確実な進歩。
2004.04.17(SAT)
2004 J-LEAGUE DIVISION-1 1st STAGE 6th ROUND
vs NAGOYA GRAMPUS EIGHT
2-2 DRAW
at MIZUHO PARK ATHLETIC STADIUM(NAGOYA)
溜め息の漏れるホーム側、コールが起こるアウェー側、試合後の両ゴール裏の雰囲気がこの試合を物語っていた。勝てたなかったのは確かだが、
簡単に負けないチームにはなってきた。そう、開幕の泥沼の状況から確実に進歩してきている。
試合は序盤から久保山、北嶋、康平の前線3人が高い位置からプレスをかけてチャンスを作る。8分には康平のポストから左サイドでボールを受け
た平岡が前方を走る北嶋にアーリークロス、これに北嶋がヘディングで合わせ、裏に走る久保山を警戒していた名古屋GK楢崎の逆をついてゴールマ
ウスに吸い込まれ先制。この後も前線3人の高い位置からのプレスが機能し、中盤でのこぼれ球を浩太、テルが拾って素早く攻める事で名古屋の攻撃
を防ぐ。また、前線3人が活発にポジションを変えて、次々に相手DFの裏へ飛び出してチャンスを作りいい時間帯が続くのだが、4月とは思えない暑
さの中で運動量が徐々に落ちる。そして40分、この日孤立していたウェズレイとマルケスのワンツーから抜け出したウェズレイを俊秀が倒してしま
いゴール真正面でFKを与えてしまう。このFK、ウェズレイが清水の6枚の壁を押しのけるように築いた味方選手の壁の上を通して、反応の遅れたGK西
部の逆をついてゴールが決まり同点。せっかくいい形でいきながらもったいない形で前半を終了する。
後半に入り、浩太やテルの前線への飛び出しから何度もチャンスを作る。しかし、このチャンスを決められないツケがやってくる。62分、名古屋
が右サイドの混戦からボールを奪いMF中村が突破、中村と裏に走るマルケスに3バックのマークが寄せられたところに、右サイドをオーバーラップす
る名古屋MF海本幸治郎にスルーパスが通り、海本はGK西部との1対1から落ち着いて決めて名古屋が勝ち越す。
この直後に康平を下げて前節決勝点を挙げたアラウージョが投入される。アラウージョはしばらく周りと噛み合わずボールが廻ってこないが、こ
の消えていた時間が逆に活きる。77分、テルからのミドルパスを受けた北嶋が久保山に戻し、久保山がタメを作って前方に走るアラウージョに絶妙
のスルーパス、左から大森のマークを受けながらもGK楢崎との1対1から右足でゴールマウスに冷静に流し込み同点。すっかり消えていたアラウージ
ョが一瞬のチャンスで見事に相手の裏を取り、なおかつ得意でない右足で確実にゴールを決めてくれた。このゴールで息を吹き返した清水、ロスタ
イムには北嶋とアラウージョのワンツーから抜け出した北嶋がGK楢崎と1対1、しかしコースぎりぎりを狙ったシュートも飛び出したGK楢崎に弾かれ
て得点ならず。逆に終了間際には名古屋のセットプレーから岡山に決定的なヘッドを許すが、GK西部が失点を帳消しにするようなスーパーセーブで
防ぎ、結局同点のまま試合終了。
正直勝てた試合であったが、それでも一度勝ち越された相手に再び追いつき、あと一歩まで追い詰めた内容には目指す闘いぶりが確実に出来始め
てる事を示した。前線の3人からスタートするプレスが機能し、全体での守備という形が見えてきてる。特に高い位置で相手をサイドに追い込んでか
ら囲い込んでボールを奪うと素早くカウンターを狙うなど、狙いが徹底されていた。その時間帯が長く続かないのはまだまだ今後の課題だが確実に
形が見え始めている。最終ラインも不用意なファウルもあったかもしれないが鶴見が復帰してから、体を張った守りが出来ている。マイボールの際
も無駄なリスクを背負わずセーフティファーストのプレーが出来ていた。正直1点目は西部が味方の壁を信頼せずに体重をかけ、ほぼ近くを通ったシ
ュートを防げなかった非常にもったいない失点であったし、まだまだ連携により防げる失点もあるはず。それでも西部が何度も決定的なピンチを防
いでいた事も事実だ。今後は90分通して安定したプレーというのを彼に要求したい。今は君に託すしかないんだ。
両サイドに関しては今回は物足りなかった。右の太田は対面の滝澤を恐れてやや下がり気味になり、時おりチャンスを作っていたもののも本来の
思い切りの良さが影を潜めていた。左の平岡も前半は先制点のアシストをしたり、FK時には相手選手と激しくやりあうなど古巣相手に気合の入った
プレーは見せていたが後半は裏をつかれて海本に同点ゴールを許すなど本来の出来では無かった。それでも古巣と対戦したこの日、試合前に激励の
意味で掲げられたたくさんの背番号「6」のゲーフラは彼を元気づけた事だろう。
一方の攻撃陣は北嶋、久保山、康平という3人のトライアングルがなかなかいい動きをしていた。特に久保山は前を向いてボールを持つと鋭いスル
ーパスを連発していた。浦和戦からの好調が続いているようだ。北嶋にしても今季初ゴールを決めるだけでなく、確実にポストプレーをこなしてた。
それだけでなく、積極的に前を向いたプレーも多く、それが終盤のチャンスに繋がったのではないだろうか。もちろんストライカーとしてあの最後
のGKとの1対1は絶対に決めてもらわなくては困る。何より失敗直後に落ち込んでいたが、あの時点で時間はまだあったのだからすぐに立ち上がりボ
ールを追いかけて欲しいんだ。この失敗が次回以降の大きな糧となり、結果を残していって欲しい。そして2試合連続得点のアラウージョだが、試合
を重ねるごとにフィットしてきてる。この日もシンプルにパスを出し、シュートも実にシンプルだったが素早く正確なシュートであった。リーグ戦3
得点がヘッド、左足、右足とバランスの取れた得点だ。周りも徐々に彼の使い方が分かってきているようで、完全にフィットし、スタメンから使え
るようになれば末恐ろしい選手になる。久々に本物の匂いがする選手に出会えた。
最近はベンチにいるファビーニョなども積極的にアラウージョ、ライバルであるはずの浩太に声をかけ、アドバイスを送っている。個人としての
頑張りは見られるのだが、チームとしての結果を問われてベンチにいる形のファビーニョにとって現状は非常に辛いものかもしれないがその中で前
向きにチームとして闘っている姿勢は素晴らしい。当然、このままベンチにくすぶるような選手ではないだろうし、来たる闘いの舞台に己を磨いて
おいて欲しい。
この日のゴール裏も失点に選手の背中を後押しするような応援が徐々に出来てきてると感じた。何より失点に落ち込むどころかそれを跳ね返すよ
うなエスパルスコールは負けに慣れてしまいがちだった序盤戦とは大きく変わった点だ。また、アウェーに行けば行くほど手拍子の割合が増えてき
ていることも実感できる。安易に、かつ微妙にサンバのリズムを壊す事になりかねないメガホンよりも己の肉声と手拍子に力を注ぐ考えの人が増え
てきている点で選手と共に闘う姿勢のサポーターも増えてきているのではないだろうか。徐々に闘う集団として進歩してきてる選手と同様にサポー
ターも徐々に闘う姿勢が生まれ始めている。これは非常に嬉しい事だ。
ナビスコ予選リーグを1試合挟んで、次のリーグ戦の相手は憎っくき磐田だ。ここ2年の低迷とリンクするように連敗を重ねる事6連敗。もう俺たち
はこれ以上負け犬にはなりたくない。選手だってきっとそう思っているだろう。ただの1試合ではなく、この結果がその後にも大きく響いてくる絶対
に負けられない闘いなのだ。俺たちサポーターは力の限り、限界を超える声を。選手達は力の限り、限界を超える力と熱い闘志を。全ての力を出し
切って勝って共にうれし涙を流そう!大丈夫、今ならば必ずやれる。やれば出来る。
NEVER GIVE UP。
2004.04.14(WED)
2004 J-LEAGUE DIVISION-1 1st STAGE 5th ROUND
vs URAWA RED DIAMONDS
4-3 WIN
at NIHONDAIRA STADIUM(SHIMIZU)
降り止まぬ雨が哀しみから喜びへと変わり、久々に夜空に舞う花火と共に涙するサポーターもいた。それをもたらしたのは監督の諦めない気持ち、
選手たち自身の諦めない気持ち、そしてサポーターの諦めない気持ち。本当の心の強さをこの日は見せてくれた。
試合は序盤から浦和ペース。引き気味の清水に対してボールを廻してチャンスを作る。10分には浦和MF鈴木から中央ぽっかり空いたスペースに走る
FW田中達也へスルーパス、抜け出した田中達也のシュートが決まり先制を許す。3バックも無失点に抑えたFC東京戦と違い、細かくポジションチェンジ
を繰り返すエメルソンと田中達也の両FWを捕まえられない。また左WBでスタメン出場の和田の上がった裏をつかれて度々ピンチに陥る。32分には右サ
イドからカウンターを食らい、浦和FW永井の長い距離のドリブルからのグラウンダーの折り返し、これを飛び出したGK西部がよく弾き出すが、このボ
ールを田中達也に奪われてシュート、無情にもカバーに戻ってきた俊秀とは逆のコースに吸い込まれて早くも2失点。その後、右サイドの太田を起点に
チャンスを作るもののなかなかシュートまで結びつかない。逆に前半終了間際にはゴール前に抜け出したエメルソンのボレーシュートがポストに救わ
れるなど散々な出来で前半を終了する。
しかし後半、アントニーニョの的確な采配がチームを蘇らせる。和田を下げて怪我から復帰の鶴見を入れ、左WBに平岡、CBに鶴見を入れる。更にノ
ボリを下げて康平を投入する。この交替を機に選手たちの諦めない気持ちが後半開始早々から表れる。早い時間帯に点を返したかった清水は51分CKの
チャンス、鶴見のヘディングからのこぼれ球を久保山がシュート、このボールを浦和MF鈴木が手で阻止して退場処分を食らい、PK。このPK、久保山が
浦和GK都築にコースを読まれ弾かれながらもボールの勢いでゴールを決めてまず1点を返す。
ここから相手の人数が少ない事もあり面白いようにボールが廻りだす。しかも浦和は57分には間違いなく脅威の存在であった田中達也を下げてDF室
井を投入、このおかげで浦和の攻撃はエメルソン頼みの単調なカウンターのみになった。その攻撃も鶴見がエメルソンを体を張った守りで完封し、次
第に運動量の減ってきた浦和を相手に清水は本来のサイド攻撃が機能する。67分、右サイド太田のスローインを受けた北嶋が振り向きざまに縦に走る
太田にスルーパス、浦和MF三都主のマークを振り切った太田のクロスにゴール前に走り込んだ浩太がヘッド、これがGK都築の真正面ながら手を弾きゴ
ールマウスに吸い込まれてとうとう同点に追いつく。ポスト役の北嶋、浦和MF三都主をちぎったロングランから正確なクロスをあげた太田、スペース
に飛び込んだ浩太、3人のベストを尽くしたプレーが重なり合った見事なゴールであった。
この直後にゴールを決めた浩太を下げてアラウージョを投入。一気に勝負に出たアントニーニョの執念の采配がまたしても実る。74分、最終ライン
からのロングボールに左サイドから上がるアラウージョが追いついてドリブルで粘って中央に折り返しのボール、これが相手DFに当たり再びアラウー
ジョの足元へ、相手DF2枚に囲まれ角度も無い位置からアラウージョは切り返しからの左足シュート、これがGK都築の真上を抜いてクロスバーの下を叩
いてそのままゴール、逆転。更に76分、カウンターから右サイド康平のスルーパスを受けた太田がクロス、ゴール中央の久保山が浦和DF平川と競り合
いながらヘディングシュート、これが決まってあっという間の4点目。日本平は興奮のるつぼと化す。浦和はロスタイムに右CKからファアサイドのクロ
スボールにエメルソンが飛び込んでゴールを決めて1点差にするものの、このまま試合終了。清水の今季初勝利はドラマチックな逆転勝利となった。
監督の勝ちへの執念の采配、それに応える選手全員の気迫。勝利への道のりは長かったが手にしたモノは単なる勝利以上に大きなものだった。この
日のMVPは何と言っても太田だろう。前半チームが劣勢だった中でも対面の浦和MF三都主とのマッチアップで彼だけが負けていなかった。後半には何度
も繰り返すフリーランにもバテる事無く動き回り、正確なクロスボールを配給し続け2アシスト。味方を信じ、己を信じ、諦めないで闘う気持ちがも
たらした当然の結果と言える。ここ最近、壁に当たっていたが、90分間通しての頑張りで、また一つ壁を乗り越えられたのではないだろうか。
2得点の久保山も見事な結果を残してくれた。相手と競り合いながら体格の差をポジショニングで補って奪った2点目も見事だったが、それ以上に1点
目のPKが試合の行方を決めてくれた。2点を追う展開、一度はゴールが決まったプレーを訂正してのPK。チームとサポーターの願いの篭った非常に重圧
がかかった場面で決して見事なシュートではないが気持ちで押し込んだPKに非常に意味があった。北嶋と共に高い位置からの献身的なプレスも見せて
くれたし、このチームの勝利と個人としての結果をきっかけとして今後波に乗ってもらいたい。
期待されながら結果を出していなかったアラウージョもやっとその価値を見せてくれた。低い位置ではシンプルなプレー、ゴール前では自慢の個人
技というメリハリのあるプレーでこの日はいつもと違った姿を見せてくれた。独特のドリブルから素早い切り返し、そしてシュートとこの日見せてく
れたゴールはやはり日本人には真似の出来ない驚愕のシュートだった。ゴール後の派手なパフォーマンスに今まで積もり積もった想いもあっただろう。
何よりゴール後に彼を中心にチーム全員の祝福の輪が広がる光景に、本当にチーム一丸の姿勢が感じ取れた事が俺は嬉しかった。
浩太も嬉しい初ゴールを決めただけでなく、この日も豊富な運動量で動き回ってくれた。とにかく同点ゴールに尽きるだろう。前節FC東京戦では守
備面で一応の結果を出してくれたが、もっと攻撃面での勇気あるプレーに期待していたがそれを早速この日実践してくれた。そしてこの試合から復帰
の鶴見もエメルソンの突破をほぼ完璧に封じ、逆転劇の影の立役者と言える活躍だった。
一方勝ったものの守備陣は反省して欲しい。DF陣は相手の2トップの動きに俊秀までも釣られてバランスを崩していた。後半鶴見の投入で落ち着いた
守りが出来ていたのを今後は活かして欲しい。そして心配なのはGK西部だ。試合前に古巣相手という事で背番号「16」のビッグフラッグも登場し、サ
ポーターの励ましもあったもの中途半端な飛び出しとファンブルから失点するなど最悪な出来であった。試合毎に好不調の波が大きすぎる点が気がか
りだ。DF陣との連携といった点でも不安があるのかもしれないが、やれば出来る。自分を信じて闘って欲しい。
この日は平日にあいにくの雨という事で観衆は8000人あまりと非常に寂しかったがゴール裏にかけつけたサポーターの熱い気持ちはいつも以上だっ
た。点を重ねてもその応援にパワーダウンは無かったし、後半は選手、チーム、サポーターが一体となった素晴らしい応援であった。チーム愛のかけ
らも無く、優勝させるという男の約束も果たさず、環境を変えたいという逃げの言葉でチームを去った元キャプテンに対してもボールを持つ度に激し
いブーイングをゴール裏だけでなくメイン、バックからも浴びせていた。裏切り者にかけてやる言葉は無い。ただ二度と清水の地を踏むなという事だ
けだ。終盤にはブーイングは収まったが、それはブーイングする価値も無い選手というスタンド全体の共通した意見の表れだったのだろう。
この日も大挙して駆けつけた浦和サポーターだが相変わらず問題ばかり起こしていた。清水側の再三の注意にも無視し、座席に横断幕を貼り、トイ
レットペーパーを盗みピッチへ投げ込む。試合後には大量のゴミを残し、バックスタンド通路では清水サポーターにも喧嘩を売る。帰りの東名高速SA
でも清水サポーターに因縁をつけたという報告も受けた。肝心の応援は失点を重ねる毎に明らかにパワーダウンしていたがあれのどこが熱いのだろう。
そんな連中に清水側からは浦和戦恒例の「王国清水」コールが浴びせられた。
初勝利も挙げて3日後には3連戦の最後を迎える。苦しみながら守り通し浮上のきっかけを掴んだFC東京戦、劣勢を跳ね返した浦和戦、これらの結果
を自信に変え最後に臨もう。この2試合を無駄にしない為にも次も我々は闘い、選手の背中を後押ししよう。まだまだここで立ち止まるわけにはいかな
い。この日も試合前に掲げられた「経営危機を乗り越えて清水は存続した。必死だったあの時の気持ちを忘れず戦おう!」と書かれた巨大メッセージ
弾幕にあるように必死に闘い続けよう。大丈夫、努力した者、諦めない者、闘い続けた者に勝負の神様は結果をもたらす。
なりふり構わず。
2004.04.11(SUN)
2004 J-LEAGUE DIVISION-1 1st STAGE 4th ROUND
vs FC TOKYO
0-0 DRAW
at NIHONDAIRA STADIUM(SHIMIZU)
なりふり構わず闘った末に手にした勝ち点1。確かにそこには課題がたくさんあったし、勝ちには結びつかなかった。それでも、なりふり構わぬ
闘いに共に闘ったサポーターからも拍手とエスパルスコールが送られていた事がこの試合の評価を表していたのではないだろうか。
春とは思えない暑い中、ホーム開幕戦以上の14,000人を超える観衆が駆けつけた試合。清水は外国人選手をスタメンから外し、3バックの中央に
今季初起用の俊秀を起用した。試合は清水が高い位置からプレスをかけて有利に進める。13分には今季初スタメンの浩太の飛び出しから相手のファ
ウルを誘いPKエリアすぐ外からFKのチャンス、ノボリが直接狙ったシュートは相手GK土肥のファインセーブにあう。それでもこの日のノボリは積極
的なプレーでチームを引っ張る。16分にはスローインをPKエリア内で受けて素早く反転からシュート、これは惜しくもポストを叩き、ここに詰めて
いた太田のシュートも相手DFに防がれ得点にはならなかった。それでも守備的な布陣ながら積極的に相手ボールをおいかけて有利に進める。途中昇
平が負傷退場するアクシデントも左WBの平岡を中央に入れ、左WBには和田を投入し乗り切る。前半終盤に俊秀と森岡が重なり、裏を抜け出したFC東
京FW阿部に決定的なシュートを許すがこれもGK西部のファインセーブで守りきった。
後半、FC東京は負傷から復帰のMFケリーを投入して攻勢に出る。特に右サイドから何度も崩されるが3バックだけでなく太田も戻ってクリアする
など必死に守り、GK西部も相手選手との衝突も恐れない勇気あるプレーやFC東京MF戸田の至近距離の決定的なヘディングも跳ね返すなど、この日の
清水は集中力が切れない。しかし攻撃の方は前半に比べ運動量が落ちて前線で懸命にポストをこなす北嶋が孤立気味、そこで疲れの見え始めたノボ
リを下げて康平、更に久保山を下げてアラウージョを投入する。しかし、投入された康平は決定的な場面で威力の無いシュートを放ち、アラウージ
ョは球離れの悪さから相手に囲まれる悪癖が直らず決定的な仕事が出来ない。結局最後まで点を許さなかったが、後半は得点への予感すら漂わない
まま試合は終了。
正直勝てなかったのは悔しい。しかし、なりふり構わぬ必死な闘いを選手が見せてくれた事は俺には嬉しかった。その最大の要因はやはり俊秀の
起用に尽きるのではないだろうか。試合前にはサポーターによるたくさんの背番号「2」ゲーフラが出され彼の復帰を祝ったが、皆の期待に見事に
応えてくれた。常に相手の飛び出しやこぼれ球に集中して確実なクリアでゴールに鍵をかけてくれた。ここ数年は怪我など満足いかないシーズンを
送っていたがやはり彼の存在の大きさをこの試合でも感じさせた。セットプレーでも相手に競り勝ってヘディングシュートを放つなどその存在は試
合を重ねる毎に今後も大きくなるだろう。GK西部も良くやってくれた。2試合連続4失点と本人にとっては辛い結果が続いたがそこで腐る事無く、こ
の試合に集中してくれた。FC東京サポーターからは西部を挑発するような唄を歌うなど、彼の活躍に相手のサポーターまでもがそういう形で焦りを
募らせていたのが何よりの証拠だ。
中盤もこの日初スタメンの浩太とテルのコンビであったが、浩太が豊富な運動量でバイタルエリアを動き回り頑張ってくれた。テルも前線への飛
び出しの少ないチームの中で何度も絡み、後半終盤には決定的チャンスを演出するなど攻撃力は衰えてない。今後はテルだけでなく浩太にも時には
勇気を持って飛び出して欲しい。昨年の天皇杯、チームの準決勝進出の立役者は彼ら2人であった。もっと噛み合えば攻撃面でもきっとプラスにな
るはずだ。ノボリにしても前半見せたプレーはなかなかであった。ゴールこそ決まらなかったが反転してからのシュートはなかなか勝負しないほか
の選手には是非見習って欲しかった。深い位置からでもロングパスでチャンスを作るなど視野の広いプレーも健在であった。スタミナの問題なども
あるがまだまだ健在といったところを見せてくれた。
結果的に点は取れなかった攻撃陣に関しても光明は見えてきている。北嶋の献身的なプレスとポストはこの日確実に光っていたし、味方の押し上
げが足りない場面では自らドリブル突破でチャンスを作るなど一番本人が欲しがってる得点に確実に近づいて来てるのはないだろうか。今はもがき
苦しんでいるが今日のようななりふり構わぬ頑張りはきっと報われると俺らは信じている。逆に途中から出てきたアラウージョには自分の持ち味も
周りを活かしてこそだという事を理解して欲しい。
この日のスタンドには様々なメッセージ弾幕が出された。試合開始直前のゴール裏には「経営危機を乗り越えて清水は存続した。必死だったあの
時の気持ちを忘れず戦おう!」と書かれた巨大メッセージが掲げられ、スタンドには「俺らはいつも後ろにいる。だから前だけを見て闘おう!」
「まず1勝、今から上昇、再び常勝。」「どんな状況も俺たちで打開して王国の再建を!!」など書かれた数々のメッセージ弾幕が張り出された。
これらの弾幕は試合前日の三保の練習グラウンドでも掲出され、練習から選手を鼓舞した。試合内容結果とも最悪なチーム状況に危機感を抱いたサ
ポーターのなりふり構わぬ姿勢が選手に、そしてサポーターにもいい刺激になったのではないだろうか。この日の応援はULTRA' SHIMIZUが広げたビ
ッグフラッグに書かれている「La 12」の文字通り、その名に恥じぬ気持ちの篭った熱い応援だったと思う。
そして更に俺を嬉しくさせたのは選手達が試合終了後、バックスタンド側で挨拶をしてくれた事だ。エスパルスが始まってから初の出来事だった
と思う。常日頃、スタイルこそ違えど聖地日本平スタジアムで共にエスパルスを愛する仲間でありながら何故か選手達はゴール裏だけ挨拶していた
事に疑問を感じていた。多くの人に支えられてる事を選手達、そしてチームが実感して行動に移してくれた事が俺には非常に些細な事だが大きな出
来事だと思う。だからこそ最後に書いておきたいが、ホーム開幕戦と今回とスタジアム付近からスタジアム内に漂ってくる異臭はどうにかならない
ものだろうか。おそらく誰もが感じているが息を吸えないほどの悪臭が漂ってくる時すらある。試合の内容などと関係ない部分で観客に不快にさせ
るような問題は速やかに処理をお願いしたいものだ。
日曜、水曜、土曜という過密日程の3連戦。最悪から一歩抜け出た状態で終える事が出来た。この日の気持ちを忘れず、選手とサポーターが共に
闘うことが出来れば次こそ勝ち点3を得られる。選手達にはもう少しの頑張りと闘志、そしてチームプレーを。1+1=2でなく、3でも4でもする事が出
来るのは君達自身だ。そして俺らは勝ち点1を勝ち点3に変える為にもう少しの声と気持ちを届けよう。次の相手には約束を果たす事無く適当な事言
って、名ばかりのキャプテンのままチームを去った裏切り者がいる。チーム愛のかけらも無い奴には何を言っても無駄だから体の芯から俺らの清水
の偉大さを教えてやろうじゃないか。
繰り返される失態。
2004.04.03(SAT)
2004 J-LEAGUE DIVISION-1 1st STAGE 3rd ROUND
vs GAMBA OSAKA
0-4 LOSE
at EXPO'70 MEMORIAL STADIUM(SUITA)
1週間前の惨敗が何にも活かされていない。繰り返される失態にその先の未来が長く険しい道のりになると誰もが感じ取った。
序盤から両サイドの裏を深くつかれてピンチの連続。セットプレーにおいても相手のFWマグロンを全くマークせずにフリーでヘッドを許す
など圧倒される。肝心の攻撃もポストの北嶋に預けても全体的な押し上げる事がなく形にならない。必死に守るもロスタイムにPKエリアすぐ
外でファビーニョが不用意に相手を倒してFKのピンチ、相手のセンタリングにマグロンがフリーでヘッド、GK西部が一度はよく弾くが、その
こぼれ球をMF山口智に押し込まれて失点。この直後に前半終了の笛が鳴った。ここ一番、大事な場面なのに集中力の欠如と言われても仕方の
無い取られ方であった。
後半に入ってもこの失点を引きずり、流れが変わらない。63分には右サイドから二川の折り返しを途中出場の大黒が振り向きざまのシュー
ト、GK西部のニアサイドを抜かれて追加点を奪われる。こうなると清水の方は完全に集中力を切らしたプレーが出始める。敵陣まである程度
攻めても不用意な横パスや無謀な突破を止められてそこからの逆襲を次々に食らう。85分には大黒のミドルシュート。更に87分にスルーパス
に飛び出した二川のシュートと次々に追加点を許して1週間前の市原戦同様の4失点で無残な敗北を喫した。
2試合連続の4失点という結果が今の力を如実に示している。力があるはずとかこんなはずとかそんなのは幻だ。1点取られる度に下を向いて
しまう選手達の姿にとても闘っているという姿勢は感じられなかった。真剣に闘っていれば共に闘う仲間に要求する声があってもいい。それ
が時には喧嘩になる事があったとしてもお互いがやりたい事をもっと主張し、表現できるはずだ。しかし実際はどれだけミスしてもお互いが
要求する姿が見られない。また、このチームには失点をいくら喫してもやり返してやるという気持ちが感じられない。例えあったとしても表
現されていない時点でこうなる事は明白である。この1週間が一体なんだったのだ。無駄に過ごしてしまった事が悔しい。
個人として己の力の無さを認めた上で、現状で出来る事を精一杯やって欲しい。そしてチームの為に一丸と闘う事、情けない話だがこんな
初歩的な段階から立ち上がるしかないだろう。
サポーターもそうだ、昨年から続く低迷に気持ちが負け犬になってないか?試合後ゴール裏に挨拶に来た選手に浴びせたゴールコール、ま
た個々ブーイングする者、はたまた奮起を促すエスパルスコールをする者、様々だったが何かしらの意思を示したサポーター達はまだ気持ち
の面では負け犬にはなっていなかった。しかし、へらへら笑ってる者なども信じられないがいた。こんな雰囲気でとても選手を後押しする雰
囲気は生まれてこない。目的が違う連中には何を行っても無駄かもしれないが、このままずるずるといってしまう可能性もあるのだからまず
俺達だけでも心を折らずに闘っていかなくてはならないはず。それでも少しずつゴール裏の空気の変化を感じ取れてきている。何よりゴール
裏の手拍子の人数が相当増えている事だ、この日も己の手と声のみで熱く応援した者がいた。それが確実に増えてきている事はこの酷い試合
の中で数少ない希望だった。
目的意識が違う人間もいる清水とは対照的にガンバサポーターは昨年途中までの分裂状態から、いろいろなものを乗り越えて統一された。
以前の応援とは言えない雑音から一つになった声援が確実にガンバの選手の力になっていた。得点の度に沸き起こる歓声がそれを証明してい
た。いろいろな団体があり、その中で主義主張が様々であっても目的は一つなのだという事を改めて考えさせられた。それにしても万博のゴ
ール裏は草薙同様に芝生で非常に飛び跳ねにくいうえに最前列の手すりがグラグラでロープで張られているなど老朽化も目立ってきていた。
新スタジアム構想もあると言われているが是非見やすいスタジアムが出来て欲しいと思う。
これでプレシーズンマッチから一度も勝ってないという最悪の状況だが、我々サポーターだけは歯を食いしばって前を向いて闘い続けよう。
次は聖地日本平、選手達に文句をぶつける前にそれに恥じないサポートで背中を押そう。聖地日本平で無様な姿を選手だけでなく我々サポー
ターも見せてはならない。ここから這い上がるか、負け犬のように諦めてしまうのか、我々も試されている。
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