タイトルに賭ける思い。
2003.10.08(WED)
J-LEAGUE YAMAZAKI NABISCO CUP SEMI FINAL 2nd ROUND
vs URAWA RED DIAMONDS
1-6 LOSE
at URAWA KOMABA STADIUM(SAITAMA)
認めたくは無いが、チーム・サポーターのタイトル奪取に賭ける想いの差結果として表れてしまった。
実質1点リードという状況で迎えたこの試合だったが、不用意なファウルを犯し、それに対して過敏に警告を乱発する主審の柏原、これにより守備陣は厳しい
チェックができなくなり、浦和FWエメルソンと田中達也を自由にさせてしまった。おまけに中途半端に攻め上がり、一旦奪われるとスペースを自由に突破され
た為に対応が後手後手となり前半で早くも逆転されてしまった。さらに、右サイドで起用された鶴見の退場直後には相手エメルソンのドリブルに対してずるず
る下がるだけで何のプレッシャーもかけずにフリーでシュートを打たれて決められるなどあっという間の6失点。相手のシュートの精度は確かに高かったが、何
もプレッシャーを与えなければ当然の報いであった。
とにかく、主審柏原の曖昧な判定基準、高圧的な態度、乱発するカード、これによって試合が大きく壊されたのも事実だ。とても大事な試合に起用される審
判では無かった。12人vs10人とも言える試合だったがそれでも選手達には冷静になって欲しかった。キャプテン自らが暴言で警告、激しいぶつかりあいなどの
闘った結果の警告ならかまわないが、くだらない暴言、遅延行為などで貰う警告ほどつまらないものはない。それはチームを盛り上げるというキャプテンの行
為とは正反対の行為だ。
それでも横浜戦と違ったのは、失点を重ねていきながらも選手達が下を向くことなく闘ったことだ。そんなのは当たり前のことかもしれないが、それだけは
称えたい。1点を目指して最後まで前へ前へと突き進む姿勢は見せてくれた。だからこそ、試合後に挨拶に来た際、悔しい、辛い、情けない、そんな気持ちでい
っぱいだっただろうが胸を張ってゴール裏へ挨拶に来て欲しかった。君達は闘い抜いたんだ。
一方、それをまとめるべき監督にはもう期待を抱くのは無駄なのかもしれない。なぜトータルスコアで逆転された時点で勝負に出ないのだ。結局毎度のよう
に交替枠を余らせた。タイトルがかかった今季で最も重要な一戦に臨む姿勢があなたからはいつものように感じられませんでした。1年で5失点以上が3試合とい
う結果は、選手達だけの責任ではない。何もせず、手をこまねいて、そんなベストを尽くさないような姿勢に選手もサポーターも心が離れていってしまう。こ
のまま負け犬のように終わりたくないだろ?あなたの意地ってやつを見せてくれ。
サポーターに関しては最初に述べたようにとにかくこの一戦、このタイトルに賭ける想いの差が大きかった。スタジアムの周辺にはサポーター特製のポスタ
ーを掲げられていた。試合中も両ゴール裏だけでなくバックスタンド、メインスタンドも巻き込んだ大音量。それに対して我々はどうだったのか?点を取られ
るにつれて声を出さなくなった者、笑っているやつも残念ながらいた。この場所に来ている意味をどれだけの人が理解していたのだろう。リーグ戦と違い、一
つの負けで全てが終わるカップ戦、どんなに点数をつけられても諦めてはダメなんだ。くだらないと思う奴は思えばいい。あの日あの場所でどんなに点数を取
られても諦めることなく、最後まで選手と共に闘い、終わることの無い応援を繰り広げたサポーターがいた。何ともいえない感情の高ぶり、悔しさ、辛さから
涙を流したサポーターもいた。そして終わることの無い苦しい試合で最後まで闘った選手がいた。俺はこんな酷い試合でもそんな選手、チーム、そして彼らと
共に闘ったサポーターに対して誇りに思うよ。この試合を契機にあの場にいた皆が何かを感じ取らなければこの敗戦も無駄になる。後でこの試合をいい意味で
振り返る事ができるようになるには俺達自身の努力しかありえないのだから。
さらに、試合開始時にゴール裏だけでなく、バックスタンド全域にわたって撒かれた紙吹雪。試合終了後には「たくさんの紙吹雪ありがとうございました。
場内清掃に御協力下さい」という場内アナウンス。浦和球団がサポーター達を巻き込んだ応援を考え、試合後にはそれに対する感謝。一方、大事な一番だから
と清水の球団ではそれを強要することは無いだろう。それだけこの一戦に賭ける想いが球団レベルでも差があったということのあらわれであろう。
ちなみにこの対戦、清水ホームの第1戦の観衆は8046人、浦和ホームの第2戦の観衆は18486人だった。これだけでも分かるだろう。確かに第1戦と第2戦の意味
合いの違いこそあるが、同じように平日のカップ戦、同じようにタイトル寸前の準決勝、こんなところからもタイトルに賭ける想いが差となってしまった。こ
の熱意が巻き起こした雰囲気に主審の柏原も惑わされてしまったとも言える。サポーターにはそれだけの何かを起こす力を持っている。かって7年前、同じよう
な熱い気持ちを持ったサポーターがいた。決勝と言う舞台で慣例とも言えるPKの場所を応援のパワーで主審に変更させたチーム、それは紛れも無い俺達だ。出
来ないなら始めから言わない。試合後に受けた「王国埼玉!」コール、誇り高き王国のサポーター達、それでもいいのか!?ここが再出発となることを祈る。
ひたむきに。
2003.10.01(WED)
J-LEAGUE YAMAZAKI NABISCO CUP SEMI FINAL 1st ROUND
vs URAWA RED DIAMONDS
1-0 WIN
at NIHONDAIRA STADIUM(SHIMIZU)
ひたむきに、ただひたむきにボールを追いかけ、体を張った選手達の姿勢に結果がついてきてくれたのではないだろうか。
守備に関しては序盤から浦和FWエメルソンに対して、昇平だけでなく数人がかりでマークし、全体的に引き気味で守りながら相手の隙を狙ってボールを
奪い素早く繋げる意識が非常に高かったと思う。右サイドで起用された鶴見も粘り強い守備を見せてくれた。一度抜かれても再びしぶとく相手のチェック
に行き、時には足を懸命に伸ばしたスライディングも見せてくれた。そういうひたむきなプレーを俺は待っていた。前半はそれらの素早いプレスがそのま
ま素早い攻撃に結びついていた。後半に入り、中盤の運動量が落ちて圧倒的にボールを支配された中でも相手へ厳しいチェックを繰り返すことで相手の無
駄なパス回しで時間を浪費させることも成功したのではないか。
攻撃の方も前半は基本通りに北嶋のポストからチャンスを作り出していた。決勝点も北嶋のポストプレーから安貞桓が強引に放ったシュートから生まれ
た。そのシュートにしても確かに浦和GK都築の軽率なミスから生まれたのだが、それもこれもシュートを放ったからであって、積極性がもたらしたのでは
ないだろうか。それだけでなく途中から入ったトゥットも含めこの日の前線は守備面においても相手のボールを懸命に追いかける姿勢があった。日頃守備
をしない場面も目立つ安貞桓も平岡退場後の苦しい状況で中盤に下がってまでボールを追いかける場面もあった。まさしくチーム一丸の姿勢があったこと
を評価したい。
それらを含め、ひたむきに闘った象徴とも言えるこの日のMVPは昇平だろう。浦和FWエメルソンに対して簡単に取りに行かず、実にしつこくマークをして
いた。その粘りの前に終盤エメルソンが昇平とは逆のエリアでプレーしていた事でもわかる。警告を貰ってしまったが、それでも恐れることなく厳しいチ
ェックでこの難敵に対して挑んでいた。周りの選手の適切なカバーリングも当然大きかったが、この姿勢で相手に挑んだ時点で彼には普段以上の力が加わ
ったのではないだろうか。最近は相手と競る場面も少なくなりつつあったが、これをきっかけに本来の当たりの激しいプレーを取り戻して欲しい。
前半だけで退いたが、黒子役として中盤を支えていた吉田の動きも見逃せない。鶴見、ノボリの怪我により投入された隼人、アレックス、テルが中盤で
自由にポジションを替える中、ひたすらカバーリングに徹して相手のクリアボール、セカンドボールを拾い清水ペースに持ち込んだ最大の功労者だろう。
皮肉にも交替された後半に入り、徐々に支配されて中盤がずるずる下がってしまったシーンを見るにつけ、彼の存在の大きさがわかる。
退場した平岡も昇平同様、闘った結果として仕方が無かったのかもしれない。確かに数的不利を生み出したのは問題だが、それだけの厄介な相手に対し
て仕事をさせず、前を向くこともさせなかった、結果として最大の敵のプレーエリアを下げることにも繋がった。裏話ではあるが、先日平岡と話をした際
に「日本平スタメンデビュー戦の時にジンギスカンのリズムで応援歌をプレゼントして欲しい」と本人から直接言われ、公約どおり日本平スタメンデビュ
ーをジンギスカンのリズムでの応援歌で盛大に祝った。エメルソンに全く仕事をさせなかったように今や清水には欠かせない貴重な戦士となったと言える
であろう。
また、森岡も浦和FWエメルソン以外の飛び出す選手に対してきっちり対応していたし、この日の3バックの頑張りは見事だった。この集中力、闘う姿勢を
まずは1週間後にも継続して欲しい。皮肉にも退場になった平岡、リーグ戦の累積警告で森岡、2人とも不本意ながら休養できるのだから、しっかりと調整
してもらいたい。
ノボリの突然の交替で投入された隼人も守備では機能しなかったものの、時折両サイドへ散らすパスには才能の片鱗を見せていた。守備面では全く機能
してなかった問題点はあるが、あとは試合経験を積んでいくだけだ。今後に期待したいと思う。
サポーターに関しては平日という事情はあるにせよ、準決勝という舞台でこの観衆には少々寂しさを覚えた。確かに今チームは結果も内容も良くないか
もしれないが、タイトル目指して選手達がひたむきにプレーしている姿を見ると応援せずにはいられないはず。この日、ULTRA' SHIMIZUが広げたビッグフ
ラッグに書かれている「12」という文字の通り、俺達が12番目の選手なんだという原点に戻って選手同様ひたむきにチームを愛し、応援しよう。
大きな勝利だったと言えるが、この勝ちはその場で喜ぶだけにしておこう。これでとりあえず180分の前半を終了したに過ぎない。次は敵地駒場に乗り込
んでの90分、今季最も大事な90分となるであろう。当然、浦和も対策を立ててくるはず。しかし、1点というアドバンテージを持っている。これを過信では
なく、自信として90分に挑んで欲しい。その先には国立という栄光の舞台が待っている。なかなか波に乗れずにもがいている今季のエスパルスにとって最
大のチャンス、絶対勝ち取ってやろう!
輝く彗星。
2003.08.27(WED)
J-LEAGUE YAMAZAKI NABISCO CUP QUARTER FINAL 2nd ROUND
vs GAMBA OSAKA
3-2 WIN
at EXPO'70 MEMORIAL STADIUM(SUITA)
4日前のダービーのショックから抜け切れないチームを1年前の同じ大会でブレークした彗星が再びチームに勢いを与えた。
前半からホームのG大阪のペース。チーム全体の運動量が低い清水に対して、G大阪は両サイドを非常にワイドに使った展開で
チャンスを作る。清水もゴール前はしっかり人数をかけて守り、前回の対戦と同様にマグロンを抑え、決定的な仕事はさせないが
やや押され気味の展開となる。しかし31分、清水は数少ないチャンスを活かす。左CKからアレックスがニアサイドに飛び込む
エメルソンにセンタリング、エメルソンが胸トラップからシュートを決めて先制する。日頃セットプレーから点を奪うよりも奪わ
れることの多かった清水にとっては非常に大きな得点だったと言える。このまま前半を終了する。
しかし、後半に入るとそれまで抱えていた不安が露呈し始める。とにかく不調の前線、その中でも安貞桓の運動量の無さが目立
つ。せっかくボールを奪ってのチャンスでも安貞桓や孤立するトゥットが簡単にボールを奪われてピンチを招くなど押され始める。
すかさず、日頃は動くのが遅い監督も60分にはその安貞桓を下げて太田圭輔を投入する。それでも一旦相手に傾いた流れは取り
戻せず、70分には左サイドからG大阪MF二川の大きなサイドチェンジに誰もついていけず、抜け出したFW大黒にPKエリア
外から豪快にシュートを決められて同点にされる。
相手に振り回されながらも必死に守っていた清水にとって手痛い失点だったがそれでもその守備陣が奮起する。76分にはセッ
トプレーから一旦は相手にクリアされるものの再び奪ったMF吉田がゴール前にクロスボール、これを相手MF山口がクリアし損
ねたところに詰めていた森岡がミドルシュート、これが決まって突き放す。それでも簡単に諦めないG大阪は更に前線に選手を投
入し、何度もゴール前にボールをあげて、これに清水の守備陣はずるずると下がってしまう。82分にはセットプレーを一度は跳
ね返すがクリアが中途半端になり、再びゴール前へあげられG大阪MF山口がヘッドで落としたところに全くのフリーのDF宮本
にミドルシュートを決められて再び追いつかれてしまう。
2度のリードを緩慢とも言える守備で追いつかれ、相手のワイドな攻撃に運動量も奪われるという嫌な展開。せっかくのチャン
スも久保山のシュートは力無く、イチの決定的なヘッドも枠の外と決定力も無く、時間も刻々と過ぎて延長を覚悟したロスタイム、
途中からピッチに放たれ、諦めずにボールを追いかけ、ピッチを走り続けた男の執念が実る。アレックスからのロングボールを受
けた太田圭輔が相手DFを前にしながらも思い切ってシュートを打つ、これが相手DFに当たりGK松代の手前にこぼれる、それ
でも諦めずに追いかける太田圭輔の前に変則回転したボールが足元に戻ってきて相手GK松代よりも一瞬早く触れ、ボールは無人
のゴールへ吸い込まれ3度目のリードを奪う。このリードを残りわずかな時間で何とか守り切って試合終了。この試合の勝利と共
に2戦合計での準決勝進出も決めた。
勝ったものの決して内容は良くない。それでも逆に屈辱のダービーからわずか4日で結果を残した事を良しとすべきなのかもし
れない。何より選手達に闘う気持ちが衰えなかった事を褒めたい。味方のミスには厳しく指摘し、お互いの要求をしっかりと言い
合う場面もあった。純粋に目の前の試合に勝ちたいという姿勢がそこにはあった。その中でMVPはやはり太田圭輔であろう。全
体的に足が止まり、チャンスでも単純なミスから潰され流れの悪い中で投入されたが、持ち味のスピードを活かしチームを支えた。
何より同じようにスピードがありながら味方との連携が不十分で孤立気味であったトゥットとのコンビは圧巻であった。お互いの
スピードを押し殺すことの無いカウンターは清水に今まで無かった新しい武器となり得るだろう。決勝点も諦めなかったその姿勢
に神様がいたずらしてくれたのではないか。1年前のこの大会で結果を出したにも関わらず、その後出場機会を与えられず不遇の
時代を味わってきただけにこの復活は俺達にとっても嬉しい。今度こそコンスタントに出場機会が与えられることを祈るし、そう
なるであろう。己の努力で掴み取った結果だ、胸を張っていい。それに引き換え、ボールの持ち過ぎで何度もチャンスを潰してい
た安貞桓と左サイドで目立った動きが無かったアレックスには太田圭輔のようながむしゃらなプレーをもう一度思い出して欲しい。
その点ではこの日の監督の早目かつ選手の状態をしっかりと見極めての選手交替はダービーでの反省を活かしていたのではないだ
ろうか。もちろん、これで手のひら返しで監督を評価する気は無いが、こういう采配を今後も見せて欲しい。
守備の方もエメルソン、森岡が各1得点と攻撃面での役割は果たしたし、相手の一番注意すべきFWマグロンは完璧に抑えたも
ののミドルレンジからのシュートを2本も決められた。中盤の選手との問題もあるが、相手のロングボールを警戒するあまりずる
ずるとポジションを下げ過ぎだ。クリアボールも小さいうえに下がり過ぎる事でセカンドボールも拾えなくなり、悪循環に陥って
いた。時にはクリアに徹するセーフティーファーストのプレーを選択する等、幅の広いプレーを身に付けて欲しい。少なくとも今
日の相手でも完封を要求することは酷な事では無いはずだ。
屈辱のダービーからはや4日、平日のうえにアウェー万博という事で俺達サポーターも非常に少なかったが、その中で屈辱のダ
ービーを経た事により、人数ではない気持ちの篭った応援は出来たのではないだろうか。それでもダービーに比べればまだまだだ
が、ああいう試合を経験することによりもっと応援に対する個人個人の意識が高まり、更に他の試合へも反映されるようになって
いって欲しい。俺達の声で選手はまだまだ頑張れるはずだし、頑張る選手達にさらに俺達は勇気を貰える。そういう相乗効果を期
待したい。
攻守ともイマイチの内容でもカップ戦においては勝ち進むことによりまた試合の経験も積めるうえにタイトル、名誉、賞金へ一
歩ずつ近づく。さらに、トーナメント表を良く見て欲しい。決勝の舞台まで行けば、あの憎き磐田へ再び立ち向かうことが出来る
のである。本来シーズン2度しかないダービーで既に惨敗を喫している俺達にとって、ありえなかった最後のチャンスが用意され
ている。絶対あの場所へ行こう!そして再び自分達が失った宝物を取り返すんだ!
前半終了。
2003.08.13(WED)
J-LEAGUE YAMAZAKI NABISCO CUP QUARTER FINAL 1st ROUND
vs GAMBA OSAKA
1-1 DRAW
at KUSANAGI ATHLETIC STADIUM(SHIZUOKA)
原点に戻った徹底したサイド攻撃からチャンスも数多くあり、内容でも圧倒しながら、一瞬のミスからのPKと失点。
目前の勝ちを手放した負けに等しいドローだったのかもしれない。試合が終わった直後にスタジアムに漂った何ともや
るせない空気と一瞬の静寂がこの試合を象徴していた。しかし、180分勝負のこの大会、たかが前半を終了したに過
ぎない。勝負はこの次なんだ。
今春アジアチャンピオンズリーグに参加した為、ナビスコ杯は予選免除となった清水。試合は序盤から清水が有利に
進める。アレックスとイチの両サイドが高い位置でボールに絡み、それを支える鶴見とテルがこの両サイドにバランス
よくボールを散らしてチャンスを作るものの、ゴール前での相手の人数をかけた守りを崩しきれないまま。それでも4
試合連続無失点の守備陣はG大阪FWマグロンに時には複数でマークにつき全く仕事をさせず、マグロンを抑えられたG大
阪は遠い位置からのミドルシュートのみとなり、これも久々に復帰のGK真田がしっかりとセーブして点を許さない。結
局清水ペースのまま前半を終了する。
後半に入っても清水ペース、51分には相手のボールを奪ってから久保山が自陣左サイドからドリブルで上がる、相
手に囲まれながらもキープし、フォローに上がってきた鶴見にボールを預け、鶴見が右サイドを上がるイチへ大きくサ
イドチェンジ、イチが素早くゴール中央に走り込む安貞桓にピンポイントのクロスボール、おとりとなった北嶋の裏に
フリーで走り込んだ安貞桓はあわせるだけでゴールが決まった。流れるような展開からのゴール、清水の本来のやりた
いサッカーがここに見事に凝縮されていたのではないだろうか。
この後もセットプレーを中心に数々のチャンスを作るのだが、両チームの交替劇が流れを変えた。清水は69分、こ
の日前線で潰れ役となりながらも体を張っていた北嶋を下げて康平。G大阪は中盤を1枚減らし、前線にFW吉原投入し、
さらに71分にはDF木場を下げてMFチキアルセを投入。1点を追いかけての積極的な采配を見せたG大阪に対して清水は
中盤の運動量が下がり、ルーズボールを拾えなくなる。この相手の攻勢の前に押されっぱなしになり、78分にはFWマ
グロンのポストプレーからMF遠藤のフィードがゴール前へ、和道がFW大黒と競り合い相手を倒しながらもクリアしたか
に見えたが、判定はファウルという厳しい判定でPK、このPKをFWマグロンに冷静に決められて同点に追いつかれる。残
り時間、攻勢に出た清水だが、最後まで勝ち越すことが出来ずに試合終了。
攻撃に関しては久々に清水の原点であるサイド攻撃が頻繁に見られたのではないか。アレックスとイチの両サイドが
高い位置でプレーし、相手にも果敢に勝負を挑みチャンスを作っていたし、クロスボールの精度はまだまだかもしれな
いが、相手DFに当たりゴール前にすら上がってこなかった頃から比べればかなり良くなりつつある。何より唯一の得点
となったシーンではイチがピンポイントの最高のクロスを上げてくれた。この結果に自信を持って欲しい。
前線では得点こそ挙げたものの安貞桓のボールの持ち過ぎが少し目立つ、周囲にフォローがいない場合は別として独
り善がりのプレーは残りの選手に負担がかかるもの、改善を望む。逆に久保山は相変わらずの好調だ。得点シーンでも
素早いドリブル突破からの相手に囲まれながらしぶといキープ、トップ下の位置でのプレーもしっかり板についてきた
のではないか。
守備も微妙な判定でPKを与えてしまったが、相手のFWマグロンにPK以外で全く仕事をさせなかった点は評価していい
だろう。ゴール前での競り合いにも体を張ってプレーできていた。久々の復帰の真田も抜群の反射神経で相手の際どい
ミドルシュートを弾き出し、ブランクを感じさせない動きを見せてくれた。黒河、羽田、そして真田とこれだけのレベ
ルのGKが3枚揃っているというのは何とも心強い限りだ。運悪く連続無失点は途切れたが気持ちを切り替えて欲しい。
何も落ち込む必要は無い。事故みたいなものと思っていればいい。
ただ繰り返すようだが、監督の消極的な采配がこの日も目立った。北嶋から康平という前線の選手同士の交替に関し
てはわかるが、何故中盤の運動量が落ちたときに吉田の投入はなかったのか。同点に追いつかれた後、何故せっかく抜
擢した太田圭輔の投入をしなかったのか。何故交替枠をフルに使わなかったのか。前述したように180分勝負の前半
と思えば負けなかったのはいいだろう。だが、監督として我々に面白いサッカー、また見たいと思わせるサッカーをす
ると約束したのならば最後まで貪欲に積極的に勝ちを目指して欲しかったし、そうすべきだっただろう。ホームという
利点を活かしきれなかったこの采配をいい薬にしてもらいたい。
俺達サポーターもあの試合後の沈黙、正直気持ちは分かるがすぐに切り替えるべきだ。この試合は180分の勝負の
うちまだ半分、次こそきっちり決着をつけてもらう為にも精一杯のコールが必要だと思う。何よりこのホームゲームを
勝たせてやることが出来なかった責任は俺達にもある。それなりにゴール裏を埋め尽くしている割に物足りない声援に
感じたのは俺だけではないはずだ。2週間後のアウェーでは俺達がチームを支えるという自負を胸にそれに恥じないよ
うに共に闘ってやろうぜ!あとたった4試合頑張れば1億円と名誉が手に入る。こんなおいしいチャンスはそうは無いの
だから。
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