未熟。
2006.03.25(SAT)
2006 J-LEAGUE DIVISION-1 5th LEG
vs OMIYA ARDIJA
0-1 LOSE
at URAWA KOMABA STADIUM(SAITAMA)
相手の術中にはまる。主審の判定に振り回される。確かにそうなのだが、それらはすべて言い訳。こんな状況でも勝利を掴むチームこそが強者。
若きチームの悪い面が露呈した試合であった。われわれはまだ未熟である。
大宮のホームゲームながらホームスタジアム改修工事の為に今回は普段浦和が使用する駒場での開催となったこの試合。清水は前節のメンバーか
らマルキーニョス、兵働を怪我で欠き、かわりに久保山と純平を起用して臨んだ。試合の方は序盤から清水が中盤を支配する。14分には右サイドか
らのイチのファアサイドへのクロスに淳吾がトラップからシュート、これは戻ってきた大宮DFトニーニョにブロックされるが、両サイドをワイドに
使った清水の攻撃が続く。17分にはPKエリアすぐ外やや左からFKのチャンス、キッカーの淳吾がゴールの枠ギリギリを狙ったシュートは大宮GK荒谷
のファインセーブに遭う。更に23分には今度は逆の右サイドでFKのチャンス、ここで淳吾の放ったシュートはポストを掠めて枠を外れる。この後も
自陣から淳吾を中心として細かいパス回しでしっかり繋いで攻める清水に対して大宮は全体が引き気味で清水の攻めるスペースを埋めて対抗する。
この人数を割いた大宮の守りに清水がボールをキープするものの次第に攻め手をなくして前半を終了する。
後半に入り、いきなり試合は動く。50分、ゴール真正面でFKのピンチとなる。大宮FW小林大悟が放ったシュートは清水守備陣の壁に当たるが、キ
ッカーが蹴る前に動いたとして再度FKとなる。このFK、大宮MF藤本が蹴ると見せかけて再び小林大悟がシュート、GK西部は逆をつかれボールに届か
ず失点。ここまでほとんどピンチのなかった清水にしてみれば悪夢のような失点であった。清水は失点後もボールを支配して次々にサイドから突破
してCKを得るが相手の中央の高い壁に跳ね返され続ける。65分には純平、久保山を下げて矢島と康平を同時投入する。更に77分にはイチを下げて森
岡を投入する。何とか追いつきたい清水はほとんどボールを支配するものの工夫の無い攻めが続き、ジェジンへのロングボールは相手の体を張った
2人がかりのマークにあいなかなか繋がらない。それでもロスタイムには右サイドから康平がクロス、これが大宮DFの手に当たる。ところが主審は笛
を鳴らさない。最後まで大宮の守りを崩せないまま試合は終わった。
序盤戦の大きな山場に何も出来ずに終わってしまった。試合終了直前のハンドの見逃し以外にも、試合の流れを無視するかのようにファウルを厳
しく取りサッカーそのものをぶち壊した西村主審のレフェンリングには日本サッカーの行く末を非常に不安にさせた。それも事実。だが、守りを固
めた相手に対して何も出来ず、工夫の無い攻撃を繰り返した清水の未熟さも明らかになってしまったのも事実。マルキーニョスの欠場というのは確
かに痛かった。事実相手はもう1人の得点源であるジェジンを潰してゴールに鍵をかけた。こういう時に鍵を握る中盤も単調な攻めに終始してしまっ
た。サイドにこだわるだけでなく中央からも攻めるなどのバランスを取らなければ相手からすれば守りやすいだけである。そんな中でも淳吾のFKは
徐々にだがゴールに近くなってきている。一刻も早くゴールが決まって欲しいし、そうなればこういう苦しい試合で大きな武器になるだろう。
守備陣に関しては確かに失点シーン、西部が判断を誤った。しかしこれは相手のFKを褒めるべき。5試合を終わって3失点、何が不満があろう。青
山の高さと和道のカバーリングの関係もうまくいっている。この試合も決定的なピンチは失点した時のみ。ここ2試合結果が出ていないだけに自信が
揺らいでしまう時があるかもしれない。でも自分を信じて頑張って欲しい。そしてサポーターも信頼してやって欲しい。この試合でもGK西部のゴー
ルキックのミスの時にゴール裏から深いため息が出ていた。そんな時にこそ励ますべきだし、サポーターとして存在する意味はそこにこそあると思う。
それでも、この日のゴール裏は試合終了後に主審への激しいブーイング、そして挨拶に来た選手たちへのエスパルスコールが起きた。負けは痛い
のだが、主審への怒りとチームへの励ましの想いがあったからだろう。今はこれでいいと思うが、今日のような試合を反省して修正できないような
らまた昨年と同じような苦しい道のりが待ち構えているはず。未熟なチームだから共に闘わなくてはならないし、でも厳しく見なくてはいけない。
だが、それを出来る権利があるのは選手と共に闘ったサポーターのみである事もまた事実。次のリーグ戦、相手は昨年の王者G大阪、厳しいが今はど
の相手とも楽に勝てる相手などいない。もう一度出直しだ。
そしてその前にナビスコ杯が始まる。ここ数年いいところまで行きながら負け続けている。99年のステージ優勝という栄光の礎は96年のこのタイ
トルからであった。リバイブを目指すチームとして何としても獲らなくてはならないタイトルである。
まだまだ。
2006.03.21(TUE)
2006 J-LEAGUE DIVISION-1 4th LEG
vs JEF UNITED CHIBA
1-2 LOSE
at NIHONDAIRA STADIUM(SHIMIZU)
残り3分、一瞬のミスとスタミナの差が大きな結果の違いに表された。まだまだな部分も一気に露呈した。しかしシーズンはまだまだ始まったばかり。
強風吹き荒れる日本平で行われたこの試合、試合開始早々の2分にビッグチャンスが訪れる。久々のスタメンとなった浩太のスルーパスから抜け出し
た淳吾がGKの位置を見てループシュート、これが千葉GK立石のファインセーブにあってしまう。そして逆に8分には右サイドから突破されてあげられた
クロスに中央に待ち構える千葉FW巻がヘッド、これは西部のファインセーブによて救われる。しかし、中盤を省略してシンプルに縦に攻める千葉の攻
撃に自慢のプレスが効かない。そして29分、千葉FWハースのスルーパスにMF阿部が抜け出してそこへ飛び出したGK西部と交錯、判定は西部のファウル
でPKとなる。このPK、西部がコースに反応するものの飛んだ西部の下をボールが通過して失点。微妙な判定により今季チーム初失点を喫する。しかし、
それからわずか4分後の33分、今度は淳吾のクロスを受けようとしたマルキーニョスがPKエリア内で千葉MF山岸にユニフォームを掴まれて倒され、副審
のアピールによりファウルをもらいPKとなる。このPKをマルキーニョスが確実に決めて同点においついて前半を終了する。
後半に入り、押し始めたのは清水、65分には浩太を下げて前節右足首を捻挫してスタメンから外れた枝村を投入する。更に68分にはマルキーニョス
を下げて久保山を投入、76分にも兵働を下げて純平を投入するなど健太が積極的に動く。この効果があったのか中盤で相手のこぼれ球を拾い優勢に進
める。79分にはCKのこぼれ球を拾った枝村が切り返しで相手を振りきってシュートも枠の外、更に83分にはセットプレーから相手のクリアボールを拾
って強烈なミドルシュートもこれは千葉GK立石のファインセーブにあう。どうしても勝ち越せない清水は87分にゴール真正面の位置でFKのチャンスを
得る。淳吾が蹴るとみせかけてジェジンが直接狙ったシュートが壁に当たり跳ね返ったところを淳吾が拾って最後方にいるテルへバックパスするがお
互いの呼吸があわず、テルが芝に足を取られ転倒してボールがこぼれたところに詰めていた千葉MF羽生が奪ってドリブル突破、約50mの独走ドリブルか
らGK西部の動きをよくみてシュート、これが決まって逆に1点のビハインドを許す。この後は反撃しようにも運動量で勝る千葉のカウンターから次々に
ピンチが訪れ、GK西部の踏ん張りで追加点こそ許さなかったが1点を返せず今季初黒星を喫した。
負ける時はこんなものなのかもしれない。どれだけ押してもどれだけチャンスを作っても結局負けは負け。ただし、完全に崩されたわけでなく、疑
惑の判定と自滅によるもの。自分たちのやり方には自信を持っていい。守備も西部を中心にシンプルに縦に攻めてくる相手によく耐えていたと思う。
攻撃に関しても淳吾や枝村のように後ろからの積極的な攻撃の姿勢が相手の守備を脅かしていた。やり方は間違っていない。それだけは信じていい。
後は淳吾にしてもテルにしても最後の失点に繋がるあの場面、時間帯や状況を考えて時にはシンプルに縦に蹴り出す時があってもよかったと反省して
次に活かす事だけだ。
ただし、千葉との試合をする度に終盤ここぞという場面での運動量の差というのがまだまだある事は痛感した。あれだけ走ったうえでの最後の場面
でまだ走れるようなチームに清水はなって欲しい。そういう意味ではこの日対戦した千葉はいい目標であり超えなくてはいけない相手。
そして気になったのはやはり芝生の事である。今回、そして前々節の名古屋戦と清水の選手が芝生に足をとられる場面が多過ぎる。個々の選手の自
覚の問題もあるが、前日から練習を行うなど、もっと日本平を頻繁に利用してチームとして本当の意味でのホームスタジアムにしていく努力が必要だ。
せっかくの素晴らしい城でそこで闘う選手がベストパフォーマンスが披露できないのは問題である。
サポーターにもそれが言えて、今日のホームは前々節にあったような緊張感にいささか欠けていた。3連勝に対しての満足感が漂ってしまっているよ
うな感じで、何が何でも勝とうという雰囲気作りがこれからの課題である。最初の疑惑の判定もホームスタジアムの雰囲気で変えてしまうようなそん
なスタジアムにしていけたら本当の聖地と言える。
負けは負けで嘆いてばかりもいられないもう次の土曜日には試合がある。ここ数年、ひとつの負けでずるずると下降線を辿っているだけにこの次こ
そが大きな山場となる。次の1試合、集中して何としても勝って帰ってこよう。まだまだ勝負は始まったばかり。
変貌。
2006.03.18(SAT)
2006 J-LEAGUE DIVISION-1 3rd LEG
vs FC TOKYO
1-0 WIN
at TOKYO STADIUM(CHOFU)
ひとつのアクシデントで流れが変わる事もある。しかし、層が厚くなり激しい競争が繰り広げられた清水にとってはアクシデントはプラスに変えら
れる。確立したシステムの中、突然投入された選手の変貌でピンチを乗り越え、4年ぶりの開幕3連勝を飾った。
アウェーという事で清水側ゴール裏は狭い中に押し込められたが、これが試合前からの応援を盛り上げる要因にもなった。そんな中で始まったこの
試合。序盤から清水はサイドから崩してチャンスを次々に作る。特に淳吾がサイドだけにこだわらず中央に切れ込み、20分には前線に飛び出すジェジ
ンに絶妙なスルーパスを通すなど清水の流れで進んでいたが、ここでアクシデントが起きる。25分、枝村が相手陣内に入ってから逆サイドへ展開する
パスを出した後にFC東京DF鈴木のアフタータックルを受けて倒れる。一度は立ち上がったもののやはりプレーするには厳しく27分に浩太と変わる。こ
の交替をきっかけに流れは変わり、清水は中盤でボールキープが出来なくなりクリアするだけになる。さらにセットプレーからフリーでシュートを許
すなど押され始める。突然投入された浩太も試合の中で消えてしまい、ボールを持つ時間がないまま。結局前半は両チーム膠着状態で折り返す。
しかし、後半開始までの短いインターバルを経て、浩太が変わる。49分、ジェジンのポストプレーから前線に飛び出してきた浩太がこれを受けてマ
ークに来たFC東京DF茂庭をかわしてシュート、これはFC東京GK土肥がファインセーブ。しかしそれで得た左CK、キッカーの淳吾があげたボールにジェ
ジンがFC東京DFジャーンと競り合いながら頭ひとつ抜け出してヘッド、これがGK土肥も反応できないゴール右隅に決まって先制する。
この後もフィールド全体を使ったパス出しをする淳吾を起点にチャンスを作っていく。右からは兵働、そして中央からはジェジンのポストと浩太の
飛び出しで次々にFC東京の守備を脅かす。59分にはまた浩太の思い切ったダイレクトシュートが相手GKに弾かれるが、それで得た左CK、ショートコー
ナーから兵働があげたクロスにまったくのフリーの和道がヘッドで合わせるが決められない。さらにその後もジェジンが相手DFに競り勝ちヘッドを打
つもこれがゴールの枠をわずかに外れるなど次々に清水がチャンスを作っていく。一方の東京も早めに選手交替をしていくが、チーム全体で押し上げ
が足りない為に攻撃が単調となる。また、中盤でテルが神出鬼没の豊富な運動量で相手の攻撃を次々に摘んでいく。ならばロングボールをあげてもそ
こには和道と青山の高い壁が待ち受けて相手の攻撃を無力化させた。清水は88分には疲れの目立った兵働を下げて純平を使って逃げ切りを図る。一方
のFC東京だが、終盤になってもチーム全体で点を取りいく姿勢がないのかただ時間だけが過ぎていく。結局1-0で清水が開幕3連勝と3試合連続完封の
快挙を達成した。
早い時間帯でのアクシデント、それもチームの頼れる軸になりつつあったエダの負傷交替は痛すぎた。ところがそのピンチに登場した浩太が結果的
に今回のMVPとなった。浩太は最初こそ試合の流れに乗れなかったが、一呼吸おいた後半からは見違えるようなプレーをみせてくれた。本来のポジシ
ョンからすればかなり前の位置でプレーして積極的にシュートを放っていた。その結果がこの日唯一の得点に繋がった。この場面以外も高い位置でボ
ールを受けると強烈なシュートを見せていた。昨年の怪我、そして病気を経て下から這い上がってきた彼の活躍は今後のチームにとっても非常に大き
な意味を持ってくるのではないだろうか。
そして浩太が思い切って積極的に出る事が出来た原因であり、この3試合通してハイレベルなプレーをみせているのがテルだろう。豊富な運動量を
武器にまさしく神出鬼没の動きで中盤で次々に東京の攻撃の芽を摘んでいた。終盤になっても衰えないが、どこにこれだけのスタミナがあるのかと思
わずにはいられない。彼の働きが背後に控える和道と青山の負担を減らしている。そして今年のテルはただ奪うだけではない、チャンスと見ると浩太
のように前線に上がりボールを要求している。まだ周囲が理解していないだけだと思うが、かっての彼は創造性あふれるドリブルを武器に得点を奪っ
ていたはず。この姿勢が続くなら今年は得点にもかなりの期待ができそうだ。
守備陣も1点差という難しい試合を最後までよく守り通した。このような試合ではミスが命取りになる中で和道と青山、そして西部はほぼノーミス
で試合を終えた。試合を重ねるごとにCBコンビは連動して相手の攻撃を跳ね返している。そして公式戦270分を無失点で守った事実は非常に高く評価
していいだろう。健太監督が1年以上かけて苦しんで手に入れたこの守備を今後どれだけさらに堅くしてくれか楽しみである。
攻撃の方だが、ジェジンは見事であった。3試合連続ゴール、その3点ともさまざまな彼の能力を見せてくれた。開幕戦の思い切りのいいシュート、
第2節のFWらしい嗅覚、そして今回は本来の持ち味である高さ。つまりどの展開でも満遍なく決めているという事は相当コンディションの良さを示し
ているのではないだろうか。4戦目、我々にどういうゴールで酔わせてくれるのだろうか。一方心配なのはマルキーニョスである。この日もカウンタ
ーで相手の守備を翻弄していたし、技術は申し分ない。だが、点が取れていない事実。どんな形でもいいからまずは1点目をとって欲しい。そういう
きっかけさえあれば変わると信じている。ただし、チーム全体にいえる事だが、今回は決めるべき時に決められていない。どんなアクシデントで失点
するかわからないのがサッカー、1点に満足せずなんとしても2点目を奪って欲しかった。今日の試合は一歩間違えていれば引き分けに終わった可能性
すらあるのだ。
さてサポーターの方は前述した通り、狭いスペースに押し込まれた事こそが逆にみんながひとつになって燃えていたと思う。クラップの手拍子も屋
根に反響してきれいに聞こえていたし、終盤追いかける東京側ゴール裏が盛り下がっていくのと対照的に終盤になればなるほど盛り上がっていた。だ
からこそ、苦言を呈したいのが終了間際の件である。1点リードの終盤、突如としてゴールコールが始まってしまったが、あの場面ロスタイムで「2点
目を奪う事」が「1点を守る事」より重要なのだろうか?いや違うと思う。TPOをわきまえた応援を今後もやっていかなくてはならない。
さあ3日後にはすぐに試合がある。そしてここから2週間で5試合をこなす非常に厳しい日程になっていく。選手もサポーターも先を見ずに目の前の
一戦に集中して乗り越えていこう。そうすればその先の未来はきっと明るいはず。ひたむきに、ただひたむきに。
継承。
2006.03.11(SAT)
2006 J-LEAGUE DIVISION-1 2nd LEG
vs NAGOYA GRAMPUS EIGHT
2-0 WIN
at NIHONDAIRA STADIUM(SHIMIZU)
Mr.S-PULSE ノボリの引退から2ヵ月半。あれ以来の日本平、そこに新たな背番号10が躍動していた。ノボリから淳吾へ、10番は確かに継承された。
今季ホーム開幕戦、試合前には昨年惜しまれつつ現役を引退したMr.S-PULSE ノボリの長年の功績を称えエスパルス栄誉賞の表彰が行われた。
また、サポーターも今季ホーム最初の試合にあわせ、クラブから配布されたオレンジボードと自ら用意したボードを組み合わせてエスパルス愛の
意味を込めた「ハート」のマスゲームで選手を出迎えるなど華やいだムードの中で試合が始まった。
試合は序盤からピンチが訪れた。2分、名古屋MF大森が清水DF陣の裏へ走るFW杉本へスルーパスを通して杉本はGK西部と1対1からシュート、こ
れを西部が弾いたところに名古屋MF金正友がシュートするも枠を外れて命拾いをする。嫌な予感のするスタートとなったがこれを10番が払拭する
事になる。6分、右サイドのイチから逆サイドに上がった山西へサイドチェンジのパス、これを受けた山西が相手DFの裏を狙って上がる淳吾へフ
ィード、淳吾がワンタッチで中央にいるジェジンに折り返すとジェジンもワンタッチでゴール前に切れ込む淳吾に戻し、淳吾はそのまま左足でミ
ドルシュート、これが決まって清水が先制する。
最悪な立ち上がりを一変させるこの得点で試合の流れは一気に清水に傾く。球離れが悪く単調な攻撃になりがちな名古屋に対して清水は高い位
置からのプレスで相手を追い込んでいく。中盤でのパスカットからすばやい攻撃などでチャンスを作り、守っては和道と青山がゴール前で高い壁
となる。そして32分、名古屋DF有村が自陣に戻りながらドリブルしているところへチェックに行ったマルキーニョスがボールを奪いそのままGK川
島と1対1からシュート、GK川島に当たってこぼれたところにジェジンが押し込んで2点目を奪う。この2点目で名古屋は攻撃も守備も連携がなくな
りチグハグになり前半を終了した。
後半に入っても清水に傾いた流れは変わらない。名古屋も55分にはFW玉田が左サイドからのパスを受けて飛び出したGK西部までかわすがトラッ
プが大きく得点にならず。一方の清水は57分、名古屋MF中村を切り返しでかわしたところで左足アウトサイドのスルーパス、これに反応したマル
キーニョスが抜け出してGK川島と1対1からシュート、これは川島に弾かれるが堅さがとれた淳吾が名古屋守備陣を一瞬で翻弄するパスを見せてく
れた。
この後は名古屋が早目の選手交替で流れを変えようとする。清水もさすがに終盤運動量が落ちて相手の攻撃をクリアするのみで防戦一方となる
が81分の途中出場の名古屋MF本田の強烈なミドルシュートもGK西部がファインセーブ、守備陣も最後まで集中した守りで2試合連続の完封勝利を
飾った。
今日はとにかく淳吾につきるであろう。文句なく今日のMVPである。開幕戦の迷いのあったプレーから一転、今回は最初のシュートがきれいに
決まってから波に乗った感じであった。ノボリの見守る中でこれだけのシュートをあっさりと言っては失礼だが決めてしまうあたりは並みの選手
ではない。後半も極上のスルーパスでチャンスを演出していたが、清水でしばらく見られなかった中央からのこういう崩しが出来れば攻撃のバリ
エーションもさらに増すだろう。
また、ジェジンも2試合連続ゴールといい調子である。前節と違って泥臭いゴールだが、これこそFWに課せられた使命である。一方のマルキー
ニョスも得点に絡む決定的な仕事をしてくれたが気になる事があるとすれば前後半に各一度訪れた得点機を逃した点。昨年抜群の仕事をした男な
だけにこんなものじゃないと思う。2点を奪いながらも物足りなさを感じるのはやはり何度か訪れた3点目のチャンスを逃し続けたから。取れるべ
き時に取れなければ泣きを見るだけに貪欲にいって欲しい。
守備陣も見事に守りきってくれた。序盤最初に決定的なピンチを与えるなどまだまだな面もあったがその後は名古屋のスピードに対して青山と
和道がカバーしあいながら高い壁を築いてくれた。西部にしても2試合連続のファインセーブを見せてくれるなど好調なようだ。そしてこの連続
完封の最大の立役者はテルだろう。中盤での労を惜しまぬ動きで相手の攻撃に対する最初のアプローチを忠実にこなしてくれた。後半の劣勢の場
面でも彼のプレスが相手の攻撃を遅らせ無力化していた。
さて、ホーム開幕戦という事でサポーターの方も冒頭に述べたように清水ではゴール裏全体を使ったマスゲームは始めてやってみたが、なかな
かいい感じだったようである。これに関して努力された関係者各位の努力には本当に感謝したい。素晴らしいスタジアムに負けないようにサポー
ターとしてのパフォーマンスも今回のように上げていこう。今年からSHIMIZU TIFO UNITEDの巨大横断幕も登場するなど、サポーターもより一層
のスタジアムをオレンジに染めようとしている。後は基本の声だけ。ゴール裏全体の声でもっともっと選手も周りの方々も乗せられまさしく聖地
と呼ぶにふさわしいスタジアムにしていこう。
開幕連勝を終えて、浮かれている方もいるかもしれないが、ここで一言。まだ2/34に過ぎない。今年はいけるなんて思っていたら笑われる。先
を見ても仕方がない次の一戦に集中しよう。
最低限の結果。
2006.03.05(SUN)
2006 J-LEAGUE DIVISION-1 1st LEG
vs VENTFORET KOFU
2-0 WIN
at KOSE ATHLETIC STADIUM(KOFU)
J1初参戦の相手に苦しみながらも最低限の結果は出した。勝ちという結果に浮かれてはならないが、最悪の内容に必要以上に悲観する必要もない。
これが現状の力、その中で結果だけは残したのだから。
初のJ1昇格を果たした甲府のホーム小瀬、試合前には昨年まで甲府に在籍していた小倉の引退セレモニーが行われ、清水側からも小倉コールが送ら
れていた。かって名古屋に在籍し、清水を苦しめた彼もついに引退。彼のプロ初ゴールは清水から挙げたものだったのも何かの因縁か。そのセレモニ
ー終了後に選手が入場してきた。スタジアムは超満員、清水側を除く全エリアで青い紙が拡げられ開幕を迎えた。
試合の方は序盤から高い位置でプレスをかける甲府の守備に清水はなかなかボールを繋げられない。逆に甲府は一度ボールを奪うと素早いパス回し
で両サイドを崩してくる。しかし14分、清水は一瞬の隙を逃さなかった。相手選手が負傷で1人少ない状態、左サイドでボールを持った山西が裏へ飛
び出したジェジンへフィード、この一発のパスで抜け出したジェジンは甲府DFアライールのチェックを振り切って左足のシュート、これが決まって清
水が先制する。
それでも試合の流れは甲府のまま、FWバレーへ球を集めてチャンスを作ると、23分には右サイドから甲府DF杉山のパスを受けたバレーが青山のマー
クを受けながらも反転シュート、これを西部が弾いたところに甲府MF倉貫がシュートするも枠の外で助かる。このバレーに対して清水は青山がほぼマ
ンマークで対応し、和道がカバーする形で何とか抑える。また何度か訪れるCKで甲府は西部の動きを封じるかのようにゴール中央に固まりヘッドを狙
うが、集中した守備陣がこれを跳ね返して耐える。結局前半はこのまま終了した。
後半に入っても流れは甲府のまま、前半よりも清水は中盤でボールを繋げる事が出来ずに前線が孤立してしまう昨年の悪い癖が出てくる。59分には
淳吾を下げて純平を投入する清水、一方の甲府もMF鈴木健太を下げてMF石原を投入する。この交替で更に甲府はスピードに乗った突破でチャンスを作
る。清水は青山や山西が必死に止めるが次々に警告を貰う、26分には左サイドから突破した甲府FW長谷川のクロスにバレーがヘッドで合わせるも枠の
外。しかもこのあたりから攻撃が雑になってくる。フィールドを広く使ったサイドチェンジで一気に流れを変えようとするものの、このボールがタッ
チラインを割り助けられる事が何度もあった。
清水は73分にはいつもの個人技に冴えがなく空回りしていたマルキーニョスを下げて久保山を投入する。甲府も72分にはFW堀井、79分にはDF井上と
早目に3人の枠を使い切り同点を狙うがここで再び一瞬の隙を逃さなかった。81分、自陣から山西がクリアしたボールをジェジンがキープして枝村に
はたく、枝村がそのままドリブルで持ち上がり右サイドの純平にパス、純平のクロスに枝村がヘッドで合わせるがシュートがポスト、しかしそのこぼ
れ球を枝村が押し込んで2点目。その後は何としても1点を狙う甲府の攻撃の前に再び防戦一方となる。ロスタイム、相手のロングボールをバレーがヘ
ッドで落としたところに和道の足が当たりシュートとなるも西部が信じられない反応で弾く、さらにそのこぼれ球をFW堀井がシュートするもこれまた
ファインセーブでゴールに鍵をかける。その直後にも西部は甲府FW長谷川の左足ミドルシュートもファインセーブで試合終了。開幕戦を完封勝利を飾
った。
最初に言ったように得たものは勝ち点3だけといった試合であった。中盤でのプレス、運動量、そして積極性においてJ1に昇格したばかりの甲府に
圧倒されていた。PSMの磐田戦で機能していた2列目もこの日は淳吾と兵働の位置が入れ替わり、お互い中途半端なプレーとポジショニングで機能して
いなかった。淳吾にはもっとシュートや積極的なプレーをみせて欲しかったが堅さもあったのか噛み合わないまま交替してしまった。そして点を取っ
たジェジンもマルキーニョスとの連係はほとんどなかった。それでも角度の無いところから決めた1点目、体を張ったポストで起点となった2点目と要
所で働いてくれたのは韓国代表の合宿から合流してまだ日が浅い事を考えれば上出来かもしれない。
そんな試合で光っていたのは最終ラインであろう。青山は甲府FWバレーに対して一歩も引かずに闘ってくれた。スペースを与えすぎて突破を許す場
面もあったが空中戦はほぼ負けなかったし、こぼれた場合でも和道のカバーリングで事なきを得ていた。また右サイドでもイチが味方のフォローが薄
い中で献身的な守備をしていたと思う。そして一番光っていたのはこの日のMVPはGK西部であろう。前半は不用意なプレーであわやのピンチも作って
いた場面もあったが終始安定していた。相手の体ごと当たってくるCKに対しても全く怯んでいなかったし、終盤の怒涛の攻撃に対しての神がかり的な
セービングは見事であった。彼なくしては完封勝利はありえなかった。
とにかく内容では押されていても闘う気持ちをもって耐えていたからこそ得た勝ち、不満はあっても昨年残留争いをしたチーム、どん底からのスタ
ートのこのチームにとっては大きな勝ち。それでいて当然満足もしてないはず、だからこそちょうどいい勝ち方であった。昨年までは後半追いつかれ
るか逆転されるか、とても勝ちには結びつける事ができなかったんだからそれだけでも進歩である。
むしろサポーターが選手たちに助けられた感もある。この日の応援、確かにゴール裏は立錐の余地も無い程埋めてたくさんのサポーターが敵地に駆
けつけていたが、その何割が選手と共に闘っていたのだろうか?相変わらずある特定の選手のプレーに対して必要以上の悪い点ばかり見る。ちょっと
したミスにも溜め息や野次、ゴール裏で共に闘うのならそんなものは試合後にいくらでも嘆けばいい、今するべき事が何なのか分かってない人が多過
ぎる。昨年から続くこのネガティブな雰囲気が更にチームを悪くしているとすら思える。しかも応援もサンバとコールがバラバラの状態。次の聖地日
本平の今季開幕戦、このままじゃやばい事を選手以上にサポーターも危機感を持って欲しい。
一方の甲府、確かにこの日は超満員であった。試合の内容も確かにいい。しかしサポーターの数、応援の声はホームと呼ぶには寂しい感じがした。
それでもたくさんの襷と掲揚ポールに大きな横断幕を掲出するなどホームらしさをだそうとしている。まだまだこれからなんだろうが、これから作り
上げていこうとしているのだろう。でもピッチいっぱいに出された広告看板とスタジアムのいたるところに出された広告の数の多さは清水も見習うべ
きであろう。地元にこうやって愛されているチームはいずれ強くなる。反対に地元に愛されず、また愛される努力がなかなか見えてこない我がチーム
に非常に不安でもある。
次は聖地日本平で名古屋を迎え撃つ。この日、泥臭く掴んだ勝ち点3、絶対に無駄にしてはいけない。次勝ってこそ、活きるこの勝ち点3。サポータ
ーも選手も浮かれる事無く、1試合1試合に集中し、共に勝利を掴み取ろう。
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