闘志は何処へ?。
2005.12.03(SAT)
2005 J-LEAGUE DIVISION-1 34th LEG
vs SANFRECCE HIROSHIMA
1-3 LOSE
at HIROSHIMA BIG ARCH STADIUM(HIROSHIMA)
激動の3試合を切り抜けて残留を果たした清水だが、去年と同様に最後は気の抜けたような闘いになってしまった。ほんの1週間前に見せた
あの闘志は何処へいってしまったのか?来年も再来年もこのような低迷を繰り返していては、その行き着く先は地獄であろう。
試合は序盤から細かくリズムよくパスを廻す広島のペースになる。それでも清水は今季急成長の青山がゴール前で壁となり跳ね返すと11分
には清水もパスを繋いでチャンスを作り、西野のポストプレーから左サイドに飛び出してきた兵働にパス、兵働が相手を引き付けてから逆サ
イドにフリーでいた枝村に絶妙なパス、しかし枝村がこのボールのトラップをミスしシュートもミス。この最高のチャンスを逃すと次第に広
島の勢いに押される。そして27分、中途半端な位置でボールを拾われ広島MFベットへ、ベットがFW佐藤寿人とのワンツーから飛び出してゴー
ルを決められる。この後もちぐはぐな清水の攻撃が続き、西野にいたっては明らかに分かるハンドをして警告を貰うなど散々な内容で前半を
終了する。
嫌な流れのまま後半に入るがここでこの試合唯一奮闘していた男が決める。46分、清水が右CKからキッカーの兵働があげたクロスに青山が
飛び込んでヘッド、ほぼフリーで走りこんできた青山の豪快なヘッドが決まって試合は振り出しに戻る。しかし流れはなかなか変わらず61分
には広島が左サイドからMF服部のクロス、これは青山がクリアするが小さくこぼれ球を拾ったベットが折り返し、ゴール中央にいた佐藤寿人
が合わせシュート、緩いボールだったが西部は反応できず勝ち越される。ここで67分に清水も久保山を下げてテウクの投入、更に79分にはテ
ルとここまでリーグ戦フルタイム出場を続けていたイチも下げて、和田とリーグ戦初出場の岡崎を入れて最後の反撃に出るがこの日は西野が
完全にブレーキ。何度も訪れたシュートチャンスに枠を外すか力の無い真正面のシュートばかり。そしてロスタイム、ゴール真正面でFKのピ
ンチ、ここで広島DF駒野の強烈なシュートはGK西部の手を弾き決まってしまいとどめを刺されて試合終了。ほとんどいいところ無く今季リー
グ最終戦を終えた。
攻守ともいいところが無かった試合であった。守備では相手の早いパス回しに振り回されっぱなし、攻撃でも頼みのマルキーニョスには厳
しいマークをつけられ、奮起しなければならない周りの選手は消極的なプレーばかり。何度も起用されてきた西野にしても本当に最後のチャ
ンスとなるこの試合で何ら気持ちを見せてくれなかった。残留が決まればそれだけでいいのだろうか?決まった時点でもう既に来季へのスタ
ートでもあるのに。サポーター席からも試合終了後、怒りの声も出ていた。人それぞれだと思うが何を言われても仕方の無い不甲斐ない敗戦
であった。選手の中でも闘っていた者いなかった者バラバラであった事がとにかく残念で仕方が無い。前述したように昨年もJ1残留を決めた
後の2試合は不甲斐なかったが、今年もまた同じ。いつまでたっても成長しないようでは本当にダメになってしまう。
それにしても負けたとはいえ相手のサポーターにも疑問を覚えた。団体が2つ程あるのだが、離れた席で応援していた。分裂なのか周りを巻
き込む為なのか分からないが、今季リーグ最終戦にまとまる事もできないのは寂しく思う。我々だって個々応援に対するいろいろなスタイル
があるのかもしれないがチームが好きだという想いのもとまとまっている。去年、今年と残留争いを乗り越えていくなかで徐々にいい方向に
向かいつつあると思うし、みんなが一つになる事を前提にこれからも闘っていこう。リーグ戦は終わったものの、今度は天皇杯がある。幸い
1週間後に同じ相手との対戦がある。選手は何としても食らいつく気持ちで、そしてサポーターは一致団結して最後の最後まで諦めずに選手の
背中を押そう。このまま負けっぱなしで一年終えては悔しいはず。もう一度スタートである。
惜別。
2005.11.26(SAT)
2005 J-LEAGUE DIVISION-1 33rd LEG
vs KASHIMA ANTLERS
2-2 DRAW
at NIHONDAIRA STADIUM(SHIMIZU)
偉大なる背番号10、Mr.S-PULSE最後の日本平。その10番からの惜別のパスが清水のJ1残留を決めた。試合終了後、ピッチに倒れた選手達のその
姿勢こそが去りゆく英雄へのはなむけであった。
この日が最後の日本平でのプレーとなるノボリに対するサポーターの熱い声援は試合前から始まっていた。選手バスが入ってくる際にはノボリ
の応援歌が盛大に歌われ、スタンドからは背番号「10」と書かれたビッグフラッグやノボリへのメッセージ横断幕、個々想い想いのノボリのゲー
フラなどが出され、選手だけでなくサポーター、スタジアム全体がノボリを勝利で送り出そうという雰囲気で溢れていた。
そして迎えた最後の試合、その去りゆく10番のシュートから幕を開ける。右から切れ込んでの左足でのミドルシュート、ゴールの枠をわずかに
逸れるがこのシュート1本でスタンドは更にヒートアップする。しかし、優勝争いを演じている鹿島も早いパス回しでチャンスを作る。清水はこの
鹿島の攻撃に押され気味となるが体を張った守りで相手の攻撃を食い止め、迎えた31分、中盤から細かくパスを廻して左サイドへ、兵働のクロス
のこぼれ球を拾ったテルが中央にいた枝村へ横パス、これを枝村がダイレクトでミドルシュート、このシュートが鹿島GK曽ヶ端の頭上を越えてか
ら急激に落ちてバーに当たり、その跳ね返りをマルキーニョスがシュート、これがゴール隅に決まって先制する。これで流れを掴んだ清水に対し
て、鹿島は前半早い段階から怪我をしていたMFリカルジーニョを下げて野沢を投入する。試合の方は清水ペースの流れでそのまま進んでいたのだ
が落とし穴が待っていた。前半ロスタイム、カウンターから右サイドを上がったイチのクロスが相手GK曽ヶ端がキャッチ、ここから素早いカウン
ターを食らって左サイドから鹿島MF新井場がクロス、これをファアサイドで鹿島FW鈴木がヘッドで中央に折り返したところに走りこんだ途中出場
の鹿島MF野沢がボレーシュート、これにはGK西部も一歩も動けずゴール。この直後に前半終了を告げる笛が鳴った。何とももったいない失点で嫌
な雰囲気でハーフタイムに入った。
後半に入り、清水は前線で機能していなかったジェジンを下げて西野を投入する。しかし鹿島の圧倒的な展開のまま、左右に揺さぶられ決定的
なピンチもあったが集中した守備陣がこのピンチで耐え続ける。それに応えて流れを一変させたのが10番であった。63分、自陣右サイドでボール
をキープしたノボリは敵陣左サイドを駆け上がるマルキーニョスにピンポイントのロングボール、これを受けたマルキーニョスはチェックに来た
鹿島DF名良橋を緩急つけたドリブルであっさり抜き去ると飛び出してきたGK曽ヶ端の横を抜けるシュートを決めて勝ち越す。ノボリの視野の広い
パス、マルキーニョスの個人技、この2つが融合した素晴らしいゴールで清水の流れとなる。鹿島も67分にはFW鈴木を下げて深井を投入して建て
直しを図るが、清水もその直後の69分にノボリは浩太と交替でピッチを下がる。その瞬間、全てのスタンドからスタンディング・オベーションで
ノボリを送り出した。
この後は鹿島も必死に反撃するが攻められても必死に耐える清水の守備陣は壁となって跳ね返す。それでも執念を見せる鹿島は82分、こぼれ球
を繋いで右サイドにいた途中出場の鹿島FW深井へ、青山が間合いを詰めようとする前に深井がワンフェイクから左足でカーブをかけたシュート、
これが決まってしまい同点に追いつかれる。この後はお互い疲れ激しい攻防が繰り広げられる。去りゆくノボリへ勝利を送りたい清水はロスタイ
ムにはマルキーニョスがカウンターからミドルシュートを放つもこれはGK曽ヶ端のファインセーブに遭ってしまう。しばらくして試合終了を告げ
る笛が鳴り。2006年シーズンも清水はJ1で闘う事が決定した。
冒頭に書いたように試合終了と同時にピッチに倒れる選手、悔しがる選手がいた。その光景を見るとシーズン序盤と違い勝ちへの執念が感じら
れた。もちろんJ1残留という現実を考えると大きな引き分けであった。その立役者はやはりマルキーニョスであった。これで残留をかけた大一番
の柏戦から3試合で合計4得点。ここぞの舞台できっちり決める事が出来る男が清水にはなかなかいなかっただけに本当に大きな仕事をしてくれた。
2得点目のドリブルなどは巧みな緩急をつけたドリブルで相手を翻弄、J1の他チームにいた際の大怪我でブラジルへ帰国、状態がどうなのか分から
ない中での博打的な獲得であったが清水残留は君無しではありえなかった。ありがとう。
守備の方も2失点こそしたものの随所に体を張った姿勢が見られた点は良かったんじゃないかなと思う。それでも前半終了間際の中途半端な攻撃
とルーズな守りにはチームとしての未熟さが見えたし、2失点目はちょっとした守備の遅れが糸のほころびのように連鎖した結果だと思う。まだま
だ可能性が感じられる守備陣だけに妥協せず突き詰めていって欲しい。
そしてノボリ。最後の試合、しかし他の誰よりも動いてプレーしていた。ファーストシュート、そして現役最後のアシスト、「輝いているうち
に引退したいと前々から決めていた」とノボリが言っていたように、69分にピッチを去るまでとても今日で現役を引退する選手のプレーには見え
なかったし輝いていた。清水エスパルスが出来て14年、いつでもピッチにいた背番号10が今日を最後にピッチを去る。試合後に行われた引退セレ
モニーで彼は「私は今シーズンで引退しますけど、来シーズンは健太監督の下、かならず優勝争いするようなチームを作ってくれると思います。」
と惜別の言葉を送った。きっと彼はこの日共に闘った選手の成長を感じ、この日たくさん駆けつけたサポーターのチーム愛に今後の希望を感じた
のだと思う。
選手は去ってもチームは永遠に続く。残された選手、サポーターは清水エスパルスの名の下、いつか栄光を掴む為に前を向いて闘い続けよう。
リーグ戦は残り1試合、有終の美を飾るべく頑張ろう。
NEVER GIVE UP。
2005.11.23(WED)
2005 J-LEAGUE DIVISION-1 32nd LEG
vs VISSEL KOBE
1-0 WIN
at NIHONDAIRA STADIUM(SHIMIZU)
最後のワンプレー、選手もサポーターも誰もがNEVER GIVE UPの気持ちでいた。だからこそのゴール、ノボリのボレーが枠に行ったのも
マルキーニョスがあそこにいたのも全ては必然であった。
J1残留まであと少しの清水、試合前にはサポーター有志による寄せ書きが集められた残留フラッグや「LA12」とかかれた巨大フラッグ
が出されるなど、この試合でJ1残留を決める意気込みが伝わってきた。その雰囲気の中で始まった試合は序盤から清水がボールを支配す
る。15分には右サイドからイチのアーリークロスにマルキーニョスがヘッドであわせるがこれはクロスバーに弾かれる。更に20分にはテ
ルがボールカットから相手DFの裏に走る兵働にピンポイトのパス、兵働が神戸GK本田と1対1になるがこれは防がれる。降格の決まった神
戸相手に圧倒するのだが、時間が進むにつれて強引な中央突破が目立って相手に囲まれて攻め手を失いはじめる。すると37分には神戸が
カウンターからFW播戸が抜け出してGK西部と1対1、しかし思い切って放ったシュートは枠を外れて命拾いをする。結局前半はこのまま両
チーム無得点で終わる。
後半に入り、サイドからの崩しが再び戻り神戸を圧倒するのだが、ジェジンが絶不調。シュートは枠に行かず、周りとの連係も噛み合
わない中で時間だけが過ぎていく。64分には久保山を下げてテウク、80分には枝村を下げてノボリを投入する。この交替で更に清水ペー
スとなる。82分にはセットプレーのこぼれ球を繋いで右サイドでキープしたノボリのヒールパスからイチがクロス、これに青山がヘッド
であわせるがポスト、そのこぼれ球にゴール前に詰めていた和道がシュートするものの枠を外れる。その後も攻め続けるのだが最後のと
ころでクリアされるなどどうしても崩せない清水。一方の神戸はもう引き分け狙いに終始する。ロスタイム、神戸MF栗原と交替するFW播
戸はゆっくり歩き時間を稼ぎ、GK本田もゴールキックを遅らせて警告を貰うほど時間を稼ぐ。相手の意味の無い嫌がらせともいえるプレ
ーにも選手もサポーターも決して諦めずに攻める清水に最後のチャンスが訪れる。左サイドでテウクが神戸MF遠藤に倒されて得たFK、こ
こで健太は兵働を下げて西野を入れる。山西のクロスは一度は弾かれるが青山が再びゴール前にボールを上げ、ここで西野が競り合って
ボールを落としたところにノボリが左足ボレー、これはGKを抜くが神戸DFマルティンがゴールライン上でクリア、しかしこのこぼれ球が
ゴール前に詰めていたマルキーニョスが拾ってシュート、残留へ向けて大きな大きなゴールが決まって試合終了。
3日前の激闘の疲れが残っていたのだろうか?選手の動きはやはり重たかった。決して内容も褒められたものじゃない。それでもこの柏
戦に続く連勝は大きい。そんな中でこの日のMVPはテルであろう。チーム全体が重たい中で相変わらず中盤の幅広い守備範囲を彼一人でカ
バーしている。彼がいるからこそ兵働や枝村も積極的に攻められる事を改めて痛感させられた。そしてテルに劣らぬ活躍をしたのがマル
キーニョスであろう。今回のゴールも決して華麗ではないがあそこのポジションにいるという事がやはり天性のゴールハンターなのだろ
う。前節のPKといい、プレッシャーのかかる場面でのこのゴールには精神的な強さも垣間見える。8月に加入して14試合で7得点、本当に
彼はチームの救世主となった。その一方ここにきてのジェジンの不振が深刻なのは心配である。以前と違いボールの受け方が貰いにいっ
てない点やシュートの正確性が無さ過ぎる点など、目に見えて悪くなっている。まだPK失敗を引きずっているのかもしれないが、何かの
きっかけ一つで彼も蘇るはず。後は君の復活だけなんだ。
守備陣も前半こそ決定的なピンチがあったものの後半は完璧に抑えてくれた。和道も積極的なパスカットを見せるなど成長を見せてい
る。味方であるはずのサポーターのネガティブな野次やタメ息が相変わらず多い点は同じサポーターとして本当にがっかりさせられるが
気にする必要は無い。歩みは遅くとも確実に成長している事は分かる人には分かるから。そして青山、今回も神戸FW播戸を完璧に抑えた。
ここ数試合、代表クラスのFWなどを相手に完璧な出来を見せ、恐ろしいスピードで成長しているように見える。後は前線へのフィードだ
け、これが伸びれば末恐ろしい選手になるであろう。
サポーターもこの2試合を通じて本当に頑張ったと思う。選手バスが到着した際の出迎えも試合を重ねる毎に盛り上がり選手を励まして
いたし、試合前に掲出された残留横断幕への寄せ書きも本当にたくさんの書き込みがあった。その一つ一つが本当にみんなの熱い想いで
あり、これを見た選手に絶対に伝わり、そして今日のような最後まで諦めない結果生まれたゴールに繋がった。でも、残念ながらまだ残
留は決まっていない。あと勝ち点1。この重い勝ち点1を今年最後のホームゲームである次の試合でもう一度総力を結集して勝ち取ろう。
闘争本能。
2005.11.20(SUN)
2005 J-LEAGUE DIVISION-1 31st LEG
vs KASHIWA REYSOL
2-1 WIN
at HITACHI KASHIWA FOOTBALL STADIUM(KASHIWA)
わずか15秒の失点、これが皮肉にも眠っていた闘争本能に火を点けた。臆病になりファウルを繰り返し自滅した相手、吹っ切って積極的
になり前へ進み続けた清水。ロスタイムのゴールも必然であった。
試合前から両チームのゴール裏ではメッセージ横断幕が掲げられるなどお互いに絶対に負けられない闘いはヒートアップ。そのまま迎え
た試合開始最初のプレー、清水のクリアボールを拾った柏は右サイドに開いたMFクレーベルへ、シュート気味に放ったクレーベルのパスが
清水DF青山と俊秀の間にいたFWレイナウドへのピンポイントパスとなり、レイナウドが素早くシュート、これが決まってしまう。いきなり
の失点にいつもなら慌てる清水だが、この日は落ち着いていた。しっかりパスを繋いで両サイドもDFが上がってくるなど厚みのある攻撃を
繰り広げる。一方の柏は21分にはMF明神が負傷の為に交替。こうなると流れは完全に清水へ。両サイドから積極的に仕掛ける清水の攻撃に
対して柏はラフプレーで止める事しか出来ない。30分を過ぎると山西の強烈なミドルシュートやセットプレーのこぼれ球を拾った兵働のシ
ュートなどで惜しい場面もあるがこの日は柏GK南が好調、ファインセーブで止められ、前半いい流れながら点を奪えずに終える。
後半に入っても清水が両サイドからの積極的な攻撃で有利に進めるのだがこの日もどうしても点が取れない。57分にはマルキーニョスが
右サイドから突破してゴールライン際まで攻め込み折り返し、これを受けたジェジンが振り向きざまのシュートを打つがこれも柏GK南のフ
ァインセーブに遭ってしまう。それでも柏はまたも負傷で61分にはMF小林亮を交替する。ここで清水も64分に右サイドで奮闘していた久保
山を下げてテウクを投入する。始めは右にいたテウクだが兵働とスイッチして左に移ると持ち前のスピードを活かしてチャンスを演出する。
そして74分、清水は右CKのチャンス、兵働のニアサイドへのクロスにジェジンがGKと競り合いこぼれたところにマルキーニョスが詰めるが
柏DF薩川に倒されPK、このPKをマルキーニョスが冷静にGK南の動きと逆方向へ決めて同点。更に直後の78分、柏がFKのチャンスを得るもの
の、このFKの際にゴール前での混戦で柏MFクレーベルが兵働にラフプレーでレッドカード。清水は追いついただけでなく数的にも有利な状
況になる。
それでも柏は直後にFW宇野沢を投入して勝ちを狙う。途中出場のFW矢野貴章を中心にサイドからチャンスを作ろうとするが清水の両サイ
ドはこの日は守備でも踏ん張って相手に簡単にクロスをあげさせない。時間がどんどん過ぎていく中でも清水は勝利を目指して選手、サポ
ーターとも諦めない姿勢で闘い続けた。そしてロスタイム、清水はカウンターから左サイドのマルキーニョスへ、マルキーニョスが素早く
前方に走り込むジェジンにクロス、これをジェジンが相手DFと交錯しながら足を投げ出してボールを落とし、空いたスペースに飛び出した
テウクがこのボールを左足で叩き込んで勝ち越し試合終了。
どんな内容よりもとにかく結果が欲しかったこの試合、この背水の陣で清水の眠っていた闘争本能が呼び起こされた気がする。いきなり
の失点でも決して選手は動揺しなかったし、これが逆に積極的な姿勢を生み出した。柏の技術的に未熟なラフプレーの連発にかなり助けら
れたとはいえ、攻撃の方も失敗を恐れずに右からはイチ、左からは山西がオーバーラップを重ねて相手を押し込んでいた。また、彼らのオ
ーバーラップを生み出したのは左では兵働、そして右には普段この位置では使われない久保山が慣れないながらもよく頑張ってタメを作っ
ていたからだと思う。また前線ではジェジンが相手の汚いプレーにも切れず体を張り続けた結果分厚い攻撃ができていたと思う。それでも
この日のMVPはマルキーニョスであろう。決勝点に繋がる柔らかいクロスもさることながら、同点のPKはよく決めてくれた。普通に考えれば
決めて当然ともいえるが、大事な試合、前節でのジェジンの信じられないPK失敗、そして相手サポーターの圧力、これらが一気に重圧とな
って彼にのしかかっている中では普通のPKではない。そこを決められた精神的な強さが改めて証明された。そのPKに至るプレーでもポジシ
ョニングの良さとファウルを貰ううまさが見られた。今年の苦しい闘いで彼の加入は確実に清水を救ってくれていると感じていたがその想
いがまた一層強くなった。
守備の方も最初こそ間を通されて失点したが、以降は決してラフプレーに走らず、体を張って守っていた。俊秀は1対1でも冷静な読みで
防いでいたし、青山は相手の代表FW玉田を完璧に抑えた。前節に引き続いての代表選手を抑えた事は彼にとっては大きな自信となるだろう。
試合をこなす毎にその能力がどんどん伸びている彼、このまま行けば代表だって夢じゃないと思うのは俺だけではないと思う。攻撃で目立
った両サイドも守備では必死に守っていたし、失点のシーン以外は決定的なピンチというのがほとんど無かった点は前節からの大きな進歩
である。残り試合はわずかだがこの調子で久しぶりの完封もそろそろ見たくなる。
サポーターもこの一戦に向けて、街頭など至るところでのメッセージ横断幕への寄せ書きや練習場での選手の激励など単なる試合以外で
の様々な準備や努力、そして行動が最後に結びついたと思う。試合中も序盤の失点にも決して気落ちしなかったし、ホーム日本平では目立
ってしまうような味方への意味の無い野次も無かった。文字通りみんなが一致団結して勝利を目指していた。しかし、この試合の勝ち点3は
大きいが、これで残留が決まったわけではない。試合後一通り盛り上がった後にコールリーダーがサポーターに「次に勝って残留決めて、
それから喜ぼう。」という言葉を呼びかけていた。まさしくその通りである。相手はJ2降格が決まった神戸、失うものはもう何も無い、開
き直った相手に対して、清水は選手もサポーターも守りに入ってはダメだ。今日の勝利を生かすも殺すも全ては次の試合。この日のみんな
の想いがこの日限りでなく次へと繋げようじゃないか。みんなで信じて、みんなで闘って真の勝利を掴み取ろう。
タラレバ。
2005.11.12(SAT)
2005 J-LEAGUE DIVISION-1 30th LEG
vs YOKOHAMA MARINOS
0-1 LOSE
at NIHONDAIRA STADIUM(SHIMIZU)
試合が終わるとよく口をついて出てくる「〜だったら」、「〜してれば」、タラとかレバ。そんな典型的な試合であった。内容はあっても
結果にならない、それが重い現実としてのしかかり、またタラレバが口に出る。でももう前を向くしかない。残り試合、こんなマイナス思考
では乗り切ることはできないから。
試合は開始早々でいきなり清水がチャンスを掴む。相手ボールのクリアを兵働が繋いでジェジンへ、ジェジンが枝村とワンツーから左サイ
ドに飛び出してきた兵働に繋ぎ、兵働のクロスに最後はマルキーニョス、しかしこれはゴールの枠を外れる。この最初の決定的なチャンスで
流れは完全に清水へ。兵働、圭輔の両サイドが相手の裏を積極的に狙って飛び出してチャンスを作る。前線でもマルキーニョス、ジェジンが
体を張ってポストプレーをこなして基点を作った。一方の横浜Mは両サイドがほとんど機能せずに単調なロングパスに終始。注目されていた横
浜MのFW久保も青山が完璧に抑えて全く仕事をさせない。しかし前半終了間際になると横浜Mがセットプレーからチャンスを掴み、決定的なシ
ュートを打たれるがジェジンのクリアやイチの体を張ったブロックで防いで前半を0-0で折り返す。
後半に入り、横浜Mは中盤で全く機能していなかったMF奥を下げてMFマグロンを投入して先に動く。前半と変わり清水はサイドで押し込まれ
る。すると清水も59分には前半から飛ばし疲れが目立ってきた圭輔を下げてテウクを投入する。その直後に横浜MはFWグラウを投入する。この
磐田時代にも苦い思いをさせられたグラウの投入が当たってしまう。61分、自陣で清水はボールをカットされて左サイドに開いた久保へボー
ルが渡り、久保の折り返しのグラウンダーのパスにGK西部が飛び出すも触れずグラウに押し込まれる。和道もマークについていながら一瞬早
く体を入れられた悔しい失点であった。それでも清水は78分、テウクが右サイドを突破してグラウンダーのクロス、これを横浜MのGK榎本哲也
がこぼしたところに詰めていたジェジンが拾ったところをGK榎本哲也が倒してPK、このPKのチャンスに蹴るのはジェジン、しかしフェイント
を入れて蹴ったジェジンのPKはゴールの枠を外れる。1点が遠い清水は残り6分でノボリ、西野を投入するがゴール前の守りを堅くした横浜Mの
守備を最後まで崩せず試合終了。
序盤から何度もあったチャンスを決められない。最後にはPKのチャンスまでも決められない。あそこで決めていたらという場面ばかりだっ
た。ジェジンも確かにポストをこなしていたし、前半は決定的なシュートをクリアするなど攻守に奮闘が目立っていた。だからこそあのPKで
何故今まで一度もやっていないフェイントをかけたシュートを選択したのか悔いが残る。彼自身にいろいろ迷いがあるのだろうが、一番忘れ
ていけないのは自分自身の本来のプレーを通す事。外した直後、目の前で相手選手が挑発するなか、サポーターからは怒りやタメ息よりもジ
ェジンへのコールが多かった。まだまだ俺たちサポーターにとっては君はチームの柱、こんな事でへこたれてなんかいられないはず。気持ち
を切り替え次に臨んで欲しい。
そして守備も失点シーンは確かに倒されたようにも見える、しかし主審の笛は鳴らなかった。この時点でセルフジャッジで足を止めていた
点が非常に残念であった。90分間、集中して闘い続けることの難しさを今年一年何度も味わっているのだろうが、まだまだ甘いという事だろ
う。そんな中で辛うじての収穫は青山であろう。久保や坂田といった厄介なFWを相手に彼は高さだけでなくスピードでも負けていなかった。
彼らにほぼ仕事をさせなかったという事だけは次への自信にして欲しい。
この日もサポーターは選手バスを待って、横浜Mのバスが入ってきた時はブーイングを、そして愛するチームのバスが入ってきた時には盛大
に盛り上げて出迎えていた。そして数々のメッセージ横断幕にビッグフラッグも拡げてチームの勝利を願い精一杯応援していたと思う。ただ、
やはり失点以降にパワーが落ちてしまった事は否めない。選手よりも先に我々が諦めてしまったらその時点で終わりである。試合後の選手の
挨拶に対してもやはりいつもより反応が薄かった。結果に厳しくというのは分かるが、そんな事を言う時期はとっくに過ぎている。残りたっ
た4試合で全てが決まるという状況、もう前を向くしかない。後悔や怒りなんてもんはやり残した事がある人間が出す感情である。残り4試合、
後悔したくはないよね?タラレバを口に出したくないよね?ならば答えはひとつ、前を向いて共に闘おう。
次節はいよいよその残留争いのライバル柏との対戦である。ちょうど1年前の11月20日、聖地日本平で決めた残留。また再び同じ日に残留へ
の大きな一歩を勝ち取ろう。しかし場所は聖地日本平ではなく敵地である。相手も必死であり、おそらく技術や理屈ぬきの闘いになる。そん
な時に大事なのは精神力。古臭い根性論かもしれないが絶対に勝つ、絶対に諦めない。こういう気持ちを選手には持って闘ってもらいたい。
そして何よりサポーターが一丸となってこの気持ちで闘って選手の背中を押してあげよう。大丈夫、信じる者は救われる。
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