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Where is DERBY MATCH。

2006.07.29(SAT)
2006 J-LEAGUE DIVISION-1 16th LEG
vs JUBILO IWATA
2-0 WIN
at SHIZUOKA STADIUM ECOPA(FUKUROI)


 宿敵相手にかってないほどの完勝を収めたこの試合。しかし、無機質なサッカーの香りもしないこのスタジアムといい、絶対に負けたくない 相手だからこそ強くあって欲しいのにその期待を裏切る不甲斐ない磐田といい、ダービーマッチという言葉がどこかへ行ってしまった。嬉しい 結果だが試合後に感じた気持ちは寂しさである。

 試合前から両チームともライバル心剥き出しのメッセージ色の強い横断幕を出して絶対に負けられない雰囲気の中で試合は始まった。序盤か ら清水が豊富な運動量を武器に相手に攻撃の芽を摘み素早い攻撃でチャンスを作る。一方の磐田は個々がバラバラの状態、それでも21分には左 サイドに飛び出した磐田DF服部のクロスにCBの間にフリーで飛び込んだ磐田MF成岡がヘッド、これがきわどく枠を外れ清水は命拾いをする。終 始安定していた和道と青山もこの一瞬だけは集中力を欠いていた。しかし、その後は中央からは枝村の相手の急所をつくスルーパスでジェジン やマルキーニョスに決定的なチャンスが訪れたり、右サイドを中心に素早いパス廻しで崩してイチのクロスから何度かチャンスが訪れたりして 清水が圧倒する。そして迎えた31分。右サイドからイチが前方に浮き球のパス、これを受けた兵働がボールをキープしながら一旦下がってタメ を作って裏を上がるイチへヒールパス、磐田MFファブリシオを完全に振りきって抜け出したイチがファアサイドにあげた柔らかいクロスにジェ ジンがヘッド、これがバーを叩くもののこぼれ球をゴール前に詰めていた久々スタメンの純平がヘッドで押し込んで先制点を奪う。この後も高 い位置からプレスをかける清水に対して磐田は無意味に横へ横へとパスを出すか、スペースにロングボールを出すのみ、そのボールにも周りが 動いていない為に清水ボールになるという状態で前半はこのまま終える。
 後半開始から磐田はFW西、MF上田と2人同時投入で勝負をかけるが、流れは清水、序盤に試合を決定づける。54分、西部のロングフィードは相 手サイドまで流れてしまうが、これを拾って攻めあがろうとした途中出場の磐田MF上田にマルキーニョスが体を寄せてボールを奪おうとすると、 そのこぼれ球を枝村が拾いそのままドリブルで中央突破、全く寄せてこない相手DFをあざ笑うかのようにPKエリア外からシュート、これが決ま ってしまって2点差となる。その後は前線を厚くした磐田が右サイドからFW太田の突破でチャンスを作り、67分にはその太田のクロスにFW前田が ヘッドであわせるも守護神西部がこのボールをフィスティングのファインセーブ。その後も青山と和道の体を張った守備と守護神西部のセーブ で数少ない相手の決定機にも防いでゴールに鍵をかけた。70分には疲れの見えた純平を下げて久保山を投入した清水。磐田の方も75分に最後の カードで船谷を投入するが、清水としては切り札であるFW中山、MF名波の投入でなかった事は非常に助かった。その後もこの交替で流れは変わ らず、中盤より後ろのプレスが甘い磐田に対して清水はサイド、中央突破とバランスよく攻撃。テルと枝村の落ち着いたパス廻しで磐田の急所 をついて相手を走らせる。しかし今日の清水はジェジンもマルキーニョスも決定力がなく、ジェジンにいたってはフリーで持ち込んで放ったシ ュートも相手GK川口に防がれる状態。マルキーニョスも素早い反転から見事なシュートを放つがGK川口のファインセーブに遭って得点には至ら ない。それでもその後も終始圧倒して、磐田の選手たちは試合終盤歩く選手が続々と現れ、絶対に負けられないはずの試合で追いかける立場の チームに諦めさせるぐらいの完勝で試合は終わった。

 攻守に皆がよく動いてかってないほどの快勝を見せてくれた。その立役者で今日のMVPはやはり枝村であろう。守備と攻撃で黒子に徹してサポ ートするテルに勇気付けられたのか今日は積極性もありつつ正確なプレーができていた。以前は大きく枠を外したり、無理に変化をかけて狙っ たシュートがあったが今日の得点シーンはあれこそ理想の中盤の選手のゴールシーンであった。また、序盤は相手を引き付けてから急所を狙っ たスルーパスでチャンスを演出するなどマルチな才能を見せてくれた。U-21日本代表としてにエスパルスとしてもこれから柱になっていくべき 選手としてまだまだこんなもんじゃないはずだし、スケールの大きなプレーをこれからも見せて欲しい。また右サイドの兵働とイチの連携も見 事であった。前線でタメを作る味方を信じて何度も上下動を繰り返すイチの動きは中断明け以降完全に本来の姿に戻ってきている、課題のクロ スに関してもそういう余裕が出てきてニアに速く送ったり、正確にファアサイドに送ったりとバリエーションも増えている。それをサポートし つつ自身も積極的に狙う兵働の動きもまたよかった。また久々のスタメンの純平にしても得点シーンは何故かゴール中央にいた。ああいう場面 で何度もこぼれたまに誰も反応できていなかっただけに得点の嗅覚というかそういうものを感じさせてくれた。久保山にしても純平にしても下 から這い上がってきたものの活躍でまた競争が活発となる事は実にいい事だ。
 守りの方も序盤に一度だけかなり危ないシーンはあったもののそれを除けば完璧な出来であった。相手が山西のサイドを何度も狙っていたが 古巣相手に燃えていたはずの山西は粘り強い守りで頑張っていた。それが和道や青山、西部への負担を減らしていたように思う。和道と青山に しても体を張った守りで相手を自由にさせなかったし、数少ないピンチには西部が立ちはだかってくれた。本当に頼もしい守備陣になってきて いる。だからこそ最初に述べたように唯一のミスを追及して更に安定度を増して欲しい。ちょっとした油断で京都戦のような今考えれば有り得 ない敗戦に繋がる事もあるのだから。

 今日は宿敵との対戦という事で清水サポーターの方でもこの試合限定の横断幕が出されていた。当然相手のサポーターもそういう横断幕が出 されていてやっとお互いが絶対に負けられない相手だとの認識が出来つつあったのだが、あまりにも不甲斐ないかっての王者にがっかりさせら れてしまった。宿敵だが、強くあって欲しい。そうでなければ何もこの試合に燃えてこない。また、相手は試合前から競技場のルールを破った 横断幕の掲示をして問題を起こしていた。結局こちらのサポーターが乗り込んで問題が大きくなってしまったが、そんな問題よりもこの問題の 本質はダメなものはダメだとちゃんと徹底させられない清水の運営側にある。こういうやってはいけない事に毅然とダメと言えないようなフロ ントでは今後も相手になめられてこういう問題が起こると思うので運営には反省してもらいたい。
 でもね、この熱気が伝わらない無機質な国体用スタジアムでやっている限り、年を重ねる毎にDERBYなんて言葉は薄れていってしまう。お互い が素晴らしいサッカー専用スタジアムを持っていて、それぞれ味があるのに使わない。DERBYなんて言葉よりもお祭りにしたいのだろうし、仲良 く儲けのみをお互いのフロントが求めているんだろうね。清水・磐田の名とプライドを賭けて絶対に負けられない闘いを行う場所が袋井のスタ ジアムなんてこんな滑稽な事は無いよ。それでもクラブはこのスタジアムで試合を続けるのならば永遠にDERBYは戻ってこない、悲しいけどそん な気がするのだ。

 Jリーグはこれでまた1週空いて、8月中旬に再開する。次の試合でとりあえず今季対戦1巡目が終了する。苦手のアウェーがこの後も続くけど、 この連勝を続けて少しでも上位に食い下がろう。そんな可能性を今日は見せてくれた。次節は広島、ビッグアーチでは95年以来勝っていない鬼 門の場所、だからこそ今日のホームゲームのように少しでも多くのサポーターに来て欲しい。今、チームは本当に頑張っている。今度はサポー ターが頑張る時。



テルドーナ。

2006.07.26(WED)
2006 J-LEAGUE DIVISION-1 15th LEG
vs AVISPA FUKUOKA
2-1 WIN
at HAKATANOMORI FOOTBALL STADIUM(FUKUOKA)


 テルドーナ、かってそう呼ばれていた男がそれにふさわしいプレーで流れを変えた。今季リーグ戦初の逆転勝利はチームを影で支える選手が 表に出た事によって成し得た。苦しい連戦を連敗でなく5分で乗り切った事は後々大きくモノをいうはず。

 前節のアウェー京都戦からわずか2日後のこの試合。前節警告を受けて累積による出場停止の兵働のポジションには久保山を起用して試合に 臨む。その試合だが、序盤から福岡の非常に早いプレスにピンチが続く。2分には福岡の左サイドからの攻撃、福岡DFアレックスのクロスをDF 陣がブロックしたこぼれ球はFWバロンがシュート、これは西部のセーブに救われる。だが更に7分にはロングボールをFW飯尾が落としたところ にまたもFWバロンがノートラップシュート、これも西部のファインセーブに救われるがたて続けに相手にチャンスを与えてしまう。終始劣勢の 状況で耐えていた清水だがジェジンが難しいバウンドをノートラップシュート、これがゴール右ポストを叩くなど反撃を見せる。しかし23分、 福岡が中央約30mぐらいの長い距離からFK、キッカーの古賀が直接狙ったシュートが清水のDF陣に当たってこぼれたところに誰も反応できず福 岡DF千代反田がシュート、飛び出したGK西部の脇をすり抜けて決まってしまう。
 早くも先制点を許した清水だが、ここから反撃を狙う。この日は相手との競り合いにことごとく勝つジェジンを起点に久保山や淳吾、枝村と いったあたりが積極的にジェジンの落としたところに絡んでチャンスが生まれる。37分には和道の正確なフィードをマルキーニョスが受けて久 保山へ、久保山がそのままドリブルで上がって相手DFを引き付けて再び右から飛び出すマルキーニョスへスルーパス、これを受けたマルキーニ ョスが狙い済ましたグラウンダーのシュートを放つが今度はゴール左ポストを弾くなど、いい流れになりつつも同点に追いつけないまま前半を 終了する。
 迎えた後半、前半の高い位置からの早いプレスで清水を圧倒していた福岡が急に運動量が落ちる。右サイドから中に切れ込んだイチが無回転 のミドルシュートを放ち、相手GKが真正面ながら弾くのに精一杯の惜しいシーンから始まり、55分にはジェジンがヘッドで後ろに流したところ に飛び出したマルキーニョスが強引にシュート、これが相手DFに弾かれるが徐々にプレスが甘くなってきた福岡に対して清水が隙を見逃すほど 甘くはなかった。59分、右サイドのイチからのスローインを受けた久保山が相手DF2人に囲まれながら反転してその裏のスペースへ飛び出した テルにパスを通し、テルはそのままドリブルで持ち込んで強烈なシュート、寄せてきた相手DFも弾いてボールはゴールネットに突き刺さり同点 に追いつく。リーグ再開以降積極的な飛び出しが目立ち始めたテルの素晴らしいシュートで試合の流れと行方は決まったのかもしれない。更に 63分、今度は相手の不用意な横パスをDFの和道が飛び出してインターセプト、そのまま一旦枝村にパスして再び上がってボールを受けた和道が マルキーニョスに絶妙なスルーパス、これを受けたマルキーニョスは飛び出してきた福岡GK水谷の上をふわりと越えるシュートを決めてあっと いう間に逆転する。この後は前線の人数を増やしてパワープレーを狙う福岡に対して清水は次々に選手交替で対応する。71分には疲れの見えた マルキーニョスを下げて矢島、74分には負傷した淳吾を下げて純平と次々にフレッシュな選手を入れて決して引く事無く対応する。そして82分 には守りの最後の切り札俊秀を投入して難なく逃げ切りに成功して前節の嫌な流れを断ち切った。

 とにかくテルの閃きに尽きる。今日のMVPも文句無くテルであろう。相変わらず守備で厳しい時間帯に一番動いて相手の芽を摘む衰え知らぬ 運動量もそうだが、今回は相手の運動量が落ちた瞬間を狙ってスペースへ飛び出しシュートも決めてくれた。あの時間帯にあの得点があったお 蔭で清水は落ち着くことが出来て、福岡は混乱を招いた。今日の試合でリーグ戦350試合出場を達成し、試合前にはサポーターから真っ先にコ ールがとんでいたが、これから先も記録を伸ばし続けてやがてJリーグの記録を作ることになるだろう。また、久々にスタメンで登場した久保 山も前節の同点ゴールの勢いそのままキレのある動きでチャンスを作っていた。しかも最後一番辛い時間帯にテルと共にボールをしつこく追い かけて最後まで闘い続けた事も大きい。リーグ戦再開後全く点が取れてなかったFW陣もマルキーニョスが1得点、またジェジンとそろってポス トに当てるシュートもあったし徐々に調子が上がってきているのではないだろうか。また、テルと同様にリーグ戦区切りの200試合出場を果た し試合前には祝福のメッセージ横断幕を出されていたイチもサイドへのスペースに何度も飛び出してチャンスを作り自らシュートを放つなど再 開後は試合を重ねる毎に動きが良くなってきている。
 守備陣では何といっても西部の活躍に尽きる。前半たて続けに訪れたピンチを防ぎ、失点後も次々にピンチがあったものの1点に抑えた結果 がこの勝利だと思う。また和道にしても正確なフィードで何度か決定的な場面を演出し、決勝点に繋がったスルーパスは中盤顔負けの見事なも のであった。ただし、守備陣全体に言えるのはまだまだボールウォッチャーになってしまう事。前節京都戦が同じような失点で痛い星を落とし たように、今回も同じようなこぼれ球からの失点。集中していても一瞬の油断が命とりになる事を忘れないで欲しい。

 それでも今日は勝った事が全て。サポーターも平日の九州でのナイトゲームという事でかなり寂しい状況であったがみんなが決して諦めずに 前向きになっていた。ハーフタイムにも全然まだまだこれからという空気に満ちていたし、それは選手と同様に前向きに闘えた事になるのかな。 次もアウェーのようなものだが、一人でも多くのサポーターで選手の後押しをして欲しい。週2試合の連戦も4試合目になる次の試合はかなり選 手にとっては厳しいはず。そういう時に力になるはずだから。



自信と過信。

2006.07.23(SUN)
2006 J-LEAGUE DIVISION-1 14th LEG
vs KYOTO PURPLE SANGA
1-2 LOSE
at NISHIKYOGOKU ATHLETIC STADIUM(KYOTO)


 前節の劇的な勝利も全て水泡に帰した。下位に低迷する相手に対して選手もサポーターも明らかに慢心があった。自信が過信に変わってし まっては結果は明らかであった終わってみれば強い者が勝つのではない、勝った者が強いんだという事を思い知らされた。

 雨が降り続き、それでいて京都特有の湿気の中で試合は始まった。前節の勝利で勢いに乗る清水は今日も両サイドを幅広く使った攻撃でチ ャンスを作る。前半10分過ぎには淳吾の強烈な左足ミドルシュートがバーを叩くと15分にはオーバーラップしたイチが遠目の位置からミドル シュート、これは京都GK平井のファインセーブにあうが終始ボールを支配する清水ペースで進む。だが、しっかり引いて守る京都の守備陣に 対してスペースを狙った素早い攻撃ができない為に楽にさせてしまう。ならばと枝村や淳吾が遠目から積極的にシュートを放っていくのだが、 これらのシュートが枠を捉えられない。何だか気候同様のもやもや感のまま前半を終えた。
 後半に入っても引いて守る京都に対してボールを支配しても攻めあぐねる清水という図式が変わらない。京都も意図のない攻撃でバラバラ の印象だったのだが60分には右サイドからMF加藤のクロスを受けたFWパウリーニョが抜け出してGK西部と1対1、このシュートを西部がファイ ンセーブで防ぐが、徐々に焦りが出てくる。単調な攻撃で崩す事ができない為に清水は63分には淳吾を下げて久保山、更に75分にはジェジン を下げて矢島を投入するものの打開を図れない。
 そして81分、京都は左サイドからのクロスをあげるが、これは難なくクリアと思われたがクリアしきれずこのボールが右サイドに流れてあ げられたクロスをファアサイドにいた京都MF中払が折り返し、これに詰めていたFWアンドレがシュート、これが決まってしまい京都に先制を 許す。しかし清水も86分には相手のパスをインターセプトしたテルが素早く左サイドをあがる兵働へパスを通し、これを受けた兵働のクロス をGKがパンチングしたこぼれ球にゴール前詰めていた久保山がシュート、京都守備陣が必死に足を出したが皮肉にもそれがGKの前でコースを 変えてくれてゴールが決まって同点に追いつく。
 これで試合は振り出しに戻るのだが、88分に京都は左CKのチャンスを得る。ここからあげられたクロスを和道がハンドという判定でPKと警 告を宣告される。京都FWアンドレがPKを蹴ろうとした時に京都はなぜか選手交替、これがアンドレと西部の両者の立場を逆転させた。味方チ ームからの余計な邪魔が入ったアンドレのシュートはコースが甘く、これを西部がスーパーセーブ。これに沸き立つ清水側ゴール裏と選手た ち。これが皮肉にも浮ついた気持ちと集中力の欠如に繋がった。直後の左CK、あげられたクロスに誰も触れずにファアサイドに流れてしまい 折り返されたボールをゴール真正面で待っていたFWパウリーニョへ、パウリーニョが難なくこれを押し込んで再びリードを許す。慌てて浩太 を投入した清水だが時既に遅く、残り時間はCKとスローインをキープした京都に逃げ切られてしまった。

 終わってみれば負けて当然の内容。守備は中途半端で相手に簡単にシュートを許してしまったし、絶対に集中しないといけない時間帯にPK セーブでチーム全体が浮かれて直後に失点。何度同じような失敗を繰り返せば気が済むのだろうか。もう一度上位陣と対戦する時のような激 しく闘い、そして集中して助け合う守備を見たい。
 攻撃の方も負けて当然の内容。せっかくのチャンスに味方はフリースペースに走り出さない。相手に囲まれそうになった選手へのフォロー が足りない。自分たちが頑張るサッカーをしなくては相手にとっては楽なもの。京都は確かに攻撃の意図は感じられなかったが時間が経つに つれて個々が必死に闘っていた。ボールへの執念とかそういうものが最後に結果となって表れた気がしてならない。
 また引いた相手に対してミドルシュートを打つという積極性は非常に買えるのだが、淳吾にしても枝村にしてももう少し精度を考えて欲し い。それができれば更に攻撃の幅が広がる。初めから入らないシュートを打っていては守っている相手にとっても助かってしまうだけだ。

 今日は日曜の夜のアウェー、しかもあいにくの天気という事もあって清水側のゴール裏もやや寂しい入りであった。選手と同様、サポータ ーにも絶対に相手を見て慢心していたと己の心の弱さを反省した方がいい。点を取られてからの必死の応援ができるならその前にできただろ うし、それができなかったのはやはりどこかで相手を甘く見ていたのだろう。そのツケはかなり重い。

 これで再開後1勝1敗、次節はまたもアウェー福岡である。しかもわずか3日後の試合という事で選手たちもこのまま福岡へ移動して調整する という。横浜M戦の劇的な勝利を意味あるものにする為にはここで立ち止ってばかりはいられない。今こそ選手もサポーターも奮起する時である。



一歩前進。

2006.07.19(WED)
2006 J-LEAGUE DIVISION-1 13th LEG
vs YOKOHAMA MARINOS
1-0 WIN
at NIHONDAIRA STADIUM(SHIMIZU)


 再開後の大事な初戦、どんなにいい内容でも結果がとにかく欲しかった試合で最後の最後に勝ちきる事ができた。毎年繰り返される中断後 の低迷、接戦での弱さ、それらを全て乗り越えたこの勝利はまさしくチームがまた一歩前進して新たなステップへと進む勝利になった。

 W杯の中断も明けて久しぶりに日本平での試合、清水は中断前と同じ布陣で試合に臨む。試合の方は序盤から清水が圧倒的に攻める。1分に は中盤でボールをカットするとそれを拾ったマルキーニョスがDFの裏へ走る淳吾に絶妙なスルーパス、抜け出した淳吾がシュートを放つもこ れは枠の外へ。2分にはカウンターから枝村が決定的なチャンスを作りシュート、これも枠を外れる。7分には左サイドから切れ込んだ淳吾に 右足ミドルシュート、これは今度はバーに弾かれる。これらのプレーが象徴するようにチーム全体が高めの位置からプレスをかけて素早い展 開を狙う。この流れで前半は何度も清水が決定的なチャンスを作る。両サイドも対面の選手を抑えただけでなく裏のスペースを何度も狙って 終始圧倒する。しかし決定的なチャンスで決めきれない悪い意味でのいつもの流れ。それでも守備の方は4バックが安定。青山と和道が横浜M のFW久保、マルケスを完璧に封じて前半は両チーム無得点で終える。
 そして迎えた後半、この蒸し暑い気候のせいなのか後半に入って両チームの動きが急激に落ちる。清水も中途半端なパスミスなどで一気に カウンターを食らうなど危ない場面が続く。55分には横浜Mがファウルからの素早いリスタートでFW久保が抜け出してシュートも枠の外で助 かるがチーム全体が集中力に欠ける場面が目立つ。横浜Mも62分には中盤で完全に消えていてくれた清水を下げて吉田を投入。清水も68分に は足を負傷したMF枝村を下げてMF浩太を投入する。更に横浜Mは77分に久保を下げてハーフナー、84分にはマルケスを下げて平野と早目の選 手交替を打つがいるだけで怖いはずの2トップを下げる消極的な交替策に助けられる。
 しかし、試合の方はセットプレーのチャンスこそあるものの単純に放り込むだけで横浜MのDF陣の高さに弾かれてチャンスを作れない。時 間だけが過ぎていくが清水は87分に運動量の落ちたMF淳吾を下げてFW久保山を投入して更に前線の人数を増やして勝負に出る。この姿勢がロ スタイムにようやく実る。中盤でマルキーニョスが粘ってボールキープから右サイドを駆け上がるイチにパス、イチがそのままドリブルで持 ち込んであげた低いクロスがゴール前のジェジンの足元へ、ジェジンが相手DFにユニフォームを掴まれながらもキープして後ろからフリーで 走りこむ兵働へ、兵働が左足で優しく振りぬいたボールはゴールの枠のスペースへ吸い込まれ、GK榎本達也はただそれを見送るだけであった。 この直後にマルキーニョスを下げて俊秀を投入して守りを引き締めようとした清水だが相手にもはや反撃する気力は残っていなかった。そし てすぐに試合終了の笛、清水が5年ぶりに横浜Mに勝利した。

 ロスタイムの決勝点という痺れるような試合だったのだが、厳しい事を言えば決めるべきところで決められなかったからであって、その点 は反省して欲しい。それでも前半の素早い展開は今後の上昇を予感させるに十分なものだった。メンバーは中断前と変わっていないのだが、 時間を経て作り上げた連携と個々の能力アップの積み重ねでこれだけかっての王者相手に圧倒するサッカーが出来た事は自信にしていいだろう。
 その中で今日のMVPはテルであろう。今年は本当に彼の豊富な運動量と確実な潰しが目立っている。これが他の選手の思い切った飛び出し を引き出しているし、前半には久しぶりにテル自身のゴール前への飛び出しも出てきた。お互いが連携をとれればテルのこういう場面はこれ からまだまだ増えるはず、もともと素晴らしいドリブラーであるテルのこういう姿勢がもっと出てくれば更に進化をとげたチームが見られる。 また、決勝点を挙げた兵働、それに繋がるクロスをあげたイチもよくやった。前半からこの2人が対面の横浜MのMFドゥトラに対して完璧に封 じて逆に相手の裏を狙ってチャンスを作っていた。特にイチは後半は何度もロングランからチャンスを作るなど久々に彼らしいプレーを見せ てくれた。
 決勝点に繋がるポストプレーを果たしたジェジンもこの試合では一貫してクサビ役として献身的な動きをしていたのが目立った。試合前に は韓国代表として世界の舞台で闘ってきたジェジンに対してゴール裏からは大極旗が出され、選手入場後にも花束が渡されるなどサポーター も世界を経験したジェジンの今後のプレーに非常に期待しているのだが、その一端を今日は見せてくれた。
 また完封勝利を果たした守備陣もよくやった。青山と和道が高さと激しいプレーで相手FW陣をほぼ完璧に封じていた。更に横浜Mが真ん中の 高さを嫌ってファアサイドへクロスをあげてきた時には右のイチ、左の山西も加わり体を張った激しい守りで嫌な展開の試合を耐えていた。 唯一の不安な点は55分にあった素早いリスタート、こういう集中力が欠けた場面はなくしていって欲しい。
 厳しい事も書いたけど、ここ数年の清水はこういう試合展開でロスタイムに失点するか、良くても引き分けにしかならないなど勝負弱さが 非常に目立っていたのだが、今日はその壁を乗り越えた。最後のゴールシーンは足が止まった相手に対してチーム全体が諦めずに走った結果 である。チームとして一歩前進したこの勝利を自信にしていいと思う。

 サポーターも久しぶりの日本平という事で平日のナイトゲームの割りにはよく集まっていた。そして最後の得点もサポーターがみんな諦め ていなかったからこそだと思う。やっぱり日本平だからこそ何かが起きる雰囲気になるし、サポーターもそれを信じて何かを起こそうと燃え るもの、素晴らしい自分たちの城を改めて認識できた。しかし、クラブは次の大事なホームゲームをこの城から捨ててしまう点は残念でなら ない。ダービーという最高であるべき試合を単なる磐田戦にしてしまったのだから・・・。

 チームの方はここから毎週2試合の厳しい日程が始まる。しかも京都と福岡のアウェー2連戦である。今日の勝利は今後の2試合に対して自信 にはなる。だけど下位2チームが相手だからと己の力を過信する事無く臨んで欲しい。サポーターもまたしかり、遠隔地だが一人でも多くのサ ポーターがこの感動を味わう為にも共に戦おう。一歩前進の日々はまだまだ続く。