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叶わぬ願い。

2004.09.04(SAT)
J-LEAGUE YAMAZAKI NABISCO CUP QUARTER FINAL
vs TOKYO VERDY 1969
1-2v LOSE
at TOKYO STADIUM(CHOFU)


 雷雨が続くスタジアム、後半の開始時間を過ぎてもピッチには両チームの選手もスタッフもいない。雷雨による試合中断中もずっと鳴り響く サンバと声援にサポーターたちのこの試合にかける意気込みは痛いほど伝わってきた。しかし、その願いも叶わぬものとなった。

 試合は序盤から押され気味。戸田を出場停止で欠き、中盤を浩太とテル、DFに久々の昇平を起用するが、相手の細かいパス廻しにプレスがか けきれない。それでも26分には後ろでボールを廻してから俊秀が前線のスペースにいるジェジンにパス、これを受けたジェジンが相手のマーク が来ないと見るや約30mの距離から思い切ってシュート、これが東京VのGK高木の手を越えてバーの下を叩きゴールに吸い込まれる。膠着状態を 打破するジェジンの素晴らしいミドルシュートで先制する。しかしこのリードも長く続かず、34分にはセットプレーからのクリアボールを再び 拾われDF米山が右サイドからニアサイドに流れるMF山田にスルーパス、これに一瞬マークのずれた清水の守備が遅れ山田にスライディングシュ ートを許し失点する。この後も押され気味のまま前半を終了する。
 後半は開始直前に鳴り響いた雷鳴により、20分ほど延期されて始まった。その後半、前半以上に降り続く雨の中で消耗しきった清水はボール を全く支配できない。相手の素早いパス交換にマークについていくだけで奪いにいく事が出来ない。しかも62分、アラウージョを下げて康平を 投入するが、これが完全に裏目となる。これまでカウンターの起点となり個人技で相手を崩すプレーも見られたアラウージョが抜けた事で前線 が完全に孤立してカウンターもうまくいかず、圧倒的に相手にボールを支配される。その中で俊秀の体を張ったプレーと西部のファインセーブ で何とか持ち堪える。圧倒的に押されていた清水もロスタイムにはジェジンのポストプレーから康平のスルーパス、これに反応した圭輔がGKと 1対1からシュートを放つも枠の外、このチャンスを逃して延長に入る。
 延長に入ると、後半終盤の攻撃で最後の力を使い果たしたかのように圧倒的にボールを廻されて延長前半ロスタイム、東京Vは右45度からのF Kから米山の強烈なシュートがゴール前に走り込むFW桜井の体に当たってコースが変わりVゴール。このあっけない失点で清水のナビスコ杯は終 わりを告げた。

 終始内容で圧倒された屈辱的な敗戦であった。細かいパス交換、スペースへの飛び出しなど基本に忠実なプレーをしていた東京Vに対して自慢 のプレスは全くかからなかった。相手への寄せが遅いうえにチーム全体がバラバラに動いているようでは組織的な守備もあったものではない。 戸田を欠いただけでこんなに簡単にボロボロになってしまうのが現状なのか?そうではないはずと思いたい。そんな中で最後まで体を張った俊 秀と西部は結果こそ出せなかったが気にする事無く次も頑張ってもらいたい。しかし、西部に関してはせっかくのゴールキックで3度もタッチラ インを割り相手ボールにしてしまったのだけは反省して欲しい。サポーターからも溜め息が漏れていたようにGKもまた攻撃への起点なのであり、 せっかくの攻撃チャンスを手放すような事は非常にもったいない。
 攻撃の方はとにかく中盤のフォローが無さ過ぎたとはいえ、数少ないチャンスでも何とか決める決定力が課題となった。特に最後の最後に訪 れた決定的なチャンスで圭輔が外したのが何とも悔やまれる。そんな中で唯一の希望が見えた。周りのフォローが薄過ぎて落としたボールから チャンスが生まれることが少なかったが本物のFWらしいFWがやっと清水にも入ってきた。それは“チョ・ジェジン”である。その証にジェジン の「J」初ゴールの時、俺達のいるゴール裏は異常なまでに盛り上がった。オレンジユニフォームを着たジェジンに対するサポーターの期待は 絶大であることを証明した。前節のG大阪戦もこの試合でも彼を応援する為の大極旗やゲーフラがたくさん出ていた。ジェジンの今後の活躍に期 待したいところだ。ゴールを量産して日本を揺るがして欲しい。

 2週連続での大雨の中、サポーターは決して腐らぬ気持ちを見せてくれた。久々に復帰の昇平に対しては、アップのためピッチに登場した際に、 昇平の復帰を心待ちにしていたサポーターの有志から、無数の「3」と書かれたゲーフラと、「昇平頑張れよ!!」と缶スプレーで書かれた横 断幕が揚げられ、応援歌とコールと拍手でピッチへの復帰を祝った。また、前述したように試合中断中にも絶え間なく続いた応援、そして「国 立へ行こう!」と歌い、決勝国立への舞台目指して闘い続けた。延長での敗戦で水を打ったように静まり返ってしまったが、この闘いは決して 無駄ではなかった事を来たるリーグ戦で証明しよう。残るタイトルがある限り選手よりも先に俺達が諦めるような闘いをしてはこの日の敗戦が 無駄になる。あの場所にいた誰もが味わった悔しさを今度は何倍にも声で跳ね返して選手の背中を押してあげよう。



予選突破。

2004.07.24(SAT)
J-LEAGUE YAMAZAKI NABISCO CUP QUARIFY GROUP-C 6th ROUND
vs OITA TRINITA
2-0 WIN
at OITA STADIUM BIG EYE(OITA)


 決して内容は良くないながらも結果を出した。押された時間帯もありながらゼロに抑えた守備陣、華麗なゴールではなくともきっちりと結果を 出した攻撃陣。したたかに勝ち点3を奪い、苦難の船出となった予選リーグを突破した。

 試合は序盤から清水ペース、サイドから圭輔や純平が何度も突破してチャンスを作る。19分にはセットプレーからのチャンスが一旦は潰えるが 相手のパスミスからのこぼれ球を拾った北嶋が持ち込みGKと1対1から思い切りよくシュート、大分GK高嵜が弾くも威力のあったシュートのこぼれ 球はゴール中央に走り込むアラウージョの足元に渡り難なく押し込んで先制点を奪う。この後も清水ペース、アラウージョが純平や久保山と連動 してサイドから大分の守備を切り裂く。特にアラウージョと久保山が長い距離を繋いだワンツーパスなどはオフサイドとなってしまったもののダ イナミックさを感じさせる攻撃であった。前半はこのまま終了する。
 後半に入り、既に予選突破の可能性が無い大分も反撃を開始する。大分FWマグノアウベスの個人技から何度かピンチが訪れるが守備陣の体を張 った守りで得点を許さない。サイドの運動量が落ちて後手後手に回りつつあった重苦しい展開であったが67分にセットプレーから得点する。右CK、 アラウージョのあげたボールにニアサイドに飛び込む鶴見がヘッド、これはゴールマウスに立っていた相手DFが辛うじて体に当てるがこぼれたと ころにいた久保山が豪快に蹴りこんで2点目。何故かこぼれたところに久保山がいるという彼らしい得点で試合を決定付ける。この後もアラウージ ョを起点に両サイド、途中出場の康平などとの連携で幾度となくチャンスを作り、追加点こそ取れなかったものの試合終了。見事に予選突破を決めた。

 今季初のアウェーでの勝利。相手のモチベーションが低かったとはいえ、勝たなくてはならない試合をしっかりものにした事を評価したい。そ んな中での今日のMVPはアラウージョであろう。とにかくよくボールに絡み清水の攻撃の起点となっていた。彼独特のドリブルよりもこの日は周り を活用してのパス出しに冴えを見せた。チーム全体を彼が操っていたように自由自在なパス出しで攻撃にリズムを作っていた。更に前線、サイド と局面での対人守備が非常に巧いし効いていた。相手への体の入れ方、ボールの奪い方、相手にとっては実にいやらしい選手だろう。得点もラッ キーなものだったが、そこにいた事が重要だった。同じ事が久保山にも言え、彼の好調時にはこういうはたから見れば大した事が無いゴールが多 いものだ。すなわちポジショニングの勝利ともいえる得点だったがこれからも増えてくるのでは無いだろうか。北嶋にしても得点にいたるシュー ト、今までだったら打たずに終わったかもしれない場面で打った事に価値がある。今後続く厳しいポジション争いに向けて明るい兆しと言えるだろう。
 守備も戸田復帰以降2試合連続無失点というのは嬉しい結果だろう。苦しい時間帯がありながら体を張った守備のお陰で結果としてゼロに抑えて いた。しかしまだまだ危ないシーンは多く、特に相手へのチェックが遅いシーンもあった。常に高い危機意識と連携をもっと高めていく事が必要 だろう。

 遠く大分での試合ながらサポーターは球団のオフィシャルバスツアーや飛行機や新幹線で思った以上のサポーターが駆けつけたし、真夏なうえ スタジアムの構造上なかなか風が通らないという厳しい気候ながら人数以上の気持ちの篭った声を選手に届けられたのでは無いだろうか。一方の 大分では非常に寂しいシーンがあった。試合前に大分ユースの全国大会出場の報告というのがあったのだが、ユースの選手の紹介時に大分側から コールや拍手といったものがあまりなかった。ユースの選手も戸惑いながら軽く挨拶をしてそそくさとピッチを後にしてしまった。愛するチーム の将来を担うべき宝をもっと愛する事が非常に大切なのではないだろうかと考えさせられた。我々はこういう事象を反面教師として常にチームを 愛する事を考えていかなくてはならないのではないだろうか。

 これでナビスコ杯も予選突破を果たした。開幕市原での完敗や駒場での浦和に対する惨敗、正直とても苦しい闘いが続いたがその中で浩太や圭 輔や和田など若手の成長、終盤には戸田という軸になる選手の復帰などこの闘いで得た経験値は想像以上だ。そのうえ突破も果たして秋から始ま る決勝トーナメントにも万全の体勢で臨める。あと3試合勝てば優勝という名誉と賞金1億円が手に入る。ここしばらくタイトルと縁が遠くなりナ ビスコ杯も96年以来勝っていない。そろそろ選手や俺達サポーターにも栄光への渇望が出ているはず。こんなチャンスはそんなにないし、今度こ そ何が何でも栄光を掴み取ろう。そして2ndステージ開幕に向けて選手達はこの結果を自信に更なる高みを目指して欲しい。



変貌。

2004.07.17(SAT)
J-LEAGUE YAMAZAKI NABISCO CUP QUARIFY GROUP-C 5th ROUND
vs OITA TRINITA
1-0 WIN
at NIHONDAIRA STADIUM(SHIMIZU)


 しばしの中断が明け我々の前に現れたチームは変貌の兆しを見せていた。1人の男の復帰は単なる個人の力以上の波及効果をもたらした。

 試合は序盤から清水ペース、右サイドの太田の突破から何度もチャンスが生まれる。守備も中盤でテルとこの試合から復帰した戸田が確実に相手の 攻撃を芽を摘む。戸田は開始早々にタックルで警告を貰うもののその後も体を張ったプレーを見せ、それだけでなくダイレクトパスや正確なフィード で清水に今までに無かったワイドな攻撃の基点となる。清水は圧倒的に攻めながら鶴見のヘッドがバーに嫌われたり、戸田の中央突破からチャンスに ラストパスがわずかに合わなかったりするなどなかなか決められなかった清水だが、38分に前線で北嶋が大分DF三木と衝突してファウルを貰い、ゴー ル真正面でのFKのチャンスを得る。三木の治療に手間取り3分ほど経過した後、森岡が蹴ったボールは大分が築いた壁の間に入った北嶋が動いた隙間を 通し綺麗な弧を描いてゴールの枠に吸い込まれた。相手選手の治療もあり間延びする中でよく集中していたし、大分GK岡中が一歩も動けなかった素晴 らしいゴールであった。結局このまま前半終了。
 後半に入っても清水ペースは変わらない、サイドからの攻撃も太田や平岡だけの単調な攻撃でなく、後ろから森岡やテルや戸田のフォローもあり分 厚い攻撃が続いていた。守備の方は大分のロングボール中心の単調な攻撃にも助けられたが裏にこぼれたボールは俊秀がきっちり対処して全く危なげ が無い。逆にカウンターから北嶋やアラウージョに決定的なチャンスが訪れるが決められない。アラウージョはがら空きのゴールに思い切り蹴り込ん だシュートがバーに当たり決定的なチャンスを潰し、結局このまま試合終了。

 これだけ内容で圧倒しながらの1点差、実にもったいない試合であった。それでも1人の男の復帰がここまでチームを変えてくれるとは思わなかった。 そう、戸田の復帰である。間違いなくこの試合のMVPである。相手に対して体を張ったプレー、フィールド全体を使ったパスワーク、そして今までチー ムに全く無かった周りへの指示や叱咤激励などの声、一度海外を経験した男は我々の前に一回り成長した姿を見せてくれた。彼の登場で浩太や村松と 激しいポジション争いをする事になるテルまでも今年の低迷が嘘のように豊富な運動量で守備だけでなく積極的に攻撃参加するなど蘇った。この1試合 限りでなく、これからもチームを活性化させていって欲しい。まだ本人は海外への夢も捨てていないだろうが、再び万人に認められるように頑張れば いつでもチャンスがあるはず、そこまで清水の為に頑張ってもらいたい。そして他の選手も生きた教材から技術や精神など彼の全てを盗めるだけ盗ん でもらいたい。DF陣も相手が酷すぎたとはいえ安定していた。特に後ろに控える俊秀の安心感が鶴見や森岡の前に向かっての積極的な守備に繋がって いたと思う。前述したように戸田の存在感とテルの復活も後ろの負担を減らした要因と言える。
 一方の攻撃陣だが、これだけ攻めてかつ決定的なチャンスも何度もありながらたった1点というのは充分反省すべきだろう。特に北嶋はポストプレー を忠実にこなすあまり、FWとしての本来の仕事を完全に忘れてしまっている。味方のスルーパスに反応できないし、まるでパスをもらいたくないのか のようにボールから遠ざかる動き、常にゴールに背を向けたプレーでチャンスを潰していた。夏が過ぎれば韓国五輪代表FWz゙宰榛の加入も決まってい る。チームの前に己の存在意義を賭けて闘って欲しい。それでもチーム全体で見れば2列目だけでなく3列目も活用した中央突破や味方のカバーを使っ た分厚いサイド攻撃を見せるなどプロセスは申し分ない。後は決めるだけというレベルまでたった1試合で持ってきた。FWにはその一番難しい決める事 に当然こだわってもらいたい。

 久々の試合、そして戸田の復帰という事でスタジアムにはナビスコ杯では珍しい10,000人を超える観客が詰め掛けた。応援もホーム日本平ではほぼ1 ヶ月ぶりとあって皆が力を蓄えていたかのように元気があったのではないだろうか。戸田へのメッセージ弾幕や復帰を祝う背番号「4」のビッグフラッ グが広げられ、新たに就任した石崎監督を励ます「ISHIZAKI S-PULSE」と書かれたメッセージ弾幕も貼られて変貌を遂げようとしている我がチームを それぞれサポートしていた。また、ハーフタイムや試合終了後には同時刻に開催されたユースのプリンスリーグの結果が掲示された。ユースも強豪静 岡学園高校を相手に見事な勝利を収めたし、こういう我々サポーターが非常に気にしていた事をさっそくやってもらったクラブの姿勢もいい事である。 近未来のエスパルス戦士となるユースの活躍に今後も注目していこう。

 これで市原と浦和に勝ち点で並んだ。得失点では圧倒的な不利という状況は変わらないが、清水は大分に勝ちさえすればいい。今季一度もアウェー で勝って無いがここで壁を乗り越えよう。遠く大分まで乗り込むサポーターには行けない皆の分まで頑張って壁を乗り越えよう。それが出来てこそこ の試合の価値がある。



本末転倒。

2004.06.05(SAT)
J-LEAGUE YAMAZAKI NABISCO CUP QUARIFY GROUP-C 4th ROUND
vs URAWA RED DIAMONDS
0-3 LOSE
at URAWA KOMABA STADIUM(SAITAMA)


 スコア以上の完敗を喫した。中途半端なプレス、形の見えない攻撃、たった1ヶ月前には素晴らしいサッカーを確立しつつあったのに何故こんなに 変わってしまったのか?闘う気持ちを失くしてしまった事も残念だし、自分たちが目指しているサッカーを忘れて闘った時点で本末転倒である。

 試合は序盤から素早いパス交換を繰り返す浦和の攻撃に清水のプレスが効かない。しかもやや引き気味の為か中盤が下がり、前線との空いたスペー スを浦和に完全に支配される。何度もサイドから崩されてピンチになるものの浦和の決定力の無さに助けられた。しかし前半終わりには足が止まり、 39分に浦和はFW永井のポストプレーからMF長谷部がシュート、そのボールをFW田中達也にヘッドで合わされ、これが清水守備陣に当たって入ってしま う。更に42分には浦和の左CKからクリアし切れないボールを拾われてMF山瀬のクロスボールに前線に上がっていた浦和DF田中闘莉王に全くのフリーで ダイビングヘッドを決められてあっという間の2失点を喫する。
 後半に入っても相手のチェックに清水は勝手にパスミスと自滅状態。サイドの裏に次々飛び出す相手の攻撃に何度もピンチに遭う。66分にはオーバ ーラップしてきたDF田中闘莉王にドリブル突破を許して裏に走るFW岡野にスルーパスを通され、抜け出した岡野はGK西部との1対1から難なくシュート を決められ万事休す。あとの残り時間も決定的なチャンスを作る事すら出来ず敗れてしまった。
 自分たちの本来のプレスサッカーがこの日は何にも見られなかった。確かに相手のパスワークは速かったし、スペースを使われていた守勢に回って しまった。それでも前線からの厳しいチェックをする事は出来たはずだし、それをしようとしない選手達の気持ちが非常に残念だ。前半良くても後半 になるといつもバテるというのは分かっているがそれを承知の上でも本来やるべき事をやらなくては本末転倒だろう。守備陣にしてもそうだ、相手の 選手に対して何故もっと距離を詰めない。後ろを抜かれるのを怖がっているが、その時のために俊秀やGKがいる。チャレンジする事、またそういう気 持ちを持つ事が出来ない時点で結果は明らかだ。試合前には背番号「16」と書かれたビッグフラッグが出されるなど古巣相手に活躍が期待されたGK西 部にとっては今回は残念というか何とも言えない結果になってしまった。しかし、西部の活躍が無ければもっともっと失点を重ねて更に惨めな結果に なっていたはず。それぐらい止めてくれたし、失点シーンもほぼノーチャンスであった。それだけに彼にはこの結果を忘れて次に切り替えて欲しい。

 サポーターに関しても前節危惧していた事がまた起こってしまった。2失点目のセットプレーの際、一度のクリアで簡単に西部へのコールを止めて 見入ってしまっていた人が多数いた。その結果、また失点を喫してしまった。サポーターとしての本来の仕事を忘れている点を反省すべきだ。選手を 助ける唯一の方法である声を放棄するという時点で選手と同様に闘う気持ちの欠如があったと言われても言い訳が出来ない。コールしていた人は更に 周りの人を意識させるコールを、コールしてなかった人は試合の流れに集中してコールする事を意識する事でこの失点を無駄にしないで欲しい。それ でも終盤3点差の中でも歌だけでなく、選手を鼓舞するかのようにエスパルスコールやゴールコール、選手コールが続いた事は良かったのではないだ ろうか。今のチーム状況を考えると無言やブーイングなどの安易な方法に走る事もありがちだが、苦しい中でも選手を励ます事を選択した事が後にな ってきっと良かったと言える時が来ると俺は信じている。

 ナビスコ杯の予選リーグもあと2試合。連勝すれば自力で突破できる位置に居る事も事実だ、この試合を大いに反省し次に切り替えよう。そしてリ ーグ戦も再開する。崖っぷちとも言っていい状況ではあるが、もう一度、自分たちが目指すサッカーを考えて欲しい。楽な回り道ばかりを探していな いかい?楽な道ばかりを選んで得る結果にはそれなりの結果しか出ないと思う。自分たちの本来のサッカーを信じて最後まで諦めない闘う姿勢を取り 戻して欲しい。俺らの愛するエスパルスはこんなものなのかい?違うだろ。そしてサポーターも諦めるよりもその前に選手と共に力の限り闘おう。



貫き通した結果。

2004.05.29(SAT)
J-LEAGUE YAMAZAKI NABISCO CUP QUARIFY GROUP-C 3rd ROUND
vs JEF UNITED ICHIHARA
3-2 WIN
at NIHONDAIRA STADIUM(SHIMIZU)


 後半の内容に不満のあった人も多いと思う。ただ、このサッカーを貫き通して貪欲に点を狙った結果の勝ち点3という事には意味がある。 ここ数試合の悪夢を振り払った選手によくやったと言ってやりたい。

 試合は序盤から清水ペース。8分にはCKからニアサイドに飛び込む鶴見がバックヘッド、これが相手DFに当たりゴールに入り先制。この先 制点で流れを掴んだ清水は相手にボールを支配されながらも前線からの積極的なプレスを続ける。2試合ぶりに起用されたボランチ村松が果 敢なチェックでボールを奪うなど中盤で相手に攻撃の芽を摘み、DFでは鶴見が市原FWマルキーニョスに体を張った守備で完璧に封じ、相手の 不正確なラストパスなどにも助けられながらも決定的な場面を作らせない。清水はリードした以降もボールを奪ってから素早くカウンターを 繰り出して2点目を貪欲に狙い、それが前半終了間際の43分報われる。セットプレーから左サイドの純平がファアサイドにクロスボール、こ れに一人フリーになっていた圭輔がダイレクトボレー、これはバーに阻まれるがそのこぼれ球を久保山が難なく押し込んで2点リードで前半 を終了する。
 課題と言われていた後半もまたまたセットプレーから追加点を奪う。51分のCK、アラウージョが寄ってきた圭輔にパスするショートコーナ ー、圭輔があげたセンタリングにゴール中央で待ち構える久保山が全くのフリーでヘッド、市原GK櫛野も一方も動けず決まり3点目。この3点 で勝負は完全に決まったと思われたが、ここから運動量の落ちた清水にとって苦しい時間帯が続く。57分には相手にパスを廻され左サイドか らのクロスボールに清水DF陣と市原MF坂本が競り合いルーズボールとなったところへ走り込む市原FW林にボレーシュートを決められる。清水 は中盤の運動量が落ち、DFとFWの間が間延びしてしまう悪癖が出て前線で孤立したアラウージョ、北嶋もキープが出来ずに攻撃もままならな い苦しい試合展開となる。83分には左サイドのFKからニアサイド、飛び出してくるGK真田の前に走り込む市原DF斎藤のバックヘッドが決まり 1点差。更に終了間際には市原FWサンドロのシュートが辛うじてゴールの枠を逸れ、最後のセットプレーではフリーの市原DF斎藤にヘッドを許 すもGK真田の真正面とまさに冷や汗の出る展開ながら何とか逃げ切って試合終了。公式戦では5月2日のダービー以来の勝利を飾った。

 前述したように確かに点の取られ方が悪過ぎるしすっきりしない勝ち方なのは確かだ。それでも貪欲に2点目、3点目を獲りにいく姿勢を見 せ、実際に点を奪った。この結果というのは選手には何よりの自信になるはずだ。そんな試合のMVPはやはり村松だろう。中盤で積極的なチャ ージ、インターセプトなどで相手の攻撃の芽を確実に摘んでいた。後半時間が進むにつれて消えてしまったのは残念だったが間違いなく今後 もボランチとしてチームの貴重な戦力になっていくだろう。もちろんスタミナ面でもまだまだだろうし、もっと前線への飛び出しなども期待 したいのだが、この日の活躍は正直俺たちの予想以上の出来であった。2得点の久保山の活躍も見逃せない。2点ともゴール前で居て欲しいと ころに当たり前のように居るという彼独特のゴールの嗅覚というものを感じさせた。本来は北嶋にこういう役割をやって欲しいものだが、久 保山のこういう簡単な(ように見える)ゴールこそステージ優勝を果たした99年に何度もあった。ゴールの感覚を徐々にだが取り戻しつつある 久保山には今後もこういうゴールをどんどん決めて欲しい。両サイドの圭輔も純平も正確なクロスで点に絡むなど活躍を見せていたが、圭輔 に関しては試合終盤のカウンターで自らアラウージョにパスを要求して最高のラストパスを受けながら決められなかった点は今後の課題とし て欲しい。
 守備陣も後半足が止まり何度もピンチを迎え不安定であったがそれでも前半のアグレッシブな守備は光っていた。特に鶴見は先制点を挙げ ただけでなく相手FWに対して体を張った守備で跳ね返していた。確かに失点のシーンに関してはまだまだ相手へのマークが甘い、もっと体を 寄せて相手に自由にさせない守備を意識して欲しい。ただしいつもならやられっぱなしだが、今回は逆にセットプレーから3得点とやり返して くれたのは実に良かった。鶴見や俊秀、森岡とセットプレーに強い選手が何人かはいるのだから、これからセットプレーももっと成熟してい けばチームの貴重な武器だ。

 サポーターに関してはちょっと中だるみというのを感じた。3点とってさすがに安心感が出たのであろう、そういう姿勢がスタンドからピッ チへと伝わってしまったというのは考えすぎだろうか。2失点目の際、セットプレーのピンチが一旦途切れそうになって真田を励ますコールが 終わった後、再び繋がれてピンチが続いているというのにそういうコールが出てこなかった。もっとピッチで闘う選手と共にサポーターにも9 0分間勝負の意識を持ち、自分たちが出来る最大の武器である声で選手を励まし続ける原点を忘れないで欲しい。また、この日はスタンドに顔 を見せた戸田に対して復帰を呼びかけるゲーフラ、メッセージが掲出された。かっての共に闘った戦士の選択に俺たちは何も手を出せないか もしれないが、気持ちだけは伝えられたのではないだろうか。復帰の際には彼には今まで以上に叱咤激励し、チームを鼓舞して欲しい。

 市原に点差はともかく借りを返した事で予選リーグでも2位に浮上した。予選リーグもちょうど半分、これから残り3試合が秋からの決勝ト ーナメント進出に向けて重要になる。まずは次節の駒場、6年間勝ってないうえに昨年の10.8の屈辱を俺は忘れていない。同じ場所で勝つ事で のみ10.8の屈辱を忘れる事が出来る。選手もサポーターもあの屈辱は忘れてないよな。絶対勝って笑って帰ろう。



準備完了。

2004.04.29(THU)
J-LEAGUE YAMAZAKI NABISCO CUP QUARIFY GROUP-C 2nd ROUND
vs URAWA RED DIAMONDS
2-0 WIN
at NIHONDAIRA STADIUM(SHIMIZU)


 結果以上の内容で決戦への準備が完了した。この日見せたサッカーこそが清水のやりたいサッカー、見ていて楽しくそして見ていて美しい、 そんなサッカーへの第一歩だろう。

 試合は序盤から清水ペース、北嶋と久保山に久々スタメンとなったアラウージョの3人が高い位置からのプレスを何度も繰り返し、苦し紛れ の相手のパスを中盤以降で難なく奪う。サイドから素早い攻撃で崩すという形が何度も出て、特に左サイドからアラウージョと和田のコンビで 何度もチャンスが生まれ、どちらかといえば右サイドに偏っていた攻撃もこの日は左右バランスよく出来ていた。このサイドからの攻撃に加え て中央から久保山が相手の裏を狙う北嶋やアラウージョにスルーパスを出し、浩太も積極的に上がり次々に浦和ゴールに襲い掛かるが、アラウ ージョに何度か訪れた浦和GK都築との1対1のチャンスも都築のファインセーブに防がれて点が奪えないまま前半を終了する。
 後半に入り、前半からしつこく繰り返したサイド攻撃が実を結ぶ。2分、自陣で相手のファウルからのリスタート、北嶋が素早く右サイドを 駆け上がる太田にパス、太田がライン際で粘りクロスをあげ、そこへ浦和DF2人を連れニアサイドへ走り込む北嶋にあわないが裏に走ったアラ ウージョがボレー、これをまたもGK都築が弾くもののこぼれ球を最後はゴール前に走り込んだ浩太がシュート、相手DFのブロックも弾きゴール マウスに吸い込まれて先制。この場面、北嶋、アラウージョ、浩太だけでなく和田までゴール前まで上がりまさしく全員一丸で奪い取ったゴー ルであった。さらに直後のプレーでCKを奪い、キッカーのアラウージョがゴール中央に走り込む鶴見にクロス、鶴見が触ったボールがポストに 跳ね返ったところを久保山が押し込んで早くも2点目。
 この連続得点で完全に試合の行方は決まった。その後も高い位置からのプレスで次々に相手ボールを奪う。特に中盤での相手のちょっとした ボールコントロールミスに対しては浩太が幾度もボールをかっさらい完全に彼一人の領域を作り上げる。右サイドでボールを持った浦和FW岡野 に対しては時には5人がかりで囲い込みマイボールにする場面があるなど、全員守備で封じた。攻撃の方は前線に残ったアラウージョが抜群の キープ力から次々に決定的チャンスを作るが、この日放ったシュートはことごとくゴールに嫌われた。浦和も五輪代表から戻ってきたばかりの FW田中達也、MF鈴木を投入するものの最後まで決定的チャンスは無く、終盤MF長谷部のミドルシュートもGK西部の手とゴールバーに弾かれ試合終了。

 とにかく素晴らしいサッカーを見せてくれた。選手全員が高い意識でプレスをかけ、周りのカバーリングも実に的確であった。やろうとする サッカーが確実に一歩一歩進化している事がわかる。特にFWの献身的な守備は見ていて気持ちがいい。そこから始まる高い守備意識が素早い攻 撃へと結びついている。その攻撃もポストの北嶋に確実に当てて攻めるだけでなく、相手の裏を狙いポストの北嶋がスルーするなど、いろいろ とバリエーションが増えつつある。見ていて楽しく、そして見ていて美しい。1998年、あの素晴らしきパスサッカーに今まさに追いつき、追い 越してくれるのではないかと期待させてくれる。
 今日のMVPはやはり浩太だろう。前半から相手の攻撃の芽を次々に摘んでいたし、攻撃面でも積極的なプレーを見せていた。それが後半開始 早々のゴールに結びついた。何より素晴らしいのはこのパフォーマンスが後半時間が経つにつれて増した事だ。2点リード後、やや雑な攻撃で 中盤でボールを奪われるなど、ちょっと中だるみの危険な時間帯が続いたのだが、その時間帯で彼の対人プレーの素晴らしさが見られた。正当 なタックルでファウルを取られる事無く次々にボールを奪い取り、文字通り俺たちのオレンジレジスタがその才能をいかんなく発揮していた。 コンビを組んだがここ最近低調のテルもこの日は浩太のフォローを地味ながらこなして相手に仕事をさせなかった。浩太のような積極的な攻撃 面での活躍を俺はもっと要求したいがそれはまた段階を踏んで徐々に示してくれると期待しよう。
 攻撃面で抜群の存在感を示したのはアラウージョだろう。少なくとも4度は訪れた決定的なチャンスを全て外した事は確かに問題だが、それ 以上に抜群の技術を我々にみせつけてくれたトラップ、ドリブル、リフティング、これだけ見ているだけで楽しくさせてくれる選手はそうそう いない。何より90分間フルに動けた事が今後に向けて非常に明るい。決定的チャンスも相手GKの頑張りと考えて、次に向けて切り替えて欲しい。 両サイドも頑張っていた。右サイドの太田は前回の浦和戦同様、2度の得点に繋がる突破を見せてくれた。そして前回の浦和戦では守備面で課 題の見えた左サイドの和田も非常に頑張っていた。アラウージョとのコンビでチャンスを作っただけでなく守備面でも浦和FW岡野に対して再三 競り合い負けていなかった。失敗を次に活かした彼の今後は非常に期待できるのではないだろうか。
 守備陣もほとんど危ないシーンは無かったが実に集中していた。前回の浦和戦では勝ったものの不安定なプレーだったGK西部も試合前に広げ られた背番号「16」のビッグゲーフラに対する答えを見事に出してくれた。特に終了間際、相手のミドルシュートもしっかりと触り、ゴールバ ーが弾くなど最後の大事な場面で集中していた。古巣を見返す完封勝利で波に乗ってくれるだろう。

 さて、この日はGWという事もあり13,000人を超える観客がつめかけたが、春のうららかな気候とやはり3日後のダービーモードに入っている 為なのか応援としてはなかなか勢いに乗れない面があった。後半になってやっと勢いが出てきたが、当然ダービーではこんな調子では困る。そ してそのダービーに向け、まだ決まっていなかった浩太と和田の新応援歌も披露された。文字通り清水が生んだオレンジレジスタ、そして浜松 から清水の為に来てくれた若き左サイド、3日後のダービーでは彼らも当然熱く応援していきたいと思う。
 この日も大挙駆けつけた浦和サポーターだが、最近の彼らの行動は歪んだ方向に見える。相手サポーターからすれば後半2失点後の全く応援 しない態度は実にありがたかった。浦和にとって苦手のアウェーに駆けつけ、2点のビハインド、君達の熱い応援とやらで選手を盛り立てる気 は無いのだろうか?自分達の存在意義も見失って、傲慢な態度にしか見えないその姿勢は相手サポーターからすればひねくれた愛にしか思えな い。何かを勘違いしたサポーターには簡単に勝たせるほどここ聖地日本平は甘くはない。
 それに関連するが本日よりクラブはビジター応援席への入場ゲートが東サイドスタンド横の階段からというアウェイサポーターと清水サポー ターとの接触を減らしトラブルを避けるための手立てを試みたが、実に甘いものだった。入場ゲートは変わったものの、結局浦和サポーターは 我々が並んでいるメインスタンド裏の通路を自由に行き来していた。毎回のように浦和サポーターはこちらに挑発してくるので今日も絶対トラ ブルが起きると思い、クラブ職員と警備員に『この通路を通らせないようにしてくれ』と再三警告した。しかし警告後も我が物顔で我々の横を 通り過ぎる浦和サポーターに挑発され結局トラブルになってしまった。幸い警備員がすぐ駆けつけ最悪の事態にはならなかったが、サポーター 同士の因縁を軽視するクラブの対応には疑問を感じざるを得なかった。もっとしっかりとした対応をクラブにはお願いしたい。何かが起こって からでは遅すぎる。

 とにかく嫌な事もあったが因縁の相手に圧倒しての2連勝で勝負付けはもう済んだ。さあ次はいよいよダービーだ、2年半味わい続けてきた悔 しさを晴らす時が来た。選手、チームは決戦に向けて準備万端となっている。後は俺たちサポーターの力をプラスすれば勝てる。いや勝つ!絶 対に勝つ!勝たなきゃ明日がやってこない。これぐらいの気概で奴等を粉砕してやろう。前回も言わせてもらったが大丈夫俺たちサポーターも 選手も「やれば出来る」。



苦難のスタート。

2004.03.27(SAT)
J-LEAGUE YAMAZAKI NABISCO CUP QUARIFY GROUP-C 1st ROUND
vs JEF UNITED ICHIHARA
0-4 LOSE
at ICHIHARA RINKAI ATHLETIC STADIUM(ICHIHARA)


 2年ぶりの予選リーグからの参加となるナビスコ杯。その2年前と同じく苦難のスタートとなった。

 全ては18分のプレーで試合の流れが決まった。相手のロングボールを和道が市原FWマルキーニョスと競り合いながらトラップミス、こぼれたボールを 持ち込まれてGK西部との1対1を落ち着いて決められて失点する。高い位置からプレスの網をかける市原に簡単にボールを奪われるなどチグハグな展開が 続き、市原の2列目以降も飛び出しに防戦一方、29分にはスルーパスに反応し飛び出した市原MF佐藤勇人にGK西部の股を抜くシュートを決められ早くも2 失点で前半を終了した。
 後半開始早々46分にも市原FWサンドロにミドルシュートを決められ、更に58分にはカウンターから市原MF阿部にも決められてあっという間の4失点とな るが、新人の和田の投入からやっと清水の流れになる。チーム全体が高い位置でプレスをかけるようになり、両サイドの太田、和田が次々にチャンスを 作る。しかしこれらのチャンスにジャメーリ、途中出場の北嶋、康平とことごとく決められず、また市原GK櫛野のファインセーブにあって最後まで点を 返せず試合終了。

 確かに和道のイージーミスから試合は苦しいものになってしまった。ただし、和道に関してはミスよりもそのミス後の消極的なプレーを責めたい。ミ スを引きずったまま気持ちのこもってないプレーだけはして欲しくないし、試合後の挨拶の時に泣いていたが泣くのならその前に悔いを残さないプレー をしよう。俺はここから君が這い上がって来てくれる事を期待している。もちろん和道だけを責めるわけにもいかない。この試合、3バック全体がボール ウォッチャーとなり、お互いの連携が無い為、次々に飛び出してくる相手に対してマークが全くなく決められていた。チーム全体にも言えるがお互いが 主張したい事を言わない、味方のミスに誰も叱咤激励しない、もっと勝つ為に妥協せず貪欲になって欲しい。市原の高い位置からの全選手の献身的なプ レスを見たか。個を捨て、チームの為に闘うという意識がまだまだ足りないのではないだろうか。
 そんな中で微かな希望を見出すとすれば初起用された和田だろう。サイドでボールを持つと果敢に相手に勝負を挑み、何度もクロスをあげてチャンス を作った。それだけでなくゴール前に詰めて惜しいヘッドを放つなど、今チームに一番足りない積極的な姿勢を見せてくれた。スローインでもロングス ローを見せるなど自分の出来る事を精一杯やりアピールしたのではないだろうか。その証拠に彼へのコールはこの日、他の誰よりも大きく聞こえた。彼 を見ると2年前の同じナビスコ杯予選リーグ初戦、チームは0-3と酷い敗戦でありながらも、途中出場から右サイドで鮮やかなデビューを飾ったひとりの 男とその姿がだぶる。その時の男、太田圭輔もこの日は後半こそチャンスを演出していたが、前半は対面のMF村井とのマッチアップにほとんど負けてお り、今は壁に当たっているのかもしれないが、この試練を乗り越えて欲しい。

 試合後、ゴール裏からは様々な反応があった。大半がエスパルスコールであったが、聞くに堪えない野次、ブーイングも起こった。ちょっと待って欲 しい。予選リーグはまだこれから5試合も残っている。確かにこの日はあまりにもひどい結果であったが、ここからいくらでも這い上がる事は出来るし、 這い上がってやるという気概を俺達サポーターは持っておくべきではないのか。今年はここ数年の低迷を取り戻す為の我慢の年、俺達は選手を信じて今 は我慢するときではないかと思っている。この諦めない気持ちを失った時は転落への道ではないだろうか。そういう意味で今年は諦めない応援スタイル というのが俺達に課せられた使命だと思う。

 それにしてもここは相変わらず工業地帯ならではの異臭が漂う最悪なスタジアムであった。バックスタンドを2階建てに改修工事中であったが、これだ け強く、いいサッカーをしているのに今日もスタンドはガラガラであった。お客が来ない理由としてここのスタジアムも原因があるのではないだろうか。 みすぼらしいスタンド、トラックのせいで遠く離れたピッチ、およそサッカーにふさわしくないスタジアムであろう。千葉市に出来る新しいサッカース タジアムに期待せずにはいられない。
 この日の市原側ゴール裏には「優勝するには清水を越えろ」と書かれた横断幕が出されていた。幾度となく俺達に邪魔された市原サポーターにとって はこの試合に賭ける想いがストレートに表れていたのではないだろうか。この対戦は予選リーグでもう一度ある。今度は俺たちの聖地日本平で迎え撃つ 事になる。この悔しさを選手、サポーターは晴らす為に力の限り闘う事しか今を乗り越える事は出来ないと思っている。
 苦難のスタートは当人達の努力次第振り返ればいい想い出になるものである。