〔戻る〕

混迷の終焉。

2004.11.28(SUN)
2004 J-LEAGUE DIVISION-1 2nd STAGE 15th ROUND
vs VISSEL KOBE
1-3 LOSE
at NIHONDAIRA STADIUM(SHIMIZU)


 今季の低迷を象徴する試合となってしまった。混迷を招いたままの今季の終焉、来季への展望が未だ明けないままこれから長いオフに突入する。

 試合は序盤から動く。13分、神戸のセットプレーから相手に粘り強く繋がれてクリアしたところに中央で待っていた神戸MFホルヴィが左足ダイレクト ボレー、ドライブがかかったボールがゴールに吸い込まれ先制を許す。しかし清水もこの日はアラウージョが絶好調、ポジションにこだわらない神出鬼 没の動きで神戸の守備陣を翻弄する。セットプレーでもチャンスを作り、そこに俊秀や久保山が合わせるものの神戸GK掛川のファインセーブに遭ってな かなか得点できずに前半を終了する。
 後半に入っても清水ペース、時折神戸にカウンターを浴びるものの相手もミスで逃す。そして61分、久保山の反転からボールを受けた浩太が左足シュ ート、これがバーに当たった跳ね返りをアラウージョが折り返してジェジンが難しい態勢から押し込んで同点。直後に久保山を下げて康平を投入するも 直後の65分には左サイドからの神戸MF菅原のフィードにFW薮田がバックヘッドで流したところに全くのフリーでいたFW播戸が押し込んで神戸が勝ち越す。 再び突き放された清水は73分にはテルを下げてノボリを投入し勝ち越しを狙うが皮肉にもこの交替機に試合を決められる。神戸は素早いリスタート、右 サイドからホルヴィの前線へのクロスにまたも播戸がダイレクトボレー、GK西部もよく反応して弾くもボールはゴールマウスの中に吸い込まれて2点差を つけられた。
 ここで何とか追いつきたい清水は北嶋を投入しようとするが、この日を最後に現役引退を表明している真田の登場を願った観客から真田コールが巻き 起こる。そのコールも空しく北嶋が投入され最後の反撃を狙うが最後まで不甲斐ない試合で真田の最後の試合を勝利で飾る事が出来ずに試合終了。
 今季を象徴する出来となってしまった。守備では相手と競り負けるどころか競り合おうともしないシーンが目立ったし、勝手にラインを上げる選手と 引いて守る選手がいるなど連携もとれていなかった。攻撃の方もアラウージョの孤軍奮闘が目立つのみで、ジェジンと周りの要求が噛み合わないばかり か、両サイドがクロスをあげても本当にいて欲しいところに選手がいないなど、1年間をただ無駄に過ごしてしまったのではないかとさえ思ってしまった。

 試合終了後にはセレモニーが行われた。まず監督の挨拶が始まったのだが、この時点でフロントから来季の続投要請をされていた監督に対して今季の 不振に今まで耐えに耐えて応援をしてきたサポーターから責任を問うすさまじいブーイングと辞めろコールが巻き起こった。その後、森岡主将の挨拶が 行われた後に今季限りで清水での13年間の選手生活に別れを告げる真田の引退セレモニーが行われた。彼の後援会、彼が支援していた福祉施設の方、こ の日は敵として対戦していた神戸FWカズ、そして家族、最後に初年度から共に闘ってきて最後の生き残りとなるノボリと次々に彼への花束を渡すセレモ ニーが行われ、サポーター席からは盛大なコールと拍手が送られ、そして涙を浮かべるサポーターによって背番号1のビッグフラッグが出されるなど実 に盛大なセレモニーとなった。この日集まった観衆は前節の柏戦以上であったことからも彼への惜別を送りたい人が多かった事が伺える。それだけにス タメンでも起用せず、勝つ為と分かっていても試合に起用しなかった監督の采配にはがっかりさせられた。既に残留が決まっていた状況、彼の13年間の 功績、さらに彼を起用する事によるスタジアム全体の盛り上がりや選手の士気を考えるとスタメンから起用していればという後悔ばかりが残ってしまった。

 そしてその試合終了後のセレモニーが一通り済んだ後に事件は起きた。サポーターがサイドスタンド1階に陣取り、例年は挨拶するはずの社長が挨拶を せずに逃げた事、今季の不振に対する説明などを求めて居座った。「あれ?社長はファンに謝らないの?」「社長・監督が去るか?ファンが離れるか? どっちがいい?」「早川社長 及び フロント一同へ、ファンを悲しませた責任を求む!」などの抗議の横断幕も出された。ステージ5位というノルマを社 長が設定したのなら達成できなかった時に決断を下すのは社長であるべきだし、そういう事をせずに監督とサポーターにその処遇を委ねるかのように逃 げてしまった姿勢にはとてもチームの事を思っての行動とは我々には見えなかった。あのスタンドで真田を起用しなかった際のブーイング、監督の挨拶 時のブーイング、そしてこの抗議の居座り、どれも一人や二人の行動ではない。皆が一年闘ってきた中でチームを愛するがゆえにどうしても納得できな い想いがあったからこそ起きた行動だと思う。その結果、後日改めて会社とサポーターの間で意見交換会という形で話し合うという事を会社側が約束し 収束したが、今まで全くそういう場が設定されなかった事からするとこれはエスパルスにとっては歴史的な事だと思う。俺達サポーターの少々厳しい態 度に対してそれを感じ取ってくれたフロントにも感謝しなくてはならないし、そういう行動を起こして勝ち取ったサポーターもよくやったと思う。ただ し、この話し合いの場を活かすも殺すも我々サポーター次第である。これから真剣に未来を考え、相手に伝える努力というのを今後は我々はしていかな くてはならない。

 屈辱の一年は終わった。フロント、選手、サポーター全てがもう一度這い上がろう。何度も何度もこの低迷が許されるほど甘くは無いということを肝 に銘じて。既にもう来季への闘いは始まっている。



別人。

2004.11.23(TUE)
2004 J-LEAGUE DIVISION-1 2nd STAGE 14th ROUND
vs CEREZO OSAKA
1-2 LOSE
at NAGAI STADIUM(OSAKA)


 夕暮れの長居スタジアムにはホームチームへの盛大なコールが続いていた。3日前の日本平での我々選手とサポーターの闘う姿勢と同じだった。 必死になって向かってくる相手に対して別人となってしまった我がチームに勝ち目は無かった。

 負ければ年間最下位が確定するC大阪にとって背水の陣で臨んだ試合、序盤からそのC大阪が素早いカウンターでチャンスを作る。9分には中央か らC大阪FW大久保から左サイドに流れるFW西澤にパス、西澤のニアサイドへの折り返しのボールに大久保と清水守備陣の前にフリーで飛び込んでき たMF久藤がボレー、GK黒河が一歩も動けない見事なシュートが決まってしまう。その後も清水がボールをキープするものの後ろで廻してるだけの状 態で一旦奪われると自由にポジションチェンジするC大阪のFW陣にマークが追いつかない状態で次々にピンチが訪れる。そして28分、またも左サイ ドでのクリアミスから崩されMF久藤とのワンツーで抜け出したFW古橋が浮き球をそのままボレー、GK黒河の手を越えてから急激にドライブがかかっ たシュートが入り早くも2点のリードとなる。なす術の無い清水の姿にサポーターも声を失い、ここからしばらくの沈黙が続いた。前半終了間際に は連携ミスからあわやオウンゴールというシーンまで出てから、サポーターがどこからともなく叱咤のエスパルスコールが起きた。まさしくそのコ ールが起点となったのかCKのチャンスを掴み、アラウージョのクロスに浩太がヘッドで合わせて1点を返し前半を終了する。
 後半、同点に追いつきたい清水は両サイドやボランチも積極的にシュートを放つが枠に飛ばない。63分にはアラウージョから康平へ、更に68分に は久保山から北嶋へと交替するが、時間が進むにつれてジェジンの運動量が落ちて前線で起点が作れなくなると康平の個人技からしかチャンスが生 まれない。一方のC大阪もJ1残留を争うライバル柏の劣勢が試合中に電光掲示板でアナウンスされ盛り上がる中、カウンターで何度もチャンスを作 るが、この日はFW大久保がブレーキ。GK黒河との1対1でもシュートミスするなど試合を決められない。それでも終盤に入ると運動量が落ちた清水に 対してC大阪は確実にボールキープして時間を稼ぎ試合終了のホイッスルを迎えた。

 まるで3日前の清水のような戦いぶりをしたC大阪に対して、それを忘れてしまった清水。敗戦は必至だったと言えよう。確かにC大阪の2得点とも GKには全くノーチャンスの素晴らしいシュートだったが、そこに至るまでの形を見ると相手の運動量に押されて苦し紛れのボールを奪われての失点 であり、当然の失点でもあった。攻撃の方も後半こそ攻めたものの、シュートの正確性が全く無かった。なぜ3日前に出来た事を継続できないのか? 何よりあれだけの気持ちを見せてくれた試合の後でこれでは意味がなくなってしまう。唯一の救いはそんな沈んだチーム状態の中で必死に声を出し て周りを鼓舞し、自らゴールを決めた浩太の姿であった。今季絶望の怪我から復帰してここ2試合のスタメン出場でチームの柱と言える存在感を見 せていた。来季以降の彼には本当に楽しみだし、まだ若いが彼ならばもうキャプテンを務められるのではないかと期待してしまう。
 サポーターに関しても確かにアウェーでなかなか来れないだろうがあの人数と応援では選手の事ばかり責められない。2失点以降、選手以上の俺 達サポーターが明らかに沈んでしまった。逆に前半終盤、どこからともなくコールが始まりそこからゴールが生まれただけに俺達の声ひとつでいく らでも流れを変えられたはずである。ホームのC大阪はいつもは1万人入るかどうかの長居スタジアムに2万人も駆けつけ愛するチームの危機に声援 で支えていた。終盤繰り返されるセレッソ大阪コールには3日前の俺達が重なって見えた。またここの特徴として試合中にも他会場の経過を電光掲 示板で流すのだが、この日は残留争いのライバルの劣勢を後半は逐一流していた。あの情報というのがC大阪の選手、サポーターに力を与えていた ように見える。もちろん試合展開によってはスコアを流さなかっただろうが、うまいやり方ではあった。

 残すところはあと1試合。天皇杯の初戦敗退という残念な結果によって例年と違いリーグ戦最終戦が今季最終戦となる。この試合でチームを去る 選手もいると思う。今年はいろいろあった。序盤の不振、浦和戦での劇的なリーグ戦初勝利、ダービーの勝利、監督交替、そして屈辱の残留争い。 みんな言いたいことは山ほどあると思う。ただまずは試合に集中しよう。最終戦、今季のどの試合よりもいい試合を選手にはしてもらおう。その為 に俺達も恥じない応援をしよう。全てはそれからである。



ホームアドバンテージ。

2004.11.20(SAT)
2004 J-LEAGUE DIVISION-1 2nd STAGE 13th ROUND
vs KASHIWA REYSOL
2-1 WIN
at NIHONDAIRA STADIUM(SHIMIZU)


 お互いの意地と意地がぶつかりあった試合を分けたものはほんの僅かな勝利への想いの差とホームアドバンテージであった。選手とスタンドが 一体となったホームスタジアム、この雰囲気が尊い勝ち点3をもたらした。

 ゴール裏、メインスタンド、バックスタンドが一体となって手拍子とエスパルスコールで迎える中で試合は始まった。序盤から清水がサイドを 使って攻め、特に右サイドから圭輔が何度もチャンスを作る。ジェジンも積極的にスペースに飛び出してボールを受け、久保山や純平も遠目から 積極的にシュートを放つ。一方の柏は日本代表FW玉田を中心にカウンターを狙うが、清水も中盤から浩太やテルが素早いプレスをかけ攻撃の芽を 摘む。柏は41分には右サイドからDF波戸のクロス、これにゴール前にいたMF増田が振り向きざまのボレーを放つもGK黒河のファインセーブで難を 逃れ、前半は両チーム無得点で終了する。
 後半に入っても清水は両サイドの突破でチャンスを作る。そして56分、後ろ向きでボールを受けた柏FW玉田から森岡がボールを奪い素早く右サ イドを上がる圭輔へ、柏DF小林祐三と競り合いながらも圭輔は約60mのドリブル突破で振り切ってゴール中央にクロス、これにジェジンが柏DF近藤 と競り合いながらヘッドであわせてゴール。長い距離を突破した圭輔と相手に囲まれながらも押し込んだジェジンの2人の粘りが生んだ見事な得点 であった。これで清水が勢いに乗るかと思われたが柏も怪我から復帰のMFリカルジーニョを投入して流れを変える。清水は前線で動き回っていた アラウージョ、ジェジンの運動量が落ちて中盤とのスペースが空き、そこを柏に支配される苦しい展開。80分にはその2人を下げて康平と北嶋を投 入して打開を図るが、83分に清水はセットプレーのチャンスを逃してカウンターを食らい、途中出場の柏FW山下のふわりと浮かせたパスを前線で 受けた玉田がテルのマークを切り返しでかわしてからシュート、飛び出していたGK黒河の股をぬいたシュートが決まって同点に追いつかれる。
 しかしいつもは失点に落ち込むスタジアムもこの日はすぐさまエスパルスコールを送り、サポーターも最後まで勝利を信じて疑わなかった。そ の想いに乗せられたのか清水は時間が残り僅かとなっても攻め続けた。そして89分、右サイドのFKから森岡がクロス、これを一旦はクリアされる もルーズボールをテルがヘッドで前線へ、これに飛び出した康平が胸トラップから相手選手と競り合いながら一瞬早くボールに触れ、このボール が柏GK南の頭上をふわりと越えてゴールマウスに吸い込まれ勝ち越し。その後のロスタイム3分を凌いでJ1残留決定と久しぶりの勝利を手にした。

 90分間選手もサポーターも文字通り一体となった勝ち取った勝利。本当にこういう勝利は価値がある。そんな中でも今日のMVPは圭輔であろう。 前半から何度も積極的に相手へ勝負を挑み続けた。上がった裏を狙われるシーンもあったがそんな時でも警告をもらいながらも必死に戻り守備も 頑張っていたのではないだろうか。この日は1点目に繋がるクロスボールが証明するように技術よりも相手に負けたくないという負けん気が非常 に感じられた。シーズン序盤の好調から相手に研究されて壁に当たってなどいろいろな波を乗り越えて、彼はいま本当に着実に成長していると思 う。そして彼に負けず劣らず目立ったのが浩太だろう。中盤で相手の攻撃の芽を摘むだけでなく長短織り交ぜて両サイドを幅広く使ったパスで何 度も局面を打開していた。シーズン途中の鎖骨骨折という重症から脅威の回復力で終盤の大事な試合に戻ってきてくれた。
 そしてこの日スタンドに詰め掛けた12,000人あまりのエスパルスサポーターひとりひとりに感謝しなくてはならない。この日を迎えるにあたっ てサポーター有志が試合告知のビラを静岡市内だけでなく幅広く静岡県内で配り、来場を呼びかけた努力なくしては語れないだろう。応援に関し ても試合前に決起集会を開きいろいろな方の意見を集めてより良い応援を模索した。選手バスが入る場所には想い想いのメッセージが書かれた横 断幕が貼られ、選手バスが入ってきた際には翼を下さいの替え歌で選手に想いを伝えたりエスパルスコールで出迎えた。試合中の応援もスタジア ム全体のことを考えて手拍子や単純なコールを中心としたシンプルなものにまとめた。そしてメインやバックスタンドにオレンジウェーブとサポ ーターを配置してサポーターソングの歌詞カードを配布するなどのスタジアム全体の応援を企画した。それが功を奏したのかいつにも増して試合 前からゴール裏だけでなく、メインスタンド、バックスタンドから手拍子や声がいつも以上に聞こえた。球団も新潟戦で配布したオレンジのカラ ーボードを今回も配布し、音だけでなく色彩的なホームの雰囲気作りというのが出来た。球団には横断幕も普段は貼らせてもらえない場所にまで 今回は特別の許可で貼らせて頂くなど、真のホームスタジアム作りにサポーターとフロントが一体となって出来た事に本当に大きな意義があった。 選手もスタジアムに入った際にサイド・メイン・バックとスタンドに頭を下げて挨拶し、この一戦にかける想いが伝わってきた。選手、チームス タッフ、サポーターの誰ひとり欠けてもこの日のスタジアムの雰囲気は作り上げられなかったはずだ。この日まさしく日本平は聖地であった。
 この日来て頂いたサポーターは試合のレベルを抜きにしてこの応援と選手の頑張りに絶対次も行きたいと思わせる事は出来たはず。だけど大事 なのはここからだ。ここが終わりではなくスタートである。選手には残留を決めた喜びは別として本来こんな残留争いをしてるという現状を反省 して欲しい。そしてサポーターもこの1週間の活動やこの試合におけるサポートから更なる真のホームスタジアム作りを考えていって欲しい。もっ ともっと勝って、なおかつサポーターも増やして、日本平が選手や我々にとって本当の聖地へとしていく為の努力をしていこう。まだまだ俺達に は可能性が無限大にあるという事がこの日改めてわかったと思うから。

 残り2試合はもう残留とかそういういらぬプレッシャーからは開放される。だからといっていい加減な試合は許されない。もう既に来年に向けて 我々はスタートしている。今年の屈辱を晴らす為にも未来に向けて可能性を示す闘いをして欲しい。



後は気持ち。

2004.11.06(SAT)
2004 J-LEAGUE DIVISION-1 2nd STAGE 12th ROUND
vs URAWA RED DIAMONDS
1-2 LOSE
at SAITAMA STADIUM 2002(SAITAMA)


 なりふり構わず闘っても敗れた。相手は必死の守りをなりふり構わぬ攻撃で破った。そう、後は気持ちだけの問題。心を折らずに残り3試合臨む 事でこの日の悔しさが活きるのである。

 試合は序盤から浦和がボールを支配するものの清水は相手FWに対して常に複数で対応して相手のスピードに乗った攻撃を遅らせる事に成功する。 清水はボールを奪うと素早くポストの北嶋に預けてのカウンターを狙う。攻められながらもしっかり守ってきた清水は27分、相手のクリアボールを 拾った久保山が素早く右サイドにパス、これを受けた圭輔が縦への突破で抜け出してニアサイドに低い弾道のクロス、これに飛び込んだ北嶋が体ご と押し込んでゴールして願っても無い展開に持ち込む。その後は相手の猛攻にさらされながらも守備陣の体を張った守りで得点を許さずに前半を終 了する。
 後半開始から清水は久保山を下げて久々に復帰の浩太を投入する。しかしこの交替で中盤と北嶋のスペースが大きく開く事になり、更に中盤を支 配される事となる。次々に襲ってくる相手の攻撃を何とか耐えていたものの全く攻撃にならない状態で守勢に回ったチームに不運が訪れる。68分、 右サイドからドリブル突破した浦和FW田中達也を止められずに後ろに戻されたボールに走り込んできたMF酒井がミドルシュート、これが森岡の頭に 当たりコースが変わり西部は反応出来ずにゴール。この同点で緊張の糸が途切れたのか直後には浦和DFネネの強烈なミドルシュートがバーを叩くな ど、次々にピンチが訪れる。清水も康平、純平に替えてノボリとアラウージョを同時投入し逆襲を狙うが一向にチャンスを作れない。そして84分、 浦和の左CKからファアサイドの浦和FW横山がヘッドで落としたところに飛び込んだ浦和DF田中闘莉王に押し込まれて勝ち越されるとロスタイムには 相手の余裕のボール廻しから全くボールを奪えないまま試合終了。

 現状での出来る限りの戦術と闘いは確かに出来た。相手の狙いとする攻撃を守備陣の運動量と球際での執念で防ぐ事も出来た。ただし、相手のマ ークすべき選手以外から失点をしてしまった。相手は鍵をかけた清水の守備に対してあらゆる手で諦めずにシュートを打ち続けた。一方の清水はせ っかくのチャンスでも強引にシュートまで持っていくことはなかった。つまりそういう必死な点でまだまだ相手に及ばなかったという事だろう。同 点とされた場面ももう一歩、もう半歩でも相手に詰めておけばシュートを防げたかもしれない、不運といえば不運だがそれすらもほんのちょっとの 必死さが足りてないのだろう。4万人の赤に染まったスタジアムで試合終了後の挨拶を終えた戸田がしばらくその場から動けなかった。彼にしてみれ ば期するところのあったのだろうが、まだまだ足りないところがあるという事を噛み締めて欲しい。
 攻撃に関しても確かに前半は北嶋のポストから効果的な攻撃が出来ていたが相手に圧倒された後半はほとんど手も足も出ない状態。劣勢だからこ そ一人一人の事態を打開する勇気が必要だろう。そんな中でも北嶋の活躍には数少ない明るい材料だろう。出場停止のジェジンに替わり起用された が、このところチャンスがなかなか無かった状態でもこうやって試合に出てしっかり結果を出した事を評価したい。劣勢が予想された闘いで彼のポ ストプレーから何度もチャンスが生まれていたし、それには自信を持っていいだろう。

 サポーターに関してもこの日は人数こそ少なかったが4万人の赤の軍団に気持ちは決して負けていなかったと思う。ただし同点とされて以降、明ら かに選手以上に我々サポーターが声を失ってなかったか?サポーターから勝負を投げていなかったか?選手は少なくとも試合を投げ始めた我々サポ ーターと違い、ロスタイムには相手に余裕でボールを廻されながらも必死に最後までボールを追っていた。我々が成すべき事をせずに誰が批判など 出来ようか?今が苦しい時、何度も言うように我々は真価を試されてると思わないか?きれい事ではなく文句を言う時期はとうに過ぎた。残り3試合、 J1残留という目標に向けてやるべき事を考えれば、自然に答えが出てくるはず。試合終了後にどこからともなく沸いたエスパルスコールが自然に広 がった、この気持ちを忘れずに闘おう。今日のなりふり構わぬ屈辱的な闘いに敗れた悔しさ、決して忘れないで欲しい。そしてその悔しさを晴らす 舞台はJ1でのみしかないという事を。リーグ戦はここで1週中断となり、次は天皇杯、相手は間もなく昇格を決める大宮。来年同じ土俵で闘う前にJ 1としてのプライドを俺らに見せてくれ。そして俺らサポーターも誇りを賭けて共に闘おう。