踏みとどまる。
2006.04.29(SAT)
2006 J-LEAGUE DIVISION-1 10th LEG
vs KAWASAKI FRONTALE
2-2 DRAW
at TODOROKI ATHLETIC STADIUM(KAWASAKI)
圧倒的な攻撃力、スピードと積極性に押され続けた清水にとって今まで違ったのはやられっぱなしで終わらなかった事。単純に喜ぶべきではないが、
試合後の拍手がそれを物語っている。簡単に引き下がらない、踏みとどまる事。今後に向けて希望の持てるドローだったのかもしれない。
試合はいきなり動き、2分に清水は右CKのチャンスを得る。兵働があげたクロスに後ろから飛び込む俊秀が相手DFに競り勝ってヘッド、これが決まっ
ていきなり先制点を奪う。更に16分には同じ右CKから再び兵働のあげたクロスに俊秀が飛び込むが今度はうまく会わずに得点できず、それでもセット
プレーを有効的に使っていた。しかし21分には、左サイドでキープした川崎FのFWジュニーニョが中に切り替えして素早くミドルシュート、クロスと思
って飛び出していたGK西部の頭上をボールが越えてゴールが決まってしまい同点にされる。
ここから試合の流れは川崎Fへ、個人技からチャンスを作ると遠目からでも積極的にシュートを放っていく。攻められてどうしても下がってしまう清
水の守備。34分にはマルクスのミドルシュートが枠を捉えるもこれは西部のファインセーブに救われて何とか前半を同点で折り返す。
後半に入っても流れは川崎F、スピードに乗ったFWジュニーニョの動きに対して守備陣がずるずる下がってしまい、前線も孤立してしまう。セットプ
レーも前半はルーズな守りをしていた川崎Fがユニフォームを掴んだり押し倒したり、かなり厳しいチェックをするようになってシュートまでもってい
けない。川崎Fは62分にこの日完璧に抑えられていたFW我那覇を下げて黒津を投入すると直後の63分に試合が動く。川崎Fが自陣からロングボール、こ
れをFW黒津がヘッドで落としてジュニーニョへ、プレスをかける為に上がった山西の裏に走るFWマルクスへジュニーニョが浮き球のパス、これで抜け
出したFWマルクスは西部との1対1からゴールを決めて川崎Fが勝ち越す。
この後も川崎Fが攻めるがここでFWジュニーニョが負傷交替。ここが転機となった。前線の脅威が減った事で清水がボールを支配できるようになった。
健太も69分に淳吾を下げて久保山、79分には山西を下げて矢島、更に81分には俊秀を下げて浩太と次々に選手を投入する。中盤の兵働をSB、そしてなん
とテルをCBに持っていく思い切った策で中盤の活性化を狙う。これが執念の同点ゴールを生んだ。86分、中盤からのロングボールが右サイドへ、これを
受けたイチがトラップで対面のMFマルコンをかわしてドリブル、相手DFを引き付けてからマイナスに折り返したボールを久保山が低いクロス、このボー
ルにマルキーニョスがヘッドで合わせるが川崎FのGK相澤が弾き、さらにポストを経由して跳ね返るが、ここに詰めていたジェジンが押し込んで同点に
追いつく。結局試合はこのまま終了。アウェーで貴重な勝ち点1を手にした。
最初に述べたように試合終了後にどこからともなく起こった拍手、それがゴール裏を包み込んでいたのが全てを物語っていた。勝てなかったのは確か
だが負けなかった事実がそれを大きく上回ったという事だろう。中盤が思うように機能せずにマルキーニョスにしてもジェジンにしても孤立していたが、
それでも少ないチャンスで点を決めてしまう集中力と執念はたいしたもの。これでジェジンは7得点、本人はW杯に出たいという想いがいい意味で貪欲に
ゴールを狙う事に繋がってきている。今日のようなゴールは一番泥臭いけど、個人的には一番FWらしい仕事だと思う。得点への嗅覚が完全に蘇っている
彼にはまだまだゴールが期待できるのではないだろうか。
青山の怪我で心配された守備陣もずるずると下がってしまう点は解消できていないが、現在リーグトップの得点を誇る川崎Fに対してよく踏みとどまっ
た方だろう。惜しむらくは2失点目、SBの選手が真ん中で相手FWにプレスをかけるのなら誰か他の選手がその裏をケアすべきだし、ラインも乱れていた。
開幕3試合を無失点で乗り切っただけにできるはずなのに最近はらしくない失点が多過ぎるのが心配ではある。でも青山の代役として起用された俊秀のゴ
ールは見事であった。DFといえどもセットプレーでは高さは強力な武器になるだけに他のDF陣のゴールもこれからは期待したい。
ここ何試合か毎回驚かされる健太采配だが、今回のテルのCBは結果論だが見事であった。途中で川崎FのFWジュニーニョが負傷というアクシデント、更
に高さのあるFW我那覇がいないということで裏をとられる事だけケアすれば問題ないという事での起用だったと思うのだが、長年の経験と耐えることの
無い運動量でテルはその大役をこなしていた。かってはドリブラーで何度も沸かし、今は欠かすことのできないボランチとして、そして今日はCBとテル
の才能には毎度驚かされるが、それを信頼した健太の采配も見事であった。
サポーターもやはり関東の試合ではいつもかなりの数が駆けつけてくれる。同点においついたのもサポーターが諦めていないで応援したその姿勢だっ
たと思う。一方の川崎Fも毎年毎年増えてきている。やはり面白いサッカー、そして結果を出すとこういういい連鎖が起こるのだろう。清水もここ数年
の低迷でホーム日本平は寂しい限り、でもこうやって少しずつでも強くなる事でまた熱狂のスタジアムへ戻る可能性が出てくるはず。サポーターとして
はそれに冷や水を浴びせるような行動だけは避けなくてはいけない。未だにある特定の選手に対する誹謗中傷がなくならない。同じ仲間として非常に恥
ずかしい限りだし、それは本当に何とかしていかなくてはならない。いいプレー、悪いプレーに対してそれぞれ賞賛と批判はあってもいいが、選手の存
在自体を否定するような行動だけはやめて欲しい。最後に厳しい意見を書かせてもらったがそれを最近は常に感じている。純粋に愛する事、これが大事
である。
さあ次はGW唯一のホームゲーム、きっと多くのサポーターが聖地日本平に集まってくれる。このチャンスに最高のプレーと最高のサポートで結果を出
そう。それがこの日の勝ち点1に対する最高の答え。
REVENGE。
2006.04.22(SAT)
2006 J-LEAGUE DIVISION-1 9th LEG
vs URAWA RED DIAMONDS
2-1 WIN
at SHIZUOKA STADIUM ECOPA(FUKUROI)
現在首位の相手を引きずり下ろすと同時に元日のREVENGEを果たした。内容や審判に助けられた部分などいろいろあるが、首位の相手であり昨年一
度も勝てなかった相手に勝った事実の前では霞んでしまう。この勝利はチームの力を一段上のステージへ引き上げるきっかけとなるであろう。
普段の聖地日本平を残念ながら離れ、エコパで開催されたこの試合。清水側のゴール裏には普段の横断幕だけでなく、サポーター有志が「俺たちは
清水、埼玉には負けられない」と強い決意が書かれたメッセージ横断幕を出して、試合前から両チームのサポーターがお互いが王国という自負から激
しい応援が繰り広げられた。試合の方は序盤から雪辱に燃える清水ペースとなり、7分には左サイドのスローインから素早く繋いで左サイドに飛び出
した兵働が相手DFをかわして折り返し、ここに詰めていたマルキーニョスのシュートが惜しくも枠を外れるが高い位置からのプレスと中盤での素早い
パス回しで浦和を押し込む。そして23分、浦和FWポンテが倒され家本主審は流したがファウルと勘違いしたポンテがボールを掴んでハンド、ここから
のリスタートを淳吾が素早く前方の兵働にパス、兵働はダイレクトで縦に走るマルキーニョスにスルーパス、マルキーニョスは浦和DF堀之内のマーク
を振りきってGK都築と1対1からシュートを決めて清水が先制する。更に25分には中盤で枝村から右サイドに開いた兵働にパス、兵働はマークに来た浦
和DF闘莉王を切り返しでかわし、ファアサイドに流れるジェジンに左足クロス、これを受けたジェジンが浦和DF堀之内をかわして叩きつけるボレー、
これがGK都築の手を超えてゴールマウスに吸い込まれあっという間の2点目を奪う。
この後も試合は圧倒的に清水ペース、中盤を支配して上がってきた相手のサイドの裏を徹底的についてチャンスを作る。27分には相手スローインの
ボールを奪って兵働がミドルシュート、これはGK都築のファインセーブに防がれる。更に33分にはFKのチャンスに相手の壁が揃っていないうちに淳吾
が意表をつくシュート、これも確実に枠に行っていたがGK都築のファインセーブに防がれる。なかなかとどめの3点目を奪えないと、ここで微妙な判
定に泣かされる。40分、浦和がサイドからの分厚い攻め、これを必死に耐えていたがクリアボールを拾った浦和DF闘莉王が左からクロス、これに浦和
FWワシントンと山西が競り合ってクリアしたと思われたところでファウルの判定でPK。このPKを決められて1点を返されて前半を終了した。
後半、浦和はMF平川を下げて内舘を投入し、本来DFの闘莉王を高い位置に起用して前線を厚くしてきた。これで流れは一気に浦和に、FWワシントン
以外に前線にターゲットが出来た浦和は積極的に仕掛けてくる。48分には左CKからDF堀之内がフリーでヘッド、これを西部がスーパーセーブで防ぐが、
この後も56分には右サイドを浦和MF長谷部に突破されてグラウンダーのクロス、ファアサイドで全くのフリーとなったワシントンが合わせようとする
がポストに激突して助けられるなど劣勢状態は変わらない。ここで健太は60分、体調不良をおして出場した淳吾を下げて浩太を投入して中盤を厚くす
る。それでも流れは変わらず62分には決定的なピンチが訪れる。前線でキープした浦和FWワシントンがDFを引き付けてから裏に飛び出す浦和MF三都主
にスルーパス、抜け出したMF三都主はGK西部と1対1から倒れるが家本主審の判定は三都主のダイビングでピンチを逃れる。
なおも前がかりに攻める浦和は73分にはMF山田を下げてFW岡野を投入。早速、その岡野突破から決定的なピンチが訪れるがワシントンがヘッドで押
し込んだボールもポストが救ってくれた。押されっぱなしの清水は75分には前線のマルキーニョスを下げて俊秀を投入する。この俊秀が浦和の前線に
残る闘莉王へマンマークで対応する事で徐々にカウンターからチャンスを作れるようになる。更に押し込もうとする浦和は80分にはFW黒部を投入して
更に前線を厚くすると、今度は清水も83分に攻守に動き回った兵働を下げて和田を投入する。この和田がサイドで再三チャンスを作る浦和FW岡野への
マークについて6バックの体制で逃げ切りを図る清水。この健太の采配が当たった。力攻めを繰り返し前がかりになっていた浦和に対して前線で自由
に動けるようになったジェジンを起点にカウンターを狙い、87分には浩太が浦和DF坪井に倒されて坪井はこの日2枚目の警告で退場。5分もあったロス
タイムも守りきった清水がついに浦和に今季初黒星をつけた。
元日の悔しさ、去年一度も勝てなかった悔しさ、それらが全てはこの一戦にというかける想いへ繋がった。その中で抜群の出来で攻守とも動き回っ
た兵働が今日のMVPであろう。あの元日の試合後に悔し涙を流した彼だが、素早い球離れから1点目をアシスト、味方をよく見て送ったクロスで2点目
をアシストと大活躍。劣勢の後半はサイドからカウンターの起点になっていたし、それだけでなく必死に戻って守備でも頑張っていた。あの日の悔し
涙がこの日の活躍の原点となった。また得点を挙げたマルキーニョス、ジェジンにしても数少ないチャンスにきっちり決めた事が大きい。今までなか
なか決めるところで決められずに落とした試合が何試合もあるだけにこれからはこの日のような活躍を期待したい。
守備の方も微妙な判定で1失点はしたものの、90分間通してよく集中していた。確かに決定的なピンチもあったがそれを結果的に守りきったのは選
手たちみんなのボールに対する執念の差であった。怪我を抱えた青山もそれを感じさせない高さであったし、ここ数試合不安定であった和道もよく集
中していた。また、途中から出て相手DF闘莉王へのマンマークという難しいミッションを成功させた俊秀も仕事をきっちりこなしてくれた。
そして何より健太の采配である。ここまで割り切って守りに徹する采配が的中したのは初めてではないだろうか。その指揮官の采配にこめられたメ
ッセージが選手にも伝わったからこそ守りきれたと思う。もちろん今後は守るだけでは強くはなれないと思う。だけど強くなる為の過程として結果を
出したい。その結果を出す為に選択したこの采配が当たったのは事実。彼の意図のある采配に敬意を払いたい。
そして忘れてはならないのはサポーターである。相手のサポーターは確かに多かったがそんな事を感じさせないぐらい声も出ていたし、コールリー
ダーの子もまだ慣れていないなか必死にみんなをまとめて応援をリードしていたと思う。みんなも元日の悔しさを忘れていなかったし、文字通り選手
・チーム・サポーターが一体になったこの応援が勝たせたと思って自信をもっていい。
さて、家本主審の事も触れなくてはいかないだろう。前半のPKの判定、後半の相手選手への厳しい判定、どれもが微妙と言えば微妙ではあったが妥
当でもあったと言える。ただ違うのは清水の選手は判定に対して無駄な抗議はしなかった事。一方の浦和は主審に対して馬鹿にするような態度をとっ
たり、執拗な抗議をした事。かっての清水もそうであった。判定の事を論じる前に主審を尊重できなかった時点でこの結果になるのは自明の理。試合
後にまで執拗に抗議した結果、再び警告を受けてレッドカードを提示された浦和FWポンテなどは愚の骨頂である。これからも厳しい判定や納得いかな
い判定もあるかもしれないが、ここで無駄な抗議をするよりそんなものを跳ね除けて勝ってやろうという意欲を選手もサポーターも持った方がいいと
思う。
なりふり構わぬ闘いで手にした勝ち点3、これが今後に繋がるものにする為にはこれからの連戦を勝ち抜いていく事しかない。今日の喜びは今日限
り、水曜にはナビスコ杯の大事な3戦目、そして土曜には上位の川崎Fとのアウェーでの闘い。その後も連戦は続く。この日のように闘っていこう。
復活の道はまだまだ険しく続くのだから。
甘い罠。
2006.04.15(SAT)
2006 J-LEAGUE DIVISION-1 8th LEG
vs KASHIMA ANTLERS
1-3 LOSE
at KASHIMA FOOTBALL STADIUM(KASHIMA)
先制、押し気味の内容、そして相手の退場。ここまでは理想的な試合運びをしていた。それなのに終わって見れば完敗。数的有利の甘い罠に勝手に
自滅した敗者とそれを見逃してくれない勝者。強いチームというものをまざまざと見せ付けられた。
4月ながらも肌寒く強風が吹くカシマスタジアムで行われた試合、序盤は清水が中盤からも厳しいチェックで相手の攻撃の芽を早目に摘む事に成功
する。そして19分には相手ボールをクリアしたボールをマルキーニョスが中盤で競り勝ちそこからドリブル、相手DFのチェックが甘いとみるやPKエリ
ア外からシュート、これがゴール左下隅決まって先制点を奪う。この後も相手のキーマンMF小笠原に対してはテルなどが厳しいチェックで仕事をさせ
ないで清水ペース。そして34分には相手陣内に攻め込み右サイドでキープしたマルキーニョスが相手DFのマークを外してファアサイドに待ち構えるジ
ェジンにクロス、これにジェジンがヘッドで合わせるがゴールポストに弾かれ、こぼれたところに詰めていた淳吾がシュートするも枠の外へ出てしま
う。
ここで鹿島が動く。37分にボランチの青木を下げてFW田代を投入する。この交替が直後に当たってしまう。41分、中盤で鹿島ボールに対してプレス
をかけるも奪えずに左サイドにボールを出されてしまい、ここにいた鹿島DF新井場がファアサイドへクロス、ニアサイドにいた鹿島FWアレックス・ミ
ネイロの動きに守備陣が引き付けられて後ろから飛び込むFW田代をフリーにしてしまいヘッドで押し込まれ同点にされる。結局このまま前半を終える。
エンドの変わった後半、やはり試合は清水ペース、中盤からの厳しいチェックと連携でサイドを崩す攻撃で何度も鹿島ゴール前まで迫る。59分には
右CKからファアサイドに流れたボールをジェジンが拾って折り返しのクロス、これにマルキーニョスが飛び出してきた鹿島GK小沢と交錯しながらもヘ
ッド、これが無人のゴールに飛ぶが鹿島DF内田篤人にクリアされる。それでも62分には右サイドでボールをキープしていた兵働に対して後ろからスラ
イディングを仕掛けた鹿島MF増田がこの日2枚目の警告で退場となる。誰もがこれでいけると思ったがここが大きな落とし穴であった。鹿島はすぐさ
ま64分にMF野沢を下げてMFフェルナンドを投入する。人数の少なくなったはずの鹿島はこの選手の投入で個々の運動量が増えて必死に清水ボールを追
いかける。一方の清水は人数が多い事が油断に繋がったのか68分に痛い失点を喫する。
69分、鹿島はカウンターからFW田代が単独突破、いったん切り返して中に進入してからファアサイドへクロス、これに和道がクリアしようとするも
しきれずバックヘッドの形で裏にいた鹿島FW本山へ、本山はダイレクトで折り返しここにフリーで詰めていたDF新井場が押し込んで鹿島に勝ち越され
る。数的有利ながらもクリアミスとマークのミスが重なり合い痛すぎる失点となった。この後、必死に攻める清水は70分に枝村から真希、75分には山
西から岡崎、77分にはテルから浩太と積極的に3選手を交替するが、守りを固めた鹿島の前に時間だけかけてパスを回すだけの攻撃で崩す事が出来ない。
そしてロスタイム、鹿島がボールを奪うと前線に一人だけ残していた途中出場のFW深井が和道と交錯しながらも突破して独走、GK西部との1対1からの
シュートを難なく決めて1-3で勝負は決まった。
終わってみれば点差以上のショックの残る結果となってしまった。数的有利が何らサッカーの試合においては意味をなさない典型的な試合になって
しまった。数的有利になるまでの積極的な攻撃は影を潜め人数が多い事への過信から運動量を怠け、その結果この敗戦では何の意味もなさない。非常
に高い授業料を払ったと言える。G大阪戦と同じようにこの日も先制したあとの決定的チャンスに決めていれば何の事はない試合だったのかもしれない。
「タラ・レバ」を言ってはキリがないがそこを決められるチームは清水に当然勝ち、上位へ進出する。逆に決められないチームはそれなりのチームに
しかならない。まだまだチャンスを決められないという点で甘さが見られた。守備にしても失点のシーンなどは全てボールを見て棒立ち。誰もが他人
任せになっているのではないだろうか。シーズン当初のようながむしゃらさが最近見られなくなっている事と無関係ではないような気もする。
そして悔しいがこの日は世界を制した監督とこれからの監督の差が如実に出てしまったとも言える。自チームの弱点を前半からでも修正してその後
に投入した選手たちがことごとく的中してしまう相手の監督。ゲームプランが崩れる自体あまりいい事ではないのだが、その時点ですぐに修正すると
いうのはやはり大事なのだろう。それでも逆転された後とは言え積極的に選手を交替して何とか流れを変えようと動いた健太監督の姿勢は今後も続け
て欲しい。残念ながらこの試合では途中から入った選手が試合の中に入っていけず空回りしていたが、それとて起用した監督、そして起用された選手、
お互いがまだまだ力が足りなかったという事。でもまだまだ先はある。ここで下を向かず、この悔しさをバネにして欲しい。
サポーターも選手以上に慢心があったと思う。相手が10人になって応援が盛り上がり、そして失点以降は盛り下がる。毎度のように選手以上に落ち
込みが激しすぎる。苦しい時に選手を盛り上げられない。または文句ばかりか声が出なくなるか。これでは劣勢を盛り返せないよね?この負けを選手
同様バネにして欲しい。
次節は首位浦和との試合。今日以上に苦しい試合が待っている。選手もサポーターも踏ん張りどころに来ているのではないだろうか。
縁の下。
2006.04.09(SUN)
2006 J-LEAGUE DIVISION-1 7th LEG
vs OITA TRINITA
4-1 WIN
at NIHONDAIRA STADIUM(SHIMIZU)
淳吾のスーパーループ、ジェジン・マルキーニョス両外国人初の揃い踏み。ずいぶん派手な結果で連敗を脱出した清水。しかし本当にチームを
支えたのは縁の下にいた。
2節連続のホーム日本平での試合。前節同様サイドから相手を崩す清水は序盤からチャンスを作る。13分には左サイドから山西のスローインを受
けたジェジンが左サイドを上がってくる淳吾に落とし、淳吾はファアサイドにいるマルキーニョスへピンポイントクロス、これにマルキーニョス
がヘッド、しかしこれは叩きつけすぎてワンバウンドしてゴールバーを越えたが圧倒的に清水ペースで続く。一方の大分は清水のプレスを受けて
まともにボールが繋げられない。そして24分には中盤で相手ボールを奪ってマルキーニョスが競り勝って中央に走り込む淳吾にパス、淳吾はこれ
をトラップして中に切れ込むとみせかけて一旦ボールをスルー、これにつられた大分MF梅田のマークを外し、大分GK西川の位置をよく見てループ
シュート、時が止まり緩やかな弧を描いたボールがゴールマウスに静かに収まった瞬間、日本平は驚きに包まれた。
この後も一方的な清水ペースで進むがアクシデントが起きる。青山が相手選手との接触で一度は復帰したもののやはり無理ということで29分に
は俊秀と交替する。しかし急遽ピッチに入った俊秀も無難にプレーし流れは変わらない。だが前節同様なかなか決められない展開で不安になって
きた41分にまたも中盤での相手のミスからのチャンスを活かす。淳吾の突破から得た左CK、淳吾がニアサイドに送ったボールにフリーで走り込む
ジェジンが体ごとで押し込んで待望の追加点を挙げる。このまま前半を終了する。
後半に入っても流れは変わらない。淳吾だけでなく兵働、枝村も自由自在に動き回りチャンスを作ると、55分にはテルのサイドチェンジを受け
た山西がフォローに来た枝村にパス、枝村がそのまま左サイドを突破、相手DFを引き付けてからマイナスに出したパスをジェジンが左足のダイレ
クトシュート、このシュートが決まって3-0とする。何も出来ない大分相手にやりたい放題の清水はまだまだ攻撃の手を緩めない。70分には右サイ
ドの森岡からのロングボール、これにマルキーニョスが大分DF三木に競り勝ちあまり角度の無いところから右足ボレー、これが決まって4-0と試合
を決めた。ところが大分の荒いプレーに清水の選手が倒される。大事をとり、淳吾とマルキーニョスを下げて久保山、康平を投入するが、最後は
中途半端なプレーが続いて88分にはゴール前の混戦で大分FW高松に粘り強くキープされて枝村と和道をかわしてシュート、これが決まってしまい
1点を返される。直後にも前線で相手選手が2人もフリーになる場面があるなど最後に不安定な守りを露呈しながらも試合の方は4-1で快勝した。
24分に見せた淳吾のループシュートはまさにこの日本平にかけつけた10000人の観客を酔わせてくれた。ジェジンとマルキーニョスの豪快なシュ
ート、2人のエースが同じ試合に揃って得点するのも初めてだったし、攻撃に関しては申し分無かった。特にジェジンは大分DF陣との空中戦をこと
ごとく勝ってくれたおかげで2列目の選手を引き出し分厚い攻撃に繋がる活躍であった。枝村や兵働の縦への積極的な突破も見せてくれた。でもこ
れらの全てを縁の下で支えていたテルが今日のMVPであろう。前後半、絶え間ない運動量で相手の攻撃の芽をことごとく潰していた。またDF陣の競
り合いの際にもカバーが光っていたしその危機察知能力は群を抜いている。この試合ではタイミングを見て前線に飛び出しクロスをあげるなど徐
々にだが昔見せていたようなプレーも出始めている。ただ守るだけでなく本来の魅力であるドリブルやシュートもこれからもっと増えてくると思
う。大分との差はまさにこのポジションの差でありその結果がこの大差に繋がったのだと思う。
一方の守備の方だが、88分までは正に完璧であった。要の青山の怪我の後に入った俊秀も全く違和感無くプレーしていたし、右SBの森岡も正確
なフィードで4点目のアシストをするなど各々が持ち味を出していた。若手の台頭で俊秀や森岡のようなベテランには耐える日々だったと思うが、
こういうアクシデントの時にそれを補える存在、縁の下の力持ちとなれる選手は非常にありがたい。こういう事を繰り返して選手層は厚くなって
いくし、そういうチームが強いチームになっていくはず。しかし、終盤ラインを下げ過ぎた結果の失点、昨年の悪い癖が露呈された。更にその直
後にも決定的なピンチを与えるなど試合の締め方は最悪であった。どんないい内容でも結果が負けなら意味が無いことを前節のG大阪戦で痛感して
いると思う。ならばこの内容では今後の上位陣との対戦では見逃してくれない。次の試合では是非とも修正して欲しい。
サポーターの方もこの日は前節の負けをいい意味で危機感に置き換えられていた。試合前にはコールリーダーよりこの試合の大事さと激が送ら
れ、サポーターもそれを忘れずに闘い、選手たちも呼応するかのようにピッチで闘った結果の快勝である。やれば出来るチーム、この気持ちで次
からの上位陣との闘いに臨もう。自分たちはいつでも挑戦者、立ち向かっていこうじゃないか。
上位陣との対戦を前に12日にはナビスコ杯もある。次々に怪我人が出て苦しい状況だが、だからこそ出ていない選手たちにはチャンスなはず。
新たな選手の台頭やベテランの奮起がチームのより一層の成長には欠かせない。そしてサポーターも平日とはいえ出来る限り来て欲しい。この日
の淳吾のような素晴らしいプレーの目撃者となろう。
当然の帰結。
2006.04.01(SAT)
2006 J-LEAGUE DIVISION-1 6th LEG
vs GAMBA OSAKA
2-3 LOSE
at NIHONDAIRA STADIUM(SHIMIZU)
ルーキーの活躍による劇的な展開も内容もすべてが吹っ飛ぶ痛い敗戦であった。でもこれは自らの力の無さから招いた結果。決めるべき時に
決められないチームには当然の帰結であった。
桜満開の日本平で行われた今季初のナイトゲーム、相手は昨季王者のG大阪。しかし、王者相手に清水は怯むことなく積極的に攻める。9分に
はジェジンのスルーパスにゴール前飛び出した枝村がシュート、惜しくも枠を外れるが、直後の10分には今度は左サイドから枝村がファアサイ
ドへ優しいクロス、これを受けたジェジンがGKと1対1からシュート、これは相手に阻まれるが序盤から積極的に攻めて流れを掴む。ところが22
分、G大阪は左サイドからMF家永が突破、対応した森岡の股を抜いたパスをG大阪MF二川に通してワンツーパス、再び受けた家永が清水DF陣の網
をすりぬけてGK西部と1対1からシュートを決めてG大阪が先制する。
このプレーからG大阪のサイドからの突破とFWフェルナンジーニョのドリブルに振り回される。次々に訪れるピンチに西部が何とかファインセ
ーブで持ちこたえる。その粘りがやがて前半終了間際に活きる。44分、敵陣のルーズボールを拾ったリーグ戦初スタメンの矢島が粘り強くボー
ルをキープしてゴール前へ、ゴール前の混戦から後ろにこぼれた球を兵働が左足シュート、このシュートが弧を描いてゴールネットに突き刺さ
りまず同点になる。さらに直後、自陣から和道がクリアしたボールをジェジンがヘッドで落としたボールに矢島がG大阪DFシジクレイのマークを
振りきって突破、G大阪GK藤ヶ谷の股を抜くシュートを見事に決めてあっという間の逆転劇で前半を終了する。
最高に盛り上がった状態で迎えた後半、しかし逆転劇の立役者矢島の姿が無い。前半に怪我を負ったようでマルキーニョスと交替となった。G
大阪は後半早い段階の53分にはMF二川を下げてFW播戸を投入して勝負をかけるがなかなかパスを繋げられない。後半に入っても流れは清水、両
サイドからのワイドな攻撃でG大阪に攻めて次々にチャンスを作りながら決められない。71分には清水は左サイドから枝村がファアサイドへクロ
ス、これをジェジンがヘッドで折り返してゴール中央で待つマルキーニョスが合わせるものの決められない。こういう展開で決められないと当
然その報いは来るわけで、直後にカウンターから右サイドを突破したG大阪DF青木がクロス、これがファアサイドに流れたところに待ち構えてい
たフェルナンジーニョに押し込まれて試合は振り出しに戻る。
清水もここで疲れの見えた淳吾を下げて純平を投入、更に84分には兵働を下げて康平と3人の交替枠を使い切るが運動量が落ちて積極的に攻め
るG大阪に防戦一方。そして86分にはまたも右サイドから青木がクロス、これを受けたG大阪FWマグノ・アウベスがトラップからDFをかわして豪
快にシュートを決められて勝ち越される。このあと清水には反撃する力はもはや残ってなく3連敗を喫した。
これだけチャンスを作りながら決めきれないのなら逆転されるのも当然の帰結であった。今年は確かにチャンスはかなり作っているが決めき
れない現状が続いていた。今まで対戦した相手ならそれでも何とか勝てたかもしれないが優勝を争うようなチーム相手には通用しない。チーム
としてはやはり決めるべき時には何としても決める。そしてもっとシュートを積極的に放つ。この点の改善を進めていって欲しい。この壁を突
き破らなければ上昇もありえないだろう。
そして守備に関してはいくら相手が昨季の王者だとしてもこの試合展開でホームで逆転負けを喫してしまうのはかなり問題なのではないだろ
うか。水曜日のナビスコ杯、新潟戦から2試合連続3失点という結果は偶然ではない。水曜日同様、抜群の個人技を持つ相手選手に守備陣全体が
振り回された。仕掛けてくる相手を何としても抜かさない泥臭いプレーがまだまだという事だろう。今まで抜群の安定感を見せていたクロスボ
ールに対する対応にしてもこの試合ではクリアしきれず失点に繋がっていた。昨年から積み上げた原点にもう一度立ち返って欲しい。
そんな中で希望を見せてくれたのはやはり矢島であった。水曜日の活躍を受けてスタメンに抜擢されたが、その期待以上のプレーを見せてく
れた。とにかく当たり負けしない頑丈なプレー、そして抜け出すスピードの速さといい、冷静にシュートを決めた点といい、久しくいなかった
日本人の大型ストライカー誕生といってもいいだろう。試合途中の怪我で残念ながら交替してしまったが負傷が癒えた後にはまた期待させても
らう。
それにしても3連勝後の3連敗は痛すぎる。さすがに試合後にはサポーターの一部からはブーイングも出たし野次も出ていた。中には拍手する
サポーターもいたし、各々この試合に対する感じ方はいろいろあったのだと思う。でもやはり逆転されてから選手と共にサポーターの方も少し
元気を失くしていた。今は本当に辛い時期だが、どんな時でもサポーターは前向きでいて欲しい。それでも試合前にコールリーダーから説明が
あったようにこの日主審を務めた上川氏がW杯の審判に選ばれた件での表彰の際に無意味なブーイングをやめようという指示が出ていたのはいい
事だ。前から疑問に思っていたが主審はあくまで試合の進行役、試合前から無意味なブーイングや野次でプレッシャーをかける事が必ずしもい
い事ではない。あくまで我々が闘う相手は違う。その点を踏まえ今後も審判に関するくだらないマイナスな行動に対してはサポーター側も自重
すべきである。
3勝3敗となり、選手もサポーターも下を向きたくなるが、次はまたホーム日本平。もう一度ここからやり直しである。
|