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いい内容≠勝利。

2002.10.02(WED)
J-LEAGUE YAMAZAKI NABISCO CUP
SEMI FINAL
vs KASHIMA ANTLERS
1-2v LOSE
at KASHIMA FOOTBALL STADIUM(KASHIMA)

 いい内容だったで済ませて欲しくない。何が何でも勝ちたかった試合で、一瞬のミスから全てを失ってしまった。

 前半は鹿島の方がサイドを使った攻撃でチャンスを作る。清水は右にイチ、左に純平の4バックを敷くものの、その2人とも中途半端な上がりで裏を つかれてピンチを招く。このピンチにGK真田のファインセーブなどで攻撃を防ぐ。鹿島もMF本山が早い段階で負傷交替、そこから両チームとも全体的に ロングボールを多用しての攻撃が増える。それが連携のとれてない清水の4バックには厳しかった。
 26分、右サイドから鹿島MF小笠原がFW柳沢にロングフィードを送り、これが柳沢に合わずも後ろにいたイチの足に当たり、コースの変わったボール はゴールに入ってしまいオウンゴール。この場面、中盤で吉田と克己のドイスボランチが揃って同じ動きで裏を取られて小笠原に楽な状況でフィード を許したことが非常に痛かった。その後も前半は清水は攻撃が全く形にならない。普段は連携のいいはずの康平とイチの間でもパスミスが出る始末。 何とか1点のビハインドで前半を終える。
 後半に入っても前半と大差の無い内容だったのが、66分、康平とバロンの交替が流れを変えた。バロンが投入された直後の67分、高い位置でのプレ スからボールを奪い、右サイドの克己からファアサイドへのセンタリング、相手DFに競り勝ちバロンが中央にヘッドで折り返し、ゴール中央の安貞桓 と相手DFが交錯してボールがこぼれたところにフリーのアレックスがシュート、これが決まって同点に追い付く。ここから清水が久々にいい形の攻撃 が続く。投入されたバロンが確実に前線でポストプレーをこなし、後ろから安貞桓、ノボリ、アレックスにボランチ2人も積極的に前を狙うようになり、 守備においてもその前線からの早い段階でのプレスが機能し出す。しかし、何度かあった決定的なチャンスを逃し、同点のまま90分を終了する。
 延長になっても克己、吉田の2人は衰え知らぬ運動量で相手の攻撃の芽を摘む。しかし延長後半106分、一瞬のミスが命取りだった。克己が相手DFを 背負いながらノボリ、イチの上がりを待つもその前に相手に奪われ、一気に鹿島の左サイドでその3人が振り切られ、そこから全くフリーで持ったMF小 笠原に余裕を持ってセンタリングを許し、ファアサイドで待ち構える途中出場のFW長谷川に豪快なヘディングシュートを決められて試合終了。この場 面、イチとノボリが克己のフォローにいくも全く同じ動きで一気に振り切られたのも悔やまれるし、ゴール前で戸田と純平がいたにも関わらずそのど ちらとも長谷川に競りにいかずに簡単にシュートを決められてしまったのも実に悔やまれた。

 この日は克己、吉田のドイスボランチの奮闘が非常に目立っていた。とても30歳を余裕で越えている2人とは思えないほど動き回っていた。それだけ にこの2人が犯した数少ないミスが全て点に結びついてしまったのが残念だ。しかし、彼等のミスを周りが連携をとって守ってやることが出来なかった 事実の方にもっと目を向けるべきだろう。この日のDFは右からイチ、ペツェル、戸田、純平の4バックだが個人個人が守っているだけの印象を受けた。 余裕があるときもクリアしか出来ずにフィードもいい加減だったペツェル、両サイドも中途半端なポジショニングが目立ち、それが結果的には攻撃に も冴えを見せなかった。それらをまとめるべき戸田も個人としては激しいプレーでピンチを救っていたがDF陣を統率はできてなかった。
 正直純平に関してはあのポジションでは彼の持ち味が全く消されている。前節述べたようにウイングぐらいの位置でこそ輝く選手だと個人的には思 う。あのポジションに関しては古賀の方がベターだろう。イチに関してはもうこれ以下は無い程の出来。だからこそあとは良くなるしかないんだ。自 分自身の力で這い上がってくることを期待したい。
 攻撃の方は確実にバロンの投入で流れが変わった。安貞桓もスタミナの面での不安はまだまだあるものの、やはりゴールに近い位置でもっとプレー させて周りも積極的に彼にボールを廻してみた方がいいと思う。今のままでは単なるおとり役、能力的には非常にもったいないと思う。逆に得点こそ 挙げたもののアレックスの方がひとりよがりのプレーが目立った。全く目立たずにピッチを去った康平には逆に強引なプレーが見られなかった。

 それでも、やっぱり勝たなきゃいけなった。確かにこの連敗中で一番いい出来に見えたかもしれないが、鹿島はFWエウレル欠場、MF本山は早々負傷 退場。決して相手が万全の状態で無かっただけ。そういった万全の状態で無い時でも勝つチーム、これこそが真の強さなんだということを痛感させら れた。この敗戦でモチベーションを失ってしまいそうな清水の選手には純粋に負けた悔しさを糧にして欲しい。このままJが磐田と鹿島の為だけになっ てしまうのは嫌だから。
 まだ、天皇杯はあるものの絶好のチャンスだったこのタイトルを失い、もう監督の存在意義は見出せない。



苦し紛れのコンバートがもたらした
最高の結果と新たなる可能性。

2002.09.04(WED)
J-LEAGUE YAMAZAKI NABISCO CUP
QUATER FINAL
vs JEF UNITED ICHIHARA
3-0 WIN
at ICHIHARA RINKAI ATHLETIC STADIUM(ICHIHARA)

 2ndステージを最悪に近い形でスタートを切った清水。ナビスコ杯も準々決勝を迎えて相手は市原。この日の清水はDFが右にイチ、 真ん中に俊秀、昇平、左に古賀の4バック、バロンを怪我で欠くFWには康平とアレックスの2トップの4-4-2システムがとられた。

 試合は序盤は市原ペース。清水は日曜日の名古屋戦と同様にボールへの寄せが遅いし、甘く、相手にチャンスを作られるも相手の ミスで助かる。そんな滑り出しもひとつのプレーから展開が変わった。13分、アレックスがテルからのパスを受けて、PKエリア外か ら思い切ってダイレクトでシュート。強烈なドライブのかかったシュートに市原GK櫛野は弾くのに精一杯。FW起用されたアレックス はこのシュートを含めて、この日は積極的なプレーが目立つ。

 ここから試合の流れは清水へ、バロンがいないだけに各個人が積極的にスペースを狙って飛び出すプレーが目立つ。そういったプ レーが実ったのが27分、アレックスがテルに一旦預けて前線へ、テルのパスを再び受けて一瞬タメを作って、中央から右へと相手DF ラインの裏へと抜け出そうとする康平へスルーパス、抜け出した康平が右45度からゴール左隅へ流し込むようにシュート、これが見 事に決まって先制。常に裏へ抜け出そうと狙っていた康平とそれを狙ってスルーパスを出したアレックスとのイメージがシンクロし た見事なゴールでした。

 その後も試合は清水ペース、康平やアレックスの前線の活発な動きに呼応するように両サイドのスペースにテルや古賀、イチが飛 び出してチャンスを作る。一方の市原はFW崔龍洙に単調にボールを放り込むサッカーに終始。

 FW崔龍洙には昇平と俊秀がきっちりマークして対応。そこからのこぼれ球も吉田が豊富な運動量で動き回って奪う。このいい流れ のまま前半を終了する。

 後半に入っても流れは清水のまま、時折セットプレーからピンチを迎えるものの相手のシュートは真正面か大きく枠を外れるか。 一方の清水は前半同様、康平やノボリ、アレックスが積極的に相手の裏を狙って飛び出してチャンスを作る。55分、右サイドからテ ルが前方に走るアレックスにフィード、アレックスは市原DFミリノヴィッチ、茶野に挟まれ一度はボールを失いそうになるものの強 引にボールを奪って抜け出してPKエリア付近から思い切ったシュート、この強烈なシュートがGK櫛野のほぼ真正面ながらも反応しき れず決まって追加点。

 その後も市原のパスミス連発に助けられ、危なげない試合運び。康平→塩沢、アレックス→久保山と選手を交替し、85分にはその 久保山が投入直後に仕事をする。ゴール前まで持ち込み、市原DF中西ともつれ合うように倒れ、この日の主審上川の判定はPKと中西 へのレッドカード、これで勝負あり。このPKは久保山がほぼ真正面へ蹴ってしまうミスキックで相手に止められるものの、その失敗 をロスタイムに取り返す。3分あったロスタイムのほぼ終わり間際、左サイドからのノボリのセンタリングにダイビングヘッドで合わ せてゴール。この直後に試合終了。

 バロンも欠いて正直苦し紛れに映ったこのシステムだが、それが最高の結果をもたらすのだから面白い。とにかくこの日のMVPはア レックスだろう。康平とのコンビで前線で積極的なプレーでチームを引っ張った。前節同様ゴールが見えたら積極的にゴールを狙い、 それがチーム全体の積極的なプレーへと波及していったと思う。康平へのアシストとなるスルーパスなども、ここ最近のチームで見 られなかった見事な中央からの切り崩し。こういうプレーをもっと期待していきたい。これだけできるならば当分、サイドでなくFW またはトップ下でやってみてもいいのではないかと思う。

 アレックスと2トップを組んだ康平も前線での活発な動きはアレックス同様評価できる。なにより、あの先制点となった一連の動き は見事だった。元々はFWだっただけに今後しばらくこの位置でのプレーを見てみたい。また、久保山もPKを外したのは論外だが、それ を補うように得点を挙げ、短い時間ながらアピールしたのではないかと思う。とりあえず、バロンを起用しての2トップと同様に今日 のような2トップもチームの新たなオプションとして考えて欲しいし、新たな可能性が拓けたのではないかと思う。

 守備に関しては戸田や吉田の豊富な運動量で早めに相手の攻撃を潰す事が出来たのではないかと思う。最終ラインも俊秀、昇平が 序盤を除きほぼ完璧に崔龍洙を封じる事が出来たのは収穫。左サイドの古賀も守備はもちろんの事、タイミングのいい攻め上がりを 見せていたし、アレックスのFW起用によって、さらにその必要度は増してくると思う。

 唯一イチだけはこの日は不調だった。とにかくセンタリングがほとんど合わない、相手DFに当たるの繰り返し。こんな程度の選手 じゃないだけに心配です。

 最後に苦言を言わせてもらうと勝ったもの前述通り、苦し紛れであり、その場凌ぎの監督の采配がたまたま当たっただけにしか今 は見えません。ここから先が監督の能力を問われます。

 さあ、これでナビスコ杯ベスト4進出、あと2勝で優勝賞金1億円。次のナビスコ杯はアウェーカシマスタジアムに乗り込んでの鹿島 戦です。熱い応援でチームをサポートしていきましょう。