理想と現実。
2004.03.20(SAT)
2004 J-LEAGUE DIVISION-1 1st STAGE 2nd ROUND
vs KASHIMA ANTLERS
1-2 LOSE
at NIHONDAIRA STADIUM(SHIMIZU)
前半に見せた理想、後半に突きつけられた現実。これから1年、この差を埋める為に長く険しい道を覚悟して突き進むしかないだろう。
試合前まで降り続いた雨で冷えきったホーム開幕戦、清水は序盤から高い位置からプレスをかけて右サイドの太田を中心に清水がチャンスを作る。
守備でも鹿島のFWファビオ・ジュニオールを昇平が体を張って抑えて仕事をさせない。素早いパス回しにゴールへの予感が高まった24分、相手ボール
をキャッチした西部の素早いスローを受けたアラウージョがドリブルでゴール前に切れ込み左サイドを上がる平岡へパス、平岡がフォローに来たファ
ビーニョに戻し、ファビーニョがゴール中央にセンタリング、全くのフリーとなっていたアラウージョのヘディングシュートが決まって先制。スピー
ディーな攻守の切り替えから相手を崩した見事な攻撃であった。
この後、両サイドの上がった裏を衝かれて何度もピンチを迎えるが昨年在籍していた古巣相手に燃えるGK西部がことごとくこの攻撃を跳ね返す。攻
撃でもジャメーリとアラウージョを中心に素早いパス回しを披露し、32分にはジャメーリとアラウージョの見事なワンツーパスから決定的なチャンス
が生まれるなど清水ペース。しかしこれらのチャンスを逃すなど追加点が奪えないまま前半を終了する。
そして後半、両チームががらりと変わる。高い位置からプレスをかけ始めた鹿島がチャンスを作り、49分には清水守備陣のクリアミスを拾ったMFフ
ェルナンドからMF小笠原に渡りセンタリング、ゴール前に飛び込んだMF本山のボレーシュートをまたもGK西部が弾くものの、こぼれ球をFW深井に押し
込まれて同点に追いつかれる。相手のプレッシャーに負けた守備陣の軽率なミスからの痛い失点で全ての流れは変わる。清水はノボリを下げて康平を
投入するものの中盤の不用意なミスが相次ぎピンチを招く。60分、中盤でのファビーニョの軽率なパスミスから招いたCK、右サイドからのショートコ
ーナーからファアサイドに流れたクロスボールを本山にボレーを決められて逆転される。2試合連続のセットプレーでのマークミスからの失点となって
しまった。
この後、アラウージョや康平のドリブル突破などからチャンスが作られるものの、一旦変わった流れを変えるまでには至らず、中盤での痛いミスを
したファビーニョから浩太への交替というテコ入れも実らず、終盤には鹿島得意の時間稼ぎに清水は何も出来ずにただ無駄に時間が過ぎるだけで試合
は終了した。
前半に見せた素早いボール廻しに理想は決して間違ってない事は確認できたが、それ以前の事を思い知らされた。鹿島にあって清水に無いもの。そ
れは勝ちたいと思う気持ち、気迫であった。前半眠っていた鹿島が後半チーム全体のプレスで生まれ変わり、リードを奪ってからの泥臭いまでの守備
を見せた。終盤には味方の選手投入に気づかず12人でプレーしていたが、確かにわざとだったかもしれないがそれだけ試合に集中していたという事と
もとれる。一方の清水にそういう気持ちで闘った選手がいったいどれくらいいたであろう。交替の指示に納得いかず、負けているのにゆっくり歩き時
間を無駄に使ってしまったファビーニョのシーンには本当にがっかりした。追いつくかどうかの微妙なボールに果敢にチャレンジした選手もいなかっ
た。終盤の鹿島のボール回しに対して全員が限界になるまで追いかけ、少しでも早くボールを奪うという事もしなかった。悔しい事に負けるべくして
負けてしまったのだ。どんなサッカーをやっても忘れてはいけないもの、それは闘う気持ちと諦めない気持ち、これをやり遂げる事だけでもして欲しい。
そんな中で一人気を吐いていたのがGK西部だろう。あまりにも決定的なピンチが多すぎたがそのほとんどを抜群の反射神経で防いでいた。確かに2失
点はしたが致し方ない部分であり、試合を重ねる毎にその存在感を増している。また、この日はそれだけでなく素早いリスタートからアラウージョの
ゴールを呼び込むなど他の部分でも効果的であった。来日初ゴールを挙げたアラウージョもほとんど目立たなかった開幕戦と違い、この日はドリブル
突破から何度もチャンスを作っていたし、徐々に馴染んできているようだ。まだまだこんなもんじゃないと思うし、もっと周りとの連携を深めて欲しい。
サポーターに関してはホーム開幕という事で普段は悪天候では出されないビッグフラッグが3枚出され、広島で披露された「STU」のビッグゲーフラ
もホームで初披露された。また「ULTRAS SHIMIZU」がマーチ旗を200本配布したり、超清水のメンバーが新加入の選手の応援歌詞カードが配布するなど
サポーターの試合前の気合は感じられた。しかし、鹿島に気持ちで負けてしまった選手と同様に俺達サポーターもこの日はいろいろと考えさせられた。
選手を後押ししなければならないはずなのに、相手鹿島のサポーターの応援している時間が長い。そういうものをホームである俺達サポーターが大音
量でかぶせてホームらしい雰囲気を作るべきなのに、試合に見入ってしまっている。あのゴール裏で選手と共に闘うサポーターがそれでいいのだろう
か。試合を見るものではなく、試合で共に闘うものだ。俺達サポーターの中で束ねるべき人間がチームとサポーターを乗せる応援どころか、不用意に
沈黙の時間を作り、状態に合わない応援をして盛り下げる応援をしていたのでは闘う選手に失礼だ。大事なホーム開幕戦でこんな応援でいいのか。確
かに選手達も不甲斐なかったがその不甲斐ない選手を叱咤激励すべき俺達があまりにも不甲斐なさ過ぎた。横断幕、旗、ビッグフラッグは鹿島サポー
ターを圧倒したのに声と元気の良さ、試合にかける意気込みは鹿島サポーターには劣っていたように感じた。このどれが欠けてもだめなはずだ。
ここでリーグ戦は一旦休止し、次はナビスコ杯予選リーグ。相手は市原だ。選手もサポーターもここでもう一度闘う気持ちを取り戻そう。闘う気持
ちさえ出てくればこのチーム、サポーターの力はまだまだこんなもんじゃないはずだ。
拾ったのか、失ったのか。
2004.03.13(SAT)
2004 J-LEAGUE DIVISION-1 1st STAGE 1st ROUND
vs SANFRECCE HIROSHIMA
1-1 DRAW
at HIROSHIMA BIG ARCH STADIUM(HIROSHIMA)
遠い広島の地、未完成のチームにとってこの結果は拾った形なのか失った形なのか。この勝ち点1が生きるも死ぬも次の試合にかかってくることとなった。
2年ぶりのJ1の舞台へ戻ってきた広島に乗り込んでの試合。今まで見られなかった大観衆に押された広島が左サイドのMF服部からチャンスを作る。
セットプレーから長身FWチアゴの決定的なヘディングシュートを許すがGK西部のファインセーブでピンチを防ぐ。しかし中盤でサンパイオなどを中
心にした広島の素早いプレスにあい、清水はボールを確実に繋げる事が出来ずに安易にロングボールに頼り、期待の新戦力アラウージョも独り善が
りのドリブルでチャンスを潰す。右サイドでも太田も果敢に突破を図り健闘するものの上がった裏を何度も対面の服部に突破されてピンチを招き、
ぴりっとしないまま前半を終了する。
後半に入って素早いパス回しと両サイドをワイドに使った攻撃でチャンスを作り始める。54分には右サイドから深くえぐった太田圭輔からのマイ
ナスのクロスを受けたアラウージョがトラップから右足シュート、これはGK正面。しかしここから流れを掴み59分、素早しパス回しからノボリの絶
妙なアウトサイドのスルーパスでジャメーリがGKと1対1という最大のチャンスを迎える。しかし、ジャメーリがノートラップで放ったシュートは枠
の遥か外。相手DFが追いついてこない状況でのあの判断は非常に悔やまれた。その直後の63分に広島が右CKのチャンス、ニアにあげたクロスを清水
はジャメーリがクリアミスし後ろにこぼれたところに全くフリーだった広島DF小村に押し込まれて先制点を許す。守備陣がニアサイドにひきつけら
れて本来マークしなければならない小村を全くのフリーにしてしまう、まさに集中力の欠如からの失点であった。
しかし67分、この日不振のアラウージョを下げて康平を投入したアントニーニョの采配がずばり当たる。72分、広島と同じように右CKのチャンス
からノボリのニアサイドに送ったセンタリングにジャメーリがあわせて後ろに流れたボールをファアサイドに走り込む昇平と康平が重なり合いなが
ら飛び込み、康平がヘッドで押し込みゴール。ニアサイドで一旦コースを変えて相手のマークをそらして見事なセットプレーであった。この後もカ
ウンターからチャンスを作るもののシュートが不正確で勝ち越すことができないまま昨年1stステージから3回連続の開幕戦引き分けとなった。
引き分けに持ち込めたのもひとえに昇平、鶴見のCBの体を張った守備のお陰だろう。特に昇平はただ相手の攻撃を跳ね返すだけでなく相手の攻撃
をカットしてそのまま攻め上がるなど明らかに自分の足りない点を意識してのプレーを見せてくれた。やはり五輪代表から外れた悔しさ、もっと上
を目指す欲というのが感じられて実に頼もしかった。鶴見にしても失点時に小村のマークを外したのはもったいなかった、90分通して広島FWチアゴ
に対して体を張ったプレーで自由にさせなかった点は非常に評価できるだろう。またGK西部の頑張りも忘れてはならない。前半最初の決定的なピン
チで見せたファインセーブが無ければ試合の行方は一方的になっていたと思う。ファビーニョも相変わらず豊富な運動量で中盤のスペースを埋めて
いた。プレシーズンマッチから彼ひとりが実に安定感抜群のプレーを見せてくれているのは非常に助かっている。そしてこれが一番評価できるのだ
が、守備陣全体が昨年のように一度失点しだすと下を向き、ずるずると失点を重ねるという事が無く非常に失点後も集中して頑張る事が出来ている。
一方の攻撃の方は実に不安だ。前線にいるべき選手がボールが来ないためにずるずると下がり、また個人技頼みの攻撃となって単調であった。深
刻なのはアラウージョで独り善がりのドリブルでことごとく潰されていた。何気ないトラップや切り返しに非凡な才能が伺えるのだが巧い選手もチ
ームで活かされなくては何も意味をなさない。時にはシンプルなプレーも必要だと思う。もう一方のジャメーリにしても得点に至るプレーは見事で
あったが、まだまだ体のキレが無いのであろう、イメージと現実のプレーの落差が早く縮まる事を願ってやまない。そんな中で途中出場で結果を出
した康平は、得点以外でも前線で積極的にドリブルを仕掛け相手からファウルを受けるなど、この試合を通して攻撃に足りなかったものの具現化を
してくれた。こういう出来を波が無くコンスタントに出しさえすればチームにとっても本人にとっても有意義なシーズンとなるであろう。
しかし、広島は実にしたたかであった。試合前の選手練習後、突如スプリンクラーが作動しピッチには大量の水がまかれた。これに気づかない清
水の選手達は何度も転んでしまった。一方の広島の選手で転倒するものが皆無だった事を考えるとさすがの戦術であった。また、時間帯を考えてピ
ッチを選択し、後半に入ると西日を受けても後方の山ですぐに日が隠れる事も計算していたと思われる。そういう事も考えずに闘った清水の方はい
くらアウェーとはいえ準備不足は否めなかった。昨年言ったように心構えという点ではまだまだであった。
スタジアムでは原則的にホームゲームでしか使われない複数のビッグフラッグの持参。また我々STUによるビッグゲーフラの掲出など、いろい
ろな形でその熱いチームへの想いを表現していた。また、少ない人数の割には声は出ていたと思った。やはり遠いアウェイの地に駆けつけ開幕戦を
闘うという意味を分かっているから、いつも以上に声が大きかったのではないだろうか?でももっと声は出るはずだし、もっと声出して頑張ればも
っといい結果に繋がっていたのかもしれない。一方の広島もJ2という地獄を乗り越えた事により、以前のような寂しい数の観客とサポーターから一
変していた。チームと共に苦しみを乗り越える事により、また大きなものを得るのであろう。我らもこの苦しい闘いを乗り越える事によってより一
層の成長を遂げられたらと思う。
さあ次は我らが聖地での試合、この日の引き分けを無駄にするか、活かすか、そして今年が復活の年となるか苦闘となるか、次の試合にかかって
くる。序盤戦とはいえ、聖地で迎える試合は俺たちの今年を占う試合となるに違いない。聖地に恥じない熱い想いで今度こそチームを勝たせよう。
大丈夫、今年チームはPSMから3度も0-1の試合を追いついている。後は俺たちの力でその試合をひっくり返せばいいだけなのだから。
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