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痛すぎる代償。

2002.09.28(SAT)
J-LEAGUE DIVISION-1 2nd STAGE 6th ROUND
vs URAWA RED DIAMONDS
1-2v LOSE
at SAITAMA STADIUM 2002(SAITAMA)

 ラフプレーに対する代償は結果だけでなく、今後に大きな影響を与えてしまった。

 試合は前半から浦和に圧倒的に押される。トレスボランチはいつものように下がり過ぎ、両サイドは何度も裏を突かれる。中央の守備もこの日はアジア大会に 召集された昇平を欠き、代わりに久々登場のペツェルと俊秀、GK真田の連携が悪い。相手のスピードに乗った攻撃に対して全体的にラフプレーが目立つ。主審の 判定が厳しすぎた面もあるかもしれないが、これが後々響くことになる。一方の攻撃の方は単発でサイドからチャンスを作る程度。右サイドからイチのセンタリ ングは相変わらず不正確、左からはサイドバックの純平がなかなか上がれずにチャンスらしいチャンスを作れない。しかも、42分には吉田が負傷交替、入った古 賀が左に、純平がボランチにポジションチェンジする緊急事態。前半は相手のシュートミスに助けられたもののいいところ無く終わった。
 後半に入って嫌な流れを変えたのはやはりあの男の投入からだった。56分、ノボリに替わって安貞桓登場。入って最初のプレー、いきなり自陣でボールを持つ と右サイドをフリーランニングする康平に絶妙のロングフィード、康平の折り返しにアレックスが詰めるもシュートは枠の外へ。しかし、このプレーから清水の 前線は活性化する。安貞桓、康平、アレックス、時にはボランチに入った純平、更にはイチまでも絡んだ攻撃が続く。
 それが実ったのが73分、戸田のスルーパスに反応した康平が右サイドからアレックスへ折り返し、アレックスが相手DFを背に受けながら後ろにいる安貞桓に戻 すと見せかけて振り向きざまのスルーパス、これに反応して裏に飛び出した純平がGKの股下を抜くシュートを決めて先制。久々の先制点を挙げる。
 しかしまたも怪我人発生、81分、テルが足を負傷しバロンと交替。一方の浦和はトゥット投入でスピードアップ、この攻撃に前半から後手に回っていた守備が 破綻する。82分、俊秀が浦和FWエメルソンに抜かれそうなところを倒してしまい、この日2枚目の警告で退場。その直後のFK、集中の続かない状態でセットプレー からGK真田が一度は弾くもこぼれ球を繋がれて浦和MF石井にボレーを決められて同点、清水は戸田をCBに廻し、純平と康平でボランチを組ませる緊急事態、この まま延長戦へ。
 その延長戦、足が止まり数的不利の清水に勝機はもう無かった。97分、浦和MF山田のドリブル突破に清水のマークが集中したところにフリーの浦和FWトゥット にボールが廻り、トゥットがPKエリア外からミドルシュート、これを決められて試合終了。

 とにかく、あまりにもラフプレーが多過ぎた。選手達の気持ちが出ていた結果がそうなってしまったと思いたいが、選手個人だけで守っている印象が強い。相 手の速攻に対してサイドとはいえ、簡単にスライディングをしてしまい、かわされたり、相手を倒してカードを貰ってしまったり厳しいことを言うようだが自滅 負けだ。相手の速攻に対しては厳しいマークをすることで遅らせることは出来るはず、周りの選手との連携というものが攻撃だけでなく守備にも無くなってきて いるように思える。心はホットに、頭はクールに。これが重要だと思う。ただし、何も喋らず、プレーにおいても寡黙なキャプテンはいらないよ。今こそ、熱い 男戸田にこそキャプテンを務めてもらいチームのムードを変えて欲しい。試合中に味方を激しく叱咤していたのは彼だけでした。

 攻撃に関しては仙台戦同様、得点に繋がったシーンは見事な流れからだったが、それも安貞桓の投入以降。特に前半は酷すぎた。もちろんイチの目を覆うよう な不調にも原因はあるが、ボランチ3人が誰一人サイドの攻撃のフォローに廻っていないから単発な攻撃の繰り返しになっているのではないか?前節やむを得ずト レスボランチを敷いた相手仙台はその3人が積極的にサイドにも前線にも飛び出して清水を翻弄していた。それが清水には出来ていない。今節の浦和もボランチが 積極的に上がり遠目からでもシュートを打っていた。それすらも清水には出来ていない。シュート数が少なすぎると思う。
 久々登場のペツェルに関しては何度か連携のミスもあったが、エメルソン相手にも良く弾き返していたし、体を張ったプレーが目立っていたし、そこそこの出 来だったと思う。また、J初ゴールの純平に関しては前半のあのポジションでは突破力を期待してもちょっと酷だろう。そういう意味では練習でやっていたとはい え、緊急事態でのボランチでのプレーを見るとあのポジションの方が活きるのではないのかと思う。個人的とにかく彼に期待するのは積極的な突破なんだから、 もっと高い位置、ウイングぐらいでのプレーを見たい。
 安貞桓についてはまだまだ評価は難しいところ。確かに入った直後にみせたあのロングフィード、相手のマークに対する体の使い方など実にうまいし、その実 力の片鱗を見せてくれたが、スタミナ面でまだまだ不安がありそうだ。実際、試合の終盤には足が止まってしまっていた。ただし、試合後の悔しそうなあの表情 を見る限り、熱い気持ちでチームを変えてくれる事を期待したいし、変えてくれなくては困る。

 まあ、これで1勝5敗。シーズン前に優勝すると宣言したチームが1stステージ7位で2ndステージは4連敗ですよ。責任はまだ誰も取っていませんよね。これだけ 悪い成績で責任取らない監督と雇用しているフロントの方はそれなりに何か考えているんですか?何も形になって表れていませんよ。現実逃避しないで下さいね。 ちなみに今季のJ1残留は全然決まったわけではありません。



出口の見えないトンネル。

2002.09.21(SAT)
J-LEAGUE DIVISION-1 2nd STAGE 5th ROUND
vs VEGALTA SENDAI
1-3 LOSE
at SENDAI STADIUM(SENDAI)

 出口の見えない長いトンネルの中入ってしまった。この出口の先に見えるものは果たして何なのか?

 試合は序盤からトレスボランチがDFラインに吸収される悪い癖を露呈。34分には相手右サイドで俊秀が仙台FWマルコス、MF安藤のプレスを受けて、 安藤にボールを奪われ、そのままゴール前まで持ち込まれてグラウンダーの折り返しにゴール中央全くのフリーで走り込むMFシルビーニョに押し込ま れて失点。攻撃の方は単調なセンタリングの繰り返しを相手DFに跳ね返されて前半を終了する。後半に入って、両サイドから初スタメンの純平やイチ を使ってチャンスを作るものの肝心のシュートが枠を外れる。65分には左CKからニアサイドに飛び込む仙台DF小村にフリーでヘディングシュートを決 められて2点のビハインドを背負う。相手の得意のセットプレートはいえ、一番危険な選手のマークを誰もしていないという信じられないミスだった。
 その直後にバロンを投入し、72分にはボールを奪って素早く左サイドのアレックスへ、アレックスがニアサイドにクロスボールを送り、そこへ相手 DFと競り合いながら走り込む康平がダイレクトで合わせたボールが相手DFに当たってコースが変わりゴール、1点差となる。しかしその後のチャンスも 戸田のシュートが相手GKのファインセーブに遭うなど決められない。
 そして、後半ロスタイムには簡単に中盤でボールを奪われてDFラインの裏へ飛び出す仙台FW山下へのスルーパスを簡単に許して、山下にGK真田との 1対1を落ち着いて決められて3失点。このまま試合終了。

 本当に泥沼状態。選手達も自身を失ったようなプレーが目立つ。攻撃の面ではこの日スタメンにはバロンがいないのに、両サイドからのクロスボー ルやDFからのフィードはバロンがいるかのような単調な繰り返し。康平、アレックスをスペースへ飛び出させそこを狙うようなプレーがあまりにも無 かった。自分達で工夫すると言う事もしない。この日の1点返した攻撃は非常にスピーディーでいい攻撃だったと思うし、こういうスピード感あるプレ ーをもっと見たい。
 守備の方はもっと深刻のように思える。あまりにも簡単に裏を取られ過ぎ。毎試合のように同じように最終ラインを突破されてGKと1対1の状況が繰 り返されている。また、セットプレーでもあの場面で何故誰も相手のマークをしていないんだ?集中力が全く無いと言われてもしょうがない。これで 今年公式戦全試合出場の昇平が次節からアジア大会日本代表として抜けてしまう。昇平にはアジア大会での検討を祈るが、チームとしては痛い。しか し、残ったメンバーはレギュラー奪取のチャンスでもあり、是非とも奮起を期待したい。
 最後に監督、毎度同じような事を言わせてもらうが、選手交替が後手後手。しかもこの日は交替はバロンのみ。まだベンチにはFW久保山もいた。交 替選手で流れが変わるかどうか分からないが、何故最後の最後まで諦めずに手を尽くさないのか?1点ビハインドの後半に入っても一向に良くならない 攻撃を見て、果たして何か具体的な指示を出しているのか?もう言い訳は許されない状況でのこの成績に何を思うのか?また、新たな言い訳でも探す のですか?もう充分です。これ以上チームに迷惑をかけないようにあなた自身で最後の決断をして下さい。もちろん、彼の責任すら問えないフロント にも今からでも遅くはないのです。決断を望みます。

 応援についてだが、遠く仙台まで来たサポーターのこの日の応援はダービーよりも熱く応援できていたと個人的には思う。だが、あの仙台スタジア ムでの仙台の応援に対して、清水はまだまだ熱さが足りない事を自覚して欲しい。悔しい事だが、あれこそがホームゲームなんだと思う。

 次節はいよいよ安貞桓が登場する。出口の見えないトンネルは更に続くのか?それとも彼が光を照らしてくれるのか?彼の熱く闘う気持ちに期待したい。



ダービーマッチ?

2002.09.18(WED)
J-LEAGUE DIVISION-1 2nd STAGE 4th ROUND
vs JUBILO IWATA
0-2 LOSE
at NIHONDAIRA STADIUM(SHIMIZU)

 本当にこれがダービーマッチと言えるのかい?

 今までどんなにチームの順位が悪くても、このダービーマッチだけは別物。そう思ってきたし、選手達も少なくとも他のどの試合よりも気持ちを 出して闘っていたと思ったが、何だこの試合は。2点を追いかけなくてはいけない残り30分あまりでシュートはゼロ。逆に相手が逃した決定機は数知 れず。屈辱的な試合だった。

 たしかに前半動きは良かったように見えるが、あれは磐田が荒れた芝生を考慮しないでプレーしてミスを続けただけ、結局受け身で守っているだ けにしか見えなかった。最初の失点なんて前半終了間際に中盤でルーズボールを戸田が取りに行き、そこで取れず全くのフリーになった磐田DF鈴木 秀人に余裕をもってあげられたフィードから失点に繋がった。中盤の3人が下がって前線との間を空けてしまう悪癖をまた繰り返し、危険な地帯で誰 もボールに向かおうともしない。ゴール前の混戦でも誰もボールに向かわない。虎視耽々と狙うFW中山に決められて当然だった。
 後半も受け身のまま、後半チーム唯一放ったテルのシュートがゴールの枠を大きく外した直後のゴールキックから磐田FW高原のバックヘッド、裏 に走るFW中山にまたまた決められて意気消沈。名古屋戦でも同じような形で失点を食らったのに何にも活かされていない。その後は意味不明のパス 回しとミスパスのオンパレード、2点取って落ち着いた磐田に翻弄され続けて、よく2失点で収まったという感じ。

 この試合の何処にダービーマッチの重みを感じられたか?監督の采配以前の問題に選手の覇気の無さ、無気力さを感じ取ってしまった。2点失った 後の攻撃の何処に必死さがあったのか?点を取り返さないといけない時に何故ルーズボールを必死に追わない。何故積極的にシュートを放とうとし ない。何故前を向かない。何故気持ちを見せたプレーをしない。

 前節G大阪戦の終盤に見せた執念を信じて、ダービーマッチに期待していただけに悔しくてたまらない。こんな言葉は吐きたく無いが、勝とうが負 けようが何か俺達に気持ちが伝わるようなプレーをしてくれ。フロント、監督、選手、チーム全体が危機感を持ってくれ。俺達はこのチームを信じ てついていくしかないのだから。



執念実らず

2002.09.14(SAT)
J-LEAGUE DIVISION-1 2nd STAGE 3rd ROUND
vs GAMBA OSAKA
1-2v LOSE
at EXPO'70 MEMORIAL STADIUM(SUITA)

 前回の対戦同様、たった一人の男に試合を決められてしまった。

 試合は序盤、右サイドからイチが何度かチャンスを作るも不正確なクロスボールで潰す。その後はいつものように相手に中盤を 制圧される。14分には、G大阪右サイドMF森岡からのアーリークロス、ゴール中央のFWマグロンにヘッドで落とされ、そこに詰めた MF二川がGK真田との1対1を落ち着いて決められ先制を許す。この失点の場面、あまりにもマグロンを意識しすぎて俊秀、昇平2人揃 ってマグロンと競ってしまい、フリーで上がってきた相手の動きに誰も気付かないマーキングミス。
 このあとも相手のサイドの裏からマグロンを狙ってくる攻撃に手を焼く。マグロンを意識しすぎるあまり、飛び出してくる相手 の動きにマークがついていけない。圧倒的な相手の攻撃の前にGK真田が必死に守り、時には康平がゴールマウスで相手のシュート をブロックするなどで何とか守る。攻撃もせっかくボールを奪ってもこの日は康平、アレックスの2トップが前を向かせてもらえな い。前を向いて攻めれそうな時もファウル覚悟のプレーで止められ、そこをフォローすべきトレスボランチも上がれず、中盤でボ ールを支配されるという悪循環の繰り返しで前半を終了。
 後半、左サイドを古賀から純平に交替するも、せっかく投入された純平を活用したプレーがない。しかし、G大阪もしっかりとボ ールは繋ぐものの前半見せたようなスピードのある攻撃が無い。なかなか流れの変わらない清水は珍しく早い段階で57分には康平か ら怪我から復帰のバロンに交替する。この起用が徐々にだが当たり出す。単純にバロンにロングボールを出して裏を狙い続けてチャ ンスを狙う。その執念が実ったのがロスタイム、真田がゴールキックを素早く前線のバロンに上げて、バロンがバックヘッドで流す、 そこへ走り込むアレックスが相手DF2人と競り合いながらも思い切ってシュート、相手DFに当たりコースが変わったシュートにGK松 代が反応できずに同点。これで試合は延長へもつれる。
 さあ、これからと思った延長にまたしても一人の男に止めを刺される。91分、左サイドからG大阪MF新井場がイチをかわしてセン タリング、ファアサイドで俊秀と競り合いながらマグロンがヘッド、ふわりとしたシュートにGK真田も反応できずにVゴール。あま りにもあっけない幕切れ。

 最後まで諦めずに同点に追い付いたというのは認める。監督もいつもより早い段階での選手交替、3人目のテル→克己の起用だけ は正直疑問だが、何とか追い付こうという執念はあったと思う。最後の同点ゴールもアレックスが良く思い切って打ってくれた。あ の気持ちだけは忘れないで欲しい。
 ただし、攻撃に関してはこの日はシュート8本、市原との連戦で見せた積極的な姿勢がこの日は少し欠けていたのではないか。確 かに相手の厳しいチェックに前線は苦しんでいたが、そこを後ろからフォローしてシュートまで持っていく形を見せて欲しい。相手 のG大阪の方がボールを持った時にシュートまでの流れがしっかりできていた。
 また、せっかく投入したこの日Jリーグ初出場の純平も周りが活用しきれなかった。せっかく、いいタイミングで上がった時にも ボールは回らず、彼を起用した意味を考えるともっと積極的に活用して欲しかった。実際に純平の突破から決定的なチャンスも生ま れていたし、今後も彼には期待してきたい。
 守備の方はマグロンに対して厳しいマークが出来ていた時もあったが、大事なところで彼一人に振り回された感が否めない。もっ と彼への厳しいマーク、周りは彼へのクロスボールを簡単に上げさせないマークやチェックが出来なくてはならなかった。そういう 意味では守備の方は勝利への執念と言うのが最後は欠けていたと思う。特にVゴールの場面、簡単にクロスボールを上げさせてしまっ たイチ、甘いマークで体を入れ替えられてヘッドを許した俊秀には厳しい事を言うが、もっと集中して守って欲しかった。

 確かにあのロスタイムの得点には感動した。しかし、内容では完全に負けていたし、追い付く事だけで精一杯だった。あのVゴール も起こるべくして起こったのかもしれない。それが自分には悔しい。もうこれで今年はG大阪との対戦は一応無いが、ナビスコ杯決勝 で戦えることが有り得る。その時にはこの悔しさを選手達が晴らしてくれる事を是非とも期待したい。

 次はいよいよダービーだ。ホームで前回の対戦のような無様な負けだけは許されない。サポーターも気持ちを込めてサポートして 行こう。



35分間と55分間、                 
    2つのサッカーが見せた可能性と課題。

2002.09.07(SAT)
J-LEAGUE DIVISION-1 2nd STAGE 2nd ROUND
vs JEF UNITED ICHIHARA
1-0 WIN
at NIHONDAIRA STADIUM(SHIMIZU)

 水曜日のナビスコ杯で思わぬ大勝を飾った清水、その水曜日に戦った市原と今度はリーグ戦で対戦。試合開始直前に照明灯が 全て消えるアクシデントがあり、試合は10分ほど遅れて開始。

 この日もナビスコ杯と同じ4-4-2の布陣の清水、登録上はMFアレックス、FW康平、ノボリだが序盤から3人が頻繁にポジション チェンジを繰り返す。中盤も戸田、テル、吉田が高い位置からのプレスをかけて早い段階でボールを奪いチャンスを作る。開始 早々1分には清水のプレスに対して市原がパスミス、これを奪った康平がDFラインの裏に抜け出そうとするノボリに絶妙なタイミ ングでのスルーパス、ノボリがループシュートを狙うも市原GK立石に読まれて最初のチャンスは逃す。
 しかし、この前線でのプレスとダイレクトパスの多用が点に結びつく。5分、細かくパスを回して戸田が前線で待つアレックス に正確なパス、アレックスが前を向こうとしたところを倒されて、PKエリアすぐ外やや右寄りの位置でFKのチャンスを得る。キ ッカーのアレックスが直接狙ったシュートは、スピードに乗って市原の6枚の壁の左側を巻いてゴールに吸い込まれ、先制。この FKは変化抑え目でスピード重視の実に素晴らしいFKだったと思う。
 この後も清水ペース、前の3人の自由な動きに市原がついていけない。特に康平は積極的にシュートを狙い、アレックスは慣れ ないながらもポストプレーもこなし、後ろから上がる戸田、テルの飛び出しも引き出していた。守備の方も昇平と俊秀が市原FW崔 龍洙に全く仕事をさせない。市原があまりにも水曜日同様の単調な攻めに終始していた事を差し引いてもこの日はプレスが効いて おり、水曜日につけた自信がいい方向に作用していたと思う。あのアクシデントまでは…。

 35分、清水ボールの時に再び照明灯が全て消えてしまうアクシデントが発生。これで試合は20分以上中断する。このアクシデン トから流れは変わった。再開後の残り10分、市原が高い位置からプレスをかけてくる。これに対して清水は悪い時のサッカーに逆 戻り、苦し紛れにロングボールを蹴り出してしまうなどの悪い癖も出て前半を終了する。
 後半に入ってもこの流れを変える事が出来ない。市原は中盤が高い位置まで押し上げてボールを支配。清水のDFラインの裏をし つこく狙い、FW崔龍洙にDFラインを突破されるなどのピンチが続く。前線3人をサポートする事が出来ず、トレスボランチも悪い時 のように上がらず、そのスペースを埋められてしまい、クリアボールを繋げる事が出来ないと言う悪循環に陥る。
 攻撃の方は65分にアレックスが相手に囲まれながら抜群のキープ力、サポートに来た吉田へパス、吉田からアレックスの裏の右 サイドライン際を駆け上がるノボリにスルーパス、ノボリはニアサイドに空いてDFを引き連れて走り込む康平にピンポイントのア ーリークロス、このセンタリングに康平がヘディングでコースを変えたシュート、これは市原GK立石のファインセーブにあい、得 点ならず。75分にはやや遠い位置ながらFK、アレックスのシュートは壁の間を擦り抜けたがわずかにゴールの枠を外れる。その後、 康平→久保山の交替をするものの、カウンターからの決定的なチャンスを久保山が逃す。こういう単発のチャンスはあるものの前 半35分間のような波状攻撃が見られない。
 守備の方は中盤の下がり過ぎということもあって相手にボールを支配され、チャンスを作られる。特に終了間際になると全体的 に押し上げてきた市原の攻撃に完全に押される。それでも、86分の左サイドCKからの市原の決定的なシュートは、体を張った昇平 の守備とGK真田のファインセーブでこのピンチを防ぎ。更にロスタイムのFW崔龍洙とGK真田の1対1も真田の体を張ったセーブで防 ぎ。なんとか耐え切って試合終了。

 とにかく試合に勝ったのだが、落差の激しい前半35分間と残り55分間だった。最初の35分間に関しては、各個人が豊富な運動量 でプレスをかけ、ひとたびボールを奪えば華麗なワンタッチパスも見せてくれたし、各個人がスペースを狙って動くなど久々に見 ていて面白いサッカーをやってくれた。グラウンドコンディションが悪い中でそれだけできるだけに、あとの55分間には非常に課 題を残したと思う。
 その残り55分間は前線と最終ラインの間が間延び、明らかに運動量が落ちて、中盤のトレスボランチも全体をカバーしきれず、 最終ラインと一緒に下がってしまった。こういう面でフィジカル面の改良とメリハリのつけたペース配分、さらには中盤は簡単に 下がりすぎない勇気と言うものも必要になってくるのではないか。それでも、最後の劣勢で体を張った気持ちのこもった守備を見 せてもらった。こういう気持ちのこもる試合を毎試合見たいものだ。

 この日のMVPは2試合連続になってしまうが、やはりアレックスだろう。前述した通り、決勝点となったFKは変化を抑え目、スピ ード重視で枠を正確に狙った実に素晴らしいFKだった。それだけでなく、前節同様シュートへの意識も高く、また抜群のキープ力 でフォローの少ない厳しい状態でもチームの起点となっていた。海外移籍の夢はとりあえずお預けとなったが、その海外での短期 間を経て彼がまた一歩成長しているのが分かる。これだけの積極的なプレーを続ければ、また誘いは来るはず。その時まで清水の 為に精一杯闘って欲しいし、闘ってくれるはずだ。
 同じくコンビを組む康平も2戦連続でなかなかいいプレーを見せたと思う。前を向いた時のプレーはアレックス同様非常に積極性 を感じさせてくれたし、このところの中盤と違い生き生きとプレーしているのが伝わってくる。中盤で様々なポジションを経験した のは無駄では無かったのではないか。
 守備の方でも前述通り、この日は最終ラインの2人、俊秀と昇平の体を張った守りが目立った。決して安定したプレーでは無かっ たかもしれないが、踏ん張り所での気持ちのこもったプレーを感じた。中盤の3人も機能していた35分間の動きは実に見事だった。 あとは劣勢時に誰かが高い位置でプレスをかけるなどの修正を図って欲しい。まだまだ課題があると思うが、徐々にだがテルに前 へ向かうプレーが増えてきているのは嬉しいことだ。
 若干不安なのはイチだ。積極的に上がっているのは認めるのだが、どうにもこのところのセンタリングの精度は悪すぎる。もち ろん、普段いるバロンというターゲットがここ2試合いないのは大きいが、魂込めたセンタリングというのを我々に見せて欲しい。 まだまだ出来るからこそ敢えて言わせてもらう。

 とりあえず、このシステムになってから2連勝。もちろん、バロン復帰後もこのシステムで行くのだろうが、その時に彼を活かし ながらどうやって今のサッカーと融合していくか、楽しみでもあり、不安でもある。ただ、この日の終盤で見せて気持ちの入った プレーだけはどんな時も見せて欲しい。



万策尽きたか?

2002.09.01(SUN)
J-LEAGUE DIVISION-1 2nd STAGE 1st ROUND
vs NAGOYA GRAMPUS EIGHT
0-3 LOSE
at MIZUHO ATHLETIC STADIUM(NAGOYA)

冴えない結果に終わった1stステージも終了し、リスタートの2ndステージ開幕。 相手は市原監督時代から煮え湯を飲まされ続けているベルデニック率いる名古屋。

試合は序盤こそサイドからチャンスを作るものの、次第に相手に中盤を支配される。 戸田、吉田、テルのトレスボランチと前線バロンとの間が空きすぎ、そのスペースを名古屋MF酒井、 山口素弘に支配され自由にさせてしまう。そこからサイドの裏、最終ラインの裏とことごとく 清水の守備の裏を狙いスルーパスを狙われる。

12分、中盤から名古屋MF山口素弘にスルーパスを出されて、何とか俊秀が追いついてクリアするものの、 クリアボールをヴァスティッチに胸トラップから左足ボレーシュート、GK真田が一瞬反応が遅れゴール。 この場面、スルーパスの直前にも同じように相手に裏へパスを通され、そのクリアボールを拾えず、 さらにもう一度裏を狙われた。プレッシャーも甘く、名古屋FWヴァスティッチにもかなり余裕を持ってシュートを打たれた。

この失点が象徴するように、前半はこの後も終始押されっぱなし。何より中盤どころかDF陣もプレスが甘く、 名古屋は中盤から裏を狙ったパスが面白いように通る。清水はGK真田の奮闘で追加点は許さなかったものの一方的に攻められる。 一方の攻撃は点の取れる雰囲気が全く無い。バロンをサポートする動きも無く、トレスボランチ揃って前への積極性が無く、 唯一枠に行ったバロンのヘッドはGK真正面。結局1点ビハインドで前半を終了する。

後半に入るとテルの飛び出しなどでチャンスを作りはじめ、さらにアレックスを投入して同点を狙う。 しかし直後の59分、ゴールまで30m以上の距離からのFK、名古屋FWヴァスティッチが直接狙い強烈なシュート、 GK真田がまたも反応が遅れてこれが入ってしまい2失点目。この場面あまりにもお粗末だった。 GK真田の集中力の無さも悪いが、チーム全体であのタイミングで、しかも直接狙うとは思わず、 集中力を欠いていたのではないかと思う。

この後、アレックスの惜しいクロスボールなどもあったが、次第に運動量も落ちてしまう。 しかも、久保山を投入するものの交替で下げたのは前線の起点のバロン。これ以降は全くボールを繋げられず、 相手に簡単に跳ね返される。しまいには81分、名古屋GK楢崎のゴールキックをFWヴァスティッチにヘッドですらされ、 FWウェズレイが克己と昇平の間から飛び出してGK真田と1対1から豪快にシュートを決められて3失点目。 いいとろこないまま試合終了。

とにかくこの日のトレスボランチは全くと言っていいほど機能してなかった。 守るだけでなく、前に空いたスペースを積極的に使って攻め上がり、バロンやノボリをサポートし、 相手の守備を崩す事を期待したのだが、3人揃ってその意識が無い。 前半終わり頃から後半始めにかけてテルに若干その意識が見られただけ。 これでは逆に相手に自由にさせるスペースを与える為のシステムに過ぎなかった。 かといって3人がしっかり守備をしたかというとこれもDF陣同様いい加減。 この日は守備全体が相手選手へのボールの寄せが遅かった。とにかく監督はいろいろ考えて採った最後の策だったのだろうが、 上位チーム相手には何をやっても通用しない。万策尽きたと言ってもいいだろう。

攻撃に関してもバロンが封じられていたが、この日の責任を彼一人に押し付けては欲しくない。 むしろ、康平や市川、テルあたりが個人の力で突破、シュートまで持っていくプレーをして欲しかった。 連携も取れて動きも早く、組織的な名古屋の守備だが、個人の力で突破できた時は案外脆いもの。 そういうチャレンジする姿勢が無かったのが残念だ。

監督の采配や戦術には毎度呆れるが、この日は試合中に相手のベルデニックがこまめに エリアぎりぎりまで出て選手に指示を与えていた場面が非常に印象に残った。一方の我が監督は指示も出さず、 ベンチからも出ること無く、以前から言っている修正能力の無さを露呈し、 両監督の決定的な能力の差が出ていたような気がする。選手のあの覇気の無い戦いぶりにも正直納得が行かないが、 この監督のもとではモチベーションを保つのも無理でしょう。

前述の通り、万策尽きたのか?と言うと、最後の策はまだあると思う。その最後の策とは、 もう言わなくても分かるだろう。フロントの方々へ、あなた方の決断力も問われてますよ。