心構え。
2002.12.27(SAT)
THE 83rd EMPEROR'S CUP SEMI FINAL
vs JUBILO IWATA
2-4 LOSE
at SAITAMA STADIUM 2002(SAITAMA)
生きるか死ぬかの闘いであるダービーにおいて、心構えの差が大きく出てしまった。確かに一度は良く追いついたし、
必死に闘っていたと思う。だが、俺は一番やってはいけないミスをあんなに早い段階でやってしまった事がホントに悔しいし、情けない。
そんな想いから俺はとても選手を拍手で出迎え、コールする気など起きなかった。ダービーってそんなものなのか?
朝まで降り続いた雪によりすっかり冷え込んだ埼玉で行われた試合、序盤から前へと出る清水がチャンスを掴むが
一瞬のミスから全てが変わる。7分、何でもない磐田の縦パスに和道がヘッドで後ろに戻すが、後ろにいるはずの森岡は和道の
カバーリングで前に出ており、このボールを前田に奪われる。前田はこのままドリブルで左サイドを上がり、慌てて飛び出した昇平の
股を通すパスで逆サイドを上がる磐田FWグラウへ、グラウが冷静にがら空きのゴールに蹴りこんで早くも失点してしまう。準決勝、
ましてやダービーという大事な闘いにおいて何故こんな有り得ない単純な連携ミスをしてしまうのか。声を出していれば何でも
無かったし、セーフティーファーストで外に蹴り出すという選択肢もあったはず。とにかく序盤から積極的になっていたのはいいが、
基本中の基本を疎かにした結果が試合の行方も決めてしまった。
この失点に動揺したまま続く11分には中盤でのこぼれ球をことごとく競り負けて左サイドに流れるグラウにフリーで渡してしまい、
グラウは余裕を持ってファアサイドにセンタリング、ここに全くのフリーで走り込む磐田MF成岡に押し込まれて続けざまの2失点を
喫する。この場面にしてもクリアボールを中盤でことごとく競り負けているうえに、相手のマークが全く出来ていない。GK真田が
クロスボールにかぶってしまうミスがあったとはいえ、しっかりマークしていれば失点していないし、やらなくてもいい2失点が重く
のしかかる事になった。
重苦しいムードのまま相手の激しいプレスに何も出来なかった清水だが25分に息を吹き返す。テルが素早く裏のスペースに飛び出した
アレックスにフィード、アレックスが相手のマークを受けながらもあげたクロスは相手にクリアされたものの、そのボールを必死に追う
トゥットが落としたところに安貞桓が右45度からボレーシュート、これがゴール右隅ぎりぎりに決まって1点を返す。一瞬のチャンスを
見逃さなかったテルのパス、同じく一瞬のひらめきで強烈なシュートを決めた安貞桓、2人の一瞬を見逃さない集中力が清水を蘇らせる。
更に31分には右CK、アレックスがニアサイドに走り込む森岡にクロス、森岡がヘッドでコースを変えたボールを磐田GK佐藤が弾いた
こぼれ球を安貞桓が押し込んであっという間に同点に追いつく。これで流れを完全に引き戻したかに見えた清水だが、
43分に突き放される。ゴール正面のFK、磐田DF山西がグラウンダーのシュートを放ち、そのボールを前田とポジションチェンジした
グラウがヒールで前田にパス、そのボールを前田がダイレクトシュート、流れるような攻撃であっという間に勝ち越され前半を終了する。
後半に入っても1点を追って積極的に攻め、49分にはアレックスのロングフィードから抜け出したトゥットがGKと1対1の最大の
チャンスを迎えるものの、シュートすら打たずにクリアされてしまう。この場面GKの中途半端な位置を見れば何かしらシュートを放てば
点に繋がったのではないだろうか。この惜しい場面を逃しているうちにまたもDF陣に痛いミスが出る。58分、グラウのプレスにあって
最終ラインから苦し紛れの縦パスをカットされ、ここから右サイドに開いたグラウが前に飛び出す磐田MF西にグラウンダーの折り返し、
このボールを西が素早くセンタリング、ここに全くのフリーで飛び込んだ成岡にヘッドで決められて4失点。2点目と同様に飛び込んで
くる相手の動きを全く見えてないというどうしようもない状況。この後まだまだ時間こそあったものの事実上この失点で勝負が決まって
しまったようなものだ。その後も清水は前を向いて必死に攻めたが、大事なところでシュートミス、相手GKのファインセーブに遭うなど
思うように点が取れないままいたずらに時間だけが過ぎて今季の終了告げる笛が鳴った。
選手達が必死に闘ったのは認める。だが最初の2つのミスが全てを決めてしまったといっても過言ではない。もっとも慎重に
大事に闘わなくてはいけないよう試合であんな声の連携ミスという初歩的なミスはあってはならない。このミスをいい経験に次こそ
こんなくだらないミスで試合を決めてしまわないように注意して欲しいとしか言えない。それにしても守備陣は高い授業料を払わされた。
チーム全体にしても相手の激しいプレスに苦し紛れなプレーも目立ち見ていられなかった。何故相手の裏をつくプレーを
狙えないのか。また、味方を助ける為のカバーリングも出来ないのか。チーム一丸となって闘ってきたはずのこの大会でも最後の
最後にはそれが徹底されなかったことが残念でならない。それでもどんな内容よりもこの大事な試合で2得点という結果を出した
安貞桓はよくやってくれた。いろいろ言われている彼だが俺は結果を残した彼の活躍は認めるよ。来年ももしいてくれるなら俺は
精一杯応援してあげたいと思う。
そして今大会を通じて太田圭輔と浩太という若武者2人の成長には希望を感じさせてくれた。どんな相手でも果敢に勝負を
挑んでこの試合でもチャンスを演出した太田圭輔にはまだまだ底を見せない魅力というのを俺は感じたし、浩太にしても積極的に
シュートを狙うなど今までに無い魅力を見せてくれた。もちろん2人ともシュートの精度をもっと上げて欲しいし、あたりに弱過ぎる
などの不満はあるが、その不安を上回る期待感を今大会通じて見せてくれた。今日の屈辱を糧に君達の力でこの屈辱を倍にして返して
くれる日がきっと来ると俺は信じている。
この日は埼玉で行われたダービーということもあってサポーターは数こそ少なかったが屈辱の連敗を晴らそうという気持ちが
こもった応援となっていた。ダービーに賭ける想いを示す横断幕やゲーフラの数々、そしてオレンジに染まったゴール裏、そんな想いが
この日も届かなかった。いつになったら俺らのダービーに賭ける想いを選手、チームは結果で応えてくれるのだろうか。もうこんな想いを
し続けるのはたくさんなんだ。この屈辱、絶対に忘れるな。そしてこの想い、次にぶつけよう。憎っくき磐田倒さずして栄光は掴めない
という事を胸に秘め、悔しさでいっぱいの1年をしめくくりたいと思う。
エスパルスを愛する選手、チームスタッフ、サポーター、全てのみなさん、今年1年本当にお疲れ様でした。そして来年、
この時期は絶対良かったと思える1年にしよう。
ジョーカー。
2002.12.23(TUE)
THE 83rd EMPEROR'S CUP QUARTER FINAL
vs JEF UNITED ICHIHARA
1v-0 WIN
at NANAKITA PARK SENDAI STADIUM(SENDAI)
押され気味の試合をひとつの選手交替が流れを変えた。この交替に尽きるのではないだろうか。ジョーカーと呼ぶに相応しい
抜群のプレーをした彼の活躍がチームを準決勝へと導いた。
試合は序盤はお互い決定的なチャンスを作れない。それでも市原は村井、坂本の両サイドを中心にスピーディーな攻撃を見せ
る。ラストパスが不正確な為に市原も決定的なチャンスとはならないものの、清水は中盤でのプレスもうまく利かず、守備に走
り回される。肝心の攻撃も前線のトゥットが簡単にボールを奪われるなど、最後まで持っていくことが出来ない。35分には市原
の守備陣が交錯してこぼれた球にうまく反応した安貞桓から決定的なラストパスを受けたにもかかわらず、トゥットはシュート
ミスでチャンスを逃すなど大ブレーキ。彼の不調により他の選手の押し上げが無駄になり、結果として味方の体力を奪い、後半
以降の守勢に立つ遠因となってしまった。結局前半はこのまま終了した。
後半に入り、徐々に市原の攻撃に押され気味となる。不用意なパスミスやトゥット、安貞桓の連携ミスからボールを奪われる
と市原の素早いサイド攻撃に遭う。中盤でも浩太、テルが必死に動き回るものの素早いパス廻しになかなかボールを奪うことが
出来ない。清水の守備陣も相手のセンタリングに体を張って必死に守るが、次々に飛び出してくる相手にシュートを許す。市原
の積極的なシュートに何度も冷や汗をかくが、このピンチにGK真田が冷静に対応し、点は許さない。トゥットがブレーキとなり
攻撃にリズムが出なかった清水だが、63分の交替がこの試合の流れを変えた。不調のトゥットから康平を投入。康平は中盤、さ
らに前線やサイドに開いて積極的にボールに絡み、相手との1対1でも積極的にドリブルで仕掛けるなど次々にチャンスを演出す
る。終盤になると清水は連続してチャンスを迎えるが、安貞桓のシュートは相手GK櫛野の正面、康平も2度のGKとの1対1のチャン
スでシュートが枠の外と本当に惜しいチャンスを逃して後半も両チーム無得点のまま終了した。
延長に入っても清水はこの流れのままチャンスを作る。康平、太田圭輔といったあたりは足がもつれたりしながらも必死のド
リブルでチャンスを作り出す。それに刺激されるようにアレックス、安貞桓も前線の高い位置からの守備を見せるなどこの一戦
に勝ちたいという想いが徐々にプレーに表れはじめる。そして99分、相手DFがGK櫛野にバックパス、櫛野は前線に蹴り出すがそ
のボールを和道がダイレクトで前線に送る。このボールを市原DF斎藤がカットしようとするもののトラップミスし後ろにこぼれ、
そのこぼれ球を前線に残っていた康平が拾って抜け出してGKと1対1から落ち着いて決めてVゴール。康平がまさしく3度目の正直
で決めてこれまで3連敗と苦手にしていた仙台スタジアムでの初勝利と準決勝への進出を決めた。
とにかくこの日のMVPは康平に尽きる。この日はいつになく積極的にドリブルで相手に勝負を挑みそれが相手の混乱を起こして
いた。次々に相手をかわすそのドリブルはいい時の康平のプレーそのままであった。確かに2度の決定的なチャンスでシュートが
枠に行かなかったが逆にそれだけのチャンスに至るまでの飛び出し、トラップとも秀逸なものがあった。3度目のチャンスにそれ
までの反省を活かしてシュートを低めに抑えたいいシュートを放ってくれたし、勝てばいいカップ戦、その最後に決めただけで
もう充分であろう。まさしくこの試合の切り札、ジョーカーであった。今季、なかなか起用されず苦しい時期を乗り越えた彼に
はまだまだこのまま終わって欲しくないし、これだけのプレーは当たり前だと俺は思っている。
太田圭輔にしても試合を重ねる毎に伸びてきているのが分かる。この日は課題と言われた守備でも対面の市原MF村井に対して
決して怯むことなく頑張っていたのではないだろうか。何より延長戦突入以降も足がもつれながらセンタリングまでもっていく
など、最後の最後まで頑張り抜いた。スタミナだって問題ないことを証明してくれた。浩太も同じように前の試合で途中交替さ
れたが今回はフル出場。この日は中盤で必死に動いて相手の攻撃の芽を摘むことに集中し、市原の素早い攻撃を少しずつだが遅
れさせることが出来ていた。彼ら若手がこのわずか3試合で目を見張る成長を遂げていることが俺は嬉しい。
しかし、勝ったものの問題もなかったわけではない。まずトゥットだ。あまりにも簡単にボールを取られ過ぎて味方の負担を
増大させていた。無理な状況でのドリブルというのは相手からすると非常に守り易いという事が分からないのだろうか。時には
フリーの味方に預けるなど冷静なプレーをして欲しかった。そして安貞桓だ。確かにトゥットと違って簡単に相手にボールを奪
われることは無かったが明らかにボールを持ち過ぎ、ノボリや太田圭輔がうまくフォローするようにスペースへ何度も流れ、そ
こにわたれば決定的なチャンスになるのにほとんど彼らを活用せず、あくまで囮としてしか使ってなかった。当然相手はそのよ
うなプレースタイルは研究済みで強引にシュートを放っても点には結びつかなかった。もっと味方を信頼して活用して欲しい。
決して一人では何も出来ないという事を分かって欲しい。
いろいろ不満や言いたい事はある。だが、重ね重ね言うようだが勝ったからこそ言えるのだ。今季不調の清水にしてみれば天
皇杯は最後の意地を見せる場、そこで勝ち進んでいることには何ら不満が無い。Vゴールの決まった瞬間の選手、スタッフ、サポ
ーターの喜びようを見る限り。明らかに大木監督体制の頃と今のチームでは一致団結という点で大きな違いがある。この日のサ
ポーターも遠い仙台に鳥取での4回戦の時以上の人数が駆けつけ、力の限りの声援が送られていた。清水からビッグフラッグも持
ち込み、この一戦に賭ける想いが見事に実った。
さあ次はいよいよ準決勝。相手は憎っくき磐田だ。準決勝という舞台に相応しい相手じゃないか。一昨年から続くダービー5連
敗の屈辱を晴らせる舞台がやってきたわけだ。あの辛く惨めな敗戦の積み重ねはこの舞台で晴らす為のプロローグだったと思お
う。これ以上の屈辱を味わいたくはない。負けて泣くなら勝って死ね。選手もサポーターもこの一戦に今年の全てを賭けて闘お
うじゃないか。
耐え忍んだ結果。
2002.12.20(SAT)
THE 83rd EMPEROR'S CUP 4th ROUND
vs SHONAN BELLMARE
2-1 WIN
at TOTTORI BIRD STADIUM(TOTTORI)
降り積もり、なおかつ試合中も降り続けた雪、体温を奪うような強風、ぬかるんだグラウンド、相手の徹底したサイド攻撃、いろいろな苦しい
状況を乗り越えて耐え忍んで掴んだ勝利。今はこんな形でも勝利という結果が非常に尊いものに思える。
前日から降り続けた雪がピッチに積もり、我々サポーターが駆けつけた時にはまだピッチ上では地元のスタッフの方が除雪作業をしている段階
であった。そういう状況でも関係者の努力により、試合は予定より1時間遅れで始める事が出来た。除雪こそしたがピッチには雪が融けてぬかるん
だ状態、雪の為にカラーボールを使用して試合は始まった。ちなみにそのカラーボールはわずか数分で理由は定かではないが、通常のボールに交
換されるというアクシデントまであった。試合は前半風下に立った清水はピンチの連続となる。8分、中盤で浩太のパスミスを湘南DF白井が素早く
前線左サイドのスペースにフィード、これを受けたMF坂本が折り返し、そこに飛び込んだFW柿本にスライディングで押し込まれて早くも失点して
しまう。浩太のパスミス時に両サイドも上がっていてしまい、全く手薄になってしまったうえに、DF陣も相手FWに簡単に前に入られてしまうなど
後手後手の対応が目立った。
この後も清水は焦りからか余裕の無いプレーが続き、落ち着いて試合を進める事が出来ない。湘南ペースの嫌な流れのままだったが、徐々に中
盤で素早い出足で相手の攻撃の芽を摘んでいく。特に浩太は最初の失点のミスを取り返すかのように縦横無尽の働きで守備だけでなく、味方の空
いているスペースに顔を出しチャンスメークもするなど非常に目立った活躍をする。そして29分、森岡が前線にフィード、このボールが前線で待
つ安貞桓とノボリに合わないものの相手DFがクリアミスでペナルティエリア内にこぼれ、そこへトゥットが湘南DF井原と競り合いながらボールを
奪い、相手GKとDFの位置を良く見て冷静にコースを狙ってシュート、これが決まって同点に追いつく。嫌な雰囲気だったが、諦めずにボールを追
いかけたトゥットの執念が相手のミスを誘い流れを引き戻した。この勢いのまま、33分には左CKからノボリがニアサイドに立つ森岡にピンポイン
トのクロス、これを森岡がバックヘッド、これは惜しくもバーに跳ね返されて勝ち越すことが出来ないまま前半終了。
後半は風上に立った清水だが、ぬかるんだグラウンドに足をとられスピードに乗った攻撃が出来ない。それでも再三再四にわたり太田圭輔が右
からチャンスメークをし、コーナーキックを奪うがその肝心のセットプレーで決定的なチャンスが作れない。運動量の落ちた浩太から鶴見に替え
たものの、更に湘南のサイドの裏を徹底してつく攻撃にDF陣も引っ張られ真ん中のマークが緩くなり、フリーでシュートを許す危ないシーンが目
立つ。一方の攻撃も何度か訪れた決定的なチャンスでも、安貞桓のポストプレーからフリーになったトゥットの左足シュートはポストに阻まれ、
右から切れ込んだ太田圭輔の思い切ったシュートもポストに阻まれるなど試合を決められない。
終盤になると完全に湘南ペースとなり、徹底したサイド攻撃から湘南FW高田、柿本、石田に次々にシュートを浴びるが、ここで守護神真田が抜
群の反射神経で全て防ぐ。時間は無情にも進み、延長濃厚と思われたロスタイム、耐え忍んだ苦労が報われる。この後半に何度も行われた右CK、
キッカーのアレックスは途中出場の康平を使ってショートコーナー、アレックスはこのボールをダイレクトでゴール前にクロス、これに森岡がフ
リーの状態で飛び込んでヘッドでゴールに叩き込んで勝ち越し。劇的なゴールで8年連続のベスト8進出を決めた。
今日のMVPは真田だろう。最初の失点以降、実に落ち着いた守備をしてくれた。特に後半数多くのピンチで抜群の反射神経でチームを救った。
かなり至近距離からのシュートも受けたが、その全てを弾き返してくれた。ちなみに今季の清水は先制点を許した試合は14戦1分13敗。今季一度も
出来なかった逆転勝利が出来たのは彼のお陰ともいえる。本当に今日の試合は彼がいなければどうなっていたかと思うぐらいのプレーぶり、まさ
しく守護神であった。
守備もサイドを簡単に突破され真ん中で守る和道、昇平、森岡にとっては難しい試合だっただろうが、序盤の失点以降は良く体を張ってくれた。
特に和道は何度も積極的に相手のパスをカットするなど、思い切りのいいプレーを見せてくれた。また森岡も守備だけでなく、決勝点も決めてく
れた。彼の強いヘッドはなかなかセットプレーがうまくいかない清水においては貴重な武器になってきている。ただし、簡単に前に入れられて序
盤の失点だけは反省してもらいたい。今後もああいうピンチは数多くあるだろう。そういう時に積極的に相手の前に出て体を張ったプレーをして
欲しい。
攻撃もこういうコンディションの中ではなかなかパスを廻せないのは分かっているのだが、あまりにも単調で不正確なロングパスが多かった。
せっかく右サイドから太田圭輔が抜群の動きでチャンスを作っていたのだからもっと徹底して彼を使ったプレーが多くても良かったのかもしれな
い。それでも彼以外にも浩太が積極的に前でプレーするなど若者2人の活躍には今後への期待を抱かせてくれた。今季限りが決まっているトゥット
にしても最後の最後で2試合連続得点、相変わらずキープできなかったり不満な点もあるが、一生懸命さは伝わってきた。ゴールという結果に自信
を持って更に残り一戦一戦、清水へ栄光をもたらす事で己の意地を見せて欲しい。
ゴール裏もこんな最悪のコンディションの中、試合開始1時間前にはたくさんのサポーターが詰め掛けてくれた。雪の山道を何度もコースを変更
してチェーンを巻いて峠を越えてやってきたツアーバス、車を途中で置いて電車に乗り換えて駆けつけた人達もいた。一方の湘南サポーターも試
合開始ぎりぎりに到着し、2年連続でサンタ帽子を被って応援を繰り広げていた。試合中にも雪が降り、時には大粒の霰がサポーター、選手に襲い
掛かるという文字通りアウェーの洗礼に耐え忍び、急遽リーダーを務めてくれた人、精一杯飛び跳ね、力の限りの声を選手に届けた人、皆が精一
杯のサポートをした。君達の精一杯のサポートがどれだけ選手達を勇気付けたか計り知れない。こういう中での勝利というのはまた格別なもの、
栄光を掴んだ時にこの日の苦労はきっと笑い話になるはずだ。
8年連続ベスト8という快挙は見事達成した。残り3つ、これから先はもっと厳しい試合が待ち構えると思う。次は好調の市原と仙台スタジアムで
の対戦だ。今まで一度も勝っていない鬼門仙台スタジアム、更に2試合連続5-0の圧勝という市原、きっと厳しい戦いになると思う。しかし、今日
のようないろいろな意味でタフな試合を乗り越えた自信をもって次もぶつかろう。負けたら終わりの闘い、選手と同様に俺達も悔いの残らないサ
ポートをして今季を最高の形で締めくくろうぜ。
本来のスタイル。
2002.12.14(SUN)
THE 83rd EMPEROR'S CUP 3rd ROUND
vs MITO HOLLY HOCK
2-0 WIN
at NIHONDAIRA STADIUM(SHIMIZU)
決して最高の内容ではなかったが、カップ戦の初戦は難しいもの、無難に勝利を収めた事が一番であろう。自らの本来のスタイルを見失った
この1年を取り戻す最初のスタートを無事に切れたと思う。
序盤から清水は両サイドのアレックス、久々スタメンの太田圭輔へ積極的にボールを廻す。この両サイドが積極的に相手に仕掛けてチャンス
を作っていくものの、完全に引いた状態の相手の守備は堅く、跳ね返される。中盤でもテル、浩太のドイスボランチが確実に相手の攻撃の芽を
摘んでチャンスを作るが、安貞桓とトゥットの連携が相変わらず今ひとつ。特にトゥットがGKと1対1を外すなど、動きに精細を欠いてチャンス
をことごとく逃す。前半も30分を過ぎると徐々に最終ラインと前線の間が空き、相手の中盤に対するマークがいい加減になる。それでも相手の
単調な攻撃、前線でのイージーミスに助けられて決定的なピンチも無いまま前半を終了する。
しびれを切らしたサポーターからは前半終了後にゴールコールが起こるなど嫌な空気のまま迎えた後半開始早々47分、左サイドでアレックス
が相手のパスミスをカットして素早く前線に残っていたトゥットにスルーパス、トゥットは相手DFをひきつれながらドリブルから強引にシュー
ト、これが見事に決まって先制する。今季限りでチームを去る男の意地で重い空気を振り払ってくれた。
1点を奪われて攻めざるを得なくなった水戸に対して、清水はしっかりと守ってから素早く両サイドに球を散らして次々にチャンスを作る。
前半から抜群の突破力でチャンスを作っていた太田圭輔が足の故障で鶴見と交替するアクシデントこそあったが、69分には中盤でテルが倒れな
がらも右サイドに飛び出したトゥットに絶妙なスルーパス、抜け出したトゥットが相手DFをひきつけて左サイドから上がってきた安貞桓にパス、
安貞桓はGKと1対1から冷静に相手をかわしてゴールへ流し込んで2点目を奪う。この後も前がかりになる相手に対して落ち着いた守備で最後まで
危なげなく無失点で試合終了。
今日のMVPは太田圭輔であろう。チーム本来のスタイル、サイド攻撃を取り戻すうえで鍵を握っていた右サイドで何度もチャンスを演出した。
とにかくボールを持てば必ず何かを狙った積極的なプレーを続けてくれた。結局後半相手の運動量が落ちたのもこの前半からアレックスと共に
何度も相手にとって嫌な突破をし続けた成果であろう。後半途中には今後に向けての不安を覚えたが試合後に歩いている様子を見る限り今後も
出場に支障は無いだろう。もちろんまだまだシュートが少ないし、センタリングの精度もこんなものではないはずだが、とにかく何かをやって
くれるという期待を俺達に与えてくれる貴重な選手だ。
トゥットも最後に意地を見せてくれた。前半は味方のパスにことごとく追いつけず、GKと1対1も何度か外し、スタジアムの溜め息を誘ってい
たが結果を出してくれた。戦力外通告を受けた状態での出場でモチベーションが非常に心配されたが己の意地というものを見せてくれた。その
心意気は非常に買えるのでは無いだろうか。安貞桓もいつものような持ち過ぎのシーンも比較的少なく、パス出しの方で何度も決定的なシーン
を演出し、新たな一面を見せてくれた。アレックスも前述した太田圭輔と同様に高い位置で何度もチャンスを作っていたし、彼の守備が均衡を
打ち破った点に繋がったのは見逃せないだろう。
守備陣の方も心配された水戸DF闘莉王への対策もしっかりできていた。特に和道は相手のボールを何度も跳ね返して全く仕事をさせなかった。
中盤でも浩太がテルのサポートもあってかのびのびプレーしていたのが印象深い。積極的に前線に上がり、シュートを放つなどかなり良かった
のではないだろうか。とにかく攻守とも今年1年の不安とは違い、その先の希望が見出せる点も見受けられた。前向きに考えればそう思える。
しかし、スタジアムにいて感じたことだが、J2相手で当然勝って、なおかつ最良の内容を厳しく追い求めるサポーターの気持ちも非常に分か
るのだが、それがゆえにスタジアムの特にゴール裏の雰囲気が悪くなっていなかったかと思う。選手の少々のミスにあまりにも大げさに辛らつ
にブーイングが響く、さらに汚らしい野次が飛ぶ。共に闘う仲間に対して、行き過ぎた厳しい姿勢で選手を凹ませる必要はあったのかなと思う。
選手を乗せる、後押しするという応援にする事も必要なのではないだろうか。負けたら終わりのカップ戦、共に勝ち進み栄光を掴む事が一番大
事なはず。気持ち的には分かるのだが、今年1年の低迷から脱出するためには時には前向きな声援も必要だと俺は思った。
この日は試合開始前にスタジアムでいろいろな意味が込められた応援が繰り広げられた。未だ去就の決まらない、鶴見、北嶋、安貞桓、に対
して、サポーターからの残って欲しいとの思いの込められた「17」「19」と書かれたビッグフラッグ、約200本の「18」と書かれたゲートフラッ
グ、いつも以上に長く続いた選手応援歌やコール、確かに俺達サポーターにとってチームと選手の間の契約には口は挟めないかもしれないが、
来年も共に闘おうという気持ちは伝えられたのではないだろうか。あとはこの想いが実ることを信じて、まだ残っている試合で伝え続けるだけだ。
試合後にはフッカコーチの退団セレモニーが行われた。かれこれ8年の長きにわたり清水の為、共に闘ってきた仲間だと思っている。我々サポ
ーターにいつどんな時でも笑顔で応えてくれた姿が俺には忘れられない。盛大に歌われたフッカへの賛辞、次々に駆け寄る選手との抱擁、フッ
カへの惜しみない愛情が凝縮されていた。ここから新たなる人生を歩む事になると思うが、我々としても彼の新たなる挑戦が成功する事を願っ
てやまない。彼の為にも勝ち抜き元旦にもう一度さようならを言えれば最高だ。
そしてもう一人、3年にわたり清水のゴール裏を引っ張ってくれたリーダー、日比君もこの試合を最後にリーダーとしては引退する事となった。
彼が最後に言ったように清水の応援はまだまだこれから、でも可能性は無限大だと思う。そのきっかけを彼は与えてくれたのではないのかなと
思う。いろいろなストレス、責任、重圧がかかる中での3年にわたる活動、本当にお疲れ様でした。そしていつでも戻ってきて欲しい。
次は鳥取での試合。我らが清水は鳥取初見参となる。遠いアウェーだが駆けつける人は少しでも駆けつけて欲しい。その一人一人の力が遠い
アウェーでは本当に力になるはず。負けイコール今年の終了を意味する天皇杯、カップ戦の醍醐味を最後まで味わおうじゃないか。
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