分岐点。
2006.01.01(SUN)
THE 85th EMPEROR'S CUP FINAL
vs URAWA RED DIAMONDS
1-2 LOSE
at NATIONAL STADIUM(TOKYO)
元日国立で若きチームは奮闘した。相手を圧倒した時間もあった。やっているサッカーに自信を持ってもいい。だが、負けたのは事実。
ファイナルで敗れるという事、本当の悔しさを初めて感じたはずである。よくやったと思うか?悔しいと思うか?もう既に来季が始まって
いる。ここが分岐点となるであろう。
試合は清水ペース、中盤からもプレスがかかり相手の攻撃を寸断する事に成功する。浦和MFポンテ、MF長谷部の飛び出しにも青山、和道
が冷静に対応して跳ね返す。しかし攻撃の方はサイドでチャンスを作ってもラストパスが通らず跳ね返される。それでも清水ペースで試合
が続くが39分、右CKから浦和MFポンテのクロスにDF堀之内がヘッド、これはゴールマウスにいたジェジンがクリアするもののセカンドボー
ルを拾われて今度は左サイドからMF三都主がクロス、これにゴール前に残っていた堀之内に押し込まれて先制点を許す。ここ数年必ずある
クリアボールを拾えずに守備が崩れた状態からの失点。いい流れで試合を進めていただけになんとももったいない失点で前半を終了する。
後半に入ると流れは更に清水ペース、特に左サイドのテウクが対面のFW岡野の裏をついて何度もチャンスを作るなどサイド攻撃が冴えて
相手を押し込み始める。53分には和道が不用意なパスを浦和MF山田に奪われてGK西部と1対1になる決定的なピンチも西部のファインセーブ
で防ぐなど、守りも頑張りいい流れを作る。この展開で先に動いたのは浦和、65分にFW岡野を下げてMF赤星を投入。一方の清水もやや遅れ
たが72分に枝村、森岡を下げてイチと康平を同時投入する。だが、この数分の遅れが試合の勝敗を分けた。浦和が73分、中央からポンテが
長谷部とワンツーから右サイドを抜け出してグラウンダーの折り返し、ここに詰めていた浦和FWマリッチが倒れこみながらシュート、これ
が決まってしまい2点のビハインドとなる。青山がマリッチのマークについていたにも関わらず一瞬早く相手に前に入り込まれた末の失点で
あった。清水も76分に右CKから兵働のクロスがこぼれたところに後ろから走り込むイチが左足ボレー、これが決まって1点を返す。しかし、
84分に既に警告を貰っていた康平が2枚目の警告を受けて退場、10人となった時点で反撃の力は残っていなかった。4年ぶりの元日国立は悔
し涙で幕を閉じた。
決して恥じる内容ではないし、堂々と闘った。それだけにこの結果が悔しい、最後の最後で勝つ事と負ける事の間に横たわる大きな差を
選手もサポーターも感じたはず。選手も自分たち本来のサッカーはできていた。両サイドの攻撃はサイドバックも使って形が出来ていたし、
青山や和道、そして西部を中心に守りも体を張っていた。でもそれなのに2失点、セカンドボールを拾われ守備を崩された1失点目、一瞬のマ
ークのズレをつかれた2失点目。今季何度も苦汁をなめた形での失点はやはり最後まで出てしまった。そして攻撃もチャンスにはなるがシュ
ートまで持っていけない。ゴール前でどれだけシュートに繋げられるか?今季追い求めた形が最後まで答えとして出せなかった。確かにマ
ルキーニョスがいれば違ったかもしれないが、それはしょせん個人頼み。彼のいない試合もあり、そういう時にこそチームの真価が問われ
る。そう考えるとまだまだ物足りない。ここをどれだけ克服できるかが来季の鍵であろう。攻守共に一瞬一瞬の勝負の連鎖で最後の勝敗は
決まる事を痛感しただろう。
明るい材料としては慣れない右サイドながら動き回って頑張った兵働、ボランチとしてだけでなく積極的に上がった枝村、終始安定した
高さを見せてくれた青山、天皇杯に入り泥臭いプレーで台頭してきた岡崎、彼ら4人はまだ1年目。今季入ったばかりの選手がたった1年でク
ラブの中で揉まれて成長してきた。彼らを中心にまだまだ若手はこれからも伸びてくるであろう。その伸びに今日の悔しい負けは絶対に肥
やしになる。
そしてサポーターにしても久々の元日で痛感した事があるだろう。まずは人数、元日国立のチケットが早く売り切れてしまったとは言え、
本来同じ条件で売り出されてるはずなのにこの人数比。悔しいがこの試合にかける熱意の差が出ていた。また、試合前には浦和側では巨大な
マスゲームが行われていた。清水側も負けじとビッグフラッグを拡げて対抗していたが、この舞台に対して周到に準備してきた差が出た。こ
の国立に駆けつけたサポーターみんなが応援でも悔しい想いをしたと思う。だからこそ、意識改革をして欲しい。みんなが現状に満足して欲
しくないし、まだまだやれる事はいっぱいあるし、そうやって来季以降も少しずつでも成長していこう。古い考えは捨て、もう一度応援の基
本にたちかえって欲しい。
選手もサポーターもこの結果に決して満足せず、悔しいと思うことこそが来季へと繋がる。さて、これで今季も終了となった。健太エスパ
ルスの始動、最下位転落、初勝利、無敗の好調時代、夏の低迷、日本平ダービー、秋の復調、残留争い、残留決定、そしてMr.S-PULSEノボリ
の引退、天皇杯準優勝。どれもが忘れられないし本当にいろいろな事があったシーズンであった。この苦しさを乗り越えた事ってのは絶対に
無駄じゃない、復活への足がかりになるはず。前述したように現状に満足せず常に先を目指す気持ちをサポーターも持ちましょう。最後に1
年間お疲れ様でした。また春にスタジアムで!
夢の舞台へ。
2005.12.29(THU)
THE 85th EMPEROR'S CUP SEMI FINAL
vs CEREZO OSAKA
1-0(EX) WIN
at SHIZUOKA STADIUM ECOPA(FUKUROI)
苦しみに苦しみぬいた今季の最後に選手達は底力を見せてくれた。元日国立、夢の舞台へ導いたのは選手達全員の意地であった。
試合は序盤はC大阪ペースとなる。サイドからの素早い突破に清水の守備も後手後手に廻るが真ん中の和道と青山が相手に攻撃を跳ね返す。
しかし、攻撃の方は久々にジェジンが復帰したが、そのジェジンへのボールがなかなか収まらず周囲の選手との距離が離れて孤立する悪い展開
になる。ジェジンは右サイドからのいいクロスにもヘッドでミートできないなど後半戦の不調を引きずっているような出来でそれがそのままチ
ームに伝染してしまった。それでも前述した守備陣がC大阪FW西澤を時間が進むにつれて完全に抑える事で周りのFW森島、古橋を消す事にも成
功した。更には中盤では枝村が怪我を抱えているとは思えない出来で攻守にわたって幅広い動きでスペースを埋めていく。結局前半は両チーム
とも攻撃の形が作りきれないまま終了した。
後半に入ってもC大阪の堅い守備を崩せない清水。だがC大阪の攻撃も中盤での不用意なパスミスや遅い攻撃で自ら潰していた。62分には健太
が怪我を押して出場した枝村を下げて切り札の康平を投入、これに加えてテウクのスピードが徐々にC大阪の守備陣を崩し始める。しかしここ
に来ても不調のジェジンが決める事が出来ない。お互い決定的なチャンスが作れない展開のまま90分を終わっても勝敗はつかず、延長戦へと入
った。
その延長戦、先に運動量が落ちてきたのはC大阪の方であった。清水は97分に久保山が怪我の為に岡崎と交代するアクシデントがあったもの
の両サイドで次第に相手を押し始めた。そして迎えた101分、中央でボールを持った兵働が右サイドに上がってきた森岡にパス、森岡がファア
サイドに素早くクロス、これに飛び込んできたジェジンのヘッドがゴールに吸い込まれ先制点を奪う。その後は途中出場の岡崎が体を張ったボ
ールキープからチャンスを作るなど最後まで相手にペースを握らせず試合終了。4年ぶりの決勝進出を決めた。
延長戦の激闘を制した原動力は強固なCB2枚であった。スコアこそ1-0だが、このまま何分経っても点が取られる雰囲気がしないほど和道と青
山の2人は完璧であった。その中でもこの日のMVPは和道であろう。C大阪西澤に張り付いて全く仕事をさせなかった青山も見事であったが、そ
れ以上に彼をカバーしつつ、機を見て前に出てインターセプトをするなど和道のこの1年での成長が端的に表れた出来であった。また、山西と
森岡の両サイドバックも青山と和道をカバーしつつ攻め上がるなど実にバランスのとれたプレーであった。
攻撃陣の方はやはり大黒柱となったマルキーニョスを欠いた影響が出てしまった。ジェジンに頼るあまり単調に彼に預けすぎた為にジェジン
自身も徹底したマークに遭い90分を通して全く仕事ができなかった。それでも唯一の救いはそのジェジンが最後に仕事を果たした事だろう。相
手と競り合いながらも一瞬早く前に飛び込んだこのゴールは不振を脱出するきっかけにきっとなる。テウクにしても孤立しながらも一度ボール
を持つと持ち味のスピードで相手を疲れさせた。マルキーニョス不在のいま、彼ら2人の活躍が決勝には必要だ。
この日はサポーターもやはり元日国立という夢の舞台も目の前という事でやはり気合が入っていたと思う。試合前には残留争いをしていた11
月以来のLA12のビッグフラッグも出されてこの一戦へのかける想いを表していた。正直、ダービーという大一番を制して気持ちの緩みがあるの
ではないかと心配したが杞憂であった。後は元日国立にはこの日以上の強い気持ちでみんなで選手と共に闘って欲しい。4年前の決勝、最後の
最後に勝敗を分けたのは国立のホーム側を埋め尽くしたオレンジの声援であったと思っている。あれ以来のファイナルの舞台、「REVIVE(復活)」
をキーワードに闘った今季、苦しみぬいたリーグ戦の後にこの天皇杯で1年の積み重ねが結果となって返って来た。けどこのREVIVEをまだ達成し
ていない。最後の舞台に勝ってこそ、REVIVEなんだ。泣いても笑ってもあと一戦、絶対に勝とう!
完全決着。
2005.12.24(SAT)
THE 85th EMPEROR'S CUP QUARTER FINAL
vs JUBILO IWATA
1-0 WIN
at MARUGAME ATHLETIC STADIUM(MARUGAME)
今季3引き分けのダービーに決着をつけた。誇りと意地をかけた闘いの最後に分けたものはこの一戦にかける想いと集中力の差であった。ダービー
に完全決着をつけた今、残すは元日国立への道だけとなった。
試合は序盤から清水が中盤を支配する。怪我をおして出場する枝村を中心にチャンスを作る。しかし、磐田も一瞬の隙を狙って攻める。15分には
磐田MF村井が左サイドから突破、対応していた森岡をかわしてGK西部と1対1からシュート、これを西部がファインセーブするもののこぼれ球をキャ
ッチミス、そのボールを村井に打たれるがシュートは枠を外れた。更に17分には磐田MF福西の悪質なタックルが枝村を襲う。枝村は一度はピッチに
戻るものの23分にはテウクと交替する。この交替で清水の中盤はセカンドボールを拾えなくなり守勢に廻るが一方の磐田もパスミスや連携ミスなど
初歩的なミスでチャンスを作れないまま前半を終了する。
後半に入り磐田が先に動く。前線で全く目立たなかったFW岡本と中山の2トップを次々に下げ、藤井と川口信男を投入。これに対して清水も中盤
でボールを拾えない修正として66分には純平を下げて康平を投入する。この康平の投入でようやく清水がリズムを作り出す。中盤からも相手ボール
へチェックに行くことで相手全体を押し込む事に成功するとテウクやマルキーニョスなどがサイドに流れてチャンスを作り出す。85分には中盤でボ
ールを持った康平が磐田DF陣の裏へ絶妙のフィード、これに兵働が抜け出して磐田GK川口能活をかわすがシュートは枠の外。それでも康平の登場で
徐々にボディーブローのように磐田守備陣を疲弊させていた。しかし、エースのマルキーニョスの動きがおかしい、どうやら試合途中で怪我をして
しまいほとんど動けなくなっている。更に活躍していた康平も88分にはラフプレーで警告を受けると両チームの選手でこのプレーを巡って小競り合
いが起きるなど時間が進むにつれて再び磐田へ流れが向きかけたロスタイムに劇的なドラマが待っていた。
磐田が中盤右サイドで何気ないパスミスでを犯し、清水側スローインとなるとこれを山西が素早く拾って相手の裏へ走るテウクに送る。テウクは
チェックに来た磐田DF鈴木秀人のタックルをかわすと左サイドを独走から鋭いクロスをファアサイドに送る。久保山が相手DFを引き連れニアサイド
に流れた裏にいたのは怪我していたはずのマルキーニョス、飛び出したGK川口能活も届かないボールをマルキーニョスはヘッドで押し込んでゴール。
この直後の試合再開の時にはもう倒れてしまい岡崎と交替するぐらい限界であったマルキーニョスのゴールが試合を決めた。
相手は主力を何人か欠いていた事を考えるとこの内容では確かに不安も残るがそれでも内容以上に結果が大事なダービーに勝った事には何よりも
大きい。押される場面でも青山と和道のCBコンビは冷静に跳ね返し続けてくれたし、西部にしても1度はミスがあったもののそれ以降は冷静なプレー
を見せてくれた。これで天皇杯は3試合連続無失点、これには自信を持っていいと思う。
そして今日のMVPはやはり途中出場で流れを変えた康平であろう。彼の投入でチーム全体がボールの預けどころができて中央のスペースも埋まった。
兵働へ通したピンポイントのフィードなどプレーぶりも相変わらず意表をつくものであった。怪我から復帰した5回戦の広島戦からこの試合と試合を
こなす毎にコンディションも上がってきているようだ。確かに熱くなって終盤警告を貰う場面などもあったけど、ノボリなき今、これからの清水を背
負うようなプレーをこれからも期待したい。
更に決勝点を奪ったマルキーニョスにも本当に感謝したい。明らかに怪我を抱えて走れなくなっていたのだが、あの場面だけは走って上がってヘッ
ドで押し込んだ。もう得点の嗅覚とでもいうのか、抜群のセンスが垣間見えた。怪我の方はかなり心配だが、また次の試合以降も期待したい。
今回は遠く四国の丸亀でのダービーであったがサポーターはかなりの方が来ていただいた。一方の磐田は普段闘っているゴール裏を捨ててスタンド
で応援し、試合前には拡声器で煽りをするなどダービーに対するプライドがそんなものなのかがっかりさせられた。試合後勝利した清水側からは磐田
が勝利時に歌っている「線路は続くよ」を勝手に拝借して歌って盛り上がっていた。それに対して磐田側も怒る人間がいたがその気力があるなら試合
中に応援に注ぎ込めばいいだけである。年々相手のダービーに対する気持ちの無さにがっかりとさせられると同時にそういう相手を無視して清水は清
水らしく全力でダービーには勝ちに行こう。これでダービーは2年間負けていないが、ならばそれを3年、4年と永久に延ばしていこう。
この勝利で2年ぶりのベスト4、元日国立はもう目の前に近づいている。2002年元日の感動をまた味わおう。そしてその先のアジアへ!
借りを返す。
2005.12.10(SAT)
THE 85th EMPEROR'S CUP 5th ROUND
vs SANFRECCE HIROSHIMA
3-0 WIN
at HIROSHIMA STADIUM(HIROSHIMA)
1週間前に成す術無く敗れた相手に見事に借りを返した。リーグ戦こそ終了したが、まだまだシーズンは終えていない。そんな気持ちを感じ
られた試合であった。
2週続いて広島で行われた試合、先手を奪ったのは清水であった。10分、怪我をおして出場した枝村が攻め上がり相手を充分引き付けてから
左サイドの純平にパス、純平は広島DF駒野のマークを振り切ってグラウンダーの折り返し、これをゴール前に詰めていた枝村がスルー、ファ
アサイドで待ち受けていた久保山が合わせて先制。更に1分後の11分にはマルキーニョスのパスを右サイドに開いて受けた兵働が切り返しから
GKの位置をよく見てからの左足のループシュートを決めてあっという間に2点差にした。その後も素早いパス回しでチャンスを作る清水、守っ
てもテル、枝村を中心に相手へ厳しいチェックを繰り返し自由にさせない。広島の攻撃は時間が進むに連れて縦に単調に放り込むだけの展開
となって前半を終了する。
後半に入ってもこの流れは変わらず、清水の厳しいプレッシャーに広島は防戦一方となり、50分にはバックパスを広島GK佐藤昭大がキャッ
チする失態。このチャンスは逃した清水だが、62分には右サイドで枝村のパスを受けたマルキーニョスが広島DF小村のマークをかわしてGK佐
藤昭大の頭上を抜く強烈なシュートを決めて3-0とする。直後の67分には枝村を下げて久々の復帰となる康平を投入する。点差も広げて余裕と
なった清水はその後も厳しいチェックで広島にペースを握らせないが、70分にはイチが接触プレーで転倒してそのまま担架で運ばれピッチを
後にするアクシデント、ここで森岡を投入してそのまま右サイドで起用する。清水はこのアクシデントにもめげず、途中にはワンタッチのパ
ス回しを10回以上も繰り返し広島を翻弄する。81分には久保山を下げて康平と同じく久々の復帰となる北嶋を投入する余裕の采配。結局最後
までこの試合展開は変わらずに試合終了、2大会ぶりのベスト8進出を決めた。
いいようにパスを廻され、サイドを支配された先週と全く逆の展開になった。両サイドの山西やイチが積極的に上がり大きなサイドチェン
ジで相手の守りを振り回した事が大きい。そしてそれを支えた中盤の出来もよかった。その中でも今回のMVPは怪我をおして出場した枝村だろ
う。序盤から積極的に上がって勝負する姿勢でチーム全体を引っ張っていたし、相手のマークを引きつけたところからの2アシストは見事であ
った。それだけではなく中盤で常に厳しいチェックもしていたし、とても怪我を負っている選手のプレーに見えなかった。今季急成長した選
手のひとりであるが、こういう逆境でまた新たな可能性を見せてくれた事は大きい。テルもその枝村を陰で支えるべく守備で奮闘ぶりが目立
った。ルーズボールはことごとく彼の元へ渡っていたがこれも持ち前の危機察知能力の高さを垣間見せた。
攻撃の方も久々に起用された久保山がまたも結果を出していた。天皇杯初戦でのハットトリックといい、得点の嗅覚はまだまだ衰えていな
いのだろう。右ウイングでの起用など彼にとっては慣れないポジションでの苦労も実った。兵働も本来の左ではなく右サイドでの起用となっ
たが、得点シーンは得意の左足からと持ち味を出してくれた。そして忘れてはならないのがマルキーニョスであろう。前半から抜群のボール
キープで相手のチェックも無駄な努力に変えていた。後半に入るとその動きにはますます冴えを見せていた。フットサル的なテクニックで翻
弄したかと思えば強烈なシュートも決め、先週厳しいチェックにあい何も出来なかった悔しさを晴らしてくれた。
終盤には待ちに待った康平の復活もあった。春先の好調、さあこれからといった時に大怪我を負い我々の前から姿を消した彼の復活は来季
へ向けて大きな希望となった。ゴール裏からも試合前には背番号8のビッグフラッグが出されるなどみんなが待っていたんだと思う。もう一度
あの春先の好調さを取り戻せばまた一歩清水は強くなるはず。本当に復帰おめでとうと言いたい。
快勝とは裏腹にこの日のスタンドは残念ながら天皇杯という事もあってか実に寂しかった。清水サポーター側はやはりリーグ最終戦と比べ
れば少なかった。そしてもっと寂しかったのは相手のサポーターである。先週あれだけ集めていたサポーターの半分もいない。せっかくのホ
ーム開催での試合、相手としては助かったがこの少ない観衆ではとてもホームの利などあったものじゃない。両チームとも言えるが、日本サ
ッカー界最古のタイトル天皇杯、これを勝てばアジアへの道も拓ける大会であるし、もっともっと高い関心でサポートをして欲しい。そして
まだまだ長い不振の借りを返してもらおうじゃないか。
これで2大会ぶりのベスト8だ。残り2つ勝てば元旦国立。サポーターにとっても元旦国立は特別な場所、2002年初めの感動をもう一度味わう
為にもまだまだ頑張ろう。
奮起。
2005.11.03(THU)
THE 85th EMPEROR'S CUP 4th ROUND
vs TOKUSHIMA VORTIS
5-0 WIN
at NIHONDAIRA STADIUM(SHIMIZU)
格下との対戦とはいえ、大量点と無失点。上々の結果でリーグ戦再開に向けて弾みをつけた。その主役は久々の起用に奮起した男であった。
寂しい観客数の中、始まった試合。相手の徳島は4バックで守るがチーム全体が連係がなく距離も中途半端でバラバラな印象を受ける。この相手の
守備を崩したのが山西であった。積極的にボールを受けて相手のルーズな守りを見てするすると前線まで上がるプレーでチャンスを作る。他にも兵
働や圭輔がサイドから積極的に仕掛けてチャンスを作ると19分には青山のフィードを受けたジェジンがヘッドで落としたところを拾った圭輔が左足
シュート、これがポストに当たったがこぼれ球を徳島GK島津が取りそこなったところに詰めていた久保山が押し込んであっさりと先制する。ところ
がここから単調な攻撃になる。確かに攻めてはいるのだが決定力不足でなかなか決められない。それどころかフリーでシュートを打てる場面で横パ
スを出したり弱気な面がチーム全体に出て漠然と時間だけが過ぎて前半を終了してしまう。
そして後半に入ってもぴりっとしないまま迎えた48分、相手のロングボールをクリアしようとした森岡が接触して倒れる。そのまま復帰する事無
く52分にはノボリが投入される。ノボリを中盤に入れ、和道をCBに下げて修正を図るが、この交替が一つの転機となる。中盤からノボリが積極的に
相手の裏のスペースへパスを出し、そこに積極的に選手が飛び出すことにより更に相手のサイドにも隙が出来るなどノボリの投入が攻撃の活性化に
繋がった。57分には久保山が中央突破から左に飛び出したジェジンにスルーパス、ジェジンが再び折り返したボールを再び受けた久保山が一度は空
振りするがこれがフェイントとなって相手DFとGKの逆をついてシュート、これが決まって2点目。更に62分にはCKのこぼれ球を繋いで圭輔と交替で入
ったばかりのテウクがゴール前に切り込んで横パス、これをゴール前に残っていた青山の足に当たり浮いたところを久保山が胸トラップからボレー
でハットトリック。この流れに乗って65分には右サイドからイチがクロス、ジェジンがこのボールを胸トラップから豪快なボレーを突き刺して4点目。
ここでジェジンはお役御免で西野と交替する。試合の方はロスタイムにその西野が右サイドにスルーパス、これを受けたテウクがGKと1対1からシュ
ートを決めて5点目を挙げたところで試合終了となった。
対戦相手のレベル以前に5得点と完封した結果を素直に喜んでいいと思う。中でも今日のMVPと言える久保山の活躍は残り試合に向けて明るい材料
であろう。この3得点とも技術的な面よりも抜群のポジショニングが目立っていた。彼本来の持ち味である得点の嗅覚がこの終盤に蘇った。彼自身、
出番が減り危機感を持っていたがこのチャンスに奮起してくれた事はかなりチームにとっては大きい。そして途中出場で流れを作ってくれたノボリ
も見事であった。サイドに逃げがちなチーム全体の悪い癖を彼の相手の裏を狙ったパスで修正していた。守備の方も完封という結果は相手の出来が
良くなかったとは言え自信を持っていいだろう。前節名古屋戦で活躍した青山は今日も安定した守備を見せていた。また、ここにきて山西の調子が
上向いている。夏場からずっと彼のサイドを狙われていたが、ダービーを境にサイドでの守備では孤軍奮闘振りが目立つ。この試合ではそれだけで
なく積極的に上がり、兵働との連係もなかなかいい面を見せていた。前半には森岡のロングフィードを山西が受けてチャンスに繋がるなど今まで無
かった面まで見られた。
この日はサポーターも天皇杯という事もあってかなり寂しい観客の入りで、声援も寂しさを感じた。もちろんリーグ戦が大事なのは分かるが、こ
の大会も日本一を決めるカップ戦であり、賞金がかかっている大事なタイトル。そういう意味ではもう少し、サポーターも高い意識を持ってこの試
合に臨んで欲しかったと思う。年末にはリーグ戦の後にこの天皇杯も再開される。すっきりとJ1残留を決めた後には気持ちを入れ替えてこの闘いに
臨もう。相手の徳島はサポーターも数こそ少ないものの一致団結の応援をしていた。相手からすればやはり目標のJ1との対戦だったんだと思う。そ
ういう相手の気持ちにこちらが負けないような気持ちで臨まないと去年のような屈辱的な敗戦だってこの大会は起こりうる。コールリーダーもみん
なに呼びかけていたように一戦一戦大事に闘って行こう。
来週からは再びリーグ戦が再開される。この快勝と名古屋戦の勝利はひとまず置いておいて気持ちを切り換えよう。この時点で残留は全く決まっ
ていない。残りたったの5試合で全てが決まってしまう。悔いを残さず闘おう。
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