やまれる。相手の得点できるパターンはあれぐらいし
か無かっただけにその場面で集中を切らしてフリーで決められた。もっと上のアジアの強豪との試合ではこれが命取りに繋
がりかねない。心して欲しい。
これでやっとチャンピオンズリーグの本戦出場だ。ここからが本当の勝負、アジアの頂点目指して熱く戦え。
ナイスゲーム。
2002.11.12(TUE)
2002-2003 AFC CHAMPIONS LEAGUE EAST-ASIA ZONE QUALIFY 3rd ROUND 1st LEG
vs SOUTH CHINA(HONGKONG)
5-0 WIN
at HONGKONG STADIUM(HONGKONG)
5点も取ったからナイスゲームという訳ではない。前を向いて、闘い抜く姿勢を90分通じて我々に見せてくれた選手達に敬意を表してナイスゲームと
言わせてもらいたい。
この日の清水はペツェル、昇平、後ろに克己を配置しての3バック、両ウイングバックにイチと村松を起用しての久々の3-5-2システムを敷く。試合
は序盤から一方的な清水のペース、吉田とテルが豊富な運動量でボール拾いまくり素早くスペースを狙いパスを出す。そこへ前線の横山、バロンとト
ップ下に起用された康平が抜け出して何度もチャンスを作る。そして21分、左サイドからのセンタリングに相手DFがクリアミス、そのクリアミスを拾
ったテルがDFラインの裏へと走る横山にスルーパス、抜け出した横山が左45度からシュート、これがゴール右隅のポストに当たり入った。常に裏を狙
って動き回っていた横山の努力が実ったゴールと言える。
この後も清水ペース、とにかくペツェルが相手FWにことごとく競り勝ち、跳ね返しつづけるうえに、ルーズボールに対して吉田とテルの寄せが早い。
これも横山とバロンの2トップの前線での献身的なプレスが後ろの負担を減らしていることによる効果と言える。この2トップに絡むトップ下の康平も
最近になくドリブルも多用し、積極的に前へも飛び出すなど積極性が感じられた。それでも終始有利に進めながら点が入らない嫌な雰囲気になりつつ
あったが、前半ロスタイムに貴重な追加点を挙げる。右サイドからのCK、康平のセンタリングにファアサイドでフリーで待ち構えるペツェルが強烈な
ヘディングシュートを決めて2点目。この直後に前半終了の笛が鳴っただけに、大きな大きな追加点だった。
2点を奪い余裕が出てきた清水は後半開始と共に怒涛の攻撃を見せる。相手のクリアボールを拾い、ほとんどサウスチャイナ陣内で試合を進める。
49分には康平のパスから横山が強烈なシュート、これがバーに当たって跳ね返ったところをバロンがマークについていた相手DFを弾き飛ばしてヘッドで
押し込み3点目。さらにその興奮覚めやらない中、51分には右サイドから抜け出したテルがゴール前まで持ちこみマイナスの折り返し、ここに横山が右
足ダイレクトでシュート、これをGK弾くもこぼれたところにいたバロンが押し込んで4点目。余裕の出た清水は献身的な動きでチームを支えた吉田を下
げてユースの杉山浩太を投入。
それでもまだまだゴールラッシュは続く。63分、右サイドCKから康平がニアサイドにいる横山に低めのクロスボール、これを横山がバックヘッドで
後ろに流し、ファアサイドに待ち構えるバロンがダイビングヘッド、相手DFをまたも弾き飛ばしたド迫力のヘディングシュートがゴールに突き刺さり
5点、目。バロンは何と14分間でハットトリックを達成。その後、試合中に何度か削られていた横山を下げて太田圭輔を投入。太田圭輔は疲れている相
手選手に追い討ちをかけるように積極的なドリブルでサイドを切り崩し、守備も対人プレーに抜群の強さを発揮したペツェル、豊富に動くテルなどが
相手に反撃の機会を全く与えずに試合終了。次のラウンド進出に限りなく近づいた。
慣れない気候、長旅の疲れ、昨年の香港での雰囲気に呑み込まれた敗戦など、いろいろなネガティブな要因が考えられたこの試合、本当に選手達は
良くやってくれた。高い位置からプレスをかけ続ける積極的な守備の意識、攻撃時におけるスペースに飛び込む意識の両方とも最近見られなかった積
極性が見られて事が何よりも良かった。
MVPは文句無くバロンだろう。得点シーンはもちろん、局面での相手との競り合いにことごとく勝ち、前線でキープすることができ、チーム全体もか
なり落ち着いて試合を進めることが出来る最大の要因となった。ここ最近の好調を維持しており、実際彼が清水のFWで一番コンディションがいいこと
が歴然。リーグ戦でも是非とも彼のプレーが見たい。
同じく前線で起用された横山も数少ない出場のチャンスを見事結果に結びつけた。とにかく、相手の裏を常に狙い続けた。その結果があの先制点に
繋がったと思うし、その先制点も難しいコースに良く決めた。それだけでなく、前線からの献身的な守備も目立った。同じく久々にトップ下でスタメ
ンからプレーした康平もセットプレーから精度の高いボールを送り、また本来のドリブルで相手に勝負を挑む場面も見られるなどイキイキとプレーし
ていた。中盤でいろいろなポジションで起用され、器用貧乏となりつつあったが、本来はこのポジションがあっているのだろう。また、テルは1点目に
繋がる見事なスルーパスなど、久々に前への意識を持ったプレーを見せてくれた。
守備の面ではとにかくペツェルにつきる。ガツガツ当たってくる選手が多いアジアの国際大会になると、こういうタイプの選手が非常に効いてくる
ものだ。高さ、強さ双方とも相手より遥かに勝り、見ていて非常に頼もしかった。また裏をしっかりとカバーした克己、中盤で豊富な運動量で動きま
くり相手の攻撃の芽を摘んでいた吉田と最近は試合出場機会に恵まれていないベテラン達もしっかりとアピールできたのではないか。
アレックス、安貞桓、戸田、ノボリ、俊秀と主力を欠いた中でのこの素晴らしい結果は日頃控えだったメンバーには自信を、遠征に帯同しなかった
メンバーには危機感を与えたと思う。チーム内でのポジションを巡る熾烈な争いにも今後は期待したい。そういう切磋琢磨こそがチームをより一段高
いレベルに押し上げてくれるだろう。
最後にこの試合の応援は人数の少なさをモノともしない熱い応援が出来たのではないかと思う。また、試合が進むに連れて清水のサポーターだけで
なく、現地在住の日本人、香港人、はてはイングランド人までもが我々のいるゴール裏に集まり盛大な応援となっていった。メインスタンドとバック
スタンドの客席には清水の小旗がたくさん配られており、清水のユニフォームを着たお客もちらほら見え、とてもアウェーとは思えない雰囲気だった。
1999-2000シーズンのアジア・カップ・ウイナーズ・カップから始まった約4年間のアジアへの清水の挑戦の積み重ねが着実に実を結んできている証明
だと思う。これからもチーム、選手、サポーターがアジアで闘っているという誇りを胸にどんな試合にも挑んでいかなくてはならないと思う。
本当のアウェーという壁
2002.10.23(WED)
2002-2003 AFC CHAMPIONS LEAGUE EAST-ASIA ZONE QUALIFY 2nd ROUND 2nd LEG
vs NEW RADIANT(MALDIVES)
0-0 DARW
at MALE NATIONAL STADIUM(MALE/MALDIVES)
試合開始早々相手のパスミスからチャンスを得て、横山がシュートを放つも枠の外。だが、早い時間帯のシュートに大勝の予感がしたが、それもすぐ
になんとか1点取ってくれ!という願いに変わってしまった。
試合開始直後から、相手は1stレグで7点取った相手ともあってサテライト中心で望んだ今回のメンバーでもキープ率は高く、有利に試合を進めて
いた。にもかかわらず、なかなか効果的なシュートが無い。相手はゴール前をガチガチに守っており、ペナルティーエリアにもなかなか侵入できない。
それでも康平を起点に村松や杉山がクロスを上げたり、サイドバックの高木純平や津田が相手DFの裏をつく動きを見せるもパスの精度があまり高く
なく、決定的なチャンスがほとんどないまま前半終了。
後半開始後も前半と同様相手はゴール前にへばりついていて、キープ率は高いもののシュートがなかなか打てない。変わらぬ攻めのテンポと、長時間
の移動と日本の真夏のような暑さからくる疲労が見えてきたところに、杉山に代えて太田を投入。少し中よりのポジションだったせいか、太田のスピー
ドを生かした攻撃はあまりせず、キープやパスが多かった。
これでは選手交代した意味があまり見えない。このころから攻め疲れや中途半端なプレー、局面での判断力の遅さもあり、カウンターをくらう事も多
くなってきたが、さほどするどいカウンターではない為、怖さはなかった。
カウンター対策なのかはわからないが、ここで康平に代えて鈴木隼人を投入。どうも守りに入っているようにも思えた。この交代後、村松が足をつっ
て一時外で治療をするアクシデントも10人で十分守れる、そんな状況だった。
ただ、やはり相当ハードスケジュールによる疲れが選手全員に見えていた。効果的なドリブルが全くない。攻めのテンポがほとんど同じ。これではい
くらやっても相手は守りやすかったに違いない。
そんな状況でDFの高木和道を最前線で投入。サテライトリーグで何回か試していたのは知っていたが、完全にパワープレーで最低でも1点取る、と
いう意気込みが感じられ、津田や古賀のオーバーラップから少しずつチャンスが増えたが、太田の、横山のシュートもキーパーの正面で試合終了。
相手は日本での試合で7点も取られている為、この日の引き分けで大喜びする選手もいた。一方エスパルスの選手は、自分のあまりのふがいの無さに
涙の出る選手もいた。アウェーとしては勝ちに等しいと言われる引き分け。ただ、これだけ力の差があったにもかかわらず1点も取れない引き分け。相
手がガチガチに守られている状況を打開できない、相手に合わせたサッカー、昔からの悪いクセはなかなかなおらないものだな、と強く感じた。
戦術としても、FWにけが人がいたり今回の遠征メンバーにFWのハイボールに強い選手(バロン等)がいなかったとはいえ、DFの高木和道を前線
に張らすことしかできない、戦術としての限界を感じずにはいられなかった。そしてこの試合はサテライト中心で選手達のアピールの場となるハズの試
合に監督が同行していない。このモチベーションも少なからず影響があったのではないだろうか。
土曜日にリーグ戦を行い月曜日に日本を発ち、約12時間のフライト、1日しかない調整日、そして真夏のような暑さ、多少の時差ボケ、疲れはピー
クだった上に相手の完全な守り。悪条件が揃っているが、アジアをそして世界を目指すエスパルスにはそれをも乗り越えなければいけない壁ではないの
であろうか。
AFCチャンピオンズリーグ3回戦、次の相手はサウスチャイナ(香港)。まだまだ過密日程は続くが、アウェーの試合でも、日本にエスパルスあり!
と見せつけて欲しいものだ。
遅き始動もまず一歩。
2002.10.09(WED)
2002-2003 AFC CHAMPIONS LEAGUE EAST-ASIA ZONE QUALIFY 2nd ROUND 1st LEG
vs NEW RADIANT(Maldives)
7-0 WIN
at NIHONDAIRA STADIUM(SHIMIZU)
確かによく7点取ったし、無事なスタートを切れて良かったと思う。しかし、前半の出来はいったい何だ?ただ45分間を無駄に過ごしてしまって非
常に残念でならない。
前半から圧倒的にボールを支配しても、完全に引いたモルディブのNEW RADIANTに対して、2トップの安貞桓とバロンは2人でワンツーパスの多用と
中央突破、スルーパスで崩そうとする狙いは見せたもののそのパスが雑であり、またお互いの意思が合わずにチャンスを潰す。確かに狙いはいいと
思うのだが、その2人だけに任せて他の選手はスペースへ走る動きが少な過ぎた。とにかくどんな相手だろうが自分達が怠けていたら絶対に点は取れ
ない。手を抜いてなくてもそう思われてもしょうがないの動きの悪さだったのではないか。またサイドからのクロスボールもいい加減。それならば
とミドルシュートを打つものの安貞桓以外はみんなゴールの枠を大きく外れる。安貞桓のヘディングシュートが決まったのみで、それ以外は何も収
穫がなかった前半だった。
後半に入ってやっと選手全員が動き出し、いきなり純平と村松がサイドで華麗なパス交換を見せたり、バロンの胸トラップからの鮮やかなボレー
シュートが決まるなど早い時間から続々と点を取る。前半とは全く別のチームのようなプレーを見せる。アレックス、安貞桓、康平が数的不利にも
果敢にドリブルで切り込んでチャンスを作り、終わってみれば後半だけで6得点。最後には塩沢、津田、ユースの杉山浩太までも登場して7-0で試合
終了。
ただし、本当に前半の時間が無駄だった。テーマを持って攻撃を組み立てるのは伝わってきたし、それはそれでいいのだが、その攻撃に周りの選
手が絡む連動性が無くては何の意味も持たないのではないか。相手が人数をかけて守るのであれば、もっと動いて相手のマークをずらす、個人技で
打開する、遠目からシュートを打つ、いろいろ工夫できることがあるのに何もしないし、言われたことしかやっていない印象を受けた。あと、肝心
のシュートもいったいシュート練習を普段からしているのかと疑いたくなるような内容、とてもプロチームの選手達が打つようなシュートではない。
きっちり枠を捉えたシュートを打っていたのは安貞桓のみ、あとのほとんどのシュートは大きく上に外れていた。もっと抑えて正確にかつ強烈なシ
ュートを見てみたい。
それでも、懸念されたアレックスと安貞桓のコンビネーションは、相変わらずアレックスが持ち過ぎの場面もあったが、お互いチャンスメーカー
として相手の得点をアシストするなど非常に連携が取れていたと思う。時間がかかる問題だが、少しずつ噛み合ってきていると思う。この2人が噛み
合えばもっと凄い攻撃が見れるし、ぜひ見たい。
守備の方は今日の相手では何とも評価は出来ないだろう。ただし、序盤攻め込まれたシーンなどで相手へのファーストチェックが遅いし、甘かっ
た点だけは反省して欲しい。
この日のMVPはやはり安貞桓。前半から一人気を吐くプレーを見せていた。2得点ともゴール前での落ち着いたシュートだったと思う。落ち着きす
ぎてチャンスを逃したシーンもあったが、状況判断の良さを見せてくれたのではないか。また、アレックスへのアシストとなったサイドライン際か
らの巧みな切り返しからドリブル突破など今まであまり見られなかったプレーを見せてくれた。まだまだ本調子では無いからこそ、これからに是非
期待したい。
とりあえずアジアチャンピオンに向けての最初の一歩を無事に踏み出せた。3年前のあのチェンマイでの喜びを是非また味わいたい!
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