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有終の美。

2006.12.02(SAT)
2006 J-LEAGUE DIVISION-1 34th LEG
vs SANFRECCE HIROSHIMA
3-0 WIN
at NIHONDAIRA STADIUM(SHIMIZU)


 秋からの大事な時期に優勝争いから脱落し、悔しいままでシーズン終盤を迎え、Derbyで屈辱の敗戦。それらを払拭するとまではいかなくても少し でも解消するような快勝、有終の美を飾った。選手と監督の頑張りの結果としてリーグ戦4位に終えた事を自信にしていいと思う。だが明日から残り のタイトル天皇杯、そして来季へのスタート躍進から継続へここからが本当に苦しい闘いの始まりなのかもしれない。

 今季最後の日本平、スタンドには先月母親を亡くされた健太監督を励ます為に現役時代の横断幕が久々に出されるなどチーム全体が消化試合である はずのこの試合に強い決意を臨んで試合を向かえた。そして試合は始まるが決意とは裏腹に序盤は両チームが連携ミスなどでバタバタした印象の試合 になる。15分には中盤でミスからボールを奪われて広島の素早いカウンター、左に飛び出した広島MF森崎浩司が西部と1対1、しかしこのピンチに思い 切って飛び出した西部が体に当ててピンチを防ぐ。すると試合の流れは清水に傾き、16分には左サイドから岡崎がドリブル突破、ここへ広島DF戸田が 岡崎を手で止めてイエロー、そしてそのFKからCKを奪う。17分、左サイドからのCK、キッカーの淳吾が中央にあげたクロスに相手DFのマークを振りき ってフリーのジェジンが叩きつけるヘッド、これが決まって清水が先制する。更にその2分後には左サイドに流れたボールを必死にジェジンが走り触 れた瞬間に戸田がジェジンの足をスライディングでひっかけて2枚目のイエローで退場。かって清水にいた男の自滅とも思えるラフプレーが試合を大 きく清水へと傾けたのは何とも皮肉な話しだ。その後も両サイドから大きな展開でチャンスを作るのだが、28分にはイチからファアサイドへのクロス をジェジンがヘッドで折り返したところで待っていた枝村がシュートミスするなど、なかなか追加点が奪えないまま前半を終了する。
 後半が始まってもなかなか試合を決められない清水は58分には岡崎を下げて久保山を投入する。結果的にこの采配が当たる。70分には中盤で枝村が 相手をチェックしたところこぼれ球をジェジンが奪い去り左サイドに抜け出した久保山にパス、久保山がドリブルでPKエリアまで持ち上がり相手4人 を引き付けてから中央で待ち構える枝村にパス、枝村がこれを難なく決めて大きな追加点を奪った。更に73分には中盤でボールを奪ったテルから縦に 抜け出す淳吾へ正確なフィード、これをキープした淳吾が左に流れたジェジンにパス、ジェジンはPKエリア外から対峙するDFを嘲笑うかのようなカー ブをかけたシュート、これがGKも全く反応できないゴール右上隅に突き刺さり3-0となった。その後も危なげない試合運びで86分には枝村を下げて康 平、ロスタイムには足をつった平岡を下げて岩下を投入し、今季最終戦を見事な完封勝利で飾った。

 1点を獲ってから相手が1人減りながらもどかしい展開ではあったが終わってみれば快勝であった。今日のMVPは文句なくジェジンであろう。今年終 盤になってPK以外でなかなか点が取れずにいたが最後に打点の高いヘッドと言い方は悪いがらしくない技ありのゴールで2得点。今季も終わってみれ ば16得点とFWとしての面目躍如であった。ここまで来れば今後はもっと高い要求もしていきたい。優勝するチームになっていくにはここぞという時や 苦しい場面、強いチームとの対戦でどんな形でも泥臭くゴールを挙げて欲しい。コンスタントにもっともっと点を獲って欲しい。それがなければ清水 のこれ以上の上昇だって厳しい。きっと出来ると思うからこそ要求したい。また、同じように最近得点の無かった枝村も久々のゴールであった。前半 から惜しい場面もあったしここ最近見られなかった得点への高い意欲が後半の得点に繋がったと思う。中盤の選手ながら9得点は立派だったと思う。 守備陣も最後に久しぶりの完封勝利。序盤危ない場面では西部の体を張ったセーブが大きかった。更にこの試合では平岡の奮闘が目立った。影のヒー ローであったと思う。高い得点能力を持つ広島FW佐藤寿人相手にしっかり守れていたし、和道との連携も良かったと思う。このまま成長していけばCB 陣は高いレベルの競争になるのではないかと期待せずにはいられない。

 試合後に行われたエンディングセレモニーで健太監督、山西主将が4位という成績に対してサポーターに感謝をしていたが、こちらこそ監督と選手 に感謝の一年だった。昨年の地獄の苦しみから這い上がった監督と選手は精神的にも一回りも二回りも大きくなっていた。タフな試合もいくつか乗り 越えての躍進は自信にしていいと思う。だけどこの好調だってちょっとした事で狂うかもしれない。前年調子が良かったチームがあっさり降格してし まうJの世界、この結果は自信であって過信にせずに次のステップを踏んで欲しい。4位だけど優勝争いにほどんと絡めなかった4位だし、磐田に負け た悔しさはまだまだ残っている。もちろん一気に頂点なんて事はたやすい事じゃない。それはサポーター自身も自覚すべきことであって、健太監督就 任時から歌われ始めた応援歌の通り、共に行こう、いつまでも、俺たちがついているという気持ちを持とう。

 そしてリーグ戦を終えてもまだ天皇杯がある。アジアへ繋がる舞台。そして元日国立へ。最後まで勝ち続けて有終の美を飾ろう!



負けた事実。

2006.11.26(SUN)
2006 J-LEAGUE DIVISION-1 33rd LEG
vs JUBILO IWATA
0-1 LOSE
at SHIZUOKA STADIUM ECOPA(FUKUROI)


 Derbyにおいては結果のみ。いい内容だった・・・、審判の判定が・・・、とかそんなものは結果の前では何にも意味をなさない。負けは負け。 その事実の重さを感じなければ何も残らない。

 試合前から対面のサポーターから大きな挑発フラッグが出されるなど形だけはDerbyの雰囲気の中で試合は始まる。マルキーニョスの怪我で今回 の試合には岡崎がスタメンに起用される。試合の方は立ち上がりから清水ペース。6分には山西のロングスローを岡崎が胸で落としたところにジェ ジンがシュート、これは磐田GK川口に抑えられる。9分には素早いリスタートから右サイドへ上がったイチがニアサイドへクロス、これに飛び込ん だ岡崎がヘッド、しかしこれも磐田GK川口に弾かれる。序盤立て続けのチャンスに決めきれないもどかしさはあるもののその後も両サイドが相手の 裏をついてチャンスを作る。守っても相手の2トップに対して危険なエリアでは全く仕事をさせず外に押し出すことに成功して前半を優位なまま終 了する。
 そして迎えた後半、48分には淳吾が右から中央へとドリブルしてPKエリア外から絶妙なループシュート、GK川口の手を越えたボールは無情にもバ ーに嫌われて得点できず。すると磐田も選手交替でシステムを変えて対応しだして迎えた57分、磐田の右サイドからの攻撃を何とか凌いでクリアす るもののそのボールを磐田FW太田吉彰に拾われてクロスをあげられ、それに飛び出したGK西部が弾いたボールがゴール前に詰めていた磐田MF福西へ、 飛び出して倒れていた西部と福西が交錯、主審の判定はPK。このPKを磐田FW前田に決められて先制を許す。ここで清水もようやく動いて65分に純平 を下げて康平、更に終盤82分には枝村を下げて圭輔を投入するが焦りからかチャンスこそあるもののラストプレーの精度が低くて決定的なチャンス にはならない。87分には山西を下げて平岡を投入し、本来はCBの平岡を前線に残しパワープレーを仕掛けるものの最後まで決定的なチャンスは生ま れず試合終了。

 冒頭でも述べたように内容は良かったとか審判のせいだとかそんな言い訳はもうたくさんだ。どんな内容でも相手は勝負にこだわって勝ちを手に した。そしてこちらは勝負に負けた。これが事実。失点シーンもクリアボールを拾われてのPKであるし、こういう勝負では一瞬の集中力の差が明暗 を分ける事は分かっていると思っていたがまだまだ甘過ぎるという事。そして攻撃陣に関しても序盤の取れる時に点が取れなかったツケ。こういう 展開ではちょっとした事で失点してそれで試合が決まってしまう。だからこそ本当に大事なチャンスを逃してる甘さが残念であった。

 それはサポーターに関しても同じで、試合終了後に挨拶に向かう選手に対して拍手する者までいた。信じられなかった。どんな時でも負けちゃい けない、勝ち続けるしかないのがDerby。それに負けた事実はどんな時でも重い、そして許されないはず。それなのに負けた事実に対してサポータ ーも選手もどこかその事実から逃げて安易に選手へ拍手したりコールしたりしていないだろうか?反対側のゴール裏では久々の勝利に試合終了後は ここ2年ほどこちらが歌っていた歌を歌っていた。その姿を目に焼き付けて欲しい。悔しいだろ?悔しいからこそ悔いを残さないように闘っていか なくてはならない。今日の差は負け続けて悔しさを持っていた者と勝ち続けて負ける悔しさを忘れてしまった者との差であった。負けて気付くなん て悔しいがみんなそろそろ目を覚まそう。「Derby。それは永遠に負けは許されない誇りをかけた闘い。」これを忘れてはならない。

 リーグの方は次節いよいよ最終戦となる。Derbyで負けた事実は重くのしかかるが、次からが天皇杯、来季、そして次のDerbyに向けての新たなス タートとなる。いま一度初心に戻って立ち上がろう。



降臨から君臨へ。

2006.11.23(THU)
2006 J-LEAGUE DIVISION-1 32nd LEG
vs KAWASAKI FRONTALE
4-3 WIN
at NIHONDAIRA STADIUM(SHIMIZU)


 前節降臨した10番が今日は君臨。まさしく一人で聖地を支配し試合を決めてしまった。驚くべきスピードで淳吾が10番たるプレーを示し始めている。 最後まで諦めない相手に苦しめられても結果として連勝を果たし、気持ちの面ではいい状態で次の絶対に負けられない闘いへと歩みを進める。

 試合は序盤から積極的にプレスをかける清水ペースとなる。サイドでもボールを繋いで徐々に相手を押し込んでいくと17分には右サイドから淳吾のパ スを受けたイチが前線のマルキーニョスにパス、マルキーニョスが相手DFと交錯してこぼれた球を上がってきた淳吾が拾ってそのまま持ち込み左足のミ ドル、これが川崎FのGK吉原の手に当たりながらも入り清水が先制する。その後もサイドで有利に立った清水のチャンスが何度か続く。守っては川崎Fの FWジュニーニョと我那覇をDF陣が集中して対応し、中盤でもプレスをかける事でこの2人と他の選手の分断に成功して優位に進める。ところが36分、相 手DFからのロングフィードをFW我那覇が落とし、これを受けたジュニーニョから右サイドから上がってきた川崎FのMF中村にスルーパス、これを受けた 中村が西部のニアサイドを狙ってシュート、これが決まってしまい同点に追いつかれると流れが変わる。2列目、3列目の飛び出しに対応が遅れてピンチ が続き、嫌な流れで前半を終えた。
 重い雰囲気で迎えた後半、しかしまたも10番が魅せる。47分、左サイドからオーバーラップしてきた山西のクロスが川崎FのDF寺田にクリアされるも これをPKエリア外で拾った淳吾がGK吉原の位置をみてすかさずループシュート、これが懸命に手を伸ばす吉原をあざ笑うようにゴールマウスに吸い込ま れて勝ち越す。淳吾の素晴らしいゴールに盛り上がっていたゴール裏だがここで落とし穴が・・・直後のプレー、FW我那覇のポストプレーから左サイド を上がってきたMF西山のクロスにフリーで飛び込んできたMF谷口のヘッドが決まってしまう。一瞬の出来事にゴール裏も静まり返るかと思いきやサポー ターも選手同様気持ちを切り替えると今度は49分、右サイドでFKのチャンス、キッカーの淳吾が前線に送ったフィードに惜しくも合わせられずGK吉原に キャッチされるが西村主審の笛が鳴る。ジェジンと相手選手の交錯がファウルとみなされてPKの判定、盛り上がるゴール裏、騒然とするピッチ。納得の いかない相手選手の抗議の間、PKスポットでボールを手にジェジンが待つ。52分、何としても決めたいという気持ちの見えるジェジンにゴール裏も静か に見守り迎えたPK。このPKは吉原に弾かれるがこぼれ球をジェジンがヘッドで押し込んでようやく勝ち越す。
 リードしたもののここからが厳しい闘いの始まりであった。56分、カウンターから淳吾が左サイドに開くマルキーニョスへパス、これをマルキーニョ スが追うが途中で歩みを止める。脚の負傷で直後にピッチを退いて岡崎と交替してしまう。その後も前半と違ってサイドで押し込むのは川崎F、積極的に 仕掛ける相手の攻撃にズルズルと下がってしまうがCBの2人が必死に跳ね返し続ける。72分には山西も怪我の為か森岡と交替するなど満身創痍の清水、そ れをまたまた救ったのが10番であった。セットプレーからのこぼれ球を再び繋いで右サイドに開いていた淳吾にわたり、淳吾が川崎FのMF西山のマークを かわしながらドリブルで中へ切れ込んでPKエリア外から左足で振り抜いたシュートがニアサイドに突き刺さりハットトリック達成。その後も必死に反撃 する川崎Fの攻撃に何とか耐えていた清水だがロスタイム、右CKから中央全くのフリーで待っていたMF谷口にヘッドを決められて再び1点差となる。しか し、その後は焦った相手のラフプレーや時間稼ぎで何とか逃げ切りに成功した。

 まさか2試合続けて10番の10番による10番の為の試合になるとは思わなかった。今日のMVPは文句なく淳吾である。積極的に飛び出して迷わず打った1点 目、相手の位置を良く見て冷静に決めた2点目、そしてそれらを伏線に相手の裏をかいた3点目、全てのゴールが素晴らしく意図も感じられた。ここ2試合 驚くべきスピードで進化し続けている。でもまだこんなもんじゃないはず。その期待を抱かせるのに充分すぎる出来であった。また攻撃陣ではマルキー ニョスの故障という最悪な事態もあったが、ジェジンの久々の得点は明るい材料であろう。確かにPKを失敗してそのこぼれ球を押し込んだだけの形だが それでも得点は得点。この結果が彼の復調の何よりのアシストになるはず。矢島、マルキーニョスと相次ぐ同僚の負傷で残されたのは彼一人、やっても らわなくては困る。
 ただし、勝ったもののあえて注文をつけるとすれば守備陣である。確かに相手の2トップは抑えたが間に飛び出してくる選手を最後まで掴みきれなかっ た。特に酷い形はセットプレーからの失点となったロスタイムの失点。その前の横浜M戦でもあったが注意すべき選手にフリーで簡単にシュートを許しす ぎている。もちろんDFとGKだけの責任ではないし、チーム全体でセットプレーの守り方などは修正していかなくてはこれからも狙われるであろう。だが、 3失点でも気迫のある闘いをしたのも事実。その気持ちで次にもぶつかって欲しい。

 次はいよいよ磐田。この2試合の連勝も次に勝たなくては全く意味が無くなる。どんな時でも理屈抜きに勝たなくてはならない相手。ここで叩けば今季 は上位が確定する。サポーターもアウェーだけどみんなで乗り込もう、今日優勝の望みをもって日本平に乗り込んできた川崎Fのサポーターは試合前にい っぱいの旗で団結ぶりを見せていた。敵地に乗り込む俺らも彼らのように気持ちを一つに永遠の敵を撃破しよう。



10番降臨。

2006.11.18(SUN)
2006 J-LEAGUE DIVISION-1 31st LEG
vs YOKOHAMA MARINOS
3-2 WIN
at INTERNATIONAL STADIUM YOKOHAMA(YOKOHAMA)


 10番が輝きを放ちチームに6試合ぶりの勝ち点3をもたらした。2点差を追いつかれる嫌な展開をたった一人の力で変えてしまう、初代のような片鱗を 久々に魅せた10番、残り試合でチームを再び引き揚げる契機となる勝ち点3であった。

 今年最後の関東での試合、たくさんのエスパルスサポーターが駆けつけた中で試合は始まった。清水はマルキーニョスを出場停止で欠き、和道が体調 不良で欠場、このピンチに矢島と平岡を起用して試合に臨む。序盤から落ちついてパスを廻す清水が有利に試合を進め、15分には右サイドでボールを繋 いでこれを受けた淳吾がドリブルで中央へ進み、相手のマークが来ないままミドルシュート、横浜MのGK榎本哲也の手を避けるような軌道でこのシュー トがゴールマウスに吸い込まれて清水が先制する。この先制点で流れに乗った清水は23分には右CKのチャンス、キッカーの淳吾がニアサイドに送ったボ ールにジェジンがヘッドで合わせ、GK榎本哲也が弾いたこぼれ球を再びシュート、これも弾かれ惜しいチャンスを逃したが攻守に不安定な横浜Mを相手 に有利に進める。同じ4バックだが、中盤で運動量に勝る清水が横浜Mをプレスで押し込み、横浜Mは後ろからロングボールに頼るだけになる。しかし有 利に進めていた清水も32分には前線で矢島が横浜MのDF松田のスライディングを受けて倒れてしまう。しばらくして戻った矢島がこの後に見事な意地を 見せる。37分、またも右サイドでボールを受けた淳吾が1点目と同じようにドリブルから今度は相手DFの裏へ走る矢島に絶妙のスルーパス、これを受け た矢島がGKとの1対1から強烈なシュートを決めて、ここ5試合奪えなかった2点目を奪う。このまま前半を終了するが、終了直後戻ってくる選手たちの中 で矢島だけがレガースをとり、ゆっくりと歩いていた。
 そして後半、前半終了後の光景の通り、矢島が下がり岡崎が投入される。この交替とハーフタイムで横浜Mが息を吹き返す。積極的に前に出る相手に清 水はズルズルと下がってしまう悪癖が出る。54分には横浜Mが右サイドからMF山瀬功治がクロス、これが平岡とイチの間にいたFW坂田に通り、坂田がDFの チェックを受けながら振り向きざまシュート、これが決まってしまい1点を返される。ここから両サイドを何度も突破されて決定的なピンチを迎えるが西 部のファインセーブで何とか持ち堪える。しかし64分には純平が負傷、しばらく治療するものの復帰は出来ずに康平を投入するが、直後の67分には左CK からファアサイドに送られたボールに横浜MのDF中澤にヘッドで押し込まれて同点に追いつかれる。嫌な流れの試合展開に重苦しい雰囲気、直後の68分に はFW坂田に決定的なヘッドを許すがここで再び西部が素晴らしい反応でこれを弾き出し流れを呼び戻すと73分にはPKエリア外やや左の位置でFKのチャン スを得る。ここでキッカーの淳吾はイチを呼んで壁の前に立たせ、この壁を巻くような低いシュートを放つ、壁の横から出てきたボールがGK榎本哲也の 手前でバウンドしてゴールマウスに吸い込まれ再びリードを奪う。その後は横浜Mの怒涛の攻撃を受けるがGK西部の奮闘で耐え、中盤を厚くしてきた横浜 Mに対して88分には淳吾を下げて森岡を投入して中盤での競り負けないようして残り時間を逃げ切って久々の勝利となった。

 6試合ぶりの勝利の立役者MVPは文句なしで淳吾だろう。自ら持ち込み決めた強烈なミドル、相手の穴をついたスルーパス、そして今年初の直接FKから のゴールと10番らしいプレーでチームを勝利へと導いた。怪我から復帰後、なかなか本来のプレーが見せられていなかったがこれだけやれればもう心配 ないだろう。また、前半で怪我の為に退いたが矢島も見事なゴールだった。とても怪我を背負っていたとは思えないようなゴール、気力で奪ったゴール といえよう。
 ただし、チームの試合の進め方としては後半に相手のプレッシャーに負けてズルズル下がって同点に追いつかれてしまったのはいただけなかった。特 にDF陣はあと一歩厳しく当たるとか相手に詰めるという微妙な差を埋めなくてはならない。正直今日勝ったのはもう一人のヒーロー、西部のおかげとも 言える。2失点というよりは2点に抑えたという表現がピッタリであって、抜群の反射神経で後半は相手の攻撃をことごとく跳ね返していた姿は実に頼も しかった。前節同様、素晴らしい反応を見る限り、淳吾と同様に一時期の不調は完全に脱したようだ。残り3試合も楽な相手じゃないだけに西部の今後の 活躍も期待できるのではないだろうか。もちろん彼の活躍が無いようにチーム全体で守りの面で集中は高めて欲しいが…。

 この日は今年最後の関東での試合という事でサポーターもいつもアウェーに比べれば非常に多かった。アウェー側は以前は2階席も使用できたが今年か らアウェーチームは隔離されたようで横断幕も張れなかったりしてサポーターも苦労したようだがそういう中での勝利は格別だろう。このアウェーに対 する対応も本来はこうあるべきで、器は素晴らしくてもまだ活かしきれていない聖地日本平もホームらしく演出する方法として非常に参考になるのでは ないだろうか。

 久々の勝利で残り3試合に向けて再び上昇の気配を見せている。その3試合のうちホームで2試合あるだけに今度はホームでこの雰囲気を繋げて勝ち続け よう。リーグ戦の後には天皇杯がある。今年元日にアジアへ続く道を絶たれてから1年、その道へ再び進む為には負けられない。



勝ち点3をとるのは簡単な事じゃない。

2006.11.11(SAT)
2006 J-LEAGUE DIVISION-1 30th LEG
vs OMIYA ARDIJA
1-1 DRAW
at NIHONDAIRA STADIUM(SHIMIZU)


 試合前にコールリーダーが話したとおりの結果になってしまった。主審の不安定なジャッジ、相手のアンフェアなプレー、いろいろ不利な要素はあっ たが、原因をそれだけにしているうちはいつまでも勝ち点3はとれないであろう。真に強いチームになる為にはこういう試合でも勝ちきる強さが必要であ って、それを手に入れる為にもがき苦しむ試合がまだまだ続く。

 あいにくの雨模様、非常に寂しい観客の入りのまま試合は始まった。試合の方は清水がボールを支配して繋ぐのだが相手のプレスになかなかゴール前 まで持ち込めない展開。それでも粘り強く組み立てると15分には右サイドから枝村が相手DFの間に入ったマルキーニョスに正確なフィード、これを受け たマルキーニョスが抜け出して大宮GK荒谷と1対1からシュート、しかしこれはわずかにゴールの枠を外れる。決定的なチャンスを逃して重苦しい雰囲気 になるがそれを変えたのはマルキーニョス自身であった。23分、右サイドで久保山が相手選手と接触して縦にこぼれた球を拾ったテルがニアサイドにア ーリークロス、これに大宮DFトニーニョと競り合いながらも一歩前に出たマルキーニョスがダイビングヘッド、これが決まって清水が先制する。しかし 直後にマルキーニョスがラフプレーで警告、これが後々響くことになる。そのファウルからのFKから決定的なピンチになるがこれはGK西部のファインセ ーブに救われる。その後も大宮のプレスに苦しみ攻撃の形が作れないうえに、大宮のセットプレーに何度か危ない場面があり、PKエリア内でPKと思われ る危険なシーンも流してもらうなど東城主審の判定に助けられて何とか1点リードで前半を折り返す。前半終了後にはあまりにも不安定な東城主審に大宮 側の選手が猛抗議していたが、これが後半の行方を決めてしまった。
 そして迎えた後半、序盤から相手のプレスに自陣深くの位置でボールを奪われるなど前半同様不安定な立ち上がりとなる。そして51分には枝村が負傷 の為に急遽岩下が投入される。その岩下が58分にはFKのボールのこぼれ球をキープした途中出場の大宮FW若林を倒してしまい微妙な位置だがPKの判定。 このPKのキッカーは大宮MF小林大悟、GK西部はコースを読み手に当てたものの決められて同点に追いつかれる。そして直後の59分、ロングフィードを受 けたマルキーニョスが振り向きざま大宮DFトニーニョと接触して倒れ笛が鳴る。東城主審の判定はマルキーニョスのシュミレーション、これでこの日2枚 目の警告となり退場になる。
 10人になった清水は62分には久保山を下げて今季リーグ戦初出場となる圭輔を投入する。待ちに待った男の登場でスタジアムは盛り上がるが試合展開 は圧倒的に大宮ペースとなる。数的有利を活かして次々にドリブルで仕掛けてくる相手にズルズル引いてしまう清水の守備、次々にシュートを食らうが ここで西部が踏ん張りを見せた。抜群の反応で次々に襲う大宮のシュートをことごとく弾き返す。清水も74分には淳吾を下げて矢島を投入するが一度傾 いた流れは変えられない。倒されながらもチャンスとなるシーンでも東城主審のヒステリックな笛の音で止められてしまう。スタジアムも敵を大宮では なく東城主審と勘違いしたような状況となり結局試合終了。

 引き揚げる東城主審に激しい罵声がスタジアム中から浴びせられていた。大人しいと思われたメインスタンドの観客からも激しい怒号に東城主審も一 度立ち止るほどであった。そして引き揚げてきた選手達には拍手が送られていた。だが、その光景に違和感を覚えた。確かに主審の不安定なジャッジで 試合は壊されてしまった。だがそんな試合だからこそ勝って見返して欲しかった。数的不利になってからも個々で闘う選手がいたのは分かるがチームと してはここ数試合と同じように相手にプレスに何も出来ないまま。足下ばかりしか繋げずチームに動きを全く感じられないままで状況はかなり深刻であ る。先制点は動きの少ないチームにあって唯一スペースを狙って飛び出したプレーであった。怪我人続出の状況、相手に研究しつくされている事など本 当に今チームが苦しんでいるのは分かるが、じゃあこのまま何も打開できずに終わっていいのだろうか。

 そしてサポーターにしてもそうだ。雨の中とはいえ、順位も上のチームが聖地で観客が10,000人を切ってしまっている現状は寂しい。サポーターとし て出来る声援で盛り上げる事がまだまだ足りてない事も原因のひとつと謙虚に受け止めて闘わなくてはいけない。試合が終わってもいないのに味方を凹 ませる様な罵声や文句を言ってる暇があったら声を出そう。そんな基本的な事も忘れて最後だけかっこつけて罵声を浴びせている人が意外と多い現状に、 一番甘えているのはサポーター自身なのではないだろうか。冒頭に述べたように試合前のコールリーダーの言葉、「勝ち点3をとるのは簡単な事じゃない」 。これを今一度噛み締めよう。目の前の試合、とにかく勝つという気持ちの集まりが今こそ必要だ。