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繰り返されるミス。

2003.09.27(SAT)
2003 J-LEAGUE DIVISION-1 2nd STAGE 8th ROUND
vs JEF UNITED ICHIHARA
1-2 LOSE
at ICHIHARA RINKAI ATHLETIC STADIUM(ICHIHARA)


 今までにない気持ちを俺達に見せてくれた。それでも勝ち点3を奪えなかったのは繰り返される基本的な部分でのミスからだったといところに悔しさが余計に募る。

 2失点とももったいないミスからの失点であった。1失点目は自陣で平岡が市原のプレスに倒された際、チーム全体で一瞬足が止まり、素早く市原に 繋がれて戻りが遅れた昇平が市原FW崔龍洙の切り返しにたまらずに転倒し、ボールに手が当たりPKになってしまったもの。横浜M戦でもあったがチー ム全体が自らの判断で足を止めるな!あくまで審判の笛が鳴るまで全力でプレーする事の大切さを改めて知って欲しい。前半終了間際の時間帯という 事も考えれば集中力の無さを指摘されても仕方が無い失点だった。そして2失点目、せっかく2人がかりで敵の攻撃を食い止めながらPKエリア内でイ チが相手選手にパス、それを繋がれて失点してしまった。あまりにも起こり得ないミスにより、市原のセンタリングに対するマークも遅れ、市原FW 林にヘディングを許した際のGK黒河のポジショニングもおかしかった。何故あそこで中にパスを出してしまうのか?試合も終盤、次の1点で勝負が決 するという状況、自陣深くの位置、これらを考えるとセーフティファーストで外へクリアするという勇気も必要だったはず。当然、周りのフォローも なかったし、声の連携も無かった為に起こった失点でもある。イチ個人でなく、チーム全体としてこういう失点ほどもったいないと認識して欲しい。
 攻撃の方は何も出来なかった大分戦や前半に比べ、後半に入りサイドを使って何度もチャンスを作っていた。アレックスも球離れを早くしたことに よって、森岡や平岡の攻撃参加を引き出し、その結果平岡がピンポイントのクロスを安貞桓へ送り、一度は同点に追いついた。1点リードされた終盤に は安貞桓、途中出場のノボリや鶴見が積極的にシュートを放ち、決定的な場面を作っていた。ただし、前半に関してはトゥット、アレックス、安貞桓 とボールを持ち過ぎてチャンスを潰していた。テルが絡まないとチャンスにならないという状況も変わってなかった。そういう意味では1点リードの終 盤という遅い時間帯で投入されながら決定機に何度も絡んだノボリはやはりチームに必要だ。もちろん、決定機にシュートミスをした点は問題だが、 今のこの苦しいチーム状況を救ってくれるはずだと俺は信じている。平岡もケガをしながら90分間プレーしただけでなく、見事なアシストを記録して くれた。それだけでなく何度も際どいクロスをあげていたし、貴重な戦力となってくれそうだ。
 ただし、これらを操る監督の方は相変わらずだった。確かに交替枠を使い切ったが、後手後手を踏んだ采配が気になる。1点リードされた段階の後半 開始から北嶋だけでなく、ノボリなり太田圭輔なりもっと積極的な采配が出来たのではないか?と思う。1点リードされてしびれを切らしたサポーター からのノボリコールに促されての選手交替。サポーターに促されて選手を代えるような監督はなかなか見ない。自分達の順位や状況を考えたら勝ち点1 でなく勝ち点3を目指すような闘いを見せて欲しかった。何より横浜戦の5失点後にテコ入れをするのならば新たな戦力をスタメンから抜擢するなどの 思い切った事もして欲しかった。確かに監督自身も今までに無い苦しい状況で悩んでいるのかもしれないが、前を向いて積極的になって欲しいんだ。

 試合後にゴール裏へ挨拶に来る時に下を向いていた選手が何人かいた。確かに前述したように失点はあまりにももったいないし、繰り返されたミス ではある。しかし、試合終盤の怒涛の攻撃、今まで出来なかったセカンドボールからのチャンスも作っていたし、何より今までにない勝ちたい、得点 したいという気持ちを選手達は見せてくれた。勝ち点こそ奪えなかったが、この敗戦は決して無駄ではないはず。そう思ってるのは俺だけじゃない。 だからこそ、選手が挨拶に来た際のエスパルスコールには今までに無い声量、気持ちが込められていた。

 ここからナビスコ準決勝第1戦、残留争いに向け負けられない京都戦、そしてナビスコ準決勝第2戦。どれも落とせない重要な試合が1週間に3度も来 る。この苦しい状況に選手達も決して下を向かずに闘って欲しい。俺達も同様に下を向かず共に闘おう。今、己のチームへ向けて必要なのはブーイン グや叱る事ではない。闘う仲間への援護射撃は声による励ましだけだ。それが甘いと思うなら思ってればいい。俺は力になるはずと信じているから。



停滞。

2003.09.23(TUE)
2003 J-LEAGUE DIVISION-1 2nd STAGE 7th ROUND
vs OITA TRINITA
0-0 DRAW
at NIHONDAIRA STADIUM(SHIMIZU)


 わずか2日前の屈辱。それを晴らさんと再出発を切るべきこの試合に何の策も無く、何のテコ入れもせず停滞しているチームに勝利の女神が微笑むことなど 無かった。

 完全に引いた相手に苦労するのはわかる。だが、フリーランニングも無ければスペースへの飛び込みも無い。ダイレクトでパスを繋いでもあっさり連携の ミスでマイボールを失う。もう今年も9月だ。今まで何をやってきたのだ?スペースへ飛び込む意識、動いてボールを貰う意識、お互いが声を掛け合うことす らも出来ていない。これら基本的な事が欠けている現状ではどうしようもない。とにかくチームと言うのは名ばかりで個々がバラバラにサッカーをやってい るという印象が拭えない。守備にも攻撃にも動き、この日唯一目立ったテルが絡んだ時だけチャンスが生まれていたのは必然である。しかし、そのチャンス も泥臭く押し込む選手がいない。それどころかフリーで放つシュートは最後まで枠を捉えることはなかった。何故豪快に、または華麗にシュートを決めよう とするのだ?シュートはゴールの枠へのパスという意識を持って欲しい。更に言えばこの日の強風の中で何故無駄な浮き球のパスばかりをするのだ?風とい う気まぐれな自然現象を相手にしてコントロールできるはずも無い。せっかくの聖地日本平の素晴らしいピッチを利用しないのはもったいない。丁寧なショ ートパスの繋ぎというのがもう少しやるべきだったのではないか?そういう点などを考えると心を込めたプレーというのが無さ過ぎる。これは別に難しいこ とを要求してるわけじゃない。わかるだろ?
 守備に関しても無失点とはいえ、この前の5失点の陰をどこかで引きずっていた。相手のロングボールを恐れるあまり、マイボールになっても出来るだけ遠 ざけようと相手の裏を狙ったフィードを狙うも何度も相手の手に渡ってしまった。何故そこで修正する事ができないのか?ミスを恐れるあまりにさらにミス を重ねる消極的なプレーこそがもっと悪いことだ。相手の2列目の飛び出しから何度か訪れたピンチも相手の決定力の無さに助けられたようなものだ。

 正直、大分の夢も希望も無いサッカーにはがっかりさせられたのは事実だ。1stステージでの対戦同様、前線を除いて残りは完全に自陣に引いて、攻め込ま れれば相手のユニフォームを掴む、倒すなどのラフプレー、始めから勝ちにいかないようなサッカーをしていた。引き分け制度を悪用したかのようなサッカ ーだが、それでも必死に闘っていたのは明らかに大分の方だった。逆を言えばそこまでしてJ1残留というものに執着する大分の気持ちの強さは清水には無か った。こういう相手に勝てないというのが現状の力と認識すべきだ。ただし、何が何でも勝つという強い気持ちだけは今すぐにでも持てるはず。それが出来 なければこの引き分けは全く無駄になってしまう。

 監督については毎度の事だが、同じようなワンパターンの選手交替。それも時間がかなり進んでからの選手交替。何故後半開始から、流れを変える意味で の選手交替をしない。しかも、2日前の屈辱の敗戦を受けて何らかのテコ入れをしてくれると信じていたが、何も無し。この期に及んで選手の可能性に賭けた のか?1-5という覆せない歴然とした結果が突きつけたものを彼は何も理解していない。いや、理解しようとしないのだろう。この日は相手を考えたら、何と しても勝たなくてはならない試合だったはず。試合終了後にゴール裏から響いたブーイングすらもあなたは理解しないのですか?時間は待ってはくれない。 あなたに勝ちたいという気持ちがあるならそれを俺達に見せてくれ。

 停滞し続けるチームに業を煮やしたサポーターが試合後、ある男の応援歌を歌った。そう。前にも述べたようにこういう時こそ頼りになる男がいるだろう? 幾度もチームの危機を救うゴールを挙げただけでなく、お膳立てもする男。何より今のチームに欠けている、チームの為のプレーが出来る男。ノボリの力が 今こそ必要な時だ。
 我々サポーターもまだまだチームの状況に一喜一憂することだろう。最近などは怒りばかりが募っている事だろう。でも、俺達はピッチで闘う選手に心を 込めた声で背中を押してやる事しか出来ない。闘う気持ちを持つ選手がいる限り試合中は前向きにいこうぜ。残り8試合、今の苦労が明日への糧となるはずだから。



幻想。

2003.09.20(SAT)
2003 J-LEAGUE DIVISION-1 2nd STAGE 6th ROUND
vs YOKOHAMA MARINOS
1-5 LOSE
at INTERNATIONAL STADIUM YOKOHAMA(YOKOHAMA)


 この屈辱の結果をフロント、監督、選手、我々サポーター、チーム全体でしっかりと受け止めなくてはならない。ここまでのリーグ戦5位という成績は あくまで幻想にしか過ぎなかったのだ。

 序盤の失点を取り返して勢いに乗らなくてはならない時に毎試合繰り返されるセットプレーからの失点。何度相手にフリーでシュートを打たれれば気 が済むのか?セットプレーにおいて守る人数を増やす、マークの徹底や修正、声の連携、いくらでも改善は図れたはず。それが結果どころか内容的にも 改善の兆候が見られていない。正直、相手の決定力があればもっと悲惨な結果を招いていた。
 さらに相手の狙い通りのカウンターが何本も決まる。そのカウンターも数的不利を受けているわけではない。全てにおいて1対1、個の闘いに負けてい た。これでは話にならない。相手のコースを消す、早めのプレス、最後は体を張って相手のシュートを防ぐ、守ることが本職であるDFがこんな基本的な 事すら出来てない。
 攻撃にしても、相手のプレッシャーに簡単に負けて出すパスは横や後ろばかり、出し手だけの問題ではない。受ける側があまりにも動かない。スペー スへの動き、パスの選択肢を増やす、これらのフォローがない状態ではどうしようもない。肝心の前の選手達は強引な独り善がりのプレーばかり、一旦 ボールを奪われればボールを追うのを諦める。一旦相手に倒されれば勝手にファウルと判断して審判に見苦しいアピールをするだけ。何故自分たちで勝 手に判断してプレーをやめてしまうのか?判断は試合をまとめる審判の仕事であり、闘う選手達は笛が鳴るまでは最後まで闘って欲しい。そして決定的 な差があった。それは相手は前線から積極的に相手DFへプレスをかけていた。地味だがもう一つの前線がすべき大事な仕事をしていた。文字通り90分間、 攻守にわたり全員サッカーをしていた。対して我々はどうだったか?良く考えて欲しい。
 また気になったのは何故3点目を失った時に下を向いてしまう選手が続出したのか?狙い通りのサッカーをやってくる相手が偉いのか?違うだろ?自ら のミスで自滅してるのなら時間はまだあるのだから自らの力で取り戻すしかないんだ。取り戻して見せるという意地や姿勢だけは捨てて欲しくない。
 監督に対しては毎度の事だが最後の最後まで手を尽くして欲しい。繰り返し何度も言うが1点勝ち越されてから追加点を食らうまでの間に何をしていた のか?せっかく追いついて勝ち越されるという嫌な展開、これをあなたの指示や選手交替で乗り切れるかもしれないんだ。そこで何もしないあなたには みんな失望しています。あなたの目指しているサッカーは何ですか?来た人々にまた見たいと思わせるサッカーじゃないんですか?華麗なサッカーが出 来なくてもせめて闘う気持ちを持ったサッカーを最後まで俺達に見せてくれよ。今日の後半、スタジアムに迷い込んだ小鳥の大群のように選手達も迷走 していた。その姿に今のチームが重ね合っていた気がした。

 5失点以降、久々にサンバが沈黙してしまった。その中で端々に沸き起こったエスパルスコール。俺もした。それがチームの為に正しいことだったか? 悪いことだったか?俺には分からない。選手を甘やかしていると思ったら思えばいい。ただ、コールせずにはいられなかった。俺たちまで90分間闘い続 けることを忘れてしまってはモノを言う権利が無いのではないかと思ったからだ。そして、最後にスタンドに響いたゴールコールとブーイング。ただ単 純に得点が見たいだけではない。こういう試合だからこそ最後の最後まで得点を目指して食らいついていって欲しかった。泥臭くてもいい。最後の最後 まで闘う姿勢を見せてくれ。それだけは技術や戦術以前に出来るはずだ。

 現実にはわずか2日後には次の闘いが待っている。技術的な問題、戦術、そういった改善は難しいかもしれないが闘う気持ちだけは簡単に出来るはず。 相手は大分、ここで勝つと負けるとで残留争いという好ましくもないが現実的な問題に大きく関わってくる。ダービーに負けた時と同様のショックを抱 えているかもしれないが、俺達も目の前の試合を貪欲に勝ちにいく為に闘い続けよう。今は目の前の一つ一つの試合に共に闘おうじゃないか。



勝ち点1の意味。

2003.09.14(SUN)
2003 J-LEAGUE DIVISION-1 2nd STAGE 5th ROUND
vs GAMBA OSAKA
1-1 DRAW
at KUSANAGI ATHLETIC STADIUM(SHIZUOKA)


 どうにか勝ちに持ち込めなかったのか?一歩間違えれば負けかねなかった事を考えれば勝ち点1でも仕方が無いのかもしれないが、消極的な采配や姿勢に よって取れるべき、いや取らなくてはならなかった勝ち点3を逃したという印象も強い。この勝ち点1を無駄にしない為にもこの試合をしっかりと反省して もらいたい。

 前半に安貞桓がトゥットとのワンツーから落ち着いて決めた得点を最後まで守り切ろうとしていた。何故、後半ある程度の時間までもう1点を取る為の采 配をふるわなかったのか?確かに理想は1-0であろう。しかし、それはあくまで理想であって、セットプレーでも決められてしまうし、信じられないミスも 起こりうるのだから、ありとあらゆる事態を想定し、「攻撃は最大の防御なり」という考えを持って攻めの姿勢を貫いて欲しかった。サブにはスピードもあ り、最近結果を出し続けている太田圭輔、ここぞという場面で何度もチームを救ってきたノボリ、切り札が2枚もあったのだ。G大阪が風上に立った後半開始 からFWマグロンとMFアリソンと2枚も投入して何が何でも同点を狙うという姿勢を見せたのとはあまりにも対照的であった。
 結局は残り10分を切って最も集中しなくてはならない時間帯に、G大阪の狙い通りにアリソンのクロスボールをイチに競り勝ったマグロンに決められてし まった。何故分かりきっている攻撃を最後まで防げなかったのか?基本的に昇平がマークについていたが、決められる前から何度も危ない場面、つまり失点 の兆候はあったのだ。そこでDFは複数のマークをつけたり、サイドからのクロスを上げさせないとかいくらでも対処法はあるはずなのにそれも徹底されてい なかった。失点の場面に至ってはマグロンをマークしていたのはイチだけで、これでは決められても当然である。その後も修正できずに次々に上がってくる 相手選手の攻撃にピンチの連続だった。GK黒河の数々のファインセーブが無ければ負けていたところだ。黒河が目立つような試合は本当は良くないのだが、 この日だけでなく黒河は今季本当に良くやっている。この試合の勝ち点1はまさに彼がもたらしくてくれたようなものだ。この後にはU-22日本代表の試合が 待っているが、清水だけに留まらず日本代表として更なる経験を積んで成長して戻ってきて欲しい。

 そして、指揮官には何故分かっていた攻撃に対する対処をしなかったのかと問いたい。相手の攻撃を防ぐにはクロスボールの出所を防ぐ、前線のマグロン のマークを厳しくするなど、いくらでも方法があった。そういう指示や采配が何ら俺達には伝わってこなかった。残り15分という時間帯で投入された鶴見は、 中途半端に高い位置でプレー、相手の攻撃の芽を摘むどころかパスミスでマイボールを失うなど非常に不安定なプレーであった。鶴見が悪いと言ってるわけ ではない。鶴見に明確な意図を授けることも出来ずに起用している指揮官の責任である。彼にマグロンのマークをさせるのか、中盤でのプレスを徹底させる のか、何か指示を明確に与えておけばもっとより良い結果となっていたと思う。
 追いつかれ、残り数分になってからようやく太田圭輔を投入したものの最早手遅れであった。交替枠も2枚しか使わず、相手の監督と対照的に采配が後手 後手。もう今年に入って何度こんな試合を見せれば気が済むのか。結果を恐れる事により更に悪い結果を招いているような印象だ。
 そして監督同様、選手達もどこかで闘う気持ちを失ってたのではないか?印象に残るシーンとして次のシーンを挙げたい。後半ロスタイム、自陣右サイド で相手がボールを出してしまい、スローインとなったのに近くの選手は誰も動かない、一番遠くにいた太田圭輔が猛ダッシュでボールを取りにいき、素早く プレーを再開させた。ホームで何が何でも勝たなくてはならない状況で他の選手は何をやっているんだ!最後の最後まで諦めずに闘って欲しい、その姿勢を 俺達に見せて欲しい。確かに30℃を超える暑さの中で厳しいことはわかるが相手も同じ条件、言い訳にもならない。闘う姿勢を見せてくれれば俺達は何もこ んな事は言わない。あのシーンは俺にとっては残念だった。

 俺達も同様に反省しなくてはならないことがある。ここ数試合のある特定の選手達に対する口撃だ。もちろん百歩譲ってブーイングは仕方が無いとしても 「辞めろ!」「下手くそ!」、こんな声を投げつけて一体何になる?確かに信じられないミスもするし、期待に応えるプレーが出来てないかもしれない。だ がピッチに立ち、俺達の愛する清水の為に共に闘っている選手に対して、少なくとも試合中の心無い野次や罵声はするべきではない。闘っている選手達の気 持ちを踏みにじって何になるんだ?そんな声を出す暇があるならその声をコールに向けてくれ。俺達は何の為にゴール裏で闘っているか?当然チームの勝利 の為のはず。ピッチに立つ選手達を奮い立たせるような応援をするべきである。選手と共に闘った後に納得いかなければ、試合後にいくらでも言えばいい。 ただし、90分間選手と共に闘った者だけに許される権利だ。

 これで今年の草薙でのホームゲームは終わった。陸上トラックのせいでピッチから離れ、芝生席とは名ばかりで土ぼこりの舞う最低のスタンド、ホームの 舞台に相応しい舞台とは残念ながら言えなかった。やはり俺達の聖地はエコパでも草薙でも無い、日本平こそが最高の聖地なんだということが改めて認識で きた。その日本平の試合も含めて、まだまだ2ndステージは始まったばかり、混戦状態の中で食らいついている状態の清水、ここからもまだまだ1試合ずつの 積み重ねだ。厳しい試合もあるはずだが、そういう時に俺達が試される。前向きに上を向いて進もうじゃないか。



しぶとさ。

2003.09.06(SAT)
2003 J-LEAGUE DIVISION-1 2nd STAGE 4th ROUND
vs VISSEL KOBE
2-1 WIN
at KOBE WING STADIUM(KOBE)


 荒れた芝、風が通らず高い湿度、引いて守る相手、様々な障壁があったタフな試合を乗り越えた。チーム、選手がしぶとさを身に付け、また一歩成長した。

 前半、引き気味に守る相手を崩せない清水。敵陣まで攻めるものの、相手の厳しいプレスに遭う。久保山、安貞桓には厳しいマークがつき前を 向かせてもらえない。一方の神戸は一旦ボールを奪うとFWオゼアスと前線の両サイドの上がった裏へ素早くロングボールを入れる。この攻撃に苦 しめられる清水だが、エメルソンの欠場を受け、和道、昇平、森岡で組んだ3バックはゴール前での体を張った守備でシュートまで持ち込ませない。 特に森岡が前2人のこぼれ球のカバーリングをしっかりとこなす。攻撃の方もアレックスとサイドに流れてきたトゥットを中心にチャンスを作るも ののシジクレイ、土屋という強い壁に跳ね返され、結局前半は両チーム無得点のまま終了する。
 後半、膠着状態を打開したのはまたしてもセットプレーからだった。50分、左CKからアレックスがニアサイドにセンタリング、これに昇平と森 岡が飛び込み、森岡がヘッドでコースを変えてゴール。森岡の公式戦3試合連続ゴールでついに先制する。苦しみながらも先制し楽になった清水だ が、すぐに取り返される。54分、相手スローインから左サイドを神戸MF松尾に突破され、清水の守備陣が戻りきれないところをフリーでセンタリ ング、これにゴール前に上がってきたシジクレイのヘッド、このボールが前方にいた三浦知良に当たりコースが変わり、反応していたGK黒河の逆 をついてゴールとなってしまう。一瞬のマークミスから、シュートにいたるまで少しずつのズレたことによる悔やまれる失点であった。
 追いつかれたが、時間が経つにつれホームであるはずの神戸の運動量が落ちる。そこをテルが前線に飛び出し、森岡も積極的に上がり清水はチ ャンスを掴む。66分には久保山に変えて太田圭輔を投入し、トゥットと共に相手の裏を狙いスピードでかき回し始める。徐々にボディーブローの ように神戸を苦しめていた清水は73分、相手のミスを見逃さずに勝ち越す。和道が相手のボールをカットし、一旦アレックスにパス、そのまま左 サイドの相手の裏のスペースに抜け出して再びアレックスのボールを受け、全くのフリーでセンタリング、このボールがニアサイドに走るトゥッ トが相手DFを引き連れることによってできたスペースに走り込む安貞桓にピンポイントで合い、安貞桓がボレーシュート、これが決まって勝ち越 す。相手の攻撃をカットするだけでなくそのまま攻め上がった和道の判断、そして落ち着いてピンポイントのセンタリングを上げた技術、和道の 判断をよく見ていたアレックスの視野の広いプレー、前線2人のスペースを作り出す動き、全てが絡み合ったきれいな流れからの得点であった。 この後、シジクレイを上げパワープレーを繰り広げる神戸に対して清水は押されるものの、相手の高さに対して体を張ったプレーで対抗、こぼれ 球にも相手選手よりも素早く反応しクリアし続ける。このまま耐えて試合終了。

 前半は得意のサイド攻撃の裏をつかれ、セットプレーからもチャンスが生まれず相手に研究されていた感がある。それでも後半には相手の警戒 していたセットプレー、サイド攻撃で試合を決めてしまうあたり本当にしぶとさを身に付けてきたのでは無いだろうか。そのしぶとさの象徴とも 言うべきがこの日のMVP森岡であろう。久しぶりの本来のリベロのポジションに起用された森岡は相手のロングボール攻撃に対して体を張った守り で味方を良く引っ張ってくれた。早い時間帯で警告を受けてしまったが、その後もキレることなく、2度目の警告にも恐れず体を張ったプレーをみ せてくれた。それだけでなく、機を見ての攻撃参加やフィードにも意図のあるプレーが見られた。アレックスからのセンタリングをヘッドで決め たように、この2人のセットプレーでのラインは清水の貴重な武器になりつつある。今年はシーズン初めはサイドバック、3バックになってからも 本来の自分のやりたいポジションをエメルソンに奪われた格好で、この日巡ってきたポジション奪回のチャンスに全てを賭けて気持ちのこもった プレーを我々に見せてくれた。和道にしても守るだけでなく、アシストも決めて仕事を見事やり遂げてくれた。ここに俊秀が戻ってくると守備陣 にはまたいい意味での激しい競争が繰り広げられることになると思う。非常に楽しみなことだ。
 攻撃の方は勝ったものの課題は大きい。久保山は相手に厳しくチェックを受けて前を向けない、安貞桓はあまりにも独りよがりなプレーでチャ ンスを潰してばかり、トゥットもサイドに流れるのはいいのだがボールを欲しいばかりにそのまま張り付くなど決していい調子とは言えなかった。 それでも最後の決勝点でトゥットと安貞桓の間に連携の意識が見られた。そして何より太田圭輔という切り札が試合を重ねる毎にチームとして機 能し始めている。彼の投入により、トゥットのスピードに合わせられる選手が1人増えるだけでなく、疲れてきた相手の守備のスペースを混乱す ることも出来る。コンスタントに内容のあるプレーを重ねている彼のリーグ戦初ゴールもそう遠くは無いことを感じさせる。 

 この日も遠く神戸までたくさんのサポーターが来ていた。その数、声援ともホームであるべきの神戸を上回っていたのではないか。一方の神戸、 スタジアムの器に関しては日本平に負けない素晴らしいスタジアムであったが、屋根の為に芝が育たず前半だけで何箇所も芝がめくれ上がる状態。 しかも、ホーム側ゴール裏の屋根には吸音材が備えられ、ホームのサポーターの声援を抑えられている。サポーターの力の限りの声が選手に伝わ らないようなスタジアムを持つチームに負けるわけにはいかない。仮にこの吸音材が無くてもこの日の声援は完全に我等の方が優っていたが、選 手に気持ちのいい環境でサッカーを提供できないスタジアム、サポーターの想いが選手やチームに届かないようなスタジアム、何の為のホームス タジアムなのか神戸は考えた方がいいのではないだろうか。俺達の清水には豪華な屋根やオーロラビジョンが無くたっていい、聖地日本平には素 晴らしいピッチと素晴らしいスタンドがあるのだから。

 これでリーグ戦は連勝、この勢いのまま今度はホームに戻る。1stステージはここでもう一つ連勝を重ねる事が出来なかったが、今度こそこの壁 を選手と共にしぶとく乗り越えようじゃないか。ただし、俺達のたった一つの武器である力の限りの声援と共に。